俺の前世がうちはマダラなのは間違っていて欲しい 作:首ったけ
今年も気ままにこの小説をよろしくお願いいたします。
白いどこかの秘密基地のような廊下を俺は歩いていた、隣には自称腹黒のクローディア・エンフィールドさんがいる。
「昨日は大変だったようですね」
「あぁ、はい...」
この人は俺が最も苦手とするタイプの人だ、相手の腹の中は好き勝手覗き込もうとするくせに自分の考えは固く守っている。例えるなら某アニメの第10使徒だ、実写版あの鬼畜ATフィールドみたいなもんだ。
「犯人は捕まりそうか?」
「正直難しいですね、風紀委員会が調査を行ってますが犯人は消えていて、手がかりも残ってないようです。」
正直言ってもう関わりたく無い、というか風紀委員が調査をするって警察かよ!やっぱアスタリスクって凄いなぁ〜。にしても警察みたいな風紀委員か、なんかそのうち「ジャッジメントですわ!」とか言い出しそうだな。もしそうなったら材木座に写メでも送って自慢してやろう。
それにしても物騒すぎるだろ、いくら両者の許可を得て戦いができるにしても突然の不意打ちとかは犯罪だろ。まぁそれが認可されてるならもっと強い奴がいっぱいいると思うけど...
「アスタリスクにも警備隊はありますよ」
俺が不思議に思ったのを感じたのかクローディアが説明する。
「警備隊星猟、アスタリスクの警備隊なのですがその捜査権は学園内までに及ばないのです」
「ずいぶん複雑な仕組みなんだな、このアスタリスク」
「ふふふっ、面白いでしょ」
まるで他人事のような笑みで笑うクローディア、だがその心中はあまり嬉しく無いようで珍しくため息をすると言葉を漏らした。
「せめてユリスがもう少し協力的ならいいのですが...」
その言葉を聞いて俺はその時の様子を思い出す。
『調査は不要!警護もいらん!』
まさしくあのユリスそのものの反応だった、あれがこの星導館のお姫様の威厳というのだろう。結局あの後はそのままお開きとなった、俺としてはさっさと寮に戻れるから嬉しい限りだ。
「気を悪くしないでください、あの子は自分の手の中にあるものを守るのに精一杯なのでしょう。新しいものを手に入れようとすると、今あるものがこぼれ落ちてしまうと...」
その言葉を聞いて納得した、ユリスがボッチになった原因はクローディアが言った通りだろう。過去に何かあったか何かある前に悟ったか、前者なら良し、後者ならただの臆病者だ。
「今のままじゃダメだな」
「えぇ、そうですね」
クローディアがどう思い俺の言葉に相槌を打ったかはわからないが俺から言えばそういう奴は長生きしない。いくらユリスが強くてもこのままではいつか負けるだろう。不意打ちなどの卑怯な手、強力な力。それらの理不尽は努力で克服するのは至難の技だろう。
これは決して俺の話では無い、あの狂乱で満ちた戦いの時代を生き抜いた
「着きました」
扉が開きその先には1人の男がいた、俺よりもひとまわり大きいゴツイ筋肉質の体。
「あら、もういらしてらしたか」
その声に気づき男が強面の顔をこちらに向ける、俺はその顔に見覚えがあった。
「なっ!」
向こうもこちらに気づいたようで驚く。
「こちら、もう1人の
クローディアが変わらず悪意の無い笑顔で言う。わざとで言ってんのかこの人、俺としたら相当なバットタイミングだぞ。それからなんで俺が勝手に
「や、やぁ....久しぶり...かな?」
よく見れば周りには取り巻きのふくよかな豚とエノキタケがいた。個性が濃いな。
「確かレスター・マッスル「マクフェイルだ!」あっそうそう」
こうして俺は自称腹黒とふくよかな豚、エノキタケとレスター・マッスルと共に進んでいくのだった。
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え〜、先程自分はホワイトベースっぽいって言いましたけど撤回します。
俺は自分で誰かにそう発言を撤回しながら周りを見渡す。ガラス越しに大きな空間、そしてそのガラス越しの制御室。制御室は前に何台かのパソコンとそれを操作する生徒、そして後ろにも数台それが設置されている。ここまでならまだホワイトベースでもいい気がするのだが問題はそこじゃない。
『適合率がマイナスに移行!危険です!直ちに退避してください』
警告と共にサイレンが鳴り響く。
クローディアさんの説明で純星煌式武装が意志を持っており使うには適合率が80%を超えなければならない。これはその適合率がマイナスを言ったためとても危険ということらしい。
さて、そろそろお分りいただけるだろう。
しっかりとした制御室に鳴り響く警告とサイレン、そして適合率。
俺の心の中ではすでに警告やサイレンよりも喜びの歌が大音量で流れている、正直なところエヴァ好きとしては似ても似てなくてもこういうシチュエーションは興奮する。不謹慎だけど。
どっかに手を組んだMr.育児放棄司令官とかいるかな?あの人の育児放棄っぷりは有名だからな、さすがシンジ君の父親なだけはある。育成計画の方はかなり面白いから好きなんだけどなぁ。
まぁふざけた話はここまでにして現状を説明しよう。
現在俺は制御室の方におりガラス越しにあの純星煌式武装名前はなんて言ったっけ、確かセル・・・セルベ・・・まぁ完全体セルでいいだろう、そのセルなんとかを手にしようと正しく奮闘しているレスターを見ている。だが先ほどから相性が合わないのか知らないがマクスウェルは弾かれっぱなし、そのうえ適合率がマイナスに入って制御室もてんわやんわ。俺はステルスヒッキーを発動させているのでもうすでに俺のことなど視界にとらえても机と同じような平凡な気にも留めない印象だろう。
にしても・・・
赤色に染まる部屋の中でセルなんとかと対峙する、セルなんとかは刃先をレスターに向け襲いかかる。
「クソッ!」
さすがこの星導館学園の
こうなれば仕方あるまい、少し強引だが俺は行動に移した。
『あー、あー、マイクテス、マイクテス。レスター聞こえるか〜』
俺は向こうの部屋に通じてると思われるマイクに向けてしゃべる、周りはまだ気づいていないようだ。さすがステルスヒッキー、俺の中学校のみならず高校でも俺を助けてくれるとは、こればっかしは親に感謝しなきゃ。でもおかしいな?なんか悲しくなってくるぞ。
「何だテメェは!」
『聞こえる?オッケー。』
「いいから黙ってろ、今はテメェと話してる場合じゃねぇんだよ」
セルなんとかの猛攻を避け続けるレスター、だがまだ手に入れることに執着してるからかところどころ無駄な動きが目立っており所々に擦り傷も見える。
『なら手短に話すぞ、いいか?』
「だから黙ってろって言ってるだろ!テメェに言われることなんざ1つもねぇ!」
レスター聞こえるか怒号を無視し俺は言葉通り手短に話した。
『相手を武器と思うな。以上』
俺はそう言うとマイクを切り元の位置に自然と戻る、誰にもばれてないはず・・・
(っ!この気配は・・・)
さっとその方を向くと。
「あらあら」
少し笑いながらこちらを見つめるクローディアさん、その顔はまさに陽乃さんが俺を新しいおもちゃとして見つけた時の表情にそっくり。体から血の気が引く。
(ひえぇぇぇ〜)
気づかないように目線をレスターの方へ移す。
先ほどの俺の言葉がどう聞こえたのかは知らないが動きなどが先ほどのような乱暴なものとは全く違い、セルなんとかを捕まえることもできていた・・・だが。
『無茶です!早く避難してください!』
アナウンスの言う通りセルなんとかの適合率は未だに80%を越さずレスターはただそれを一生懸命抑えているだけだ。こればかりは先程までのことも含めての結果だろう。
だけどなぁセルなんとか・・・いやセルベレスタ
少し我儘が過ぎるぞ。
俺はセルベレスタに向けて万華鏡写輪眼を発動させる、すると突如セルベレスタの動きが止まり適合率も順調に上昇する。正直不安だったが一応純星煌式武装にもこの目は効くらしい。
こうしてレスターは晴れてセルベレスタを手にしたのだった、ところであの大斧はどうすんだろう。ちなみに俺は丁重にお断りした、あまりこういう武器を信用したくないし何よりも俺が使えそうな純星煌式武装がなかった。それよりも早く帰って録画したアニメを消化しなければ・・・
「おい比企谷と言ったな、お前何者だ」
帰り際、レスターに呼び止められる。はっきり言ってクローディアに面倒なことお願いされたしもう部屋に戻ってゴロゴロしたい。俺はそう思いながらも適度な返事を返す。
「ただのボッチだよ、言わせんな」
するとレスターは俺の顔をジロジロと凝視する。
「気のせいか?あの時お前の目が・・・まぁいい、おい比企谷!俺と勝負しろ」
やっぱりそうきたか、こいつの性格を考えるとこうくるのは容易に想像できた、だからすでに返事も考えている。
「いいぞ「なら今すぐに」ただし・・・」
俺はレスターを見て言った。
「お互いの厄介ごとに一通り始末をつけてからだ、その方がお前も気が楽だろ」
俺レスターにそう言い放つとそそくさとその場を後にした。
何とかこの時期にかけた、学校が始まる前にかけて良かったと安心。
何か感想やご指摘がありましたらよろしくお願いいたします。
追伸:クロスオーバーのタグを付け忘れていたので追加しました。