俺の前世がうちはマダラなのは間違っていて欲しい   作:首ったけ

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気がつけばお気に入りが50を突破、これは書かねばと思い書きました。




ユリスと会う前にとある子と少しフラグを建てます


第2話

そびえ立つビルやそれに映る広告、そこには人気のアイドルなどの曲が流れておりそこが都市部である事がわかる。俺の乗っている船は現在、霧が少し残る海上をゆっくりながら進み賑やかなその都市へと向かっている。今俺が向かっている島は、北関東のクレーターに築かれた学園都市だ。決してレベルでランクづけされたり超電磁砲(レーンガン)一方通行(アクセラレーター)幻想殺し(イマジンブレイカー)などとは決して関係ない。場所は北関東だがどこの領土にもならないいわゆる治外法権となっている。まぁその国すらも今じゃ統合企業財団が台頭している。

都市は上から見ると六角形の形をしておりそれぞれの角には学園があり、中央区はここからも少し見えるように商業エリアなどがある。公共の施設はモノレールなど豊富でそれぞれの移動手段が学園などを通している。

ここは水上学園都市六花、通称アスタリスク。

ここからは余談だが中には星武祭行事で使われるドームが何個かあるらしい、まぁ俺には関わりのない話だ、正直言うと戦いになると前世がアイツ(マダラ)だからか知らんがとても興奮する、最近はその戦いたい欲求を抑える為マダラが前世で戦った人のある術、『創造再生』や『白毫の術』などを会得する為、額にチャクラこと万応素を集中させ続けることで紛らわしていたがそれも十分使えるようになったので要するに今の俺は「オラ戦いたくてウズウズすっぞ」状態なのである。まぁいざ戦うことになってもアスタリスクはみんな強いって聞くし、俺も負ける気はないけどなんとかなると思う。

 

 

 

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「ふぅ〜、やっと着いた」

 

港に降り俺は背伸びをしながら周りを見渡す。流石は学園都市、港でもかなりの設備である。正直ここで過ごしすぎたら本土に戻った時に苦労しそうだ。

 

「ふぅ〜さてと...」

 

俺はそう呟きながら俺をここに招待した昔馴染みのやつに渡された地図を見る、どうやら俺がここで所属する学園、星導館学園の寮が書かれてるらしいのだが...

 

「なんじゃこりゃ」

 

それは小学生が書いたとしても雑すぎる地図だった。だがここまできたら後には引けない、俺は未知なる都市へと足を進めた。

 

 

 

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自分だけ違う世界に迷い込んだ気分だ、元々俺はあまりというか人混みが好きではない、というよりあまり外出したくない。究極のボッチこと俺はこういうところが大の苦手だ、度々克服しようとしてるものの緊張に似た何かのせいで少し気をそらすとアイツ(マダラ)の能力のひとつである眼の能力『永遠の万華鏡写輪眼』となってしまう、常時周りに悟られないように軽い瞳術をかけているが正直普通に平穏と過ごしたいため無心状態を貫きながらいる。そんな時

 

(ん?あの娘は...)

 

はっと気が変わりその子を眼で追う、その女性はヘッドフォンをして帽子を深く被った栗色の髪の少女、周りにうまく紛れているが結構な実力者であることがわかる、こうやって都市に出ているということはどっかの学園の生徒だろう、普通の生徒でこのくらいなら主席、いわゆる一位の能力に期待が高まるというものだ。心の中で謎の喜びを感じながらもその少女から眼を離した時、また別の一団が彼女を追っていた。

 

(なるほど、都市部でも影ながら勢力争いか、それは心踊るじゃねぇか)

 

先ほど船上で説明した通りこのように戦いの火種らしきものを認識するとこの通り心ピョンピョン状態である、現在少女をつけているのは3人、どちらも少女には遠く及ばないものの強いということはわかる。

この時すでに俺は戦いのことしか考えておらず、このまま放置してもあの少女が対処できるということなどすでにどうでもよくなっていた。

 

(おっ!路地裏に入った、そろそろか...)

 

少女はやはり3人の尾行に気付いている、それを承知で人気のない裏路地へと入ったのだ。俺もそれを確認すると人気のないとこからビルを登り、その路地裏を見れるところに立つとゆっくりと観戦することにした。

 

 

 

 

 

 

 

...すまんやっぱ無理。これはあれだ、謎の集団に路地裏で襲われそうになる少女を助けに行くだけだ、決して戦いたいわけではない。よしこれでオーケーだ。そう心に勝手に決めると俺はちょうど3人が少女に一斉に攻撃を仕掛けると同時にその3人が向かう中心、すなわち少女の元へと降り立った。

 

 

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一瞬の出来事だった。今私は人気のない路地裏にいる、理由は私を尾行してきた人たちを撃退するためこの路地裏に誘い込んだ、いつもならこの3人を撃退して終わり、その筈だった。私が応戦する構えを取ろうとした時、突然彼は現れた、それも私の真上から。

私は突然の事で気を取られたこともあり尻餅をついてしまう、だけど目だけは目の前に突然現れた彼に釘付けだった。

 

「......はっはー。こんな人気のない路地裏で、可愛い少女に向かってそんな物騒な物を使うなんて君たちは元気がいいなぁ」

 

彼は3方向から来た大斧や小刀をそれぞれの手で、足蹴り同じく足で止めそう言った。

 

「何かいいことでもあったのかい?」

 

そう言いながら、とても楽しそうな笑みを浮かべていた。そして彼に攻撃を防がれた3人は私と同じように彼が落ちた衝撃で少し後退する。

 

「おい!何だテメェ!どこのやつだ」

 

リーダー格と思われる男が強気にそう言った。流石はこの私を狙うのに仕向けられただけあってこの状態でも焦らずに行動している。

 

「.............。」

 

彼はただ沈黙を貫いていた。その様子を感じ取ったからかリーダー格の男は先程止められた大斧を振り回しながら構える。

 

「ケッ、まぁいい。グラスホッパー、こいつも殺るぞ」

 

男がそう言うと反対側の道にいる先程足で攻撃してきた男が「了解」と言った。その瞬間男が動くがその時の私の目は彼の眼に釘付けとなった、彼の目は死んだ魚とも例えられそうなほど淀み腐った目をしていた、だが次の瞬間、突然瞳孔が動き変化をを見せ勾玉模様を見せたと思えば目がが赤く染まり光る。

 

「オラァ!死に晒せぇぇ」

 

男は横一筋に大斧を振りかぶる。すると彼は即座に跳躍、見事に大斧を回避した、しかし。

 

「チェック!空中じゃ避けられんだろ」

 

突如男の背後に先程グラスホッパーと呼ばれた男が現れる。男はそのまま足を突き出し蹴りを放とうとする。その足は普通の靴ではなく少し装飾が施されており足の大きさも先程とは違い筋肉質に肥大化していた、どうやら足をああやって強化するのがあの男、グラスホッパーの能力らしい今彼は空中で身動きが取れない状態を狙われている、そしてその強靭な足から足蹴りが放たれたその時。

 

「それはお互い様だな」

 

彼はそう言うと足蹴りを片手で防ぐ、そしてそれと同時にもう片方の手を使い体をそらせそのままグラスホッパーの足に組み付きを決め...

 

ピキピキ....バキッ!

 

グラスホッパーの足が曲がる筈じゃない方向に曲がる、続けて彼は体を半回転させそのまま下のの男にグラスホッパーを叩きつけた。ここまでの動作で約数秒しか経過していない、私は能力などで鍛えているからこれまでの動きを認識できたが普通の生徒では何が起こったかさえ分からないだろう。

そして彼はまだ満足してないような笑みを浮かべ。

 

「おいおい、その程度か?まだ踊れるだろ、さらに別の技はないのか?もっと楽しませてくれよ」

 

すると彼の眼が勾玉模様からさらに変形し、車のギアの様な形へと変わる。

 

「クソったれがぁ!」

 

グラスホッパーを叩きつけられ、そのまま吹き飛んだ男はそう言うと。

 

「燃えカスにしてやる!」

 

そう言うと服を破り捨てた、そこには

 

(あれは!純星煌式武装(オーガルクス)

 

男の胸には鉄の穴が空いていた、恐らくあの純星煌式武装の代償はアレを体に埋め込むことと近いのだろう。そしてその部位に徐々に熱が溜まっていく。

 

「チリも残らずに燃えろォォォ!!!」

 

男の純星煌式武装から発せられた炎、私は自分の能力で事態の打開を図ろうとするが彼は動かずして一つ呟いた。

 

「このくらいなら加減しても大丈夫だな....」

 

そう言うと彼は一言、

 

「火遁・豪龍火の術」

 

それと同時に彼の口から巨大な炎の龍が放出されすぐに男の炎と衝突、すると彼の炎が男の炎を包んだと思いきやそのまま男の方に向け進んでいった。

 

「ぐっがぁぁぁぁ...」

 

後に残ったのは断末魔をあげながら黒焦げになった男と死にかけのグラスホッパーだけだった。

 

「すごい...」

 

自然と私はそう発していた。そこで私はもう1人の男の存在に気がつく、すぐさま男がいた方向へ目を向けるがいない。どうやら撤退した様だ。私がお礼を言おうと彼に話しかけようとした時

 

「丸見えだ...」

 

彼はそう言うと近くの壁に向かって素早く手を打ち付ける。すると「ぐがぁっ」という声とともに先程撤退したと思われる男が姿を表す、姿を透明化させ彼を狙っていた様だ。彼は男を軽く殴り気絶させると一つ溜息を吐きこの場を去ろうとする、私はあっけにとられながらも我に帰り彼に話しかける。

 

「ありがとね助けてくれて」

 

すると彼はこちらを少し見て

 

「気にすんな、俺が勝手に横槍入れてやっただけだ」

 

そう言いながらも戻ろうとする、すでに彼の眼はあの時の不思議な眼ではなく先程の腐ったような眼に戻っていた。私は改めて彼の容姿を見る。服装は私服で恐らく学園の生徒ではない、髪は後ろで結んでいて持ち物は特になく軽めの服装をしていた。

 

「いやでも助けてくれたのは事実だし、私にできることならなんでも言って、助けになるよ」

 

すると彼はピクリと止まる、どうやら何か困っているようだ。

 

「え、え〜と実はだな...星導館ってどこか知って...ますか?」

 

彼はやっと表情を崩し恥ずかしそうにそう言った。

 

「そのぐらいなら任せて、えっと案内すればいいの?」

 

彼とはこれっきりの付き合いじゃなくなりそうだと私の勘が告げる、ならばすることはただ一つ。彼とできるだけ一緒に行動する。

 

「いやいやそこまでしてもらうなんてできませんよ、何かに書いてくれればいいですよ」

 

彼はこれを拒否、思ったよりもガードが固い。だが私もこの程度では引き下がらない、もう少し粘ろうとしたその時遠くでサイレンの音がした。私が戦う前に呼んだ星猟警備隊が来たようだ、なんとタイミングが悪い。

 

「なんかヤバそうですし俺はもう行きます。それでは」

 

彼はそう言いながら走り出そうとする。私はできるだけ簡潔ながらもわかりやすく地図を書くと

 

「ちょっと!はいこれ、星導館までの道よ」

 

ギリギリ彼に渡すことができた。

 

「ありがとうございます、この借りはいつか返さしてもらいましゅ...」

 

...最後の最後で噛んだ、彼は恥ずかしそうに笑うと路地裏の壁を走りながら去っていった。最後まで予想を裏切る行動をした彼を見て私は...

 

「いいなぁ、星導館」

 

珍しく羨ましく感じたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




襲われた少女は一体誰なんだー

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