俺の前世がうちはマダラなのは間違っていて欲しい 作:首ったけ
ところでUAとはなんでしょう?知っている人がいましたら教えてください。m(_ _)m
廊下から学園の外が見渡せる範囲の窓ガラスそこから差し込む光、その光のおかげからか電気はついておらずいい省エネだ、そんな廊下を俺は目の前の金髪の女性とともに歩いている。まずは俺がここにいる理由を説明するのは少し前、あの襲撃の結末について説明しなければならない。
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「えーっと、君がアレを撃ったのかい?」
俺は目の前にいる無気力な少女にそう尋ねる、よぉく見ると俺の昔の幼馴染と似ている、世界には同じ顔の人間が3人いるとかなんとかかんとかと聞くが...。俺がそんな事を考えてると突然少女が...
「......。」
沈黙を貫きながらも相変わらずボーとした顔で俺の顔を見つめ...全力ダッシュで逃げ出した。
(えぇぇぇ!まさかついにアレか?俺ただの不審者と思われたのか?まぁそうか、こんな目の腐った奴が話しかけてきたんだもんな...トホホ)
俺がそうやって脳内自虐を行っていると...
「おい八幡!これはどういう事だ!」
突然名前を呼ばれそちらを見る、すると寮の方向から綺麗な髪をなびかせ走ってくる少女がいる、ユリスだ。というかしょっぱな呼び捨てって流石人気者、コミュ力高い!あれ?呼び捨てとコミュ力って関係してたっけ?まぁいいや。
「ひゃっ!ひゃい、すいません!」
あまりの気迫にものすごく噛んだ、恥ずかしい。
「貴様、私が何に怒っているかわかっているのか?」
「えーっと、奴を取り逃がした事?」
思う限り理由がこれぐらいしかないしかしユリスは満足してないようで一言。
「私を舐めるなよ?」
ひぇぇぇ...何この子怖いんですけど!私を舐めるな?まだ俺が共犯と思われてんの?さっきの無気力な少女の一件もそうだけど俺ってそんな犯人に見える顔をしてるの?
「貴様は先程の襲撃、油断してたとしてもあの瞬間に襲撃に気づき私が気づけない速さで私を守った。」
どうやらユリスは俺に守られた事不満があるようだ。まぁそうか、負かした相手に救われるってのはこういうタイプには1番屈辱的だ。
「は、はははぁ。偶然ですよ偶然、ユリスさんもあのぐらい防げたでしょう?」
よし、少し強引だがこうすれば相手は意地を張らずにはいられないはずだ。
「いや無理だな」
「え?」
意外!思ったより潔かった、ハンカチの件で薄々感じていたがどうやらただのわがまま少女ではないそうだ。
「もし私が気づけたとしても避けられないし防げない、何より速さが足りない。だが貴様はどうだ?私が対応できない攻撃にあんな軽愚痴をこぼしながら貴様は当然のように襲撃から私を守り、あの人数の生徒の山から襲撃者を見分けたうえに生徒の壁を悠々と飛び全速力で去っていった。私はこれらの事から1つの答えしか導き出せないのだが...」
この流れはやばい。ユリスは既に俺が実力を隠した事、手を抜いて決闘をした事に気づいている。あんな好戦的なんだ、そんな事を知ったらどうなるか俺だって知ってる。
「貴様!私との決闘で手を抜いたな!」
「いやいやそんな滅相もありません」
完全に今の状況はマズイ、このままだと俺のさっきの行動が全て無駄になる...つまり
「もう一度だ!もう一度貴様に決闘を申請する!」
既にユリスの顔は真っ赤で怒りというか別の何かが入り混じってやけになっているような状態だ、再度俺とユリスの決闘が認証されそうになったその時。
その闘志を鎮めるかのように手を鳴らす音が辺りに響いた。
「はいはい、そこまでにしてくださいねぇ。残念ながらユリス、この度の決闘は無効とさして頂きます」
音のする方向からは制服を着た綺麗な金髪の女性が歩いてきていた。
「っ!お前か...一体何の権利があって邪魔をする!」
ユリスは相手が悪いのか気難しい顔をする、だが決闘はする気のようで俺にとっては大迷惑だ。
「赤蓮の総代たる権利をもって、この決闘を破棄します」
突如現れた女性はそう校章に手を当て唱える、すると校章が光り輝くと同時に俺とユリスの間で行われそうだった決闘が破棄された。というかなんかまた恥ずかしいの捉えたぞおい、俺はああいうのは死んでもやりたくないな...あっ、でもバルスって言ってはみたいな。まぁ何がともあれ俺はなんとか第2の決闘を回避できた事での安堵の息をつく。にしても決闘を破棄できるって誰にでもできるのか?それならさっきの時点で破棄して欲しかったのだが...
「最後の転入手続きがまだなので、正確には比企谷八幡君は厳密には星導館学園の生徒ではないのです」
悔しそうな顔をするユリス、どうやら反論できないらしい。なんとか助かった。
「あ、ありがとうございましゅっ...えーっとお名前は...」
噛んだ、今日で何回噛んでるんだ俺は!あんまり人と話さないからってこんなに噛む事はないだろう。
「はい。星導館学園生徒会長、クローディア・エンフィールドと申します。よろしくお願いします」
なるほど生徒会長か、だから決闘を破棄もできると...まぁ今の俺はそんな事よりもこの女性、クローディアさんを警戒する事が重要だ。別にこの人が嫌いとか強いとかの問題じゃないし今の状態ではそれも判断しかねる、ただ問題なのは1つ、この人が俺の苦手とするタイプの人かもしれないという事だ。この雰囲気といいクローディアさんは俺の元同級生である雪ノ下雪乃の姉、強化外骨格こと雪ノ下陽乃ととても似ていたからだ。
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そして現在に至る、目の前にいる金髪の女性。なんふわっとしたお姉さん、クローディア....えーっと...エンフィールド?さんに連れられて廊下を歩いている。それにしてもやはりこの人の雰囲気や立ち振る舞いといい、本当に陽乃さんにそっくりだ、俺の行く先の生徒会にはマシな奴がいないのか
「へぇ〜生徒会長さんって1年生なんですか、てっきり上級生の方かと」
聞けばこの人俺と同じ学年だという、俺より年上には見えないしまぁ納得だな。
「はい、中等部からなので三年目になります」
どうやらアスタリスクにいる時間では圧倒的先輩らしい。
「私達は同じ学年ですから、もっと砕けた言葉遣いで結構ですよ」
デジャウだ、なんかこんな感じの会話を陽乃さんともした気がする。というかどちらも最強のボッチの俺にあって数分でそんなこと言うってなんて難易度が高いことを俺に要求するんだ。
「わ、わかりましたよ...クローディア...さん」
勇気を振り絞ってそう俺は言った。昔の俺ではこのようなことをすぐには実行できないだろう、だが今の俺は皮肉にも奉仕部での出来事から成長しこうやって普通の会話能力を身につけたのだ!
「クローディア、で結構ですよ」
なん...だと?...流石陽乃さんの面影を感じさせる人だ、この期に及んでもさらなる要求をするとは。よかろう、この八幡、
「ひゃっ!ひゃあ...ク、クローディア...でどうでひゅか」
噛みすぎてもう原型がないが俺はめげずにそう言った。
「ふふ、それでは私も八幡と呼ばせていただきます。それにしても八幡はとても可愛いですね、いじりがいがあります」
クローディアは小悪魔のような顔をしてそう言った。前言撤回、もう
「そ、その敬語も辞めてくれ...ないかな?」
これで...どうだ!
「私のこれはただの習慣なのでお気になさらず」
習慣?まさか実はクローディアはお嬢様とかで昔からそう教えられてるのか?なるほど、それはとても俺としては夢がある事だ。
「私はとても腹黒いのでせめて外面や人当たりは良くしておかないといけないのです」
「え?腹黒?」
「えぇ、それはもう。私のお腹ときたら暗黒物質を煮立てて焦げ付かせたものに、餡蜜をかけたくらいに真っ黒ですから。なんでしたらご覧になりますか?」
「へぇ?」
俺が最後の餡蜜で甘くなるなぁと考えてるとそんな声が聞こえ俺は間抜けな声を出している俺をよそにクローディアはステップのような足取りで俺の前に出ると...
「ほら、真っ黒」
そう言いながら自然に自分の制服をたくし上げヘソのあたりをあらわにした。
「ちょっ!ギャァ!」
この人一体何考えてんだよ!まさかとんでもないビッチ野郎なのか?というか腹以外にも見えちゃってる!ピンク色の布が見えちゃっているから!ほんとなんて人だこの人は。
俺はそう思いながら戸惑っているのをクローディアは「ふふふ、面白い反応」と笑っている。俺はつい「やっぱろくな人じゃなかった」と小言をこぼす、それを聞いたのかクローディアが不思議そうな顔をする。
「初めから分かっていたのですか?私が腹黒かったりこんな行動を起こすと?」
どうやら先ほどの小言を聞き取ったらしい。かなりの地獄耳だ、流石自称腹黒。
「俺の知り合いの姉にあなたみたいな人がいるんですよ、それはもうとんでもない人がね」
俺がそう答えるとクローディアは「そうですか」と少し不機嫌そうに呟いた。
「どうぞお入りください」
今までに見たことがないセキュリティロックが解除され、俺はクローディアに促されるままその部屋に入った。部屋は執務室のような感じで廊下と同様に電気が付いていない、すると奥の窓が一斉に開きまばゆい光が差し込んだ、あまりの光に某ジブリ映画の大佐の真似をしたくなったがしたらそれでただの変人なのでやらない。だが少し目の汚れが浄化された気がする。
クローディアは奥の椅子の前に立つと改めてこう言った。
「では改めて、ようこそアスタリスクへ」
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「ハァ、ハァ、ハァ」
そこは人気のない小道、そこにいる少女は柄にもなく息を切らしており今は息を整えている。
少女はつい先程1人の男から逃げてきた、だが逃げたのは少女が一方的であり男の方は何が起こったのかわかっていない様子だった。
「どう...して...あそこに」
息を整えながらも少女は自分に問う。それは先程逃げてきた男についての事だった。
「八幡...」
6年ぶりの再会だった、心の準備は出来ているはずだった。だが問題だったのは心の準備をしている時に彼を見かけたからだ、一瞬パニック状態になり戸惑ったが彼が襲われているのを見るといてもたってもいられなくなりそのまま彼を援護した。そこまでは良かった、問題はその後だった、見ただけでもパニックになる少女が普通に受け答えができるわけがなく。
「えーっと、君がアレを撃ったのかい?」
彼の声が聞こえるだけで話せない。手紙などメールをしていた時は普通にできたのに、少女はたまらずその場から逃げるように自分ができる最大限の力で駆け出した。
どのみちこのままではダメだ、明日の自分に期待をしよう。そう自分で決めると少女は息を整え来た道を戻っていった。
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「では改めて、ようこそアスタリスクへ」
クローディアがそう言った後、クローディアからこの島の事や学園の事、そして
「悪いけど俺そういうのは特にないんだよなぁ」
「あらあら、では。どうしてこの学園に?」
クローディアは何かを探るようにそう聞く。やはりこの人は陽乃さんと似ている、こういうタイプには嘘はつかない方が吉だ。
「詳しい経緯については話さないが、強いて言うなら...」
こういう場合には聞かれてない事は答えない方が良い。
「日々の安定感を探して...かな?」
そういうとクローディアは「日々の安定感ですか...」と何かを考えるように呟く。どうやらまだ納得してないようだ。
「それに俺は星脈世代だけど魔術師とかの特別な能力なんでありませんよ、そんな俺が勝てるほど星武祭は甘っちょろいわけないでしょ」
俺は自分が魔術師ではないことを活かしそう言う。
「そうですか。ですがあなたを我が学園に推薦した紗夜さんはあなたがとても強いと仰っていたのですが...何より次元が違うとか」
クローディアはあざとく考える仕草をしながらそう言った。
(アイツ、余計な事言いやがって。にしてもまだ覚えていやがったか)
俺は自分の幼馴染の顔を浮かべながらそう思った。というか本当にあの無気力少女、そっくりだったなぁ。
「ちなみに特待新入生には純星煌式武装の優先権が与えられます。何か希望はありますか?」
クローディアはパネルを操作しながらそれぞれこの学園が所有する純星煌式武装を開示する。
「普通のやつで良いよ、俺にはそれがお似合いだ」
するとクローディアは驚いた顔をしていた、俺が理由を聞く前に。
「すごい!紗夜さんの言ったとおりのことを言いましたわ」
アイツいつの間に予言能力を身につけたのか?
「まぁ一応こちらを」
クローディアはそう言うと、俺がユリスとの決闘で投げ渡された物と同じ煌式武装を渡してくれた。
「ん?そう言えばクローディア。あの時言ってた最後の転入手続きがどうとかって、どうゆう事?」
あの決闘が承認された事でわかったがまだ最後の転入手続きが終わってないという事は驚きだった。
「その事ですか...あれはですね...」
クローディアは勿体振るように言い、俺の後ろ日ゆっくりと移動する。そして
「えへっ」
真後ろから俺に抱きついた。
「うわっ、て。ええぇぇぇぇぇ!!」
だから一体なんなんだよこの人!いきなり抱きついてくるとか理解不能だよ、っていうか色々と当たってる、主に柔らかいものが。なんかめっちゃ良い匂いするし。とにかくこのままだと色々とマズイ。
「やっと、やっとお会いできました」
ご本人はそんな事知らんままでなんか言っているが今はそんな言葉を気にしている場合ではない。こうなれば最終手段だ、海老名さん直伝のBLオリジナルカップリングを妄想するんだ。というかしなければ俺のいろいろなところがマズイ事になる。まず片方は
「...うっ」
予想外に威力が高すぎる。これは人間が考える事じゃないな、もうこの方法を使うのはやめよう、俺のSAN値がマッハで終わる。今思えば海老名さんいっつもこんな事考えてたんだよな、あの人本当に人間か?実は神話生物とかじゃないよな。まぁどちらにせよ俺は難所を乗り越えた。何かを失った気がするけど...
「うふふ、冗談です」
何が冗談ですだコノヤロー、人の気も知らないで。俺めっちゃシャイなんだからな、こんな事いきなりされたら心臓止まる、というか一瞬止まった気がした。
「まさかこれが最後の転入手続き?」
もしそうだったら壮大な男狩りだ、なんだかだんだんこの人が男の敵に見えてきた。
「いいえ、あれは嘘です...安心してください、あなたはとっくにこの学園の生徒ですよ」
なんだかどこかで安心した自分がいた、なんだろうこの全く嬉しくない気持ち。
「あの時はそれが1番効果的だったのです。ユリスは根が真面目ですから」
なるほどな、確かにユリスは無駄に義理堅いから真面目なんだろう。
俺は安堵と苦笑いを交えながらその部屋を後にした。どちらにせよここで無駄話をすればいつかボロが出るかもしれない、この部屋にいるクローディアは最もだが他にもタチ悪く盗み聞きや監視している
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「はぁ〜、困りましたね〜」
八幡が去った後の部屋にて、クローディア・エンフィールド溜息をつきながら困ったように呟いた。その理由は先程の彼が言った自分の無力さを話した時だった、確かに彼の言ったことに嘘はないように感じた、少なくてもクローディアはそう感じた。それだけなら良かった、あの行動さえ起こさなければ、クローディアにとってはただの遊び心だった、彼女は自身の純星煌式武装であるパン=ドラの能力である予知を少し使いもしもここで攻撃した時の八幡の反応を予知した、それがダメだった。彼女は見てしまった、自分の実力やパン=ドラの能力を持ってしても正しく手も足も出なかった。これも彼を推薦した彼女の言う通り、次元が違う。そして何よりも印象に残ったのは彼の目だった、黒い瞳孔の中が勾玉模様に変形し数々の形を作っていく光景だった。
「本当に...困りましたね〜」
未だに動けずに震えている自分を落ち着かせながらクローディアはそう呟いた。
やっとアニメ1話の半分が終わりました...
感想などがありましたらどうぞご指摘ください。