メタルなスライムがダンジョンに居るのは間違っているだろうか 作:Deena
白髪の少年を助けた日から数日(だよな?)が経った。
最近変わった事といえば、白髪の少年と遭遇した場合に逃げられなくなった事だろうか。
再会して最初は身構えられたが此方が何もしない事がわかるとまず礼を言われた。
俺は少年の心に本能が惹かれているからこその行動だったが、ここまで喜んで貰えるのは悪い気はしない。
少年からは色々な事を聞けた、この洞窟はダンジョンと呼ばれている事やダンジョンはバベルという塔の下にあること、上にはオラリオという迷宮都市があること等、俺が此処に居る限り関係無いが興味深い事を教えて貰った。
因みに近くには少年のパーティの少女も居る(警戒を解かれるのに時間が掛かった)
あ、少年の名前は[ベル]で少女の名前は[リリルカ]らしい。
うん、マジでベルと話す(と言っても俺はピキィしか言えないが)の楽しい。
ダンジョン探索の帰りに少し話す程度だがやっぱり楽しい、多分他の人じゃこうはならないかなぁ?
現在は九層(俺のベストプレイスは五層にあるらしい)にてうろついている。
適当に冒険者をすっ飛ばしながらうろついていると、それなりに広い場所があった。
そう、ここなら少し全力(メラミ位は連発出来るかな?)を出しても良いかな位の広場が。
「ピキィ!(此処を新たなベストプレイスとする!)」
フッフッフ、訓練に使えそうだ…
ある日九層をうろついていると、いつかの猪男がいた。
「ピキ?(何してるんだ?)」
あれは…檻?中にはいつだったかベルをピンチにさせた牛頭の怪物がいる。
思えばあの猪男だけ何だよな、俺に傷を付けられる可能性があるのって、じゃあアイツには近寄らない方が良いんだけど…
あんな檻を運びながら此処に居られると暇な俺は悪戯したくなるじゃないか!
良し決めた、開幕メラを檻に放ってぶっ壊してからアイツに体当たり、そしたら適当にギラを使って逃げよう。
アイツびっくりしそうだなぁ。
此方メタルスライム!目標を捕捉!いつでも攻撃可能です!
了解した!では此方のタイミングで決行せよ!
…一人芝居寂しいなぁ。
まあいいや、決行!
「ピキィ!(喰らいやがれ!メラ!)」
「む!?」
メラは一直線に檻に当たった、そのまま流れを利用し体当たりをぶちかました。
「ピッピキィ!(悪戯成功!檻は壊れた)」
「メタル?何故檻を…」
「ピキィ!(休んでいる暇は無いぜ?体当たりだ!)」
もう一度体当たりをぶちかますと流石に対応してきた、流石俺を唯一たった一人で倒せる男、だが牛頭の怪物を見なくて良いのかな?
俺が牛頭に目を向けると猪男も牛頭に目を向けた。
「…っち!これが目的か!」
牛頭はそう簡単に追い付けない程に遠くに逃げ出していた、さてずらかりますか。
「ピキィッ!(ギラ!)」
俺がギラを発動させると3m程もある火柱が猪男の周りを囲む。
「ピキィ!(あばよ!猪男!)」
さて、此処ら辺なら安全かな?アイツも追って来てないし。
いやあ良い暇潰しだったな!あの顔は傑作だった。
さて、アイツに会わない様にうろつきま…
ん?あの後ろ姿は…牛頭か、色々な怪物に会ったけど皆俺が敵対しない限りは襲って来ないんだよな、ちょっと様子を、見ますか。
「ピキィ(大丈夫だったか?って言葉通じないと思うけど)」
「ブモォ?モォ!モモォ!(ん?あ!あんたは!さっきは助かった!ありがとうな!)」
…え?通じた?
「ピキィ!(それで俺は初めて会った人間をすっ飛ばした訳さ!)」
「ブモォ!(すげぇ!尊敬するぜ!あんた!)」
何故か通じる言葉、話が通じる相手に会ったのは初めてなので、互いに話が盛り上がってしまった、もしかしたら知恵を持つモンスター同士だから通じるのかもしれないな。
「ピキィ(俺はメタルスライム、お前は何て言うんだ?)」
「ブモォ(俺はミノタウロスって人間に呼ばれてるぜ、あんたはメタルスライムか…メタルで良いか?)」
「ピキィ!(ああ!良いぞ!俺もミノって呼ぶからな!)」
こうして俺はミノタウロスと友達になった。
思いっきりはっちゃけたメタルスライム
ピキィとブモォが繰りなすハーモニー
因みにオッタルさんは檻が無いのに原作通りに
イシュタル・ファミリアに襲撃されました
因みに7月中に完結する予定です