もしもカズマがプリヤの世界に行ったら。   作:こしあんA

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クロに押し倒されるのを妄想しました。しかもなんと夢で見ました。
まあ相手はカズマですけどね!
もうね最近プリヤを見るとあれ?カズマが居ない!と思ってしまうことがたまにあるんですよね。
皆さんはありますか?
え?ない?
まさかね。


4話 食戟のイリヤ

 ピピピピピッ! と目覚ましのうざい音がなる。俺はこの音が嫌いだ。

 なんたってあと数十分ほどしたら学校に行かなければならないのだから。目覚ましとは夢から現実へと人を陥れる人類が発明した最悪の道具である。

 俺は朝に憎しみを覚えながら目を開く。

 すると目の前にはピンクの物体が存在していた。これはもしかしなくても女性物の下着。

 

「く、クロさん!な、なにしてるんですか!ここ俺の部屋ですよ!」

 思わず敬語が出てしまった。

 それと同時にドアが開かれた。開いた人物とはイリヤだった。

 

「い、イリヤ!違うこれは…」

「ん〜おはようお兄ちゃん。お兄ちゃんって寝てる時抱き癖があるのね。ちょっと苦しかったわ。」

 クロがそう言い放つとイリヤは明らかに殺気を帯びている。

 俺は数日前のあの悪魔を思い出す。

 

 

 ーーー

 ーー

 ー

 

「や、やめてくれ!」

「だーめ。節操なくキスする悪い子にはちゃんとお仕置きしなきゃ。」

 母さんはにっこりと笑い俺にそう言ってくる。

「そうよお兄ちゃん。クロばかりずるい。お兄ちゃんはもうそんなことしないように反省させなきゃ…」

「「フフフ」」

 二人は不気味な笑みを浮かべ俺へと近づいてくる。

「やめて!俺が悪かったから!反省する。反省しますからどうかグーパンチだけはやめてくださ…」

「「だーめ」」

 その後俺は殴られては治癒を繰り返された。何回も何回も。

 

 ーーー

 ーー

 ー

 

「ふ、不潔!」

 俺はイリヤにマジビンタを食らった。

 

 その後俺達は下に降り朝ごはんを食べていた。

「立場をはっきりさせておくべきだと思うの!」

 まだマジビンタを食らった頬はヒリヒリする。

 

 俺は不潔じゃない。不潔じゃない。俺はそうボソボソ言い続けていた。あの時の『不潔』というのは『お兄ちゃんサイテー』ほど心へのダメージがある。

 

 今の上下関係は母さんが独断で付けこうなった。

 

  ①アイリ

  ーーー神の壁ーーー

  ②切嗣

  ーーー親の壁ーーー

  ③イリヤ

  ーーお嬢様の壁ーー

  ④セラ リズ

  ーーメイドの壁ーー

  ⑤カスマ

 

 おかしいな。俺の名前が『ズ』じゃなくて『ス』になってるんですが。

 

 じゃあとイリヤが俺の下にクロを書き兄の壁と書いた。

「おい待て。これには文句があるぞ。」

「何かしら?底辺だったのが一つ上に上がれてよかったじゃない。」

「いやいい訳がないだろ!」

 俺はペンで修正した。

 

 ①アイリ 切嗣

 ー夫婦の壁ー

 ②イリヤ クロ

 ーお嬢様の壁ー

 ③セラ リズ

 ーメイドの壁ー

 ④カズマ

 

「これでよし。」

「お兄ちゃんそれでいいんだ。」

 いいに決まってるだろ『カスマ』を直せたんだから。

「父さんと母さんは同じくらい大切だからな。地位は一緒にしてあげないと。もう俺が底辺なのは自覚自覚してるから…」

「カズマ…お母さん感動しちゃった。そうよね夫婦は一緒じゃなきゃね!」

 何故だろう。自分で言っているはずなのにとても虚しくて目から水が出てきそうになる。

 

「てことはイリヤとクロはどっちがお姉さん?」

 リズ。言わなくていい。絶対揉め事になる。

 俺はパンを口に入れ牛乳で無理やり胃の中に入れ学校へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 ロンドンの時計塔

 カードを巡って論争が起こり何個かの勢力に分かれ、いまカードを持っている遠坂、エーデルフェルト家から強奪を企てている。

 しかし相手は一応にも一流の魔術師でありゼルレッチ卿から渡された魔術礼装も所持している。普通の魔術師では手も足も出ない。結局どの勢力も何もできずにいた。しかし一つの勢力が執行者を雇った。

「では君には日本へ飛んでもらう。遠坂、エーデルフェルトの者からカードを全て回収してこい。」

「はっ!了解しました。」

「それともう一人ある男をしばらく前に派遣しておる。そいつと協力するように。」

「その男の名前と言うのは?」

「知らん。名前を聞いても教えてくれないのだ。彼曰く『魔術師殺しとでも呼んでくれといっていたよ。」

「ッ⁉︎それは衛宮切嗣のことですか?」

「いや奴はとっくに引退している。それに時と場合さえ考えればあいつより強いかもしれんぞ?」

「はあ、そうですか。」

 カズマたちは気付かないであろう。もう既にまた日常が消えることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「到着‼︎」」

 イリヤとクロはどっちが姉になるか競っている。まずはどちらかが教室に着くか。

 イリヤとクロは滑り込みで教室に入ってきた。その時入り口の近くに居たタツコは吹っ飛ばされてしまった。

 結果は同着であった。

 その後は勝負が熾烈を極めた。

 今日10回は勝負をしたがどれも引き分けであった。

 

 そして最後の種目はドッチボールとなった。何故ならあの時決着のつかなかったドッチボールでけりをつけると言うことらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 何故だろう。いますごく嫌な予感がした。

 朝は巻き込まれないようにそそくさと逃げた。あとは知らんぷりするだけ。なのにいま俺の知らないところでなんだか大変な事が起こる気がする。

 

 数時間後

 案の定俺の予想は当たった。また初等部の大河先生に呼び出しを食らった。

 なんでもイリヤとクロがまたドッチボールを始め怪我をしたらしい。しかも前回より熾烈な戦いだったらしい。

 

 保健室の先生の折手死亜華憐と言うらしい。前にも居たがそういえば名前を聞くのは初めてだった。

「全く。これで2回目ですよ。本当どう言う神経してるんでしょうか。」

 全くそのとうりでございます。

「すいません!内の妹達が本当にすいません!」

「そうですよ。ほらもっと誠心誠意こめて土下座したらどうですか。それにどうせ送られてくるのなら瀕死の重体くらいで無いと」

「は?」

 いま何て言ったこの人?聞き違いだよな?

「だから瀕死の重体…」

「お前本当に保健の先生?」

「ええ、そうよ。だってそれなら苦しむ子供達を間近で見れるでしょ?ふふふ。」

 だれだこいつ雇った奴。

「ほら!怪我してないのなら帰りなさい!来るならせめて内蔵が飛び出るくらいで…」

「もう二度と来ねぇよ!」

 俺は初等部を去った。

 

 

 

 俺は高等部へと着いた。

「よう、カズマ。どうした。そんなに怒って。」

「いや、何でもない。ただ…世の中本当クソだよなって。」

「…本当に何があった⁉︎」

 何も無い。そう、あるはずがない。無いと信じたい。

 休み時間はもう終わってしまった。おれの学校での一番安らげる時間が過ぎてしまった。

 

 

 

 その後の午後の授業はもちろん真面目に受け下校時間となった。

「なあカズマ今週のジャンプ買いに行こうぜ。」

「OK」

 

 俺達はてくてくと歩きコンビニへと向かいジャンプを買った。

「じゃあな。また明日。」

「おう。また明日な。」

 俺はまたてくてくと家へと向かった。

 

 

「だだいま。」

「「おかえりお兄ちゃん!」」

 二階に上がりバックを置き着替え、一階へと降りソファーでゴロゴロとした。今はリズが居ない。つまりいつもはリズが居座るソファーは俺が安らげる。

「お兄ちゃん。」

「なんだ?」

 俺は横になりぐったりとしながら答える。

「あのね明日調理実習でパウンドケーキ作るの。だからねお兄ちゃんの為に美味しく作るから楽しみにしててね!」

 調理実習か。懐かしいな。今じゃパウンドケーキとか作るのか。

「わ、私も作るから、クロより美味しく作るから!」

 イリヤは私も私もと言ってくる。

「楽しみにしてるよ。」

 どうやらドッチボールでも決着がつかなかった為今度は料理勝負となった。もう問題ごとさえ無ければ良い。

 本当問題ごとは辞めてくれ。

 

 次の日。

 調理実習当日の日となった。

 きっと今頃頑張って作っているのだろう。でも心の中で何か嫌な予感がする。いや、でも料理だし大丈夫だと思う。そう信じたい。

 

 料理…か

 そういえばセラに料理勝負でボコボコにされ悔しくて必死に練習したけど一回火加減を間違って黒焦げにしたんだよな。あの時は内心焦っていたのだろう。

 料理もここまで上手くなれたのも何気にイリヤのお陰かもな。

 

 

 

 

 一方その頃

 

「明らかに戦力差があると思うんですけど!」

 そう、じゃんけんで決めたらなんとクロチームには美遊とミミ。

 二人とも料理は得意である。

 対してイリヤチームは特に料理は得意では無いナナキとスズカ、それと未だに何を作るかを理解していないタツコ。

「早くハンバーグ作ろうぜ!」

 終わった。はっきり言って終わった。野球で例えるなら33ー4である。明らかなるオーバーキル。

 

 順調にレシピ通り作りバターと小麦粉を混ぜる作業へと移行した。しかし、その時悲劇が起きてしまった。

 クリーム状になったバターに砂糖を投入。だがそれ以外に何かが混入された。

「タツコが何か入れた!」

「「何してんだゴルァ!」」

 二人のグーパンダブルアタックを食らいタツコは吹き飛んだ。

「何入れた!一体何を入れたんだ!」

「ナツメグ。」

「「「ナツメグ‼︎」」」

 そう、それは本来ハンバーグに加える調味料であるはず。そう、タツコはハンバーグを作る気でいた。材料に肉は存在しなかったはずなのに。

 

 

 

 

 

 

 何故だろう。本当に嫌な予感がする。間違って何か入れてないよな?

 結局その時間は授業に集中できなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 イリヤは絶望的状況から諦めはしなかった。料理に引き算はない。だが味を足すことは出来る。イリヤは誤魔化すためにココアパウダーを加えた。

 料理は分量が命ではない。料理は愛情である。

 イリヤはそう言った。だがそんなイリヤに第二の絶望が降り注ぐ。

「タツコがまた何か入れた!」

 そう、タツコの妨害である。

「「何してんだお前!今度は何入れた!何入れた!」」

「フ、フリ○ク」

 まず何故学校にそんな物を持ってきているのかは疑問であるがそれは置いておいて何故入れたかを聞く。

 タツコ曰く

『ミントの風味を足そうかと』だそうだ。

 タツコの行動は悲劇しか生まないのだろうか。結局時間切れとなりフリス○入りのパウンドケーキが完成した。

 

 

 

 

 昼

 やはり不安だ。まあ考えても仕方がないだろう。さてそういえば弁当でどっちが良く出来てるか慎二と勝負するんだっけか。

 慎二は桜と二人で一緒に作ったらしい。

「く、悔しいが今日は負けにしておいてやる。でもいつか必ず勝ってやるからな!」

「おけおけ。いつかな。」

「くそ!馬鹿にしやがって!」

 慎二は箸で俺の唐揚げを奪った。

「あっ!テメェ!卑怯だぞ返せ!」

「だーめもう食べちゃいました!」

 俺は仕返しに慎二のエビフライを奪った。それは見事な手際で。流石スティールを極めた俺だ。スキルを使わずとも華麗に奪うことが出来る。

「あっ!このカスマ!返せ!」

「残念もう食べちゃいました!」

 仕返しに俺も言い返した。

「くそ!…せっかく桜が一番頑張ってつくってくれたのに

「ん?言った?」

 最後の方はよく聞き取れなかった。

「なんでもねぇよ!」

 

「オーホッホホホ。無様ですわね遠坂凛。」

 高らかと響く特徴のあるルヴィアの声。また喧嘩でもしてるのかと声のする方を向くとルヴィアは豪華な弁当にしては大きすぎる箱を持ち、凛はゼブンのシャケおにぎり2個と選ばれたお茶だけであった。

 

 凛はルヴィアのツボを壊してしまったためその弁償。宝石魔術の為の宝石購入の為にお金を貯めている。まさしく『贅沢は敵だ!』状態である。

 これが貧富の差ってやつか。

「慎二ちょっと移動しようぜ。」

「あ、ああ。」

 俺達は机を凛の所へと移動させた。

「よっこいしょっと。」

「カ、カズマ君?どうかしたの?」

「いやさおにぎり2個じゃ午後の授業辛いだろ。俺だったらまず寝る。」

「おいおいカズマ。お前なんかと比べられても困るだろ。」

 皆同じく。という顔をしている。

「うっせ!」

「ほらほらそんな騒いで無いでさ早く飯食おうぜ。」

 と慎二は満遍の笑みを浮かべて言う。

 コイツ!元凶のくせしやがって。

「いいのカズマ君?」

「いいよ。足りなかったら慎二の分食べるから。」

「食わせねぇからな!」

 とワイワイし昼休みが終わり午後の授業も部活も終わった。

 

 

 

 

 

「へぇー初めての割りには良く出来てるじゃん。」

「でしょでしょ!じゃあ勝利した方には勝利のキスをお願いするわ。もちろんちゃんと公正に審査してよね。」

 公正にか。

「安心しろよ。俺は料理に関しては朝は許さない‼︎」

 

 

 審査結果。

 まずクロの方はすごく良く出来ていた。きっと一つ一つの工程をていねいに重ねたのだろう。仕上がりにムラがない。食べる人に対する想いが感じられる味だった。

「そうでしょ!そうでしょ!」

「ただ、これは俺じゃなく別の誰かのための味だな。一般的なものより甘い。そしてイリヤの方には入っているラム酒漬けのドライフルーツが入っていない。多分これは俺より小さい子向けの味だな。」

 その時クロはハッとなる。

 あれはミミが弟の為に作ったものだと気づく。けど

「けどそれがなんだっていうの!美味しければ誰が作ってもいいじゃない!」

「そうか?」

「えっ!何?まさかそっちの方が美味しかったっていうの?」

 そんなはずはない。色を見た時は焦がしちゃったか。と思ったがそれはココアパウダーの色だった。きっとココアパウダーで何かをしたのだろう。それは多分なにかの味の誤魔化し的なことだろう。何故か入っていたナツメグとか。

「いえ、はっきり言って美味しくなかったです。フリ○クは何かの間違いだと信じたいです。あとナツメグ。」

「じゃあ!」

「でもなそういうことじゃないんだよ。イリヤは多分もう覚えて無いだろうけど。」

 

 

 

 そうそれは昔のこと。

 学校でもその思い出に浸っていたが、あれは俺が料理を焦がした日のこと。

 失敗したことにイラついて失敗作の料理を捨てようとしたらイリヤは

 それを食べてくれた。不味くても最後まで。

 

 

 

 

「なんてもう覚えてないよな。『料理は愛情』っていうけどそれは作る側だけじゃなく食べる側にも言えるんだよな。だから。」

 そう、きっといろいろなアクシデントが起きてそれでも俺のために試行錯誤したのだろう。

「イリヤが俺の為に一生懸命作ったって事は伝わったよ。」

 俺はイリヤのおでこにキスをした。

 

 イリヤは突然の事で顔を真っ赤に染めた。

 次の瞬間俺の後頭部へとナニかが襲いかかった。

「このシスコンアンドロリコン!」

「真剣白刃取り!」

 それは吸引力の変わらないただ一つの掃除機ダイ○ンだった。

「セラさん。吸引力の変わらないただ一つの掃除機ダイ○ンは人を叩くためにつかうものじゃないんだよ!ほら学校の女子に言われたでしょ!『そこの男子!箒でチャンバラごっこしないで真面目に掃除してって』まったく教育がなってねぇな!」

「ええ、そうですねカズマにはまた一度再教育が必要なようですね。」

 さっきよりもダイ○ンの重さが増す。俺も負けじまいと全力で耐える。

 

 そんな俺とセラの横でイリヤはまだボーッとしそれにイラついたクロがイリヤの脇腹をど突き反撃にイリヤは頭でクロの腹をど突いた。

 

 

「リズ!カズマを取り押さえなさい!」

「了解。」

 セラの命令によりリズは俺を後ろからがっしりと羽交い締めする。リズの怪力により俺は成す術が無くなった。

「いだだだあ!り、リズや、やめて!」

「だーめ。お姉ちゃん達には逆らっちゃダメなんだよ。」

 セラは抵抗出来ない俺へゆっくりと近寄り満遍の笑みを浮かべる。

「あの、セラさん目が笑ってませんよ。ねぇ無言で近寄ってこないで!ごめんなさいもうしません。だから勘弁してください。」

「問答無用!」

 抵抗出来ない俺はセラの鉄拳制裁を食らった。

 

 結局どっちが姉かという目的は二人とも忘れていた。

 

 

 

 

 俺は今セラにコンセントでぐるぐる巻きにされ頭を足で踏まれグリグリされている。そういうのは俺じゃなくてドMの人にやってあげてほしい。

「そういえばなんで今朝自分でお弁当を作ったんです?」

「ちょっとした弁当勝負があってさ…一応勝ったぞ。」

「ほうこれが勝者の姿ですか。」

 そうですよ。勝者の姿ですよ。メイドのセラに足で踏まれ上から蔑まれた目で見られている俺が勝者の姿ですよ。

 

 

 次の日。

「本当世の中って理不尽だよな。」

「本当に何があったんだ!」

 今日は何故か慎二に優しくされた。




グーパンチからの治癒またグーパンチ。この無限ループ怖いな。
あのケイネスの名言みたいですよね。
「ただでは殺さぬ。治癒で肺と心臓だけを治癒してじっくりいたぶってやる!」
って
死なないからもっと酷いな。

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