俺の前世がうちはマダラなのは間違っていて欲しい   作:首ったけ

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第5話

自己紹介。それは学園での生活を行うのには避けては通れない道だ、長年ボッチをしている俺にとってはもはや試練というべきものでありその試練の中でも指折りの難所だ。まずはボッチには慣れることがない大量の視線、そして自己紹介に集まる期待、何より重要なのは切り上げるタイミングだ、これをミスればかなり辛い空気と痛い視線が俺に降りかかることになる。これらをなんとかしなければ...

 

「まぁ、そういうわけでこいつが特待転入生の比企谷八幡だ...適当に仲良くしろよ」

 

俺はできるだけ苦笑い君の笑みを浮かべながらも「よろしく」と言った。よかった、噛まずに言えた。第一段階はクリアだな。というか先程担任って説明された先生が釘バット持ってるんですけど、外見でわかりやすい分平塚先生よりはマシだろうがなんか普通がわからなくなってきた。

 

「さて席は...」

 

俺は目で追うように空いている席を探す、見つけた!ボッチにとっての楽園(エデン)、窓際の空席!

 

「ちょうどいい、火遊び相手の隣が空いてるな」

 

ちょっと先生!色々と突っ込みたいところがあるがまずはそこの席の隣も空いてるでしょうが!というか火遊び相手って俺が一方的に物理的な方で遊ばれただけなんだが...

 

「誰が火遊び相手ですか!」

 

珍しく敬語を使うユリス、クローディアの言う通り真面目ちゃんらしい。ていうかなに赤面してんの、そこは冷たく「あ、そういうのいいんで」みたいなこと言えばいいのに、本当に真面目ちゃんだな。

 

「お前以外に誰がいるんだ、朝っぱらから派手にやりやがって」

 

俺は派手にやられたんですが...というかこのひと口が素直なだけで平塚先生とどっこいどっこいだよ。俺はそう思いながらも指定された席に移動する。あぁ視線が痛い。俺が指定された席はユリスの隣、俺が願っていた窓際の空席の隣だった。クソッタレ、ボッチにとっての楽園(エデン)である隅っこが目の前にあるというのに...

 

「まさか同じクラスだったとは」

 

俺は席に座りながらそう言った。

 

「まったくだ」

 

ユリスもそう言った。

 

「笑えない冗談だ」

 

(笑えない冗談だ)

 

ユリスの言葉に合わせるように俺はそう心の中で言った。こうして俺の波乱の学園生活が始まった。というか波乱が起きすぎだろ、これならまだむこうの方がまだマシな気がする...アレ?なんか俺って思えば運というか神様に見放されてない?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

窓の外に夕焼けが光る、気づけばとっくに夕方だ。すでに生徒のほとんどは教室に残って雑談や帰宅しており俺も帰宅しようとした時、隣にいるユリスから声がかかってきた。ユリスは俺と同じように帰宅の準備をしていた、だが驚いた事に絶賛リア充していると思われていたユリスは今日俺が観察しただけでも生徒のほとんどが話しかけてくるどころか近づいてくる気配すらない、数人声をかけようとした奴はいたが行動には移れなかった。え?なんでわかるって?ボッチの人間観察能力舐めんなよ。まぁその孤高の少女ことユリスが声をかけてきたんだが。

 

「ひゃっ、ひゃい...なんでしょう」

 

安定の噛みである、もう色々と諦めた。

 

「そ、その、今朝助けてくれたことは感謝する」

 

どうやらあの襲撃についてのことらしい、普通なら少し嬉しいものだがなんかとてつもないデジャウがあるので正直いい予感がしない。

 

「あれは、まぁ目の前で人が撃たれるってのはいい気分じゃないしな。それであの事だけど、もう怒ってない?」

 

俺は恐る恐る聞く

 

「まぁ怒ってないわけでもないが...助けてくれたのは確かだしな」

 

どうやらもう俺が襲撃者の協力者っていう誤解は解けたようだ。

 

「今度の事は借しにしてくれていい」

 

「借し?」

 

「そうだ、要請があれば一度だけ力を貸そう」

 

どうやらあの事をユリスは彼女なりに俺に恩義を感じているようだ、流石真面目ちゃん。こう出るとは少し予想はしていた、だが俺はその恩義を少し裏切るとしよう。

 

「ならこっちも1つ借しだ、俺ができる事なら依頼として手伝ってやる」

 

するとユリスは驚きながらも不機嫌そうに

 

「なんの真似だ?そんな事をして貴様に利益はないだろう」

 

どうやら俺が何故そんな事をしたのかわからないらしい。まぁ普通なら理解できない事だろう、だが俺もこれに思う事があるだけだ。

 

「勘違いするなよ、俺も借りを作られるのが癪に触るだけだ。今のところはな」

 

それを聞くとユリスは変わらず厳しい顔をしたまま「勝手にしろ、だがそれ以外で馴れ合うつもりはない」教室から出て行った。

 

(こちらとしてもそれが1番望ましいけどな)

 

 

 

「へへへ、振られたな。まっ、相手があのユリスじゃ仕方ないか」

 

ユリスが去った後、俺の後ろからそう男の声がした。俺が振り返るとそこには先程までうつ伏せの状態だった男が顔を上げていた。茶髪にこのコミュ力、そしてこの雰囲気...俺が導き出した答えは1つ。

 

「なんだチャラ男型リア充か、生きてたんだな」

 

「え?なんか俺の対応ひどくない?」

 

リア充は許さん、それもチャラ男型とは。チャラ男型リア充は死すべし、慈悲はない。これボッチの常識。ホントダヨ、ハチマンウソツカナイ。

 

「んで?あのユリスってどういう事だ?」

 

その言葉には少し引っかかるところがある、実はユリスは真の腹黒だった、とか本当に笑えない冗談だ。

 

「そういえば今日来たばっかだから知らないのか、ユリスは正真正銘のお姫様なんだぜ」

 

「お姫様?」

 

まさかの新事実、真のお姫様はクローディアではなくユリスだったという。だがなんというか俺の知ってるお姫様とは随分と違う、もうちょっとおしとやかだと思った。

 

「意外だろ、なんせ人を寄せつけないからな」

 

それは今日の様子を見るだけでわかる、だがそれでは疑問が生まれる。

 

「人を寄せつけない?お姫様なんだろ?」

 

普通ならお姫様など社会的有利、または他人の憧れとなる対象はクラスのカースト、いわゆるスクールカーストの上位に君臨する事ができる。少なくとも俺はそう考えている、だがユリスはそこにいない。それが疑問だった。

 

「俺は夜吹英士郎、一応お前さんのルームメイトなんだぜ。よろしくな」

 

夜吹はそう言い握手を求める、俺は自然にそれに応じる。そして俺は夜吹の話を聞きながら教室を後にした。

すでに廊下には生徒の影は少なく夕焼けが廊下を照らしていた、その中を俺は夜吹にユリスの事を聞きながら歩いていた。

 

「んで夜吹、ユリスさんはお姫様なのになんであんなにリア充してないんだ?」

 

「リア充ってお前も言うなぁ」

 

夜吹は少し呆れたようにそう言うとユリスの事について話しだす。

 

落星雨(インベルディア)の後にヨーロッパで王国がいくつか復活しただろ、その中でリーゼルタニアって国があって、彼女はその王国の第一王女。それに加えて星脈世代(ジェネステラ)の中でも数パーセントしかいない魔女(ストレガ)なんだぜ」

 

そのくらいは知ってるし興味もない、だがここは空気を読んで話を聞くとしよう。

 

「それは最初は人気だったわけだ、あの可愛さに加え戦うお姫様、誰だって放っときはしない。それがなぁ」

 

夜吹は呆れながら続けた

 

「うるさい!黙れ!私は見世物ではない!っときたもんだ」

 

「なんだか簡単に想像できるなそれ」

 

いやでもわかるなその気持ち、俺も教室の隅でひっそりとしていて急に話を振られるてみんなの視線が集まるとそんな気分だもん。

 

「それをよく思わないやつらが次々と決闘で挑むも見事にそれを返り討ち、今じゃ星導館序列5位にまで駆け上がってけど」

 

「それで出来上がったのが今の状態と」

 

「そゆこと」

 

夜吹はへらへらと笑いながら語るが俺はあまり気にせず受け流す。

 

「もしかして信じてない?」

 

夜吹は俺の様子を見てそう言った。もちろん大体は信じているが俺には関係ない事だ、紗夜の奴は違う教室だろうがいつか自然に会えるだろう、よって今俺が求められるのは孤高のお姫様についての情報を求める事でも人探しをする事でもなく、自分の寮に戻る事だ。それにこいつにまだ借りがあったしな。

 

「今のところは五分五分ってところかな、人から教えられた情報をあまり信用しない事ぐらい常識だ...お前もそれは知ってるだろ?」

 

「あれ?なんの事かな?」

 

「あらかた新聞部って事だろ、情報に精通し面白そうなネタがあったらすぐに確かめに行く。随分と俺を嵌めてくれたな」

 

俺は懐からあの決闘の前で投げ入れられた煌式武装を夜吹に手渡す。

 

「あれ?ばれてた?」

 

「まぁ半分は感だけどな、ボッチ舐めんなよ」

 

すると夜吹は「参った参った」と言いながら降参のジェスチャーをする。

 

「お前のせいでめんどくさい事に巻き込まれたんだからな」

 

「その事は本当にすまん、その代わりいい感じな情報タダで話すから」

 

本当に反省しているのかまた俺を利用しようとしてるかは知らんがこの条件は俺にとっても悪い事ではない。

 

「まぁあまり期待しないでおくよ」

 

俺は変わらない態度で軽く受け流す。するとその様子を見て夜吹が

 

「あれ?まさか俺信用されてない?」

 

新聞部、情報屋は信頼が何よりも重要だ、そのぶんその筋に関しては敏感なようだ。だが俺に関してはその必要はないだろう。

 

「安心しろ、これが平常運転だ」

 

俺が今のところこのアスタリスクで信用できる人物は1人だけ、その1人も実際には全然会ってないからあってから再度判断するが今はその事よりも自分の寮に戻るのは先決だ、正直これ以上外に出たくないでござる。

 

俺がそう思いながら夜吹と寮に向かおうとしたその時。

 

「答えろユリス!」

 

突如あまり遠くない場所からそのような怒声が聞こえた。

あぁなんか帰れそうにないぞこれ、頭痛くなってきた。

 

 




テストが終わったーーーー。本当に疲れました。


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