仮面ライダーソング   作:天地優介

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やっと書けました…お待たせしました、ソング第2部のスタートです。

駄文ですが、新作であるナイト×ナイトの方もよろしくお願いします。


disc2・仮面の奥で
Ride the Soul


太平洋ーーそこにポツン、と大きな船があった。

 

多数の乗客を乗せた、豪華客船ーー穏やかな波に揺られながら、青白い月の光の下で、賑やかな声が船内に響く。

その声を聞きながら、船長室で、この船の船長と副長が、ワインを飲み交わしていた。

 

「……波は穏やか。いやぁ、今回も快適な旅になりそうですね、船長」

 

「そうだな…ディソナンスの事が公になってから3年……1年は世界中で争いが絶えなかったが、今はこうして船旅を楽しむ事もできる。それもこれも、彼女達のおかげだな」

 

日本、東京タワーでのディソナンスとの決戦から、すでに3年の月日が経過していた。

その3年間の間、天城音成による侵略は起きていなかったが、東京タワーでの決戦から生き延びたディソナンス達による侵略が、世界各地で発生、仮面ライダー達はその対処に追われていた。

1年間はディソナンス達による侵略も途絶えることなく、この機に便乗した国々による戦争も起こってしまったが、ライダー達の懸命な活動によって、どちらも収束。今は、こうして悠々と船旅ができるほど平和になったーーーーはずだった。

 

ゴオオオオオオオン

 

分厚い金属を思い切り叩いたような音が響いた後、船体が激しく揺れ、船内各所の警報機が一斉に作動し始める。混乱しつつも状況を素早く把握しようとする船長と副船長は操舵室へと向かう。

 

「なんだ!?何が起きた!」

 

「せ、船底に穴が!それに、こ、この反応……ディソナンスです!」

 

「なんだと!?」

 

操舵室に到着した船長達は、さっそく船員に状況を伝えるよう指示する。船底に何か当たったかと思っていた船長だったが、船員の報告に、自分の予想が最悪の形で当たっている事を悟った。

 

「総員、戦闘準備!乗客を一人でも多く逃す!」

 

その手にメガホン型の銃を携えた船員達は、船長の指示のもと、船内の乗客達の避難誘導を開始する。

しかし、それを当然邪魔しようと動くものもいた、ディソナンスだ。

タコのような触手を背中から生やしたそのディソナンスは乗客達を見つけると、その命を刈り取るべく走り出す。

 

「今だ、撃て!」

 

「よし、隔壁を下ろせ!持ちこたえられるはずだ!」

 

しかし、それを許す船員達ではない。メガホン型の銃でハートウェーブを撃ち出し、隔壁で通路を遮断する事で、タコ型のディソナンスを仕留める事は出来ないまでも、足止めする事に成功していた。

 

「皆さん落ち着いて!係員の誘導に従ってください!」

 

広い後部甲板へと乗客達を誘導した船員達は、乗客から先に緊急用の避難ボートに乗せようとする。しかし、ディソナンス達はそれを許さなかった。

 

「このボートに……待て、何か海の様子が……うわぁっ!?」

 

『ギャオオオオオオオオオオン!!!』

 

海の様子がおかしい事に気付いた船員が甲板から身を乗り出すと、その瞬間、海から巨大なディソナンスが現れた。タコの様な触手を大量に伸ばすそのディソナンスは、尻餅をついた船員の姿をみると触手を伸ばしてその船員の体を絡め取った。

 

「は、離せ…!うわぁぁぁぁぁぁ!」

 

「くっ…撃て!あの馬鹿でかい顔に撃ち込んでやれ!」

 

船員達による一斉射撃にも怯まず、次々と乗客や船員達を触手に絡め取る巨大ディソナンス。なんとか囚われた人々を助けようとする船員達だったが、通常のディソナンス相手ならば足止めにはなるメガホン銃も、巨大ディソナンスの前には豆鉄砲でしかなかった。

圧倒的な戦力差にもめげずに巨大ディソナンスに銃撃を続ける船員達だったが、不意に巨大ディソナンスが、その大口を開いた。

 

「な、何をするつもりだ…まさか!」

 

巨大ディソナンスの意図を察知した船長は、船員達に口内に集中放火しろと指示を出す。船員達の狙いは的確だったが、巨大ディソナンスの動きは止まらず、捕らえていた人々を食べようと触手を動かす。

 

「うわ、うわぁぁぁぁぁぁっ!助けてくれぇぇぇぇ!」

 

「嫌だ、まだ死にたくない!」

 

「ひっ……あっ……」

 

「うう…くそ!撃て撃て!」

 

囚われた人々の悲鳴で気力を削がれながらも、懸命に射撃を続ける船員達だったが、流石に鬱陶しくなったのか、巨大ディソナンスの触手の一振りで、全員吹き飛ばされる。

 

「あぐっ!うっ……」

 

さらに、今までタコ型ディソナンスの侵攻を防いでいた隔壁にもヒビが入り、今にも破られようとしていた。

 

「わ、我々には…無理だ……こんな、化け物…」

 

完全に詰みに入った状況に、船員や乗客達の心が折れかけた、その時ーー歌が鳴り響く。

 

 

「諦めないでっ!」

 

《伝説すら、塗り替えるような》

 

《光、衝撃を今ここに》

 

 

ーー天から、一筋の光が巨大ディソナンスめがけて降り注ぎ、その触手の一部を、纏めて切断した。

 

「うわっ…!」

 

「きゃあっ!?」

 

《熱き、心、生きてる証》

 

触手が切り離された事により、触手に囚われていた人々は船の甲板へと落ちるが、触手がクッションとなり、怪我したものは1人もいなかった。

突如天から降ってきた光、甲板の人々がその光が降ってきた方向を見上げると、そこには3つの光が煌めいていた。

 

「星か……?」

 

空を見上げ、誰かが思わず、そう呟く。そして、その誰かの声に応えるようにーー

 

 

「いいやーー」

 

《一人、一人のその胸の中》

 

「これは……」

 

《今だ!》

 

「歌だあっ!!!」

 

《この》

 

《世界に》

 

《 《 《歌、歌エ!!!》 》 》

 

 

天から音が降り注ぎ、その音の激しさが増すと共に、3つの光が降りて来る。光の眩しさに目を細める人々だったが、その光が収まった時、人々は希望を目にした。

 

「仮面…ライダー!!!」

 

「来てくれたのね!!!」

 

「随分と、待たせました…」

 

「あなた達は、私たちが保護します。迎えのボートも来てますから、安心してくださいねっ」

 

「さてーー久々に大暴れの時間だっっ!!」

 

 

仮面ライダーソング、ボイス、ダンス。三者の戦いが、歌と共に、今始まる!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《切札、胸の中にあるものさ》

 

「僕は、こいつを叩きます!」

 

「私は海の中のやつらね!」

 

「こっちは船内の雑魚どもの掃除かっ!」

 

《それを、解き放ち戦おう》

 

まずライダー達がとった行動は、乗員の安全確保だった。船内のディソナンスの侵攻をある程度は抑えられていたことから、巨大ディソナンスを倒し、ソングの能力で見つけた、海中に潜むディソナンスを掃討する事で、一応は外部からの船の破壊を防ぎ、態勢を整える事ができるだろう。しかしーー

 

《誰かを守るその為になら》

 

「ちっ!隔壁がもう持たねぇ!」

 

《鬼となって》

 

「こちらも攻めあぐねてます!触手が厄介で…!」

 

《天すらも破壊し、戦おうーー》

 

「こっちはスムーズに倒せてるけど、取りこぼしがあるかも!」

 

ーー船内のタコ型ディソナンスを封じ込めていた隔壁が、あと1分と持たないところまできており、巨大ディソナンスもその触手を巧みに操り、ソングの攻撃を防いでいた。

 

《時の流れの中、進み行くたびに》

 

「まずいーー!隔壁が破られた!》

 

《未来への想い感じ取ってゆく》

 

「……!ダンスさん!」

 

「っ!うん!」

 

《明けない夜なんてないッ!!!》

 

ソングが巨大ディソナンスを仕留めきれないうちに、甲板へと繋がる通路の隔壁が、船内部のディソナンス達によって破られてしまう。しかし、これを黙って見過ごす彼女達ではない。ダンスの持つ新兵器、『ストームブレイカー」1を用いて足止めを行っているうちに、巨大ディソナンスをボイスと共に仕留める作戦にうつる。

 

《太陽、昇る、後に》

 

「いっけええええええっ!!ストームブレイカー!!!」

 

《絶望破壊する!》

 

「触手は気にするなっ!お前は顔面を狙えっ!!」

 

「わかりました!うおおおおおおおっ!!」

 

《 《 《希望生まれるーー》 》 》

 

ダンスの新兵器、ストームブレイカーとは簡単に言えば小規模な竜巻発生装置である。ダンスの武器である『ダンシングポール』の先にストームブレイカーをセットし、コマのように放つのだ。そして竜巻を纏ったコマは、ディソナンス達を容赦なく切り裂いて行く。

《 《 《人の心、星の光を》 》 》

 

『『グウオオオオオオオオオオッ!!!』』

 

「流石の威力ね、これは!」

 

《 《 《全て束ねて歌に変えて》 》 》

 

「ボイスさんっ!アレやります!」

 

《 《 《歌を歌い、力に変える》 》 》

 

「よおおおしっ!いっ、けえええええっ!!」

 

『rider ultimate cannon!!!』

 

ソングの合図で、ボイスが必殺技である特大のエネルギー弾を放つ。それは巨大ディソナンスめがけてではなく、ソングの方へと向かっていく。一見見当違いの方向に撃ったように見えるが、これで良いのだ。

 

《歌が!無限の力に変わる》

 

『voltage Max!!!!!』

 

「うおおおおおおおおおおっ!」

 

《叫べ!》

 

《この》

 

《世界に》

 

「いけええええええええっ!!」

 

『rider double shoot!!!』

 

《 《 《歌、歌エ!!!》 》 》

 

ボイスの必殺技を、ソングが必殺技で巨大ディソナンスめがけて撃ち出す。更に威力を増したエネルギー弾は巨大ディソナンスの触手防御も物ともせず、その全て焼き尽くす勢いのまま、巨大ディソナンスの顔面に直撃する。

 

『ギャオオオオオオオオオン……!!』

 

「よし!まずは一体!」

 

「次は船内の…!っ!空か!」

 

巨大ディソナンスを船から引き剥がしたソングとボイスは、船内のディソナンスを掃討するべくダンスの救援に向かおうとするが、空中から攻めてきたディソナンス達を見てその足を止める。しかも、海中の敵が攻撃しているのか、船よ揺れが激しくなってきていた。

 

「どうします!?あの数!」

 

《相棒、そう呼べる友がいれば》

 

「仕方ねえっ!オレがあいつらを撃ち落とす!お前はダンスの代わりに船内の敵!ダンスには海中の敵を頼むって伝えてくれ!」

 

「わかりましたっ!」

 

《怖いものなんて何一つない》

 

「さて…!新兵器のお披露目だっ!」

 

ボイスはその手に持っていたメガホン銃を消すと、その両手に新たな武器を出現させた。ナノマシンで構成されたそれは二丁拳銃。連射力と近接戦闘能力の両立を目指したボイスが、自身に必要な武器と判断して使い方をマスターした武器だ。名を『リベリオン』という。

 

《誰かを守りたいって欲望さらけ出し》

 

「テメェらみてぇな羽虫!全部撃ち落としてやるぜっ!」

 

《この宇宙すらも》

 

「ダンスさんっ!スイッチですっ!海の方を!」

 

「わかった!!頼んだわよ!」

 

《ブッとぶ程の》

 

「一気に蹴散らす…!」

 

《衝撃ーー!!!》

 

ダンスに代わり、船内のディソナンスを相手取る事になったソングは、四方から襲いくるディソナンスの攻撃を巧みにかわし、的確に槍でダメージを加えていく。一方、海中の敵を倒すダンスは、ストームブレイカーの出す竜巻の上に乗り、海へと飛び降り、海上を進んでいく。

 

《たとえ人でなくなったとしても》

 

「さて……ぶっ飛ばすわよっ!」

 

『rider super storm!!!』

 

《たとえこの体が朽ち果てても》

 

『ギャルオオオオオオッ!?』

 

「行きなさい、竜巻達!海中のディソナンスを打ち上げ!後は……」

 

《極みにある心なら!!》

 

「オレの出番だあああああああッ!!!」

 

『rider full burst!!!』

 

ダンスが必殺技で竜巻を発生させ、その竜巻で空中へと打ち上がったディソナンス達を、ボイスが必殺技で残る飛行型ディソナンスもろとも消滅させて行く。空中を爆炎が覆い、その熱気が甲板にまで届く。

 

《永遠、すらも、超えて》

 

「熱い…!なんてパワー!なんて弾幕…!」

 

「これがライダーの力なのね…!」

 

《運命乗りこなし》

 

《 《 《死をも超えるーー!》 》 》

 

ボイスが空中の敵を一掃した時、船内のディソナンス達と戦っていたソングは、奥から次々と上がってきたディソナンス数十体の群れが途切れたのを見て、一気に勝負に出た。

 

《 《 《究極の救済、それをも為して》 》 》

 

「ここで、決める…!」

 

《 《 《この想いすら創造する》 》 》

 

『voltage Max!!!』

 

『rider double spear!!!』

 

《 《 《我ら、いつも心は一つ》 》 》

 

「更に!!!」

 

『rider double shoot!!!』

 

必殺技を発動したソングは更に必殺技を発動。強大なエネルギーを纏った槍を、強大なエネルギーでもって、ディソナンスの群れへ蹴り飛ばす。

 

「ううおおおおおおおおおりゃあああああああああああっ!!!」

 

《奇跡!成すのはそう心だと》

 

『グウッ!?グウオオオオオオオオオオッ!!!』

 

《吠えろ!!!》

 

《この》

 

《世界に》

 

《 《 《歌、歌エ!!!》 》 》

 

絶大なエネルギーの奔流に飲み込まれたディソナンス達は一気に消滅する。ディソナンス達全てを討伐し、ほっとソングが一息をついた瞬間、船が激しく揺れる。

 

「な、何が…!?」

 

「ソング!大変よ。あの巨大ディソナンス…生きてたのね。船の進路に先回りして、巨岩をぶつけて船を沈没させようとしてるわ!」

 

「何ですって!?」

 

「急ぐぞ!グダグダしてると、岩をぶつけられちまう!」

 

ソング達が後部甲板から前方の甲板に移動し、そこで見たものは、今にも岩を船に向かって投げつけんとする巨大ディソナンスの姿だった。

 

「ボイスさん。ダンスさん。アレ、やりましょう」

 

《例えこの身体が膝をつこうとも》

 

「おう、わかった!」

 

《この牙を悪に突き立てよう》

 

「やるのね…準備はいい!?」

 

《剣支えに立ち上がるっ!!》

 

「ええ、行きましょう!」

 

《嵐、かき消す程の》

 

《声を強く張り上げ!!!》

 

『voltage climax!!!!』

 

《歌を歌うーー》

 

3人がレコードライバーに手をかけ、同時に必殺技を発動する。ダンスが竜巻風を集め、竜巻をソングに纏わせ、ボイスがその竜巻にエネルギーを加えて、赤い竜巻…赤いエネルギーの奔流へと変える。そして、巨大ディソナンスが巨岩を投げつけてきたその時ーーそれは、放たれた。

 

《人の心、星の願いも》

 

「「「いけええええええええっ!!!!」」」

 

《我らの絆もそう共に》

 

『rider cyclone kick!!!!!』

 

《未来彼方、至高を超えて》

 

船へと迫り来る巨岩に、赤い竜巻を纏ったソングの蹴りが炸裂する。その蹴りは巨岩を塵にして、巨大ディソナンスを今度こそ仕留めんと突き進む。

 

《伝説!超えて我ら強くなる!!》

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」

 

《我ら!!》

 

《この》

 

《世界に》

 

《歌、歌ウ!!!》

 

『ギャルグウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』

 

巨大ディソナンスの守りも全て突破したソング達の必殺の合体技は、巨大ディソナンスを今度こそ消滅させた。

こうして、ライダー達は多くの生命と、一隻の船を救ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや〜今回はなかなか疲れたわね。まさか豪華客船にディソナンスが出現するなんて……海上でのストームブレイカーの試験中ですぐに駆けつけられてよかったわ」

 

「自衛隊の皆さんにも感謝しないといけませんね。ヘリを出してくれなければ、被害が出てしまっていたと思います」

 

「奇跡的に被害者ゼロだったか…ま、あれだけ必死になって助けたんだ。当然だな」

 

帰りの船の中、船内の個室で、変身を解いたライダー達が話し合っていた。いわゆる反省会というやつである。

 

「しかし、コードネーム…というか、ライダーネームで呼びあえーー!なんて、めんどくさいわねぇ…」

 

「仕方ないですよ。一般にバレたら、無用な混乱が起きるでしょうし…」

 

「そうだな…その点、戸籍上じゃ死人扱いのオレは気楽なもんだが」

 

「そういえば…ボイスさん、喉大丈夫ですか?」

 

「ん?あー大丈夫だよ。この3年間の間に定期的に手術を重ねてきたが、最近はもう違和感もねえや」

 

ボイスはもともと幼少期に巻き込まれた火災の影響で、喋ると喉に大きく負担がかかってしまっていたが、3年間治療を続けることにより、今は普通の会話もこなせるようになっていた。

 

「……そういやゼブラ、乙音とはまだ連絡つかねえのか?」

 

「…はい。高校の卒業式に海外…アメリカかエジプトの方へ行ったらしいんですが、足取りは掴めてないみたいで……」

 

「そうか…あいつも、何やってんだか」

 

「きっと、ディソナンスでも倒してるんじゃない?」

 

次に話題に上ったのは、現在行方不明になっている乙音のことだった。高校卒業と同時に旅に出た彼女は、各地で噂を残しつつも特務対策局の情報網にも全く引っかかっていなかった。

心配する3人だったが、結局は無事だろうという結論に落ち着き、すぐに次の話題に移る。次の話題は、激化するディソナンスの攻撃の事だった。

 

「…やっぱり、天城音成が活動を……」

 

「ああ、あの宣戦布告から、もう3年だ……もし奴の言う通りだとすれば、もうすぐ、世界中にディソナンス達が出現するかもな」

 

「……そんな事、させないようにしましょう!頑張りましょう!」

 

「そうだな…まあ心配するな。オレ達ならやれるさ」

 

「彼女がいない隙は、わたし達で埋めないとね」

 

こんな話を続けながら、時間をつぶす3人。しかし、話を続けながらも、ゼブラは何か妙な違和感を感じていた。

 

(……あのディソナンス達…自分の意思というものが、まるで無かったような…下級ですら、自分の意思はあるのに……もしかして、あのディソナンス達は…)

 

「ゼブラちゃん?どうしたの?」

 

「あっ!いえ、なんでもないですよ」

 

(…多分気のせいだろう。そんな悪魔の所業、あの天城音成だって……)

 

悪い予感を感じながらも、ゼブラはその不安を塗りつぶすように、桜、ボイスと話し続けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フ、フフ…完成間近…もうすぐだ……」

 

「僕の、最高傑作達…!7大愛(セブンスラブ)……!」

 

「最強のディソナンス達よ…もうすぐ…もうすぐお前達が目覚める。その時、僕の望みが叶う時が来る…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、おお…ついに、ついに成し遂げたぞ!」

 

「博士!ショット博士!ついに成し遂げたのですね!」

 

「うむ、これこそが、奴ら…ディソナンスに対抗するための、新たな力…」

 

「ビートライダーシステム!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あ、流れ星…綺麗だなぁ…」

 

「みんな、どうしてるのかな?私も、そろそろ日本に戻ろうかな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界各地で不穏の種が芽吹き、それと同時に希望の花もその蕾を開こうとしている。

仮面ライダー達の、新たな戦いが始まる…。

 

 

 

仮面ライダーソング、第2部・仮面の奥で

 

 

今、戦いの時ーー!





さて、新ライダーの詳細も詰めなければ……

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