百合が見たいだけです(切実)   作:オパール

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※投稿する章を間違えたので、こちら挙げ直しになります

マリアさんと調ちゃんにケツをしばかれたい(挨拶)

この作者いっつも番外投稿してんな


おかしい。こんなことは許されない

―――その日は、どうにもぼんやりとしていた

 

起きた時から妙に頭が冴えない。

朝は珍しくセレナが来ることも無かったので、身支度を終えた後、自分で用意した朝飯食ってもまだ頭の中に靄がかかったように薄ぼんやりとしてる。

風邪か? とも思ったけど、計れば平熱。頭痛を始めにそれを思わせる兆候は無し。詰まるところ、原因不明。

バイトも休み、文字通りすることも無いからゆっくり休むか、なんて考えてたら、狙い済ましたかのようにS.O.N.G.から呼び出しコール。

まぁ意識はハッキリしてるし、大したことでもないだろう。S.O.N.G.に顔出してそのまま出ずっぱりでも良いか、なんて楽観的に考えていた。

 

……それがアカンかったんやろなぁ

 

 

 

・ターゲット第1号:許容範囲

 

「……マリアさん」

「あら、ヒロ。どうしたの?」

「ちょっとお訊きしたいことがありまして」

「そうなの。それで、何を?」

「……」

「……ヒロ?」

「……」

「ちょっと、どこ見て……」

「マリアさん」

「な、なに?」

「ちょいちょい、『言えば胸触るくらい構わない』とか言ってますよね」

「え、ちょっ、今それを言うの!?」

「その『触る』を許す範囲ってどのくらいなんです?」

「ど、どのくらい……?」

「一口に『触る』と言っても色々あると思うんです。軽く手を当てるだけなのか、ガッツリ押し付けるのか。それともそのまま揉むまでありなのか」

「もっ……!?」

「服の上からか、或いは突き抜けて生でもOKなのか」

「ちょ、ちょっと待ってヒロ! 貴方、どうしたの!? 今までそんなこと言わなかったのに!」

「どうしたも何もご好意に甘えてみようと思っただけです。それで、どうなんです? どこまで許せるかはマリアさんの匙加減に任せます。それを踏まえて俺は今ここに宣言します」

「な、なにを……」

 

「マリアさん。俺は今から―――貴女のおっぱいに触ります」

「」

 

「もし仮に、マリアさんが許すと言うのであれば、触るに留まらず好き放題にします」

「好き放題ッ!?」

「ええ。具体的に言うならまず服を」

「ま、待ちなさい! 待ってぇ!」

「はい」

「す、好き放題にって……その、まさか、て、手で触る以外にもじゃあ、ない……わよね?」

「まさか。俺の頭で思い付く限りの全てヤらせてもらいます」

「」

「触ります。揉みます。もうメチャクチャにします」

「や、やだっ、やめて! やめなさいその手つき!」

「何故です」

「ふっ、服! 服の上から少し触るまで! そこから先はまだお預け! そこからは……!」

「そこからは?」

 

「け、結婚するまでダメなんだからァッ!!」

「乙女脳!?」

 

※殴られた上に逃げられた

 

 

 

・ターゲット第2号:コンプレックスくらい抱いて良いじゃない防人だもの

 

「相原」

「はい」

「私は防人だ」

「そうですね」

「と、同時に歌女でもある」

「存じております」

「だから、諸人の前に出ること。そこで歌うことも私の責務だ」

「そうですね」

「だから、恥を晒さぬように普段から気を遣ってもいる」

「間食なり夜食なり控えたり、欠かさずトレーニングしたりですね」

「ああ。だから、剣でもある私の身体に、余分な脂肪など欠片ほども無い。……余分な、脂肪など、無い」

(おっ、自虐か?)

「……相原」

「はい」

「自分で申告するのも烏滸がましいとわかってはいる。壁だの盾だの揶揄する不躾な輩がいようともだ。……私の身体は、均整が取れていると自負している」

「わかってます」

「……奏やマリアはなんでああなんだろう」

「……」

「……」

「……翼さん」

「……笑いたくば笑え。一時の気の迷いだ」

「需要はあります」

「要らぬが一応聞いておこう。どこにだ?」

「……俺とか?」

「……」

「……」

「……」

「……揉んで良いですか?」

「 天 誅 ッ ! ! 」

 

 

 

・ターゲット第3号:サバサバ姉御系が恥じらうのクッソ興奮する

 

「なぁヒロ」

「なんです奏さん?」

「お前、本当に男なんだよな?」

「ええ、もちろん」

「……前から思ってたんだけどさ。あたしらの誰かしらに手ぇ出そうとか考えないのか?」

「前に仕返しで押し倒したら真っ赤になって固まった人が何か言ってる」

「忘れろよ!」

「……んで。手ぇ出すか考えたかどうかでしたっけ? そりゃありますよ。美少女か美女しかいないんですから」

「お、おう」

「ちなみに現在進行形でどうやって奏さんにセクハラしようか考えてます」

「待て、それは流石に唐突が過ぎる」

「何言ってんですか。いつもこっちの都合まったく考慮せずにボディタッチかましてくるくせに」

「ぐぬっ」

「つーわけなんでおっぱい触って良いですよね?」

「……お前、何か今日おかしくないか?」

「そうですか?」

「そんなセクハラ祭な奴じゃなかったろ」

「なるほど、オープンにする欲求を変えただけで幻滅したと」

「いや、違うからな!?」

「じゃあなんです? 俺だって我慢の利かなくなる日もありますって」

「……」

「……」

「……胸」

「はい?」

「触りたいんだろ? ……良いよ。お前なら」

 

「やったぜ」ワシッ

「」

 

「……おぉ」

「……の、ノータイムで、しかもホントに来る、とか……」

「……」

「……」

「……」

「……」プルプル

「……奏さん」

「な、なん、だよ……」

「このまま服の中に手ぇ突っ込んで生で良いですか?」

「駄目に決まってんだろ!? ここ本部の廊下だぞ!」

「露出プレイとか興奮しません?」

「するかァッ!! ……あ」

「?」

「後ろ」

「はい?」

「いや、その…………翼」

「えっ」

 

 

 

壁|〈●〉)

 

 

 

「ヒエッ」

 

 

 

ターゲット第4号:Q.色気より食い気、と言わんばかりの元気溌剌明朗快活っ娘がもにょっている。あなたならどうする?

 

「あ、ありのまま、今起こったことを話すデス! あたしは本部に入ったと思ったら響さんを膝の上に乗せてそのまま後ろから抱き着いてるヒロさんに遭遇していた。何を言ってるかわからねーと思うだろうデスが、あたしも何を見たのかわからなかった。デレ期だとかリバみたいなチャチなものじゃあ断じて無いデス。もっと恐ろしいものの片鱗を……!」

「説明ありがとう切ちゃん。……でも、どういう状況なんだろう、これ」

 

「……」ギュー

「ぁーぅー……きりかちゃーん、しらべちゃーん。たすけてぇー」

 

「……とりあえず言えることは」

「未来さんがこの場にいなくて良かった、てことデス。いたらヒロさん、とっくにミンチデスよ」

 

「ひ、ヒロさぁん……何なんですかこれぇ……」

「……響ちゃん、収まり良いだろうなって前から思ってた」

「へっ?」

「思った通りスッポリだわ。いやー抱き心地最高かよ」

「はわわわっ」

「……」

(う、うぅ……嬉しいけど恥ずかしい、離れたいのにまだこのままでいたい、とか。自分でもわけわかんない……頭がフットーしそうだよぉ……みくぅ、たすけてぇ……)

「……スゥー」

「ひぇっ!?」

「……」クンカクンカ

「ぎゃあああああッ!? におい!? におい嗅がれてるゥゥゥゥゥッ!?」

「」hshs

「やっ、やだ、やだぁ! やめ、やめてくださいヒロさぁん! 絶対へんな匂いとかしてますからぁ……!」

「やだ。めっちゃ良い匂いしてる。もっと感じさせてホラ」

「うぁぁぁ……!」

 

「ど、どうするべきデスか……助けた方が……」

「う、ん……あ」

「デス?」

 

「うぃーっす遅くな……何をやってんだ変態共ォーーーーッ!?」

 

「クリス先輩の熱いドロップキックだよ切ちゃん」

「……とりあえずは一件落着デス?」

 

A.最高だった……

 

 

 

・で。

 

「……というわけでして」

「……まさか、ヒロ君がそんな行動に出るとはな……何かしら異常があると見るべきだろうが……了子君?」

「それが何も無かったのよねぇ。脳波は正常。何かおクスリ入れたとかも無いようだし」

「てことは了子さんが何かしたって線は無し、か」

「奏ちゃん?」

「……それで、今」

 

「何すかこの仕打ち。良いじゃないですか性欲の赴くままに行動したって」

「だからって何でこんなとこでやるんだよこの変態!」

「なんじゃあ! 別にええやろがい!」

「どこ人だお前!」

 

「クリス君が説教中、と。響君やマリア君は?」

「よほどショックだったみたいでさ。部屋に引っ込んでる」

「そうか……仕方ない。俺からも言って聞かせよう」

「お願いします、司令」

 

「……ヒロ君」

「司令。助けてください。俺、別に自分が悪いことしたとは思ってないです」

「本部入りして早々に四人の女性にセクハラ働いておいてか」

「今までさんざっぱら挑発されてきた借りを返しただけです」

「……ふぅ」

「なんです。司令だってあるでしょう、性欲のままに動きたい瞬間」

「は?」

「男なんて格式高く言ってますケド、生物学的に見れば所詮はオスですし。俺も司令も。ネ?」

「君は何を言っているんだ……?」

「男はみんなケダモノってそれ一番言われてるから。こんなパッと見枯れてる司令も裏じゃエロ本読みまくりのAV観まくりよ」

「いや、それよりもだなヒロ君。今日の君は」

「覚えが無いとは言わせませんよ司令」

「……何をだ」

 

「俺、緒川=サン、藤尭さん。そして―――司令の四人で18禁なあれこれ貸し借りしてるの」

「」

 

「……旦那?」

「………」

「緒川さん」

「………」

「藤尭さん……」

「やめてくれ切歌ちゃん。そんな目で見ないで……」

「まぁ三人共、立派な男性だものねぇ」

「……今はその話は関係な……待て。ヒロ君はどこに」

「……あれ。そういえば」

 

「……おいお前ら」

「あ、キャロル」

「今アガートラームの装者があの男に拐われてたが」

 

『『『………』』』

 

「―――捕まえろォ! 大至急だッ!!!」

「やべぇぞ、あたしらはセクハラ止まりだったけどセレナ相手じゃあいつ一線越えかねない!!」

「私は立花を呼ぶ! 暁、月読はマリアを頼む!」

「わかりました!」

「ダッシュで行ってくるデス!」

「クリスはあたしと来てくれ! 数は多い方が良い!」

「えぇ……あたし関係無い……」

「速く!」

 

 

 

「ひ、ヒロ? 急にどうしたの?」

「お持ち帰りする」

「えっ」

「お持ち帰りする」

「き、聞こえてなかったわけじゃなくて! そ、その、それって……」

「言葉通りの意味だけど」

「あ、ぅ……で、でもこんなの、どうして突然」

「嫌か、やっぱり」

「い、嫌とかじゃなくて……」

「セレナ」

「うっ……」

「………」

「や、ヒロ……顔、近い……」

 

(ど、どうしよう……こんなの、急すぎる……)

 

(お持ち帰り、って……やっぱり、そういう意味なの……?)

 

(うわわ、ヒロの家ついちゃった……どうしよう、どうしよう)

 

(ああ、姉さん、ごめんなさい……マム、次に会う時に言わなきゃいけないことが出来ちゃう……)

 

(マリア姉さん、マム……わたし、オトナになっちゃうぅ……!)

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

意識が浮上する。

目の前にセレナがいた。

ついでに言うと腕の中だった。

 

「why?」

 

何故にこうなったかを秒で思い返す。

 

「………」

 

死にたくなった

 

何をヤらかしてんだ、数時間前の俺ェ……!

 

ちなみにセレナに特に異常は無い。服はちゃんと来てるし室内に乱れや妙な匂い等々、一切無い。

 

ヒワイは 一切 無い です

 

 

 

『あう、あの。ヒロ……』

『ん?』

『その、わたし。初めて、だから……その……優しく、して、ね?』

『別に心配しなくていいって』

『ふぁっ』

 

『じゃ。おやすみ』

『……………えっ』

 

 

 

抱き枕にしただけだったようで

 

そうこうしてる内に、目を覚ましたらしいセレナから一言

 

「……何か言うことは?」

「……ごめんなさい」

 

 

 

結局、なんで俺があんな凶行に及んだのかはまるっきりわからんかった。

そう、自分でも理由が思い至らない。

 

S.O.N.G.ではどうやら、童貞拗らせすぎて暴走した、とのことで片付けられたらしい。そんな程度の結論で良いのか

 

とりあえず、迷惑かけた全員に土下座して謝った。特に酷いことしちまった5人には念入りに

 

……しっかし何だったんだろう




というわけで挙げ直しになりましたのは、主人公によるセクハラ祭

本編更新しろksと思ったあなたは言うまでもなく正しい

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