戦姫絶唱シンフォギア~歌姫たちと仮面の強者~   作:ルオン

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や、やっと第1話が完成した。

今回の話では、戒斗が転生し、あの元気な女の子と出会い、あの人の運命を変えちゃいます‼

それでは本編スタートです‼


Song1:歌姫たちと仮面の戦士

「ん…………ここは?」

 

扉をくぐって転生した戒斗は、気がつくとどこかの駐車場にいた。

 

「ここが……新たな世界か。しかし、……ん?」

 

戒斗が辺りを見渡していると、一台のバイクが視界に入った。

そのバイクに見覚えがあり、バイクに近づいていく戒斗。

 

「ローズアタッカー…………」

 

そこにあったバイクは、生前戒斗がよく使用していたロックビークルと呼ばれる物の1つ、〈ローズアタッカー〉であった。

そしてローズアタッカーの上には、黒いアタッシュケースが置いてあった。

戒斗は何の迷いもなく、ケースをあける。

その中身は

 

「戦極ドライバーにバナナとマンゴー、オーズのロックシードか」

 

戒斗が生前使っていた、〈戦極ドライバー〉と〈ロックシード〉が入っていた。

すると戒斗はあることに気づく。

 

「コレは…………二重底になっているのか?」

 

二重底になっていることに気づき、底の部分をよける。

 

「スマホに何かのチケットにサイフ…………」

 

下に入っていたのは、スマホとチケット、サイフであった。

 

「とりあえず、このチケットに書いてある『ツヴァイウィング』とやらの、コンサート会場にでも行ってみるか」

 

戒斗はケースにあった物をポケットにしまっていく。

全てしまい終わると、ケースは粒子となって消えた。それと同時にヘルメットが現れた。

 

「最初から何故置いとかないんだ」

 

そう言いながら戒斗は、ヘルメットを被ってローズアタッカーに乗り、コンサート会場へ向かった。

数分後、戒斗は会場の駐車場に着き、ローズアタッカーを待機状態にしてポケットにしまい、会場の出入口はすでに大勢の人がいて、長い列ができていた。

 

「随分と人気があるみたいだな。ここまでの人数を呼び寄せるとは、結構な実力の持ち主か。さて、俺も並ぶとするか」

 

戒斗は列の最後尾に並び、入場できるのを待つ。

数十分後、ようやく入場できた戒斗。

戒斗は入場すると、とりあえずペンライトを購入し、観客席に移動する。

観客席にはすでに多くの人が座っており、会場は盛り上がっていた。

 

「これほどとはな…………さて、空いてる席は……」

 

空いてる席を探し歩く戒斗。

すると、戒斗は空いてる席を見つけ、隣にいた少女に声をかける。

 

「すまない、隣いいか?」

 

「えっ?あ、どうぞどうぞ‼」

 

少女に許可をもらい、隣に座る戒斗。

 

「恩にきる」

 

「いえいえ、気にしないでください♪こんなにいっぱいだと、なかなか席あいてませんから」

 

「そうか」

 

「あっ‼私、立花響(たちばなひびき)っていいます‼」

 

「戒斗……駆紋戒斗だ。好きに呼んでくれ」

 

「じゃあ戒斗さんで‼あの、戒斗さん、いきなり失礼かもしれないんですけど、戒斗さんも友だちにすっぽかされた感じですか?」

 

「そういうことではないが、立花はすっぽかされたのか?」

 

「すっぽかされたというか……急に友だちが行けなくなってしまって、もったいないから1人で見ることにしたんです」

 

「そうだったか。俺の場合は、知人がチケットを渡してきてな、ためしに見に来てみただけだ」

 

「そうだったんですか。……あれ?」

 

「ん?」

 

戒斗と響が話していると、会場内が暗くなった。

そして、音楽が流れだし、ステージに明かりが点る。

そこから2人の少女が出てきた。

観客席に人々は、一気にテンションが上がり、会場内は熱気に包まれる。

そして2人の少女、天羽奏(あもうかなで)と風鳴翼(かざなりつばさ)が歌い始める。

 

(これがツヴァイウィングとやらの歌…………心にビシバシ伝わってくる)

 

2人の歌に魅了される戒斗。

ふと、戒斗が隣を見ると、響が楽しそうにペンライトを掲げていた。

そんな響を見た戒斗は、口元を緩ませる。

 

(落ち込んでいたわりには、楽しんでいるじゃないか。しかし分からん。何故アルマは、俺をここのチケットを渡した?それになんだ?この、なんとも言えん不安は?)

 

何故アルマが自分にコンサートのチケットを渡したのか、この不安は何なのか、疑問を持つ戒斗。

するといつのまにか歌が終わってしまっており、周りからアンコールのかけ声が会場に鳴り響く。

 

「もっと盛り上がっていくぞー‼」

 

『『『『『オォオオオオオ‼』』』』』

 

会場内は盛り上がり、歌が再び始まろうとしたその時

 

ドガァアアアアアアアン‼

 

「な、なに?」

 

「爆発だと⁉」

 

突然ステージの一部が爆発した。

それからすぐ、上空から正体不明の物体が会場内に降りてきた。

 

「の、ノイズ⁉」

 

「ノイズ……あれがか」

 

人類共通の認定特異災害ノイズが会場内に現れ、次々と

人々を襲っていった。

襲われていた人々は灰となって消えていった。

 

「人が………‼」

 

「くっ‼立花‼お前も逃げろ‼俺は逃げ遅れて奴を避難させる‼」

 

「えっ?か、戒斗さん⁉」

 

戒斗はその場から立ちあがって駆け出す。

すると、1人の男の子が泣きながら立っていた。

そして、その男の子にノイズが迫っていた。

 

「くそっ‼」

 

男の子に向かって駆け出す戒斗。

ノイズが男の子に近づき、男の子に触れようとした瞬間、戒斗が男の子に抱きつき、転がりながらノイズを回避した。

 

「坊主、大丈夫か?」

 

「あ、ありが……ヒグ……とう……ヒグ……お兄ちゃん」

 

「坊や‼」

 

「ママ‼」

 

戒斗に助けられた男の子は、母親の元に駆け寄り母親に抱き締められる。

そして母親は戒斗に顔を向ける。

 

「ありがとうございます‼ありがとうございます‼」

 

「礼はいい‼早く逃げろ‼」

 

「はい‼」

 

母親は戒斗に礼を言って、その場から離れる。

そして戒斗は後ろを振り返った。

そこには、先程までいたノイズはいなくなっており、戒斗ではなく、響に向かっていた。

 

「立花‼逃げろ‼」

 

「あ……いたっ……‼」

 

逃げようとする響だったが、足を痛めて逃げられないでいた。

そしてノイズは段々と響に近づいて行く。

だがその時

 

「はぁあああ‼」

 

『『『ッ⁉』』』

 

奏が聖遺物の欠片からできた鎧型武装〈シンフォギア〉の1つ〈ガングニール〉でノイズを薙ぎ払い、響を守った。

だが今度は、奏を狙ってノイズが攻撃する。

 

「早く逃げろ‼」

 

「くっ‼」

 

響は痛めた足を引摺りながら逃げようとする。

奏はノイズの攻撃を必死に防ぐが、段々と押されていくにつれ、ガングニールに亀裂が入る。

やがて亀裂が入った部分が砕け、後方に飛んでいく。

そして、その砕けた破片が響に突き刺さってしまった。

 

「しまった‼」

 

「立花‼」

 

響の元に駆け寄る奏と戒斗。

 

「立花‼しっかりしろ‼」

 

「おい‼しっかりしろ‼目を開けてくれ‼生きることを、諦めるな‼」

 

すると、奏の必死の呼びかけに答えるかのように、響がうっすらと目を開ける。

 

「…………体の中、全部空っぽにして、おもいっきり歌ってみたかったんだ」

 

奏はそう言いながら立ちあがり、ノイズがいる方をむく。

 

「今日はこんなに聞いてくれる奴等がいるんだ…………あたしも全力で歌うよ」

 

「お前……何をする気だ?」

 

「あんたはその子を連れて逃げてくれ。今からどでかいのをするか「自滅技を使って、奴等を道連れにする気か?」ッ⁉」

 

戒斗に言われた奏は、後ろを振り返り戒斗を見る。

 

「…………なんで」

 

「なんで気づいたのか……か?簡単だ。お前のその目と漂わせている雰囲気が覚悟を決めた戦士のそれだからだ。だが、それは奴等の思うつぼだぞ。確かにこの場はなんとかできるだろうが、この先のことを考えたら、メリットは奴等にしかない」

 

「じゃあどうするんだよ⁉今やらなきゃ、大勢の人が‼」

 

「俺が、奴等を倒す」

 

「えっ?」

 

そう言った戒斗は、響を壁に寄りかかせノイズに向かって歩き出す。

それを遠くで戦いながら見ていた翼は、ノイズを切り払い、奏の元に駆け寄り、戒斗に声をかける。

 

「ち、ちょっとあなた⁉」

 

「お、おいあんた‼普通の人間じゃ奴等には‼」

 

「安心しろ。俺は普通じゃない」

 

「「えっ?」」

 

戒斗の言ってることを理解できない奏と翼。

言った戒斗は、戦極ドライバーを取り出し腰に装着する。

 

「それは……?」

 

「……こういう奴等を倒すために作られた、力の1つだ」

 

《バナナ‼》

 

戒斗はバナナロックシードを取り出し、スイッチを押す。

すると、戒斗の真上に〈クラック〉と呼ばれるゲートが出現し、そこから機械的なバナナが出てくる。

 

「えっ?あれって……」

 

「変身‼」

 

《ロック・オン》

《カモン‼バナナアームズ‼》

《ナイト・オブ・スピアー‼》

 

「ふん‼」

 

「「えぇええええ⁉」」

 

戒斗は戦極ドライバーにロックシードを取り付け、ドライバーについている〈カッティングブレード〉をたおす。

すると、ロックシードのカバーが展開し、戒斗の頭の上に機械的なバナナが覆い被さるのと同時に、戒斗の体にライダースーツが装着される。

そして機械的なバナナが展開され、アーマーとなり、戒斗は〈仮面ライダーバロン〉へと変身した。

それを見ていた奏と翼は、大声を出して驚いた。

戒斗は2人を気にかけることはせず、バナナアームズの専用武器〈バナスピアー〉を構えて、ノイズに向かって駆け出す。

 

「「バナナ⁉バナ、バナナ⁉」」

 

「バナナではない‼バロンだ‼」

 

『『『⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉』』』

 

戒斗は前の世界でも言われた『バナナ⁉バナ、バナナ⁉』を奏と翼に言われる。

戒斗はそれを否定しながらノイズに近づき、バナスピアーで横一閃に薙ぎ払う。

攻撃を受けたノイズは、灰と化して消えた。

 

「この程度か」

 

「そ、そんな⁉」

 

「シンフォギアじゃないのに、ノイズを倒した⁉」

 

戒斗がノイズを倒したことに驚く奏と翼。

一方戒斗は、次々とノイズを蹴散らしていく。

その時、1体のノイズが、戒斗を後ろから襲おうとしていた。

 

「ま、まずい‼」

 

「バロン‼」

 

奏と翼は戒斗に危険を知らせようとした時には、ノイズは戒斗に攻撃を仕掛けていた。

だが

 

『⁉⁉⁉⁉⁉⁉』

 

「後ろから襲う弱者に……俺は負けん‼」

 

戒斗は、ノイズの攻撃が当たる寸前で、バナスピアーをノイズに突き刺し、攻撃を回避した。

 

「す、すげぇ……」

 

「相手を見ずに……攻撃を……」

 

「……………………」

 

戒斗の対応に驚きを隠せない奏と翼。

その戒斗は、無言でノイズがいる方を見る。

 

「まだこんなにもいるか…………ならば」

 

《カモン‼バナナオーレ‼》

 

「ハアァァ…………セイイイイイィ‼」

 

『『『『『⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉』』』』』

 

戒斗はカッティングブレードを2回たおし、音声が鳴ると同時にバナスピアーを真上にあげる。

するとバナスピアーの先端に巨大なバナナ状のエネルギーが生成され、戒斗は横一閃にノイズごと薙ぎ払う。

 

「た、たった一撃で……」

 

「あんなにいたノイズを……」

 

「あとは、あのノイズだけか」

 

またも戒斗に驚く奏と翼。

そして戒斗は、最後の1体となった巨大なノイズの方を向く。

その時

 

『‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼』

 

「ぐっ⁉」

 

「「バロン‼」」

 

巨大なノイズが液体のような物を口から出し、バロンに攻撃する。

モロに喰らった戒斗は、観客席に突っ込む。

心配になり、奏と翼は、戒斗の元に駆け寄る。

 

「バロン‼大丈夫か⁉」

 

「これくらい、なんともない」

 

「良かった……」

 

「まさかここまでの奴がいたのは正直驚いた。だが‼」

 

立ち上がった戒斗は、ノイズに向かって駆け出す。

 

「「バロン⁉」」

 

「俺の方が強い‼」

 

『‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼』

 

ノイズは再び、戒斗を狙って液体を放出する。

しかし、戒斗はその場で空中に跳び、攻撃を回避した。

そして

 

《カモン‼バナナスカッシュ‼》

 

「こいつで終いだぁあああ‼」

 

『⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉』

 

空中に跳んだ戒斗は、カッティングブレードを1回たおし、足にエネルギーを蓄積させて、ノイズに向かって蹴りを喰らわせる。

喰らったノイズは、悲鳴のようなものをあげながら灰となって消えた。

 

「……終わったな」

 

「あんた凄いな‼」

 

「ん?」

 

終わったのを確認した戒斗は変身を解こうとしたが、後ろから奏の声が聞こえたので、解くのをやめた。

 

「まさか、ノイズをあんなあっさりと片づけちまうなんてビックリだよ」

 

「……そうか」

 

「バロン……あなたのその力はいったい何なの?私たちが使っている物とは違うようだし」

 

「………………(コイツらなら話しても問題なさそうだが、コイツらの上がどう動くか分からん。最悪の場合、ドライバーを無理矢理取られ、人体実験されかねん)」

 

戒斗は警戒し、翼の質問に答えるかどうか悩んだ。

その時

 

「な、なんだアレ⁉」

 

「ん?」

 

奏がある方向に指をさす。

その方向を見ると、1つの光る扉があった。

 

「コレは…………」

 

(聞こえるかい?戒斗)

 

(アルマ⁉)

 

(戒斗、今すぐ1人でその扉に入って‼)

 

(何故だ?)

 

(いいから‼早く入って‼)

 

(しかし、コイツらが)

 

(ああ、もう‼いいからさっさと入れ‼このバナナ‼)

 

ブチ

 

アルマの言葉で、戒斗の中の何かが切れた。

 

「なぁバロン、コレって「…………だ……」えっ?」

 

「バロン?」

 

「俺は……バロンだぁあああ‼」

 

「「バロン⁉」」

 

戒斗はバナスピアーを構えて、扉にダイブする。

そして扉は、戒斗が入ったと同時に、消えてしまった。

 

「バロンが……」

 

「……消えた」

 

戒斗と扉が消え、唖然とする奏と翼。

この後、2人の仲間である特異災害対策機動部がきて、響を病院に運び、会場の瓦礫撤去をした。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は戒斗が扉をくぐった後の話となります。

次回も是非読んでください‼

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