俺の前世がうちはマダラなのは間違っていて欲しい   作:首ったけ

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ヤベぇ、ゲームが楽しすぎます。

まじヤッベェわ。


というわけでいつも通りの亀にも勝る投稿速度の遅さです。
申し訳ございません。


第11話

女性の部屋に行くのって緊張するよね、ということで俺こと八幡はただいま我らが星導館学園の生徒会長、クローディアさんに呼び出されて現在まさに女子寮の指定された部屋へ向けて飛んでおります。中学時代の俺だったら「もしかしたら俺、告白されるんじゃ...」とか考えてるけど思ってるだろうが今俺の心はそんなのんきなもんじゃない。というか実際いい予感がしない、ユリスとの初対面も似たような感じだったし今は夜だし相手は腹黒クローディアだし、今度こそ俺住居侵入とかでお縄にかかっちゃうかもしれん。

 

そんなことを考えているうちに指定された部屋の前、ベランダに到着。クローディアの部屋のベランダは結構な広さであまり落ち着かないがこうやって訪問するにはとても良いベランダだ...俺なんでベランダの感想言ってんだろ。

 

「えーっとクローディアさん?八幡です。入りますよ」

 

俺はそう言いながら恐る恐る部屋の中へと入る。ちなみにクローディアの部屋?だがはっきり言って豪邸だった、ベランダの時点で他の人達と違うことはわかっていたが何より一人部屋だ、そういえばユリスもそうだっけ?もしかして女子は一人一部屋とかなのか?疑問が増えるばかりだ。そしてゆっくりと俺の目の前の扉が開き

 

「あら?いらしていたのですか」

 

「えっ?はっ?...え?」

 

突然のことで反応に困る、というか困らない方がおかしいと思う。特にぼっちである俺にとっては。

扉を開けて現れたのは俺をここに呼んだ人物、クローディア・エンフィールドだった、そこまでならまだいい。問題はそのクローディアの服装だ、まぁこの人の部屋だから何着ても口出しできる立場ではないんだが今その話は置いておこう。そして服装といったがそれも少し違うかもしれない、今のクローディアが着ているのはおそらく一枚のみ、クローディアはバスローブ姿で俺の前に現れたのだった。

先程言った通り自分の部屋で何を着てもそれはその人の自由だ、バスローブだって風呂上がりに来ているのが普通だし実際クローディアはその様子から見るに風呂上がりの後のようだ。ただ俺はそんなこと関係なしに心の奥底でこう叫んだ。

 

 

(ち、痴女だぁぁぁぁぁぁ!!!)

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「どうぞお寛ぎください」

 

クローディアに案内され客間のような部屋に八幡は通された。八幡はソファにクローディアはバスローブ姿のままベットへと腰を下ろした。

 

「随分と広い部屋だな、生徒会長の特権ってやつか?」

 

八幡はこの部屋に入ってから感じた自分たちの部屋との違いについての疑問を聞いた。

 

「いいえ、この部屋は生徒会長としての特権でなく序列上位者の特権です。序列を上げていき冒頭の十二人(ページワン)になれば、このような個室もいただけるのですよ」

 

「やっぱりクローディアもページワンか、さすが生徒会長」

 

八幡は未だにクローディアの姿になれないからか適当な天井を眺めながら答える。

 

「なら八幡もどうですか?貴方ならページワンになるのも容易でしょうし」

 

「いやいや、何言ってるですか。確かに個室は羨ましいですけど、俺にそんな実力はありませんって。ここに入れたのも紗夜のおかげですし。というかそれならどうしてクローディアは生徒会長になったんだ?」

 

あまり触れられたくないのか、それともただ単に気になったのか、八幡は話題を変えた。

 

「気になります?当ててみてください」

 

クローディアが意地悪そうにそう言うと八幡は真上を見ながら「そうきたかぁ」とつぶやき考える仕草を見せる。

 

「親が決めたから」

 

「違います」

 

「推薦されたから」

 

「違います」

 

「んじゃ天命でも受けたから?」

 

「全然違います。八幡!もう少し真剣に考えてください。」

 

「いや最後のはふざけたと認めるにしても最初の2つは結構マジだぞ。正直言ってあと考えられる理由と言ったら罰ゲームか単なる面倒ごとを押し付けられたぐらいしか...」

 

「あらあら、本当にそれだけなら八幡は相当捻くれてるのですね、ですが最後のは少し惜しいです。」

 

そう言うとクローディアは答える。

 

「実際に生徒会長は面倒なだけで、実入りの少ない仕事です」

 

「なら何で生徒会長やってるんだ?」

 

するとクローディアは口元に指を当て...

 

「私は面倒なことが...好きなんです」

 

と足を組み直しながらも色っぽく答えるが。

 

「へぇ〜、そうなんだ。なんか大変そうだな」

 

八幡は天井を眺めているため効果はないようだ。

 

「それで、今日呼ばれたこともこの面倒なことと関係あるんだろ?」

 

「話が早くて助かります。これをご覧ください」

 

クローディアは手元のスクリーンを操作し八幡に見せる、そこには数名の星導館学園に所属する生徒が映っていた。

 

「彼らは次の鳳凰星武祭(フェニックス)にエントリーしてた学生だったのですが、ここ数週間の間に怪我で出場を辞退してしまうことになってしまいました。原因は様々なのですが、どうやら...」

 

「ユリスの時みたいに誰かに襲撃された?」

 

「その可能性が高いです」

 

「何か証拠はあるのか?」

 

「いいえ、今のところ何も」

 

そしてスクリーンが変わり二人の男が映される。

 

「ですが風紀委員はレスター・マクフェイル君とランディ・フック君に強い疑いを持っています。二人は昨日の襲撃時刻のアリバイがないそうです。」

 

「その情報に信憑性は?」

 

八幡はその二人に思うところがあるのかクローディアにそう尋ねる。

 

「おや?もしかして八幡、風紀委員の情報を疑ってるのですか?この学園の生徒会長としてその発言は少しいただけませんね」

 

するとクローディアは意地悪そうにそう返した。しかし八幡は変わらぬ調子で答える。

 

「どんな組織であっても俺はついこの間きたばかりの新参者だしボッチだし信じる気になれるかって話だ、結局のところ知り合いの知り合いの話の信憑性なんて乏しいもんだ。悪気はない、気分を害したなら謝罪するよ。すみませんでした」

 

するとクローディアはまだ不満があるようで

 

「私と八幡の関係は知り合いなのですか?」

 

「そこかよ、でも知り合いがダメなら何だ?他人か?」

 

八幡は予想外の答えに戸惑いつつも少し考えるが

 

「そう言う意味ではありません。私はてっきり貴方が紗夜さんと同じような感覚で私と接しているのかと...」

 

クローディアは彼をここに推薦した人物を例に挙げる

 

「と、友達ってことか?っていうか紗夜とだって腐れ縁みたいな感じで友達みたいになっただけであってそもそも友達って何だって話であって友達の定義というか...」

 

突然の事に八幡は予想外に戸惑いながらも思いつく限りの言葉を並べる、するとそんな様子を見てクローディアは何かを閃いたのか小悪魔めいた妖艶な笑みを浮かべる。

 

「そうですね〜。確かにお友達の定義は人それぞれ、どこからが友達なのかは難しいですね」

 

「そうそう、だから俺はそこら辺のリア充共とは違い軽はずみに友達なんては言わず同級生や知り合いという言葉を使ってるわけで...「ならもっと単純な関係ならいいですか?」え?」

 

これまでうまく自分のペースで話していた八幡だったがここでの返しは予想外だったため驚きというよりもなれないパターンに戸惑い隠せないようだ。

 

「もっと単純な関係...ですか?」

 

「えぇ、もっと単純で誰もがなれる関係です」

 

その言葉から八幡は奴隷やら社畜やらの言葉を思い浮かべるがクローディアが言った言葉はそのどちらとも違うものだった。

 

「一応聞きますけどそれはどういった関係で?」

 

「あらあら、私の口から言わせるなんて八幡は意地悪ですね」

 

するとクローディアは唇に指を当て言う。

 

「こ・い・び・「友達で十分です!」

 

すべて言い終わる前に何かしらの危険を感じた八幡が降参する。クローディアは「やっぱり八幡はいじりがいがあります」と言いながら笑みを浮かべる。

 

「それで?話は十分それたけどそいつらが犯人だって証拠はアリバイ以外にはあるのか?」

 

少し咳払いをし先程までの真面目な話題へと話を戻す。するとクローディアも真面目にそれに答える。

 

「いいえ、ですが1つだけ確かなことがあります。次に狙われるのは誰なのかわかっていることです」

 

「ユリスか...」

 

「えぇ、そこで八幡にお願いなのですが、しばらくユリスのそばについていてもらえないでしょうか。再び犯人の襲撃を受けた時、ユリス1人に対処できるとは限りませんから」

 

ある程度予想通りの言葉、八幡にとってはただの面倒ごとなのだが...

 

「あぁ、いいぞ。俺なんかが力になれるがわからんがやれることはやってやるよ」

 

八幡は珍しくこの提案を了承、これにはクローディアも驚いたようで。

 

「ふふふ、八幡は意外と世話焼きなのですね」

 

「勘違いするなよ、俺はすでに今回の件に少し関わってるだけだ、こうやって動くのは今回で最後だしユリスにも街の案内とかで借りは作っちまったからこれで帳消しにしたいだけだ...それに」

 

「それに?」

 

八幡の語尾に残した言葉に首をかしげるクローディア。

 

「この事件はどうやら、収束が近いようだしな。この一件で元のボッチライフを謳歌できるならそれでいい」

 

その言葉でクローディアは八幡の意思、ユリスのとは全く違う1人を常に望む意思の片鱗を感じた。

ユリスの場合は何かを守りたいがために別のものを拒絶する、言うならばどんなことでも1人で抱え込もうとする強い意思だ。しかし八幡の意思は弱く脆く崩れやすい、しかしすぐに元へと戻ろうとする、今回のように誰かのために動き少なからずの好意を持たれたとしてもそれを拒絶し元の孤独へと戻る。何かを守るために孤独を選んだユリスと違い、彼はただひたすら、自分のために孤独を望んでいた。

ボッチライフなどとふざけた言葉で言っているがその真意はユリスの意思よりも強く、そして異常なものなのだろう。

 

「ところでクローディアは何でそこまでユリスのことを?言いたくないならいいけど」

 

八幡はここに呼ばれてからある意味一番気になっていることについて聞いた。

 

「あら、生徒会長が同じ学園の生徒を守ろうとするのは当然ではありませんか?」

 

「本当にそれだけか?」

 

相変わらずの人間不信からか、八幡は自然とその言葉を疑った。

 

「私も、他の生徒と同じように私自身のなすべきことの為にここへやって来ました。私はそのために必要なことをしているだけです」

 

そう言いながらクローディアは立ち上がり、

 

「そうそう、お願いというからには報酬も必要ですね。」

 

そう言いながら八幡に歩み寄る。

 

「報酬か〜、ならMAXコーヒー1年分とかいいなぁ〜」

 

歩み寄るクローディアには目も向けずそんなことを言う八幡、そんな様子をよそにクローディアは八幡へと近づいていく。

 

「そうゆうのもいいですが。せっかくですから、この私を望んでくださっても、いいのですよ」

 

既に2人の距離は密接で、クローディアはバスローブ姿で八幡に倒れこむような形となっている。そんな状況にもかかわらず、八幡は未だに動じないまま、クローディアがだんだんと近づき八幡の体に触れた瞬間、

 

ぽふぅんっ!

 

そのような柔らかい音とともに少しばかりの煙そしてその中からは。

 

「あらあら、これは見事逃げられてしまいました」

 

クローディアの視線の先、先ほど八幡が座っていたはずの場所には缶コーヒーとそれを重りにした置手紙が1つ残されているだけだった。

 

『今日はもう遅いので早めに帰ります。

 

ps.ユリスのことについてはしっかりとやりますのでお構いなく』

 

 

 

 

 

 

 

 




お気に入り700越えって...マジすか



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