仮面ライダーソング   作:天地優介

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新敵幹部登場の巻。今回はがっつり戦闘回です。…日常回?そんなものは俺の管轄外だ。


デス・トレイン運行中

「……そうですか、ビートライダーシステムは、無事…」

 

『ウム、完成したぞい。後はこれを煮詰めて、量産するだけといった所じゃの。まあ改良案ももうすでに出してはおるが…どれもいまいちでのぉ』

 

「今は当面の戦力確保さえ出来れば十分ですよ。しかしよくやってくれました…」

 

特務対策局本部ーー東京スカイツリー跡地に新たに作られたそこの三階、局長室に、特務対策局局長、本山猛の姿があった。今彼はビートライダーシステム完成の報を聞き、ショット博士に連絡を取っているところだ。

 

「…乙音君もそちらに!?……そうですか、そちらでシステムの調整に……はい、わかりました。…乙音君のことを、よろしくお願いしますね」

 

通話を終えて、フーッと一息つく猛。最近ディソナンスの攻撃が以前よりも激しくなってきており、ついに来たる戦争の気配に、彼をはじめとした特務対策局のものは戦々恐々としつつも、激務をこなしていた。もちろん疲れはあるが、それを表に出せる訳でもない。身体を襲う疲労に耐えながら、ライダー達のサポートを行っていた。

 

「……乙音君の所在は掴めた。後は、彼らを呼び寄せるだけだ」

 

猛がそう呟いた時、局長室の扉が開く。

 

「そうだろうと思って、既に準備はしておきました。明日には到着するかと」

 

そう言いながら部屋に入ってきたのは、猛の秘書としてライダー達の活動をサポートしている女性、大地香織だ。以前はライダー達のオペレーターであった彼女だったが、戦いの場が世界に移った事もあり、より多くの面からライダー達を支えるため、猛の秘書として各地を飛び回りつつ、ライダー達の支援を行っていた。

 

「刀奈ちゃんは日本に戻るのは、2週間ぶりでしたね…真司くんは、もう少し時間がかかりそうです」

 

「刀奈君にはディソナンスの被害にあった土地での慰安ライブ、真司君にはドイツでの極秘任務を任せていたが、2人とも、そうか……無事に戻れそうか…」

 

「はい、良かったですね……ところで、ゼブラちゃん達はどこに?探しても見つからなくて……」

 

香織が局長室にやってきたのは刀奈と真司の事もそうだが、ゼブラ達が今どこにいるか探しているためだった。

 

「……ん?彼女達がどうかしたのかい?」

 

「いえ、少し気になる事があったので、話をしておこうかと…まあ、いないならいいです。では……」

 

一礼すると局長室を出て行く香織。彼の兄である大地勝もそうだが、今はビートライダーシステムの量産体制を出来るだけ整えたり、各地に潜むディソナンスの炙り出しで忙しいのだ。ライダー達も世界各地での戦いに疲弊してきており、ビートライダーシステムは数で押し潰される前に数を揃える必要があるからこそ、出来たものであった。

 

「今は、彼女達には十二分に休んでもらわなければ……いつその力が必要になるかわからないからね…さて、仕事再開といくかぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

猛達が激務に勤しむ中、ゼブラとボイスは2人で久々の休日を楽しんでいた。ゼブラもボイスも戸籍上は存在しないため、彼女達は他ライダー達よりも軽いフットワークを活かして活動していた。その為戦いに駆り出される事が多く。このような平和な休日は本当に久しぶりだった。そんな彼女達は今、特務対策局近くのデパートに来ていた。ボイスは適当に過ごすつもりだったが、それではいけないと感じたゼブラがボイスを誘ったのだ。現在は朝9時、2人はデパート内の服飾店で買い物をしていた。ちなみに桜はアイドルとしての仕事で来れなかった。

 

「ボイスさん、次はこれを……わぁ〜!似合いますよ!それ!やっぱりボイスさんには女の子らしい服です!」

 

「う、うるせー……お、オレに、こんな服…!」

 

ぷるぷると恥ずかしさに震えるボイスと、キラキラした瞳でその様子を見つめるゼブラ。デパートに私服を買いに来たはいいものの、男物の正直言って、似合わない服しか買おうとしなかったボイスを見かねて、ゼブラが似合う服を選ぶと言い出したのだ。ちなみにこの時ゼブラに「服を選ぶセンスが無い」とはっきり言われたボイスはかなり落ち込んでいたが、今のゼブラに容赦は無かった。ボイスが口を挟む間も無く次々と服を持ってきては、まるで着せ替え人形のようにボイスに服を着させていく。ボイスが気づいた時には、買い物カゴいっぱいに福が詰め込まれていた。しかもゼブラはもっと買おうとしている。流石に焦り、ゼブラを止めようとするボイス。

 

「ま、待て待てゼブラ。そんなに買ったら金が無くなるだろ?だから……」

 

「大丈夫です!ライダーのお仕事のお陰でお金だけはたんまりたまってますから!だから……逃げられませんよ?」

 

「……か」

 

「か?」

 

「勘弁してくれーー!!」

 

その後ボイスが解放されたのは、12時を少し過ぎた頃だった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……これが、日本か……音成様の生地、どんな場所かと思えば、ただの平和ボケ共ばかりの国…この程度のハートウェーブでは、腹の足しにもならんな…』

 

とある路地裏、そこに、黒いフードを目深に被り、全身を覆い隠した男がひっそりと佇んでいた。

男の背後にはそこら辺のサラリーマンと思しき死骸が転がっているが、そのサラリーマンの死骸には顔が無い。まるで何かに吸われたかのように面の皮が剥がされてしまっており、皮が剥がされた事により露出した筋肉や骨は、ズタズタに捻れてしまっている。

 

『…やはり、人が多く集まる場所……この国で、効率的にハートウェーブを回収できる場所は…』

 

フードの男が駅の方角に目を向ける。現在の日本で最も多くの人間が利用する施設の内の一つである駅に。

 

『いや……まだ早いか…やるのは…』

 

『乗ってから…止められなくなって……からだ』

 

『だが…ライダーが厄介…だな……まずは…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ディソナンスが!?…はい…はい…わかりました。ボイスさん!」

 

「ああ、オレは駅の方に行く。そっちは頼んだぞ!」

 

「はい!無事で!」

 

午後、食事を終えて町中を散策していた2人は、ディソナンス発生の報を受け取り、路地裏で変身。そのままディソナンス発生地点まで走り出した。発生地点は2つ。どちらも離れた場所なので、オペレーターによる遠隔操作でやってきたバイクーーメロディライダーに乗って急行する。

 

「それで、ディソナンスは!?」

 

『駅の近くで反応があったのですが…今は移動中の様です』

 

メロディライダーで町中を駆け抜けるボイス。駅で反応が現れたらしいが、その反応は高速で線路上を移動しているらしい。オペレーターの指示どおりには進むと、駅を過ぎ、線路沿いの道路に入る。ボイスの目の前で電車が走る。

「……!あれは!」

 

その電車の中に、ボイスは見た。黒いフードを被った謎の男が、電車内の乗客達に詰め寄る姿を、その足元に倒れる、顔を剥がされた無残な乗客の姿を。

 

「……ディソナンスは電車の中だ!オペレーター!ちょっと無茶する、細かいのは…任せたあっ!!」

 

『ぼ、ボイスさん!?何を…!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や、やだ…なに、あれ」

 

「う、嘘だろ……?人が、人が…」

 

黒フードの男ーー謎のディソナンスさ路地裏でハートウェーブを吸収した後、駅で電車に乗り、その中で乗客を路地裏の時と同じように殺害。あまりの喧騒に様子を見にきた車掌を脅し、電車を通常通りに走らせていた。今現在は他の乗客を電車の前方に押し込み、自分は悠々と座席に座っている。

 

(……こうやって電車を走らせている中でハートウェーブを放出すれば、ライダー達も気づきはすれど手を出しにくいだろう……ましてや此方には多数の人質。いざという時にはこいつらからハートウェーブを吸収すればいい。フフ……ライダーめ、来るならば早く来る事だな。さもなければ……)

 

黒フードのディソナンスが思考する姿を隙と見たのか、乗客の内の1人、まだ若い男がディソナンスに襲いかかる。背負っていたバッグを武器のようにしてディソナンスに叩きつけようとするが、そのバッグを突き破ってきたディソナンスの手に顔面を掴まれる。

 

『さもなければ、こうなる……さて、その勇気に免じて、少し生き長らえさせてやろう』

 

圧倒的なディソナンスの握力に抗えない若い男は、不意に息苦しさを感じた。その息苦しさはどんどん大きくなり、徐々に顔が青くなっていく。

 

『クク……真綿で首を絞められるように死んでいく感覚はどうだ?自分の息が、徐々に途切れていく……恐怖だろう?だが幸運だったな…本来ならばそこに転がっている男の様に、顔の皮を剥がされてお前は即死していたのだ。それがこうして少しでも長く生存できる…この私の前で、それは幸せな事だと思うがいい』

 

「ゴ……かヒュッ、ひゅ……あ……エ…」

 

若い男の顔面が青く染まり、ディソナンスの手を引き剥がそうとしていたその手は、ダランと垂れ下がる。もはやあまりの恐怖に、乗客達が悲鳴すらあげられなくなった、その時ーー

 

ガガガガガガガガガガガガガガ!!!

 

『!?』

 

細かいが大きい破裂音が鳴り響き、ディソナンスにエネルギー弾が襲いかかる。慌てて男を放して銃撃から逃れようとするディソナンスだったが、それは既に読まれていた。

 

『……馬鹿な』

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

メロディライダーごと走る電車に突っ込んできたボイスが、銃撃によって脆くなった電車の壁に突っ込んで、車内に侵入する。メロディライダーに乗ったままの状態でだ。仮面ライダーの強靭な肉体と、メロディライダーの耐久力があってこそ通る無茶であり、この考えを実行できる様にメロディライダーを遠隔操作したオペレーターの手腕も見事である。

 

「ギリギリ避けられたか!」

 

『ぐっ……』

 

ボイスはメロディライダーでディソナンスを押しつぶし、そこに銃撃で追い討ちをかけるつもりだったが、メロディライダーによる攻撃を避けられたのならば仕方ないと、2丁拳銃『リベリオン』による銃撃でディソナンスの動きを押さえ込みにかかる。

 

「そこのお前!早く後ろに!他の乗客達ももっと退がれ!」

 

「ぜっ…ぜっ…は、はい!」

 

「み、みんな、運転室の方に!」

 

他の乗客達をさらに奥へと逃したボイスは、メロディライダーから降りると、ディソナンスに銃撃を加えながら近づく。ディソナンスをできるだけ乗客から引き離すための行動だが、ディソナンスがボイスに手の平を向けた瞬間、ボイスの体に衝撃が走る。

 

「ぐっ……!?」

 

衝撃で止まった瞬間、次の衝撃が襲ってくる。嵐の様に襲いくる衝撃の中、ボイスはディソナンスの手に、穴が空いているのを見た。その穴は指先と手の平の合計6つ。今は片手だけしか見えないが、もう一方の手にも同じように6つの穴が空いていた。

 

「……ぐっ…穴!?…そういう…ことか!」

 

見えない衝撃の種に気づいたボイスは、リベリオンを消して、ガードを固めてディソナンスに近づく。ガードで守られているのは上半身だけで下半身はガラ空き。当然、ディソナンスはボイスの足を狙う。ボイスの足に衝撃が走り、崩れ落ちそうになるがーーこれこそが、ボイスの狙いだった。

 

(今だ……!)

 

足に銃撃を食らったボイスは、崩れ落ちそうになったその瞬間、その手にメガホン銃を出現させる。ボイスの下半身の方に注意を逸らされていたディソナンスはそれに気づくが、反応が遅い。態勢を崩しながらの銃撃をボイスに向けていた方、左腕にくらう。すかさず右手をボイスに向けるが、そちらは片方だけ出現させたリベリオンによる早撃ちで撃ち抜かれる。一時的とはいえディソナンスが怯んだこの瞬間を逃さず、ボイスは武器をメガホン銃から2丁のリベリオンに持ち替え、ディソナンスに一気に近づく。

 

「空気を圧縮して、見えない弾を撃ち込むって仕掛けだったんだろうが…ちょっとばかし、威力が足りなかったなぁ!?」

 

『……やはり、その程度はものともしないか…!』

 

「その程度で、止められると思うなよ!」

 

ディソナンスの両腕を2丁拳銃で封じ込めつつ、蹴りを食らわしていくボイス。右手をこちらに向けようとすれば右の拳銃で撃ち抜き、左手を後ろの乗客に向ければ左腕で抑える。両手でこちらの頭を掴もうとしてくれば、銃撃を両腕に撃ち込み、ガラ空きになった頭に頭突きを食らわせる。

 

『グ……ググ…』

 

「おおおおおおらあああああっ!!」

 

ディソナンスが怯んだ隙に回し蹴りを放つボイス。強烈な蹴りをくらい吹っ飛ぶディソナンスの姿を見て、乗客達から歓声が上がる。しかし、ボイスは手応えを感じていなかった。

 

(あのやろー、ワザと吹っ飛んだな?チッ…距離が開いちまった…)

 

ボイスの予想通り、直ぐに起き上がるディソナンス。しかし、ディソナンスに行動を許すボイスでもない。空気弾も対処は可能と、走り出そうとしてーー視界が、赤色に塗り潰される。そして、次の瞬間、今度はボイスが吹き飛んでいた。

 

「がっ……!?」

 

『……なかなかやるな、ライダー……ならば敬意を表して、名乗ってやろう。我が名はフィン、音成様によって直接創造された7体のディソナンス……七大愛(セブンラブ)が一体、「五指の弾丸(ファイブシューター)」フィンだ』

 

呻き声を上げながら立ち上がったボイスを、再び赤いエネルギー弾が襲う。あまりのスピードで飛来するそれを避ける術もなく、ボイスは膝をつく。先程から連射されているエネルギー弾は、そのどれもがボイスの渾身の一撃と同等の威力だった。

 

『あの空気弾で打ち止めと思ったか?まさか、自分の渾身の一撃と同じ威力の弾を、連射できる敵などいないと思っていたか?残念だが、これでもこの電車を壊さないように手加減しているのだよ。ほんの30パーセント程か…さっきのは』

 

「ハ……七大愛だかなんだか知らねえが、そんなダサい名前の奴に…『黙るがいい』……がっ…!?」

 

『君の命は私の手の中にある…それを忘れない事だ』

 

膝をつきながらも、折れずに悪態をつくボイス。しかし、それがフィンの怒りに触れたのか、目にも止まらないスピードで近づいてきたフィンに、ボイスは首を締め上げられる。

 

『このまま窒息させてやろうか…?』

 

「……かは…あ……」

 

(まず、い……くそ、オペレーター…に…)

 

オペレーターに、秘密回線で通信を行うボイス。ライダー達の共通機能ではあるが、使用する機会は少ない。オペレーターに状況を簡潔に説明すると、ある頼み事を行う。今にも窒息してしまいそうな状況で、あくまで冷静に物事をこなすボイス。しかし、フィンはあまり焦らないボイスに苛立ったのか、不意に首を締めていない方の手で、ボイスの顔面を掴もうとする。

 

『……まずは、この仮面を砕いてやろう…』

 

ゆっくりと、威圧感を伴ってボイスに迫るフィンの手。しかし、ボイスにとってこれは千載一遇のチャンスだった。

 

(さっそくチャンスが来やがった…!まだだ、もう少し引き付けろ…!)

 

『ククク……』

 

フィンの手を見つめたまま動かないボイスに、怯えていると思ったフィンはほくそ笑みながら、ゆっくりと手を顔に近づけていく。そして、手がボイスの仮面に触れるか触れないかというところまで来た時ーー

 

「……っ、今だあっ!!」

 

『なに…!?』

 

ボイスがフィンに向かって蹴りを放つと同時に、オペレーターに合図を叫ぶ。咄嗟にボイスの蹴りを掴むフィンだったが、両腕が塞がった事によりボイスの至近距離からの銃撃に対応できず、もろに食らったところをボイスに蹴りを放たれる。

 

『ぐっ……!?』

 

ボイスを逃すまいとするフィンだったが、フィンの体を踏み台に空中に逃げたボイスと入れ替わりに、オペレーターの遠隔操作でメロディライダーがフィンに向かって突っ込む。フィンもこれには堪らず、メロディライダーに車両の後部まで押されていく。

 

『グウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!?』

 

メロディライダーの車輪に足を巻き込まれながら押し込まれていくフィンを見据え、ボイスはメガホン銃を構える。地面に着地して膝立ちになり、エネルギーをチャージ、必殺技の準備をする。

 

『voltage climax!!!』

 

『グウアッ!?』

 

「…喰らいやがれっ!!」

 

そして、後部の運転席にまで到達し、フィンの体が壁に激突したところで、ボイスは必殺技を発動する。

 

『rider ultimate Canon!!!』

 

「うおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」

 

咆哮と共に放たれた弾丸はメロディライダーごとフィンを貫きーー後部車両を吹き飛ばす大爆発が起こる。

 

「きゃあああああああああっ!?」

 

「ゆ、揺れる…!」

 

「おおわあああああああ!?」

 

激しく車両が揺れるが、それでも脱線はしなかった。爆破自体がそこまで大きくはなかったからだろう。

 

「だいぶ、無茶したが……やったか…」

 

線路に転がる、車両の残骸を見ながらそう呟くボイス。とりあえず事の解決を伝える為に車掌に話をつけようと振り返った、その時。

 

ズギュン!!

 

「……あ?」

 

空気を切り裂く男共に、鋭い痛みがボイスの背に走る。そして次の瞬間、ボイスは自らが血を吹き出しているのを、赤く染まり行く目で知覚した。

 

「……くそ」

 

立っていられず、倒れふすボイス。薄れ行く意識の中で最後に思った事は、他のディソナンス討伐に向かったゼブラの安否だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『手こずらせて、くれる……』

 

後部車両の爆発に巻き込まれたフィンだったが、黒フードが焼け焦げた以外は、体に大きな損傷は見当たらなかった。その体はフード無しでも全身黒ずくめの細身であり、顔には仮面を被っている。しかし、その仮面にはヒビが入っていた。

 

『私の仮面に、ヒビを……貴様』

 

フィンのエネルギー弾を喰らい、倒れふすボイスの頭を掴むと、乗客に見せつけるようにして掲げる、そしてボイスの仮面を掴み、思い切り力を込める。するとボイスの仮面に、フィンの仮面と同じようにヒビが入っていく。

 

『貴様の仮面を壊し、その上で顔面を捻り取ってやろう……!』

 

凄惨な光景を見せ付けられようとしている乗客達は、不死身の怪物の存在と、血を吐きぐったりとするヒーローの無惨な姿に、もはや声も出ない。

 

『フフフ……ハハ……クハッ、ハハハハハハハハハハハハ!!!』

 

車両内に、怪物の笑い声がこだまする。上空を飛ぶヘリの音すらもかき消すその声は、人々に絶望を植え付ける………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あれか、後部車両の吹っ飛んだ電車」

 

「間に合えば、いいのだが…!」





作業の手間とネタの関係で、第2部以降は挿入歌演出は控えめでいきます。第1部ではほぼ1話ごとに挿入歌の歌詞書いてたんですよ!勘弁してつかあさい!

あ、劇中での電車に関してですが、特務対策局がディソナンスの存在を感知した時点で運行は停止させています。なので爆破で被害は出てません。特務対策局からもお金は出るので。

さて、ボイスちゃんの運命は……?

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