仮面ライダーソング   作:天地優介

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説明回です。
エグゼイド放送短縮させてDBとワンピにぶつけたテレ朝ぜってえ許さねえ!
今作もできるだけ頑張ります。


ようこそ仮面ライダー

「…それで、私はどこに連れて行かれるんですか?」

 

謎の怪人を倒した後、大地香織と名乗った黒服の謎の女性に窓まで黒塗りの車に乗せられ、不安になっている乙音。「仮面ライダー」というらしい姿に変身して、元の姿に戻る方法がわからなかったが、今はちゃんと変身解除しており、元の姿に戻って車に乗っている。

車の運転席は見えない作りになっており、窓も黒く塗りつぶされているため、外の光景は見えないようになっている。そして横にはただ者ではない雰囲気を放つ名前以外素性不明の女性。乙音が不安がるのも無理はないことだったが。

 

「いずれわかるわ。それよりお菓子食べる?」

 

この調子である。この女性、かなり天然なようである。

 

「いえ、いいです。それよりも、さっきの質問に答えてくれませんか?」

「どこに連れて行くかという問いには、目的地に着いた時に答えてあげる。あの怪物がどんな存在かという問いになら、今ここで答えてあげる」

「…それじゃあ、あの怪物について教えてください」

 

乙音が今一番知りたいのは自分がこの後どうなるかについてだったが、あの怪物についてのことも知るべきことである。色々言いたいことをぐっと抑えて、怪物についての情報を乙音は得ようとしていた。

 

「あの時言ったように、あの怪物の名はディソナンスというわ。ただし、個体名ではなく、種族名よ」

「種族名?ということは、あの怪物みたいなのが、いっぱいいるんですか?」

 

思わぬ事実に戦慄する乙音。あの怪物だけでも恐ろしかったのに、あんなものが種族単位でいると聞かされ、驚きを隠せていないようだ。

 

「ええ。……あなた、五年前、新宿で起きた爆発事故を知ってる?」

「はい。確か、一時期はテロリストの仕業とも言われた事故で、多数の死傷者を出したっていう…事故のことですよね?」

「そうよ。あの事故でね…ディソナンスは生まれたの」

「…っ、どういうことですか?」

 

五年前ーー新宿で起きた爆破事故。未だテレビでも取り上げられることの多い、その事故がディソナンスが生まれた原因だという香織の言葉に驚く乙音。そんな乙音を気にせず、香織は続きを話す。

 

「ハートウェーブというエネルギーがあってね。人の心の波動…それを元にしたエネルギーであるこれの研究をしていたの、私も研究チームの一人だったわ」

「ハートウェーブ…そんなエネルギーが?それに、研究チームだったって…」

「まさに夢のようなエネルギーだったわ……でも、あの爆破事故で全てが変わってしまった」

「爆破事故で…?」

「新宿にはね、ハートウェーブを研究するための地下施設があったの。あの時はハートウェーブを利用した発電機の起動実験の最中だったわ……。突然、発電機が爆破したかと思うと、次に目覚めたのは病院のベッドの上だったわ…」

「そんな事が…でも、その話とディソナンスにどういう関係が?」

 

今まで驚いてばかりの乙音だったが、肝心のディソナンスについてはいまいちわからない事ばかりで、思わずディソナンスとの関係性を聞く乙音。そんな乙音に「そう急かさないの」と返した香織は、ついにディソナンスの発生について語る。

 

「発電機の爆発は、あまりに強大なハートウェーブが発生したためだと、当初はそう思われていたわ。でも、違った。強大なハートウェーブによって生まれた怪物が原因だったの」

「それがディソナンス…ですか?」

「ええ、ハートウェーブから生まれた奴らは、ハートウェーブ…人の心から生まれたエネルギーで体を構成している。だから、より強いハートウェーブを求める傾向があるの。発電機の爆発は、ハートウェーブを求めて発電機に対して何らかの手を加えただろうディソナンスが原因ね」

「でも、何でそんな事がわかったんですか?」

「後からディソナンスの存在が確認されたのと、監視カメラの映像からよ。幸い、監視カメラの映像は爆破事故が起きた研究所とは別の所に保存してあったから」

 

香織の口から、思わぬ真実が語られる。あの怪物はハートウェーブというエネルギーから生まれた存在であるというのだ。普通なら信じることなど出来ないだろう真実だが、実際に仮面ライダーとしてディソナンスと戦った乙音としては、信じるしかなかった。

 

ここまで語って、全て話したと言わんばかりに口を閉ざす香織。しかし、乙音にはまだ聞きたい事があった。

 

「……じゃあ、あの、仮面ライダーってどんなーー」

「着いたわよ、降りて。……それについては、後で話してあげる。今は合わせたい人がいるの」

 

だが、タイミング悪く、乙音が質問しようとした瞬間に、目的地に着いてしまったようだ。香織に下車を促され、後で話してくれるならと、渋々香織の言う通りにする乙音。車を降りた乙音の目に飛び込んできたのは、山奥にポツンと建つ、巨大な建造物だった。

 

「……ここが目的地。私たち特務対策局の秘密基地よ。さ、中に入って。局長が待ってるわ」

 

特務対策局というらしい組織の、巨大な「秘密基地」の姿に圧倒される乙音。しかし、香織が乙音を置いてさっさと中に入ろうとするのを見て、慌てて後を追う。

 

歩くスピードの早い香織に着いて行くと、三階まで上がり、局長室と書かれた部屋の前で、香織が立ち止まる。香織にぶつかりそうになって、慌てて止まる乙音。そんな乙音を気にせず「局長、適合者をお連れしました」と言うと、返事も待たずに部屋に入っていく香織。乙音も少し躊躇ったものの、後ろには車の前の座席に乗っていた黒服の男二人がいるので、無意味に頭を下げつつ「お邪魔しま〜す……」と一言言ってから部屋に入る。

 

局長室の中は広いが、装飾品の類は少なく、その代わりと言わんばかりに大きな、人が三人は寝転がれそうな机が置いてあり、その机の奥に一人の男性が立っていた。

この人が局長なのだろうと、あたりをつける乙音。香織が「本山局長、この子が以前お話しした適合者です」と話している所を見るに、その予想は当たっていたようだ。

香織の言葉に、ゆっくりと振り向く本山と呼ばれた男性。その身は香織達と同じく黒いスーツに包まれており、その眉間には深いしわが刻まれている。顔からして、四十代前半といった所だろう。

本山は振り向くと、香織に「ご苦労」と一言かけると、乙音の近くまで歩いてくる。

まるでヤクザに詰め寄られているかのような気分になり、思わず怯える乙音。しかし本山は乙音の側まで寄ると、ずいっと乙音の体を観察し始める。

あまりの事に当惑する乙音。本山はひとしきり乙音の体を観察して、一言。

 

「素晴らしい………」

 

「……………………………へ?」

 

「素晴らしいと言ったのだよ!ああ〜よくこんな素晴らしい子を見つけてくれたね香織君!これならばプロデュースのしがいがあるというもの!」

 

「え、あの、「君が木村乙音君だね!?」は、はい!」

 

「ようこそ仮面ライダー!こんにちはアイドルの卵‼︎私は特務対策局局長にしてアイドル事務所ミライプロの社長!本山猛だ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




早く他のライダーズと怪人出したい……!正直、まだ1話ぐらいだし!
それはそうと早くエグゼイドの挿入歌発売して。

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