もしもカズマがプリヤの世界に行ったら。   作:こしあんA

26 / 37
最近カズマのアイデンティティが無くなってきていると思うんです。
今年中に投稿する為3000字とかなり少なめです。
今年最後の投稿です。なんだかそう思うと特別に感じますよね。
誤字脱字もスペシャルですね分かります。


6話 悲劇再び

空が

青くない。

 

ぼやけた視界に大きすぎず小さすぎずといった男性を誘惑する魔力を帯びた球体が映った。

Cカップ、か。

 

「あら、起きましたか…どこ見てるんですか?」

 

「胸です。」

 

「ロリコン、シスコン、そしてオープンな変態。セクハラで訴えますよ。この駄犬。」

 

「勘弁してください。」

 

「ふふっ、ほらもっと誠心誠意込めて謝罪しなさい。この駄犬。」

 

この女は確か初等部の保健の先生のカレンだったか。

そういや前にも謝った気がするんだけど。

 

どうやら俺はあいつを倒した後気絶した。その後なんやかんやでカレンに膝枕されていると。

なんのご褒美だよ。

 

「そういや、奴は?……いっつ」

 

起き上がろうとするが激痛が走りまたカレンの膝の上へと頭が戻っていく。

 

「なんですか?私の膝が恋しくなりましたか?この駄犬。という精神攻撃はこのくらいにして、その怪我で立ち上がれるとでも思ってるんですか?頭まで犬並みとはもうダメかも知れませんね。」

 

「その犬並みの奴を膝枕してるのは誰ですかね?」

 

「あら、そんな態度とって良いとでも思ってるんですか?この状態では主導権は私にあるんですよ。」

あっ、これは悪いこと考えてる時の俺と同じ顔してますね。

カレンは俺が奴に殴られた箇所を突きながら脇腹をくすぐり出した。

 

ふっ、馬鹿め俺にはくすぐりは効か、ないの…

カレンに脇腹を優しく触れるか触れないか程の撫でその度体がビクンと動く。

それと同時に俺を痛みが襲う。

 

「いだだだぁ!…あっ、ちょっ、ちょっと。いだい。くすぐったい。や、やめ…くれ。やめてくださいカレン様!」

 

「ふっ、愉悦。」

 

こいつ後で泣かす。と思ったが俺が怪我をしている箇所には包帯が巻かれていた。

何だかんだこいつが治療してくれたんだよな。

 

「しばらくこの状態でいなさい。」

 

「じゃあこのまま聞くぞ。あのは男は誰なんだ?他にもいるのか?」

 

「あの男は魔術協会から派遣された通称『魔術師殺し』あなたがビリビリに引き裂いたカードは神代から現在まで受け継がれた魔術礼装。この事が魔術協会に知られたらあなたは一生付け狙われるでしょうね。」

 

何と恐ろしいことを。

 

「テープで誤魔化せませんか?」

 

「無理に決まっているでしょう。あと他にもいますよ名はバゼット・フラガ・マクレミッツ。間違いなく最強の執行者です。目的はカード回収。」

 

魔術協会は意見の食い違いにより政権分裂。ルヴィアと凛からカードを奪い取ろうと送ったのがあの2人らしい。

カードの回収が目的ならアーチャーのカードを媒介とし、存在しているクロも狙われる。イリヤと美遊も交戦するだろう。ならば急がなくては。

 

傷付いた身体に鞭を打ち立ち上がろうするがまだ立ち上がれない。

「だから怪我で動けないと言ったばかりでしょう。それにまだ治癒も完了していません。それに焦る必要はありませんよ。まだ彼女はそこら辺をうろちょろと迷子になっていますから。」

 

何だろう。アクア達と通じる何かを感じる。

 

「だからしばらく私に膝枕されてなさい。別に感謝してくれても良いんですよ。あなたみたいな人が女性に膝枕されるなんて二度とない体験ですよ。良いんですよケダモノのように顔を私の膝にうずくめても。」

 

「そうか、じゃあ遠慮なく。スゥーハァ……スゥーハァ、バビボブ」

 

「ひゃ、…や、やはりケダモノですね」

 

自分からどうぞって言ったくせに。

 

このままうつ伏せでいると窒息しそうなので頭を横に傾けると赤い布にぐるぐる巻きにされた何かが視界に映る。

 

「何あれ?」

 

「あなたが戦っていたあの男ですよ。気絶してはいますが念の為拘束しておきました。なので安心して寝てもよろしいですよ。」

 

カレンの暖かい手が俺の瞼を閉ざし深い眠りに就いた。

 

 

 

 

「あら、やっと目を覚ましましたね。もう午後の5時過ぎですよ。治癒はもうとっくに終えました。もう歩いても大丈夫でしょう。で、あの男はどうします?」

 

と、芋虫状態の男を指差す。

 

「俺の知り合いにさ、金持ちのホモと知り合いの奴がいるんだよ。」

「それはそれは、いい知り合いを持ちましたね。」

「だな。」

「「フフフ」」

 

俺達の微笑ましい笑い声は奴にはどのように感じたのだろうか。

 

その後ドレインタッチで魔力と体力を殆ど吸い取ってから例のホモにこいつの身柄を明け渡した。

 

「いやぁ、カズマくんには感謝しなきゃな。今度うちにどうだい?」

「遠慮しときます。」

 

この男は全国に展開している大手株式会社の店舗のうちの1つの社長。

経営力は凄いのだが性癖のせいで男性社員は殆ど存在しない。女性にとってはパワハラを受けることもないので天職であろう。

 

ただ男性社員は全員セクハラを受け、会社を辞めるか新たな性癖に目覚めるかのどちらかである。

 

因みに俺が株で100万稼いだ時に投資した会社はこの男の会社である。

 

「お、おい。や、やめろ。た、助けてくれ!」

 

「さあ誰にも邪魔されない二人だけの世界へ行こう。何、恥ずかしがらなくてもいいんだ。最初は誰だってそうなんだ。僕がありとあらゆる快感を君に教えてあげるよ。」

 

アダムとアダムとはまさしくこのことを言うのだろう。

しばらくこいつの会社に投資するのやめとこ。

 

「や、やめてくれ!嫌だ。俺は男じゃなくて女が好きなんだよ!」

 

体力と魔力を殆ど吸われたあいつは抵抗する術もなく輸送されていった。

 

「「ふっ、愉悦」」

 

後はバゼットか。みんなに伝えるべきだろう。

それにしても腹減った。

今日何も食ってない。

 

固有結界からブロック栄養食を取り出し食べながらルヴィア邸へと向かった。

 

 

 

 

ルヴィア邸に到着。といっても俺の家の真横だが。

 

門から少し覗いてみるが特に異変がない事に安堵し、門の手前に自転車を止め門を開ける。

そこにはさっきとは異なる景色が広がっていた。

屋敷は倒壊し、瓦礫の山と化していた。さらに負傷した美遊そしてイリヤ、クロがいた。

 

「また乱入者ですか。たしかあなたはあなたあの男が狙っていたはず。何故ここに?もしや、迷っているのでは?仕方ありません。私が代わりに倒すとでもしましょう。」

 

バゼットはファイティングポーズを取る。

こちらも十四年式拳銃をホルスターから抜き、片手はスキルを使うため空けておく。

 

「『クリエイト・アース』」

周りに聞こえないほどの音量で呪文を唱え砂を生成する。

「隙があり過ぎです。」

バゼットは俺へと猪突猛進。

バゼットへとアンダースローで目に向かい投げバゼットが怯んだ隙に十四年式拳銃の弾丸三発を発砲。

 

だがバゼットは音速よりやや速い325m/sの弾丸を全て直感で避け切ってしまった。

 

不利を悟り潜伏スキルを使用し、林に逃げ込んだ。

十四年式拳銃をホルスターに仕舞い込み、固有結界から三八式歩兵銃を取り出す。

 

「くっ、どこに行ったのです!」

 

「『狙撃』」

 

引き金を引き、音速の二倍をも超える速度を得た金属がバゼットの顔面へと放たれる。

だが今度は腕をクロスさせ銃弾を受け切りやがった。

 

「もう大体の位置は掴みました。」

 

バゼットはその怪力にモノを言わせ草を引っこ抜くかのように木を引っこ抜き、おおよその位置を付けこちらは投擲した。

いくら三八式歩兵銃の弾丸が通常のスナイパーライフルの弾丸より一回り小さい6.5mmとはいえ受けきるとは思っていなかった為離脱の準備が出来ていなかった。

 

「うおっ、」

 

直撃は避けれたが着弾と同時に起きた衝撃により吹き飛び地面へとヘッドバットした。

 

「ぺっ、ぺっ、口の中がじゃりじゃりする。」

 

「さあ、今度こそ終わりです。」

 

やつの目的はカード回収。そしてあの惨状。恐らくカードはほとんど取られた。もしこのまま負ければクロの中にあるカードも抉り取られてしまう。

もしそんなことになればカードを核とし存在するクロは消失。

そんな事させるはずがない。だが奴に勝つには英霊化するしかない。だがカードは奴が持っている。つまりあれをやるしかない。

 

「ああ、クッソ。どんなもん取られても文句言うなよ!『スティール‼︎』」

 

 

俺の手には生暖かい布が握られていた。

 

 

 





今年の7月から始めて早5ヶ月。今年このクロスオーバーを読んでいただき誠にありがとうございます。来年もよろしくお願いします。
では良いお年を!

とまあ堅苦しい挨拶はこのくらいにしてカズマがとうとうパンツ取っちゃいましたね。
カレンに罵ってもらえないかな。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。