俺の前世がうちはマダラなのは間違っていて欲しい   作:首ったけ

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やっとアニメ1話分が終わる...

そして夏休みがついに始まる...あぁ夏休み


第6話

「答えろユリス!」

 

近くから聞こえる怒声、だがそれは俺にとってただの面倒な事でしかないの夜吹に帰るように言ってみるが...

 

「まぁまぁいいじゃねぇか、ちょっと見てこようぜ」

 

そう言いながら俺の制服の襟を掴みほぼ無理やりに近くの茂みに連れて行く。そこからは現場がよく見えており夜吹は慣れた手つきでスクリーンを操作、目にかぶせるようなスクリーンが展開されそれを現場に向ける。俺はそれを横目で静かに観察、あれが最先端技術というものか。男としてはそんな感じの操作に少なからず浪漫を感じる、後で教えてもらお。

 

「なぜ新参者なんかと決闘をしやがった!」

 

現場に目を向けるとそこには4人の人影があった。

 

「応える義務はないな。何度言われようと、私はもうお前と決闘はしない」

 

「なんだと!」

 

ベンチに座り休んでいるユリスを正面に、強面で怒声を発したと思われる巨漢の男とその男の両端になぜか胸を張っているふくよかな男とエノキタケみたいなヒョロイ男がいた。正直俺の私見では周りの取り巻きはあの強面の男にとっては足手まといな気がするが...

 

「うっひょ〜、とくダネじゃねぇか!」

 

夜吹はそう言いながらもスクリーンを操作する。

 

「私は貴様を3度退けた、これ以上は何度やっても無駄だ」

 

ユリスは強面の男に対して冷たくそう言う、どうやら人を寄せつけないのは確定らしい。

 

「貴様ぁ!」

 

どうやら強面の男は怒りっぽい性格らしい、俺ならビビるような怒声を言い放っている。にしてもあの男、かなり鍛えていると見える、平均能力でこのアスタリスクについての生徒達、その中でも路地裏の奴らの次に期待が持てる人物かもしれない。

 

「夜吹、あいつは?」

 

俺は強面の男への興味本位で名前を聞いた。

 

「レスター・マクフェイル、うちの序列9位の冒頭の十二人(ページワン)だ」

 

「ん?冒頭の十二人(ページワン)ってなんだ?」

 

また聞き慣れない単語が出てきた、国語は得意だがこうもバンバンと新単語が出てくると疲れる。

 

「アスタリスクの各学院にはランキング制度があってな。そのランキング制度をネームドカルツと言うんだが、その中でも上位12人の事を冒頭の十二人(ページワン)と言うのさ」

 

なるほど、競争を自発的に推進する制度のように思えるが...魔女や魔術師が上位を独占する事は容易に予想ができるのであまり参考にしないほうがいいだろう、それより今はレスターと呼ばれる強面の男だ。

 

「あのレスターって奴、相当強いな」

 

「あぁそうなんだが、レスターはお姫様ととても相性が悪くてな、3回戦って一度も勝っていない」

 

夜吹はそう言いまた別のスクリーンを動かし俺にその戦闘映像を見せる。どうやら斧が武器らしい、そりゃ遠距離から中距離に対応できる相手とは相性が悪いのは明確だ。なのに戦いを挑むとは...レスター・マクフェイル、どうやら予想以上の強さを持ってるのか?それともただの無鉄砲なのか?

俺がそう推測していると突然レスターが斧を取り出しユリスの目の前に振り下ろす、路地裏であった奴らとは質がダントツで低いが手になじむ武器がないのか?まあそう言う事は後にしておこう、ユリスはその斧が当たらない事をわかっているようで避けない、やはり3回戦っているため間合いはすでに読まれているようだ。

 

「いいから俺と戦えって言ってんだよ!」

 

よほどユリスが噂の新参者と戦った事が気にくわないらしい、すでにレスターは怒りに似た信念のままに動いてるように感じた。周りがガヤガヤ言ってるが気にしない。

 

「調子にのるなよ!俺様の実力はこんなもんじゃねぇ!」

 

うわぁ、初めて見たよ自分のこと俺様っていう奴、自身の塊みたいなアイツ(マダラ)でも自分の事を俺とか言ってたのに、なんかここに来てから驚きがたくさんだ。

 

「ならばまず、それを証明することだ。私以外の相手でな」

 

ユリスは涼しい顔をしながらハンカチを取り出し服についた汚れを払っている。そしてその場を立ち去ろうとしたその時

 

「まちやがれ!」

 

レスターはそう言いながらユリスの手を掴む、よくそう平然と女性に触れるなレスター、もう思春期はとっくに過ぎたってか?ほんと尊敬します。レスターがつかんだユリスの手、その手から先ほど取り出したハンカチが地面へと落ちる。そこからユリスの空気が変わった、レスターはそれに気づいていないようで言葉を続ける。

 

「道楽でやっているお姫様なんかに、負けたままじゃいられねぇんだよ!」

 

だがその瞬間、レスターがユリスを掴んでいた手に星辰力が集まり炎を放った。どうやらレスターは知らないうちにユリスの逆鱗に触れたようだ。ユリスはそのまま落ちたハンカチを静かに拾う。

 

「道楽...だと?」

 

俺は確かにそう聞こえた、だがレスターはうまく聞き取れなかったようだ。ハンカチを拾ったユリスの周りからは星辰力が溢れるように出現する、その星辰力の流れに乗るようにユリスの髪がひらりと浮かぶ、そしてその星辰力は炎へと変わっていき。

 

「ならばお前は!何のために戦うのだ!

 

そうユリスの怒声とともにレスターに降り注ぐ。

 

「私には為すべきことがある!その為に星武祭(フェスタ)を制し、望むものを手に入れる!」

 

ユリスの声が強みを増していく。

 

「こんなところで、立ち止まっている暇などないのだ!」

 

その怒声は俺が朝体験したものとは違い、何かの信念によって発せられたものだった。

俺はユリスの姿を見て納得する。

 

(炎を纏いし、華焔の魔女。なるほどな、確かに華焔の魔女(グリューエンローゼ)だな)

 

俺がある程度納得しその場をそそくさと離れようとしたその時、

 

「うわっ、やっべ!そろそろ締め切りの時間だ」

 

夜吹がスクリーンで何かを確認しながらそう言うと同時に突然体を起こす、もちろん俺は驚きそのままバランスを崩し後ろへ倒れる。あとはお皆様の御察しの通りだ。

 

「誰だ!」

 

茂みの揺れる音でレスターが反応しこちらに視線を向ける。なんだろう、もう神様が俺を嫌ってるようにしか思えない、まさか前世のアイツ(マダラ)があんなロクでもないことしでかしたからそのツケが回ってきてるとかないよな?もしもそうならシャレにならねぇぞそれ。

 

「い、いやぁ〜...どうもこんにちは」

 

俺は倒れながらもそう挨拶をする、流石の登場に驚いているのか皆さん安定の無反応だ。だがこれはチャンスだ、この空気のまま八幡はクールにここを去るとしよう。

 

「それじゃあお取り込み中のようなので俺はここで、さよなら〜」

 

俺がそう言いながらその場から撤退しようとしたその時。

 

「あ!こいつ例の転校生ですよ!」

 

エノキタケが余計なことを言う、それと同時にレスターの視線が俺に刺さる。あぁもうやだこの流れ。

 

「なんだと!」

 

ほらやっぱりレスター君が反応しちゃったよ。どんどんこっちに来るよ、ここはもう腹を決めよう、こんな奴アイツ(マダラ)の体験から見た赤い気の龍を纏ったあの男に比べれば怖くない、コワクナイ。

ここはジャパニーズ作法といこう。

 

「どうも、私、比企谷八幡です。よろしく」

 

俺はそう言いながら手を差し出す。ここまできたら意地でも穏便に済ませてやる。

 

「あぁん?テメェ何ふざけたこと言ってやがる」

 

まぁそうなるよね、まぁここは少し脅しも混ぜて丸め込むか。

 

「あんたは多少礼儀がある奴だと見てるんだが、俺を失望させるなよ?」

 

俺はレスターにしか聞こえない声でそう言った。これでどうだ、こいつの本質が俺の見た通りならこれでうまく返してくるはず。

 

「けっ、わかったよ。レスター・マクフェイルだ、よろしく」

 

そう言い握手を交わす、やはり相当鍛えている、この様子ならまだ伸びようもある。

 

「おぉいいねいいね、このショットいいね」

 

そう言いながらチャラ男型リア充生命体こと夜吹が現れスクリーンでそのシーンを写す。

 

「ちょっと何撮ってるんですか!」

 

「レスター!これ以上はマズイよ」

 

取られるとマズイのかなんだか知らんがふくよかな奴とエノキタケが矢吹とレスターの間に立つ。

 

「俺は諦めねぇぞ!必ず俺の実力を認めさせてやる!」

 

レスターはそうユリスに言うと斧をしまい、取り巻きを連れて去って行った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「今朝の決闘といい、なんの真似だ比企谷八幡」

 

いやなんの真似とかそう言うの関係なくてその両方とも今そこでスクリーから撮影してるチャラ男型リア充生命体の所為なんだが...

 

「おい夜吹、お前何してくれてんの?」

 

すると夜吹はスクリーンをしまい相変わらずへらへらと笑っている。もう殴りたいコイツ。

 

「いやぁ〜お前面白いな、お前と関わってると特ダネが生まれる気がしてさ」

 

「テメェを明日の朝刊に乗せてやろうか?」

 

もちろん犯罪がらみの加害者で。

 

「それにしても先ほどのレスター相手にあの対応とは、貴様何者だ?」

 

「ただのボッチだよ。俺レベルにまでなれるとあれほどでも耐え凌げるんだぜ、最近のボッチはスゲェだろ」

 

俺はそう説明するがユリスはしかめっ面で

 

「そのふざけた態度がいつまで続くか実物だな、ここはお前が思ってるほど甘い場所ではないのだからな」

 

俺もそう願ってるよ、ある意味ここが最後の砦だしな。ん?そう言えばユリスって人を寄せつけないんだもよな...それってまさか。

 

「ユリス?お前ってボッチ?」

 

俺がそう発言すると同時にユリスはポカンとした顔を浮かべ夜吹は壮大に笑いを吹き出す。

 

「ぼ、ぼ、ぼ、ボッチな訳あるか!私は好きで1人でいるだけであって決してボッチでは...」

 

どうやら俺の言葉の真意に気づいたようで必死に弁解するユリス。

 

「別に恥なくてもいいんだユリス、ボッチは決して恥ずべきことではない、逆に誇ってもいいもんだ」

 

「やめろ!悟ったような顔でこっちを見るな!」

 

慌てながらも必死なユリス、なんか可愛く見えてきた。

 

「んじゃ友達はいるのか?この学園に?」

 

俺が意地悪半分にそう聞いた。するとユリスは

 

「...い...ない」

 

小さな声でそう言ったユリス、ここまでくるとさらに意地悪したくなってしまう。

 

「ん?なんだ?すまないうまく聞き取れなかった」

 

「いないと言っているだろうが!」

 

大きな声でそう叫ぶユリス。

 

「よしよく言ったユリス!ともにボッチを極めようではないか」

 

俺がそう言うとユリスは必死に「私はボッチではない」と連呼しながら何やらに考えている、おそらく現実逃避か何かしらの言い訳だろう。

 

「そうだ!今はまだ見定めているだけなのだ!」

 

突然何やら言い始めたよ

 

「えぇっとユリスさん?見定めているとは?」

 

俺が言葉を返すとユリスは何度も納得したように頷きながら答える。

 

「星武祭にともに参加する私のパートナーにふさわしい者を見定めている途中なのだ、だからまだ私はぼっちなどではない!言うなればボッチ予備軍だ!」

 

大声でそう宣言するユリス、そしてすぐに静寂が辺りに広がる。ユリスは冷静になるとそっと頭を手で覆い顔を真っ赤にしていた。これには流石の俺もかわいそうに感じ。

 

「まぁ...なんだ、俺が出来ることあったら力貸すからよ、脱ボッチしような?」

 

「.......うん」

 

こうしてユリスは脱ボッチに向けて走り出したのだった(完)

 

「えぇっと...もう質問オーケー?」

 

静寂の空気を破るかのように奴がそう言った。すると俺とユリスは同時に自然と言葉を放つ。

 

「「なんだチャラ男型リア充、まだいたのか」」

 

俺とユリスはそう同時に言う、やはりボッチ同士通じる何かがあるのだろう。

 

「あれ?俺ってもしかして周りからそう見られてるの?」

 

夜吹はそう言いながらも一つ間をおいてユリスに質問をする。

 

「もし星武祭でペアを組むとしたらどんなパートナーをご希望で?最初の星武祭、鳳凰星武祭(フェニックス)はタッグ戦だぜ」

 

夜吹がそう言うとユリスは考えながらも答える。それもそうだ、タッグ戦とはつまりツーペア、ボッチにとってはかなりの難所である。

 

「あまり贅沢は言わんが、まぁ最低でも冒頭の十二人(ページワン)程度の戦闘力を持ち、頭の回転が早く、強い意志と高潔な精神を秘めた騎士のごときものだな」

 

どこのラノベの主人公だよそれ、というか主人公でもそんな奴そうそういないぞ。というか生まれてこのかたそんな奴見たことねぇ。これには夜吹も

 

「それはまた...」

 

と苦笑いを浮かべながら呟くことしかできなかった。そしてそこに何かしらの音を鳴らしながらまたあのスクリーンが現れる、

 

「あっ!やっべ忘れてた。んじゃあ俺はこれで」

 

そう言い夜吹はこの場を後にする、だが俺はその行動を止めるために動く、まだ寮の場所も教えられてないし何よりユリスと2人きりでいられる自信がない。

ボッチ+ボッチ=究極の混沌(カオス)、それだけは回避しなければ...

 

「おい夜吹!俺まだ寮がどこにあるか知らな...ってあいつどこ行きやがった」

 

俺が夜吹を止めようと振り向いた瞬間、そこには既に奴の姿はなかった。チッ、逃げ足が速い奴め。

 

「ふっははは。まったく、今朝あんなめにあったのだから、案内図を見るなりすればよかろう。」

 

俺がそう苦い顔をしていると隣でユリスが笑っていた。俺としては笑い事ではないのだが...ん?いいこと思いついた。

 

「ユリス、教室での話あっただろう、要請があれば一度だけ助けになるってやつ」

 

「ん?ああ、あれがどうした?」

 

「男子寮の場所を教えてくれないか?俺からの要請だ、教えてくれるだけでいい、あとは自分で向かう」

 

するとユリスは驚いた顔をし。

 

「それだけなのか?本当にそんな小さいことなのか?」

 

「本当にこれだけだ、俺としても女に借しを作るってこと自体が好きじゃない。逆にこれ以外助けて欲しい事なんて思いつかないし思いつく予定も必要もない。んでどうだ?助けてくれるのか?」

 

するとユリスは少し考えながら言った。

 

「わかった。その要請に従い助けてやる。ただ1つ条件だ、私が直接案内する、そうでなければ私の気が収まらん」

 

「あぁ...別にいいですけど...」

 

俺は渋々それを了承した、その後俺はユリスについていく形で無事男子寮にたどり着けた。やはりユリスは今でも一目置かれる存在のようで男子たちが少し騒いだがもう反応することもめんどくさい。というか眠い、疲れた。だが男子寮で夜吹がカメラを構えながら待ってたのは流石にムカついたので寝る前に関節技をかけておいた。スッキリした。

 

こうして俺の忙しいアスタリスクの始まりの1日は終わりを告げる、今のところ全然手応えはないが果たして俺が探しているのはここにあるだろうか?まぁそんなことは後でゆっくりと考えよう。今最も俺にとって大切なのは....

 

 

 

 

 

 

アスタリスクに点在するMAXコーヒーの入手状況を覚えることだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ボッチの雑談を入れた結果ユリスが星武祭に出る理由を飛ばしてしまった...どうしよう


感想や何かあったらどうぞご指摘がください。




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