手が勝手に動いてた。
あと下書きしたんですよ。字が汚くて読めませんでした。
「なあ一成、慎二今度海行かね?」
俺は夏休みの初日保護者としてイリヤ達に着いて行く。だがセラに1人では不安なのでせめてもう2人くらい呼んではどうかと言われた。
まあ俺もそのつもりだったのだ。
どうせお守りするなら犠牲者は多い方がいい。それに1人だとずっと見てなきゃいけないから自分が泳げない。
ただひたすら日を浴びるとかどんな罰ゲームだよ。
「はあ?なんでだよ。と言うか男三人で行くとか虚し過ぎだろ!」
「イリヤ達が海に行くんだとさ。それで俺が行くんだが1人だとめんど……不安だからさ。」
「「今なんつった(といった)」
「それにほら男だけがいやなら桜でも呼べだいいだろ。」
「その日桜は用事があるんだよ。」
桜の水着を見て見たい気がするが諦めるとするか。
「じゃあ一人でナンパでもしてこい。」
「それ僕が行く意味ないよね⁉︎」
「じゃあ俺と一成の二人で行くからお前は家に引きこもってろよ。」
「待てよ。なんで僕を除け者にするんだよ。行くよ。行けばいいんだろ。だから除け者にするのだけはやめてくれ!」
よし、道連れ成功。
計画通り!
☆
夏休み前日
美遊が家にお泊まりすることになった。
その影響により俺は買い出しをセラに押し付けられた。
なに作るかな。
パーティーぽいのでデザートでも入れるか。
今日は商店街の魚が安売りされていたので白身の魚を人数分購入した。今日は天ぷらにするか。
あとついでにカルパッチョ用の魚を購入した。
後は茶碗蒸しでも作ってデザートはフルーツをトッピングして終わりにするか。
☆
「ただいま。」
「お帰り(なさい)」
「「おかえりお兄ちゃん」」
「お邪魔していますカズマさん。」
「で、なに作るんですか?」
「天ぷら、茶わん蒸し、カルパッチョ。」
「なぜ最後はイタリア料理なのかは問わないでおいてあげましょう。」
内臓を取り、魚を三枚下ろしにし、そこから一口サイズほどに切る。そしてカリッとなるまで上げる。
野菜は薩摩芋、椎茸。ここまでは定番。それ以外はトウモロコシ、ゴーヤを天ぷらにした。
「これを食べるんですか?」
「大丈夫だってちゃんと試食して味は確認済みだからさ。」
そう、意外といけたのである。
次はカルパッチョ
すぐ終わった。
魚を一口サイズに切って玉ねぎをスライス。玉ねぎは生だと辛いので茹でてみた。ついでにキャベツを入れ、オリーブの代わりに和風ドレッシングを入れてみた。美味いかどうかは分からないが。
後は茶碗蒸し
六人分なので卵は6個。
だし汁2400cc
醤油大さじ12杯
みりん大さじ6杯
酒大さじ6杯
塩を少量6回入れる
卵を掻き混ぜさっきの調味料を入れていく。6杯の茶碗に入れそして具材を入れ蓋をしレンジでチンして完成。
うーん楽
「はいお待ち。」
「味噌汁はどうしたんですかね?」
忘れてた。
「作っときましたよ」
「「わーいお兄ちゃんが作ったご飯だ。」」
「今日はいつもより豪華でよいよい。カズマ早く食べよ私お腹空いた。」
「はいはい。それじゃ。」
「「「「「「いただきます」」」」」」
「「美味しい」」
イリヤとクロのその幸せに満ちた声でお兄ちゃんはお腹いっぱいです。
「はむはむはむ。」
リスのように食べ物を口に入れるリズには腹一杯になるという概念があるのだろうか。
「美味しい」
美遊のその声は儚く触れてしまえば消えてしまいそうだった。
士郎、もうこっち来てくれよ。美遊を幸せにしてやってくれよ。
なんでだよなんでもやしで引きこもりのニートなんかにこんな重い荷を持たせるんだよ。
それだけじゃない。爺ちゃんだって特になにも言えずに鉢巻だけ残して消えやがってもう少しだけ話させろよ。
なんでだよ。なんでよってたかって俺に背負わせてくるんだよ。俺は自分の命すら守らないんだぞ。なんで英霊様や俺よりも強い士郎が背負わず俺が背負うんだよ。おかしいだろ。
俺なんかじゃ美遊を幸せにすることが出来ないのに。
8枚目のカードとの戦いになったら妹すら守ることが出来ない。
今のままじゃ確実に俺達は負ける。策だけじゃ駄目だ。いっそアメリカにでも行ってブラックマーケットでRPG7やブローニング社の重機関銃でも購入するか。
駄目だ俺の英語の点数を思い出せ。
一か八か自殺して命を捨ててリッチーになるか。それは最終手段にとっておこう。
そうして食欲の進まないまま晩飯が終わっていた。
「さて、また魔道具作製するか。」
先ずマガジンから弾丸を抜く作業から始めた。
専用の器具でもあれば良いのだが流石に半世紀以上前のものが残っているとは到底考えきれない。
30分かかり二つのマガジンから弾を取り出す作業を終えた。
「「出たよ(ました)。」」
さて風呂に入ってくるか。
マジでどうする。
あの日からも魔力をもらいに行きもう一年半分は溜まった。
ただ爆裂魔法放つだけなら15回くらいは撃てるぞ。ただめぐみんの威力に全然匹敵しないだけで。
あの時みたいに3ヶ月分の魔力を使えばめぐみんに後10歩くらいで届くのに。
☆
「さてさっきの続きをやるか。」
16発の弾にエンチャントを発動し、ドレインタッチを付与する。その間1時間半も掛かった。
なんか隣がうるさい。ガールズトークってやつか。一応注意してくるか。
「おーい、もうちょっと音量下げろ。」
「あらカズマ女の子の部屋に入るなんてやっぱり去勢しなきゃね。」
といい手でアレを切る仕草をしてくる。マジでシャレにならん。
「え、カズマさん去勢されるんですか。」
「私お兄ちゃんが去勢しても愛せるよ。」
「なっ、ななな。」
うん、そこまで愛してくれるのは嬉しいんだけど切らないよね。
「あら、真実の愛ね。」
「何言ってんの!ねぇ切らないでね。というか明日早いんだからもう寝ろ!」
うん、俺ももう寝よ。
「眠れねぇ。」
さっきまで作業して頭が冴えて眠れない。
よし作業続行しよう。
弾丸を取り除く作業は飽きたから石にエンチャントするか。
『チュンチュン』
朝か。
どうやら張り切って作業しようとした瞬間寝たらしい。
「「「「「「海だ!」」」」」」
「ぶべらっ」
一人車に撥ねられました。
「おい、さっき車の運転手からせめてものお詫びにと一万置いていったぞ。」
あかん、それ以上はあかん。
「お前らさっきのは無事で済んだからいいけど次からはちゃんと気を付けろよ。」
「全く危なっかしいのではないか。」
「そうだぞ怒られるのは俺たちなんだからな。全くカズマが誘った理由が今分かった。」
「ああ、俺もだ。」
「私達問題児扱いされてる!」
当たり前だ。道路であんな事したら問題児確定だよ。
「イリヤ、イリヤ。あの眼鏡男子とワカメは誰だ。」
「柳洞一成だ。お初にお目にかかる。」
「誰がワカメだ。間桐慎二だよ。」
ワカメ、ププッ今度からそうやって呼んでやろ。
「ほほーう、ほうほうそれで三人はどのようなご関係で?」
あっ、こいつ駄目な系だその年で腐女子はないぞ小学五年生。
「友人関係です。」
これで大丈夫だろう。
「ふむ、普通の一言で済ませるのもいささか寂しいな。」
「だな。」
ちょっと二人とも!今はダメ今は絶対ダメだ。余計なこと言うなよ
「カズマにはいつも生徒会の雑務、用具点検をしてもらってないやはやカズマがいないと思うと俺はどうして良いかわからんよ。」
あっ、もう手遅れだ。俺何も言わないでおこう。
「そうだな同じ弓道部員で僕の苦手な弓具の点検をしてもらったり弁当対決したりしてるな。毎回負けたり大事なオカズを奪われたりしたが」
おい、桜と一緒に作ったって言え。絶対やばい。
さっきからその女の子がプシュプシュ煙出したり顔を真っ赤にして何か走り書きしてるから。
「お兄さんのほうは」
「友人です」
「もう一声」
「数少ない友人」
これくらいなら大丈夫…じゃないわ
ヨダレまで出てる。
「アリガトウゴザイマシタッッ!」
なんだろ、ものすごく帰りたい。
「ほらカズマ何やってんだ少しくらい泳ごうぜ。」
「そうだなじゃイリヤ達の近くでな。」
「じゃあ一成留守番よろしく。」
「はあっ?ちょっとまて貴様ら抜け駆けは許さんぞ!」
その後一成が陸上部顔負けの走りを見せ俺たちを捕まえました。
「嫌だ!せめて泳がせろ。」
「たわけ、貴様らだけ助かるなど許さん。道連れだ。」
その時初めて一成の歪んだ顔を見ました。
☆
イリヤ達が崖の方へ行っていたので一成に伝えイリヤ達のところへと向かった。
慎二がぎゃーわ叫んでいたが一成が鳩尾を入れ慎二は気絶した。これからは一成を怒らせないようにしよう。
イリヤと美遊は何か話しをしていた。明らかに空気が暗かったが関係ない。
「おーいお前らそんなとこにいて海に落ちても俺三人も助けられないからな。」
そんなことを気にして落ちでもしたらめんどくさいからだ。
「アイスキャンディーいかがっすか!」
うるせぇ。
それはバゼットでした。
「「「「バッ、バセット!」」」」
距離を取り固有結界から百式機関短銃を取り出し構える。
「子供にそんな反応をされると落ち込みますね。安心しなさいここでやり合うつもりはありません。なぜならわたしはいまはただのアイスキャンディー屋さんなのですから!!」
プライドなどどこかに捨てた元何執行者のバゼットさんはそれはそれは見事なダメットさんへと昇格していました。
その後
『イリヤ&クロ&美遊お誕生日おめでとう‼︎』
歓声ムードの中みゆが手を挙げた。
「あの誕生日なんて祝うものなの?」
暫しの間静寂が続いた。
慎二と一成がなんとかしろという目でこちらを見て肘でついてくる。
こいつら。
「そうだな誕生日ってのは生まれてきたことに祝福し産んでくれたことに感謝する。そして今日まで生きてきた事の確認と自分の中での一年の区切り。個人個人のお正月みたいなものだな。」
なんか言ってる自分が恥ずかしくなってきた。
俺の隣で笑いを堪えてる慎二と一成には制裁してやる。
「感謝と…祝福」
「とまあ堅苦しい事はそこらに置いといてほら誕生日プレゼントだ。イリヤ、クロ、美遊お誕生日おめでとう。」
本当に士郎にこの光景を見せてやりたいよ。
本当に来てくれよ。いつまで俺はお前の妹に黙ってればいいんだよ。言ったってどうにもならないし、並行世界に行く方法なんてないし。もし可能性があるとしたら俺が魔術師の道を歩むしかない。でもそんなことしたら家族みんなは悲しむだろう。どうしたらいいんだよ。
俺はそんな思いをこころに留め無駄と分かっていても記念にと写真を撮った。
なんでこうなったんだ?
『まてぇ!』
「アイスキャンディーいかがっすか!」
一人なんか違うのがいる。
そのとき逃げているイリヤの額に上空からルビーが体当たりをした。
ルビーがこちらへと注射を飛ばして来た。
「うおっ、『回避』」
「ちっ、避けやがりましたか。まあいいです。先に他を無力化します。」
と言い10本の注射がみんなの頭にぶすりと刺さった。
9名が悟りを開き残り1名が阿修羅と化していた。
「ではお楽しみの時間ですよ。」
いつのまにか俺の背後にいたルビーに気づかず注射を打たれ倒れ込んだ。
ダメだ意識が朦朧とする。
固有結界からサバイバルナイフを取り出し腕の皮膚を切る。
「はぁ、はぁ、俺の体に何入れた。」
「惚れ薬です。」
「OK『ピュリフィケーション』ぜぇ、ぜぇ。」
「思ったより耐えますね。これならどうです。」
まだ動けない体に三本の注射が打たれる。
倒れる間も俺は自然とイリヤだけを見ていた。イリヤを見るだけで体温が上がっていき思考が疎かになる。
イリヤを押し倒したい。そんな感情が心の奥底から湧き上がってくる。
「イリ…ヤ、イリヤ、イリヤ。」
俺はイリヤを押し倒してしまった。
涙ぐんだイリヤの顔に嗜虐心を煽られる。
「お兄…ちゃん」
涙目になりながら霞んだ声を出すイリヤに俺の本能が最も先に進め、後先なんて考えるなと命令してくる。
「さあ、さあ、早く。」
「ダメ…だ」
「えっ?」
「ダメだ…そんなの、イリヤが…嫌がっている。それに、するなら無理やり、じゃなく、てちゃんと……許可が、」
そうだダメだ
俺は嫌がっているイリヤを見たくないしそんな顔させたくない。
そう考えているのにもう自分では声すら出せなくなっていた。
そして唇がイリヤと触れる。
その後俺の顎に鈍い痛みが走った。
「姉さんはやり過ぎです。私が皆様のアフターケアをします。それと姉さん後で覚えておいてくださいね。」
「嫌だ忘れたくない!」
意識が遠くなる中その声だけはひっきり聞こえた。
「はー疲れた。」
「一時はどうなることかと、どうなる、ん?何がどうなったんだっけ?」
「あれなんか一部の記憶があやふやなんだけど。」
ああ、俺も…全部覚えてる。なんで俺だけアフターケアされてないの。もしかして俺の運が良すぎて頭がパーにならなかったとか。
まあみんな忘れてるからもう掘り起こさないようにしよう。
イリヤを泣かせる事させたくないし。
くそ、サキュバスサービスがあればあの続きができるのに。夢なら良いよね?妄想ならどこまで行っても妄想だし少しくらいあの続きを妄想しても良いよね。
よし、そうしよう。
アニメでやってた祭りと遊園地カットしますね。多分
あとドラマCDのは確実にカットで