メタルなスライムがダンジョンに居るのは間違っているだろうか 作:Deena
今世初めての激戦から幾つかの日にちが経った。
あの猪男とはあれから遭遇はしていない(遭遇したら逃げの一手を選択するが)
何度かあの白髪少年を見つけたので陰から見守っていた時、白髪少年が下の階層に移動したので、それを切っ掛けに俺も下に活動範囲を広げてみた。
活動範囲が広がったら少し強い冒険者に遭遇するのなんのと(まあ、殆ど体当たりで沈んだけど)
そして今、多分これから先強い冒険者が自分を討伐しに来るかもなと俺は考えている。
流石のメタルスライムスペックでも四方八方人間の壁に囲まれたら今まで人間は殺していなかったのに初めて殺す事になってしまうだろう(メタル的には人間を殺して良いのはメタルキングからという固定観念があるから殺りたくない)
だから自分の手札を全て確認しておきたいのだが、此処は現実、コマンド何て見れないし、他にメタルスライムが使える呪文や特技は知らない。
だが思い出して欲しい、ドラクエには[つよさをみる]事が出来ることを。
だけどメニューが無い、ドウスレバイインダ。
そう言えば遠い記憶にラノベ知識なる物も有った事を思い出した(転生したという知識はここから)
そう、ラノベにありがちな強さの確認方法は…
「ピキィ(ステータスオープン)」
メタルスライム
HP 50
MP 500
攻撃力 270
守備力 2850
素早さ 1200
攻撃魔力 800
回復魔力 500
運の良さ 100
《呪文》
メラ、メラミ、メラゾーマ、メラガイアー、メラマータ
ギラ、べギラマ、ベギラゴン、ギラグレイド、ギラマータ
ベホイマ、リベホイマ
《特技》
精神統一、力溜め、逃げる、煽る
ああうん、確認は出来た、だけど…
何だ!?このステータスは!?何なの!?マータ系まで覚えてるって!?しかもベホイマにリベホイマ!?精神統一で無限MP回復!?チートもいい加減にしろ!俺の体!
まあ、これでリベホイマ掛けて精神統一をする無限リレーが出来るから死ぬ心配は無いか。
白髪少年を見つけた、今日は一人じゃないみたい、何か自分より大きい荷物背負ってる小さい少女といた。
活動範囲を広げてからはあまり会わなくなったからなぁ、元気だろうか?
所で急いでいるのだろうか?襲われない限りは怪物を相手にしてないな、どんどん下に降りてってる。
「ピキィ(もちろん付いて行こう)」
あれだな、今少年は正にオークみたいな怪物と戦っている。
あの少女に渡された武器のおかげで特に危ない場面は無い。
さて、あの少女は…ん?何か地面に置いてる?
!!?このニオイハ!?肉!?
少女は何と足下に肉を置いていた、そう肉だ。
モンスターの大好物は肉、置いてあるのも肉、旨そうな匂いが漂っている。
「…ピキィ(この匂いだけで白飯十杯はいけそう)」
…おっと!思考の海に浸かってた、さて、白髪少年は…
あれ?何かオークに囲まれてる、少女は何か遠くに居るし。
って少年はピンチじゃないか!!?よし、助けよう!
「くっ!?リリ!?」
リリがモンスターを引き寄せるトラップアイテムを使ってオークを僕の方に引き付けてから去ってしまった、もしかしたらリリの事を狙っている冒険者にリリが襲われるかもしれない!
「くそっ!早くリリの所に行かないと!」
少なくとも十数体は居る、此処は一点突破で駆け抜けるしかない!
僕が武器を構えた瞬間、オークの一体が吹き飛んだ。
「何!?新手!?」
僕の目の前に小さい影が飛び込んで来た…
良し、タイミングバッチリだ!少年の前にしっかり出る事が出来た。
「メ、[メタル]?」
さっき少女の方を見ていたから多分少女の方に行きたいのだろう。
「ピッキィ!!(吹き飛べ!メラ!)」
メラがオークの一体に当たった、するとそのオークを中心にして数体を巻き添えにし爆炎が広がる、炎が消えた所にはオーク達が床に炭になって散らばっていた。
「ピキィ!(少年!道は開けたぞ!)」
少年の方を見て俺は叫ぶ。
「…!ありがとう!」
少年は走り去っていった。
「ピキィ…(さあ、ショータイムだ)」
魔力を空中に集中させ、大きな火球をイメージする。
「ピキィ!(一網打尽だ!メラマータ!)」
空中にある魔力が全て大きな火球になる、そして呪文を発動させると…
一つ一つがメラゾーマの威力を持つ火の玉が十球程放たれた。
はあ、スッキリした!オークがメラマータによって全て消し炭になった後、俺はいつもの階層に戻り始めていた。
「ピキ(そう言えばあの少年は少女に会えただろうか?)」
モシャスでも有れば人間とコンタクトを取れるのになあ…残念。
さ~て、明日は何があるかなっと!
UAが一万以上…お気に入り件数350越え…
評価がオレンジ…
期待されているけど自分のやりたい様にやりますよ?