東方翠魔録   作:アホジン
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どのくらいの文字数がいいのか分からない主です、はい。
今回はブロリーの幻想郷での初戦?です
では、どうぞ!


強者同士の邂逅

紫と別れ森の中を歩き始めたブロリーは迷子になっていた。それもそのはず、なにせ何も知らない地で目的地もわからずにいるのだ。ブロリーが幻想郷に連れてこられた時は、まだ太陽は低い位置にあったのだが今では既に彼の真上まで昇ってしまっていた。

(腹が減ったな。ここら辺に食べられるものは有るのだろうか。出来れば肉が食いたいんだが……ん?あれは…。)

絶賛迷子中だというのに呑気なことを考えていたブロリーが見つけられたものは道だった。雑草一つない露出した直線状の土、それに沿うように綺麗に並んだ木々。

(こんな所に道があるとは…。もしやこれを辿れば人里に行けるんじゃないか?ということはなにか食べ物も…よし、行こう。)

こうして意気揚々と見つけた道を歩んでいくブロリーだが、この道が人里に繋がっているものではないと知る術は彼にはなかった。そして、この先での出会いが幻想郷に大きな影響を与えるきっかけになることも。



ブロリーは周りをキョロキョロと見回し、初めて見る生物や植物を観察しながら30分程かけてようやく道の終着点に着いた。そこにはブロリーが予想していた人里ではなく、一面のヒマワリが咲きほこる花畑が広がっていた。

「どうやら人里という場所ではないらしいが…、確か花畑というんだったか?それにしても美しい花だな、初めて見る花だ。」

(一体どれくらいの数の花が咲いているんだ?1、2、3……やめよう、無理だ。そうだ、こんなにあるなら一本くらい採ってもバレないんじゃないか?)

「そうと決まれば早速一本ちょうだいして──」

「何をしているのかしら?」

「!」

花を一本採ろうとしたブロリーの背後から声がかかった。ブロリーが後ろを振り向くと、そこには日傘をさした緑髪が特徴の美しい女性がいた。ブロリーが、さっきまでいなかったその女性に驚いていると、もう一度声をかけられた。

「何をしていたのかと聞いているのだけど。」

「ああ、この黄色い花が綺麗だったからな、旅のお供に一本持っていこうとしていた。」

「そう、なら……死になさい。」

その言葉を聞いた瞬間、ブロリーは女性に蹴られ、吹き飛んだ。

~ブロリーside~

あの女、本当に人間なのか?サイヤ人でもないというのに俺をぶっ飛ばすとは。…しかし、結構飛ばされたな。辺りには何も無いただの荒野だ、飯になりそうなものは無いな…。

「あら、気配で生きているのは分かっていたけど無傷だとは思わなかった。」

そう言いながら俺を蹴っ飛ばした女が空から降りてきた。

「お前は何者だ?俺を吹っ飛ばすなど普通の人間ではありえない。ましてや、蹴り一発でなどまず不可能だ。」

「へえ、随分と自信家なのね。確かに貴方は強そうだけど。」

「俺の質問に答えろ、お前は何者だ?」

「そうね、生きていたら教えてあげるッ…!」

またしても、突然女は攻撃を仕掛けてきた。普通の人間では反応出来ないだろう連撃。生憎、俺は普通の人間ではないから効かないが。

女の拳や蹴りを全てガードし続ける。どうやら本気で殺しにきているようだ。それにしても………
腹が減ったな。

~side out~

緑髪の女性、風見幽香がブロリーを攻撃し始めてからどれだけの時間が経っただろうか、いつの間にか日が沈みそうになっていた。そして、幽香がピタリと動きを止めてブロリーに問いかけた。

「ねえ、貴方はなぜ反撃してこないの?私をナメてるのかしら?」

幽香の疑問も当然である。なぜなら、ブロリーはひたすら攻撃を受けるだけで一度たりとも攻撃する素振りを見せないからだ。そして、ブロリーが返した答えは幽香の予想していたものとは違った。

「お前は俺が生きていたら何者かを教えてくれると言ったからな。ならば攻撃せず耐えればいいだけだろう?」

ナメていると捉えられてもおかしくない内容だったが、幽香はその意味をしっかりと理解していた。そして、先程の質問からずっと機嫌の悪そうだった顔が、獲物を見つけた獣のような獰猛な笑みに変わった。

「…アハハ♪面白いことを言うのね、貴女。気に入ったわ。ねえ、私と勝負しない?」

「勝負?」

「そう、勝負。貴方に私の全力の一発を放つ。それを耐えたら貴方の勝ち、死んだら私の勝ち。貴方が勝ったらどんな質問にも答えてあげる、どう?」

「ふむ、いいだろう。」

「勝負成立ね。あ、もちろん避けちゃダメよ?」

「ふん、当然だ。避けるなどするものか。」

「じゃあ、いくわよ。」

そう言って幽香はブロリーに近づいていく。ブロリーはただ何もせず接近して来る幽香を見ていた。幽香はブロリーの目の前まで来るやいなや、ブロリーを掴んで上空へ投げ飛ばした。さらに、降りてくるブロリーに手をかざす。すると、かざした掌に光が集まっていく。そして──



「マスタースパーク」

収束した光が極太の光線となり放たれ、ブロリーに向かって真っ直ぐ進んでいった。

~ブロリーside~

今度は俺を投げ飛ばすとは…。やはりあの女、ただの人間ではないな。それにヤツの掌に光が集まっている。気功波か?だが、俺やカカロットのような"気"は感じられないな。

「マスタースパーク」

……ヤツの言っていた一発というのはこの光線の事だったのか。カカロット達の程の威力は無いが、今の俺では受け切れそうに無いな。仕方ない、()()を使うか。

「そういえばこっちに来てからは初めてだな。……不安だな、理性を失ったらどうしようか。いや、もうなるようになれだ。ハァッ!!」

~??? side~

とある館の門の前、一人の女性が立った状態で壁に寄りかかり眠っていた。彼女はこの館の門番なのだが、来客のない時は大体このように居眠りをしている。そして、どこからか現れたナイフが額に突き刺さる。そんないつもの通りの日常を過ごしていた。だが、その日は丸一日いつも通りとはいかなかった。

「Zzz……!!これは…凄まじい気の大きさですね。一体私の何倍の気の量でしょう。フフ、いつか手合わせ願いたいものです……Zzz」

門番は突然目を覚ましたと思いきや、独り言を呟いてまた居眠りしはじめてしまった。
彼女は人型の妖怪だが、妖力ではなく気を操ることが出来る能力を持っていた。さらに武術の達人でもあったことで眠っていても他人の気を感じ取ることができる。故に気づいた。自分よりも遥かに大きい気を持つ強者の存在に。

~side out~

幽香から放たれた極太の光線はブロリーを呑み込み天高く昇っていったが、やがて細くなっていき消えた。

「ふぅ、こんなに力を出したのは久しぶりね。流石にちょっと疲れたわ。さ、もう帰り「もう終わりか?」…驚いたわ、完全に消し飛ばしたと思ったのに。」

「どうやら、俺の勝ちのようだな。」

「はぁ、そうみたい…ね……!?」

勝利を確信して帰ろうとしていた幽香は声の聞こえた方向に振り向いた途端、言葉を失った。

「…私もあなたに聞きたいことが出来てしまったわ。」

そう言った幽香の視線の先には確かにブロリーがいた。いたのだが、彼の黒髪黒眼は金髪碧眼に変わり、腕を組み宙に浮いていた。明らかに異常な現象を目撃し、驚いていた幽香の前に降りてきたブロリーは言った。

「構わない。ただし、お前のことを聞いてからだ。それと……腹が減った、何か食わしてくれ。」

「かなりマイペースね、貴方は。まあいいわ、家まで案内するから付いてきて。ご飯も何か食べさせてあげるわ。」

「ああ、頼む。」

こうしてブロリーは無事に食事をゲットすることが出来た。
何か忘れているような気がするが大した事ではないだろう。と、当初の目的は忘れていたが…。



ブロリーが案内されたのはヒマワリ畑のすぐ側にある家だった。

(こんな場所に家があったのか。さっきは全然気づかなかったな。)

ブロリーは幽香に言われたとおり、食卓の椅子に座って待っていた。そこへ幽香が食事を持って現れた。

「ごめんなさいね、時間が無くて簡単なものしか作れなかったわ。」

「美味そうだから別に大丈夫だ。いただきます。」

「あら、意外と礼儀正しいのね。じゃあ私も、いただきます。」

ブロリーは幽香のよりも多く盛られた食事をペロリとたいらげ、幽香も30分程で食べ終えた。その後、二人分の食器を手早く片付けた幽香はブロリーの向かい側に座り直し、「それじゃあ」と、話し始めた。

「私の名前は風見幽香。ここ、ヒマワリ畑(太陽の畑)の管理人で花を操る程度の能力を持つ妖怪よ。」

「妖怪か、それならその力も納得だ。さて、次はこっちの番か。…俺の名前はブロリー、サイヤ人だ。幻想郷(ここ)でいうところの外来人とかいう扱いになる。」

「あら、外来人だったのね。……。ねぇブロリー、貴女住む場所はあるの?」

「いや、無いな。野宿で自給自足だ。」

「そう、ならうちに住んでいいわよ。幸い私は一人で暮らしているし、貴方なら変なことをする心配もなさそうだし。まあ、家事の手伝いとかはしてもらうけれど…」

「いいのか!幽香、お前はイイヤツだな!これからよろしく頼む!」

即決である。さらにとてもテンションが上がっている。これには幽香も少し引き気味だった。

(ところで、変なことってなんだ?……まあ、どうでもいいか。)

種族的にサイヤ人は性欲が薄いが、ブロリーはそれに加えて女というものにほぼ関わったことがなかっため、幽香の言ったことが理解出来ていなかった。

幽香の家に住むことが決まり話に一区切りついたところで、今度はお互い自分の詳しいことを話していった。幽香は、昔自分が住んでいた場所やそこで起きた出来事、自分の趣味などを、ブロリーはサイヤ人についてや超サイヤ人のこと、自分が幻想郷に来た経緯などを話した。

そうして夜は更けていく。次はどんな事がブロリーに起きることだろうか───



はい、というわけでみんな大好きゆうかりんとの出会いでした!

最後の方の『幻想郷に来た経緯』は死にそうになっていた所を紫に助けられた幻想入りしたという事だけです。紫からの依頼とかのとこは話してません。

あと、東方を知っている方は当然、???sideが誰かは分かっていらっしゃると思いますが、そのへんは「一体何魔館の門番なんだ……!?」的なノリでお願いしますね!

ではまた次回ヾ(。・v・。)