もしもカズマがプリヤの世界に行ったら。   作:こしあんA

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いやー違う作品に力入れすぎてこっちが疎かになってましたね


ツヴァイ
1話黒イリヤ⁉︎


 火曜日

 それは悪夢の日。月曜日は部活が無いから一番好きだ。だが火曜日は部活があり、休日までのあまりの長さに絶望する。そんな日凛とルヴィアに呼び出された。

 高圧縮魔力を注入するらしい。だが俺は行けない。

「悪りぃ今日部活だ。」

「そお、じゃあイリヤ借りるけどいい?」

「イリヤ達が居ないとできないんだろ。それに俺呼ばれても多分することないぞ。」

「そうよね。じゃあこの件は私達で終わらせるわ。」

「分かった。そんじゃあ。」

 午後の授業も終わり部活の時間になった。

 

 そして部活も終わり家へと帰宅した。

「ただま。」

「おかえりなさい。」

 こうして悪魔の火曜日が終わり水曜日へ。そういえばイリヤがなんか疲れてたな。まあ高圧魔力を注入するんだから疲れるのは当たり前か。

 俺は日課の石に魔力を込める作業も終った。

 

 俺は学校に行った。お休みまで今日を入れてあと3日か。長い。

 俺は今日も凛達に呼ばれたが『部活』と答え、その場を去った。

 

 カズマはイリヤが2人になり、凛達はそれを伝えようとしたなんて知る由もなかった。

 

 そうして部活の時間になってしまった。やはり俺の最大の敵は部活かもしれない。部活と比べたらヘラクレスなんてただの雑魚のような気がしてきた。

 俺は弓を構えて放つ。当然ど真ん中。

「流石カズマと言ったところか。褒めてやるよ。」

「じゃあ俺と勝負するか?」

 すると慎二はすぐさまあやまった。

「すみませんでした!」

「へ」

 俺は顧問にもっと的を遠くしてやると言われた。そんなめんどいことしなくていいのに。

 40メートルの距離が一気に二倍の80メートルにまで離された。しかも的も小さくされた。

 そして顧問が当てられるもんなら当ててみろと言ってきた。流石にこれにはカチンときた。

 いいだろう、俺の実力見せてやる。もちろん狙撃スキルは使わない。

 俺は神経を集中する。

 周りのみんなはそれを真剣な表情で見守る。

 そして俺は放つ。射形は完璧。

 矢は的のど真ん中に当たる。

 みんなはそれに驚き声も出せていなかった。俺は顧問にドヤ顔で言った。

「ほら当ててやったぞ。」

 俺は完全に勝った。

 顧問は余程悔しいのか次はもっと小さくしてやると言ってきた。いやあれは悔しがって無いな。俺がどこまでやれるか試したいだけだあれ。

 別に的が動かないならどんなに離れていても変わらないと思う。

「すごいです先輩!射形も凄く綺麗でしかもど真ん中!」

「くそ!また腕上げやがったな。もう上げんなよ!俺が追いつかないだろ!」

「ねぇねぇ、悔しい?ねぇねぇ慎二君そんなに悔しいでちゅかぁぁ?」

 俺は最大限慎二を煽った。

 こうして部活も終わり家へと帰宅した。俺は家に帰ると豆の皮むきをセラに頼まれた。

 俺は豆の皮むきが大好きなのだ。終わるまでずっと同じ作業を無心ですることに快感を覚えてしまった。例で言えば、プチプチを潰す時のような感じだ。

 しばらくするとイリヤが帰ってきた。

「ただいまお兄ちゃん。」

「イリヤおかえり?」

 イリヤの肌は浅黒かった。1日でこんなになるか普通?

 するとイリヤの口からとんでもない言葉が出てきた。

「ねぇ、お兄ちゃんはどんな女の子が好きなの?」

 ふぁッ⁉︎イリヤはそんなこと聞いてくる子だったか?

 

 

 

 ーーー

 

 最悪。今お兄ちゃんと一緒にクロがいる。というかルヴィアさん家の警備ザル過ぎない!

 しかもとんでもないことを聞いている!

「恐らくクロさんは段落をひとつ繰り上げたのでしょう。」

「どど、どういうこと?」

「にゃろうの目的はズバリカズマさんです。その為に本物のイリヤさんが邪魔だったんですね。けど手出しできなくなったから今度は直接接触に行ったと。」

 最悪、最悪の敵だわ!これまで戦ってきたあの英霊より最低最悪の敵!

 

 

 

 

 ーーー

 果たしてイリヤはこんなにも大胆な子だったのだろうか。まさか何かがきっかけで覚醒したとか。

 大胆なイリヤ……ありだな。

「そ、そうだな強いて言うならロングヘアーで優しくて、包容感があって養ってくれる人?かな。あっ!あとポニーテルも好きだぞ。」

 俺はついパラサイト欲が出てしまった。でもその願いは本当だから。

「ニート発言ね。ロングヘアーか。じぁ私もストライクゾーン?」

 また大胆な発言を。

「手を出したら俺捕まるんですけど。」

「ええ、いいじゃん。私通報しないよ。」

 まじすかぁ。いやでもセラに殺される。取り敢えず話題を変えないと。

「そ、そんな事より肌どうしたんだ。1日でそんな日焼けするもんなのか?」

 これなら大丈夫なはず。

「んー?気になる?」

「そうだな。」

 早くなんとしても話題を変えなくては。

「お兄ちゃんてば妹の肌がそんなに気になるんだぁ。」

 どうやら地雷を更に踏んだようです。

「お兄ちゃんの肌フェチ。」

 肌フェチ⁉︎いつどこでそんな言葉覚えた。俺がそんな言葉覚えたの元の世界の15歳になった頃くらいだぞ。

 ーーーー

「なんて事!テロだわ!これは兄妹の仲をやばい感じに破壊するテロだわ!」

 でもお兄ちゃんの好みを聞けたのはラッキーかも。養ってくれる以外は。

「でもこれってイリヤさんが望んでいた事じゃないですか?ほら膝枕の件も。」

「は⁉︎何を」

「本当は兄妹の枠を超えたいのでは?壊したいのでは?クロさんはそんなイリヤさんの気持ちを直接的に表しているような。」

 それじゃまるで私が偽物みたいな言い方。だからって許せるわけじゃない。

 私は自分で自分にマジビンタをした。

 ーーー

 俺は何が起きているのか理解できない。イリヤが突然頬を押さえながら悶絶し始めた。

「だ、大丈夫か?頬押さえて、虫歯なんじゃないのか?」

「い、イリヤめ、それなら最後に、お兄ちゃんチュー!」

 イリヤはキスしようとしてくるといきなり悶絶して足を押さえ始めた。その歳で骨粗しょう症ですかね。もしくはいつのまにか骨折。

 

 あ、ありのまま今起こった事を説明するぜ!イリヤが大胆になったと思ったら頬を押さえ悶絶したかと思ったら、いきなりキスしようとして来た。そして今度は足を押さえて悶絶し始めた。

 な、何を言ってるか分からねぇだろうが俺も何言っているのか分からねぇ。一つ言えることは虫歯だとか骨粗しょう症だとかそんなチャチなもんじゃねぇ。

 

 するといきなり凛とルヴィアがイリヤを攫っていった。その時クロを借りて行くとか言っていた。なんで?それよりクロとは誰の事だろうか。人違いだよな?

 

 俺は玄関へと向かった。

 するとイリヤと美遊が居た。

「あれ?イリヤさっき凛とルヴィアに…」

「じ、実は…」

 イリヤは2人に分かれたらしい。そしてさっきの黒い方のイリヤは黒い事から名前がクロにされたそうな。犬かよ。そして戦闘もしたらしい。剣をどこからか出してくるらしい。倒した後イリヤに攻撃出来ないように痛覚共有の呪いをしたらしい。痛覚共有。それは俺のトラウマでもある

 そしてアーチャーのカードが消えていたらしい。つまりあいつはエミヤの力を使えるということか。強くね?俺勝てへんよ。だが疑問がある。イリヤが二人に分かれても肉体までは流石に分けられない。はたして肉体はどうしているんだろう?

 

 そして凛とルヴィアは俺に伝えようとしたが部活と俺は言いすぐさま去ったから言えなかったそうな。

 悪い事をしてしまった。

 

 

 

 

 俺は風呂も入り終わり午後10時に寝ようとした。

「はぁ、疲れた。明日も学校とかめんど。」

 俺はベットで横たわり天井を見上げた。するとクロがいた。

「はぁい、お兄ちゃん。」

 いつからそこにいたのだろう。俺は起き上がろうとしたが、クロは天井から降りて抵抗出来ないように腕を掴まれた。抵抗しようにも力が強くて抵抗出来ない。俺こんな弱かったけ?

 

 クロの瞳は獲物を捕まえた肉食動物のようだ。

「な、何が目的だ?」

「んー?魔力補給。」

「なら…」

 ドレインタッチでと言おうとしたが口を塞がれてしまった。そう、クロの口で。

「ッー!!!」

 なんと俺の口の中に舌が入って来た。体から魔力がだんだん無くなっていく。

 俺は抵抗する術もなく口の中をクロの舌に蹂躙される。舌と舌が絡まり、いやらしい音を立てる。だんだん頭がクラクラして頭がちっとも働かない。本能がこのまま堪能しろと言っている。

 だが俺は我慢する。べ、別にそんなことする度胸が無いとかそういうわけじゃ無いんだからね。

 俺はクロに全魔力を持っていかれた。

 

 キスが終わりクロは俺の口の中から舌を出す。その感触でさえ気絶しそうになるほど。口から離れた舌からは唾液が糸状に伸び、クロは勿体無いとばかりにそれを啜る。

「ふぅ、ご馳走さま。」

 なんとまあそんな言葉を言えるものだ。俺はその甘い言葉にドキッとする。出来ればもっとキスしたい。そんな欲望が湧いてくる。

「なぁにそんな顔して、だらしない。もっとして欲しいの?ならお願いしますキスして下さいって言えたらしてあげてもいいわよ。」

「はぁはぁ……いえ、理性…が吹っ飛びそうなので遠慮しておきます。」

 俺はあともうちょっとでお願いするところだった。あのクロの魅了はサキュバス並みだ。

「全くヘタレなんだから。」

 俺はまだ呼吸が荒い。

「そじゃあね、お兄ちゃん」

 クロが帰ると俺は魔力切れのせいかすぐ意識が無くなり眠りに就いた。

 

 

 

 次の日俺は目が覚めた。体が異常に怠い。これはあのキスの影響なのか?というかキスで魔力補給とかどこのギャルゲーだよ。

 俺は制服に着替え朝食を摂り自転車で学校に向かった。

 俺は普通に授業を受け午前の授業が終わった。

 一方その頃イリヤが大変な事になっているなどカズマは知る由もなかった。

 

 

 数日後

 俺は普通に学校に居たが、小学校の先生藤村大河に呼び出された。というか連れてかれた。

 なんでもイリヤがドッチボール中に倒れたらしい。俺は取り敢えず顧問に伝えて小学校に向かった。その時顧問がエアガンで使う様な小さな的を持っていてせっかくお前の為に準備したのにと言っていた。しかもそれを昨日の80メートルの距離でやらせようとしてたのだから驚きだ。

 

 

 時刻は多分五時。

「ん、んお兄ちゃん?」

 イリヤは目が覚めたらしい。

「よう、目が覚めたかイリヤ。…それにしてもドッチボールで意識失うとか…ぷぷっ」

「う、うるさい!」

 俺は笑うのを堪えていたがやはり無理だった、

 俺は学校に自転車を置きイリヤを負ぶって、てくてくと帰った。

 

 

 次の日の夜。

 一家はピンチを迎えた。なんと風呂場がぶっ壊れたのだった。なぜかと言うとイリヤはクロが現れてから弱体化したらしい。それでじぶんでも出来る事を増やそうとし、特訓したらしいが事故で風呂場に魔力砲が飛び風呂場がぶっ壊れたのである。

 

「と言うわけでお風呂をお借りしたく参上仕った訳なのですが」

 という訳で今に至るのである。なんとも馬鹿馬鹿しいことである。

 俺達はルビィアの家に上がらせてもらった。

「美遊は浴場まで案内して差し上げなさい。ついでに貴方も入るといいわ。」

「じゃあ俺はみんなの後に入るわ」

「カズマ様」

 後ろから気配なくいきなり現れた老人の執事はアサシンの様だった。今のが戦闘だったら確実に殺されてた。よくみると服越しからでも分かる鍛えられた筋肉。只者じゃないとだけ分かる。俺なんて握られただけでミンチになる気がする。

「何でしょうか?」

 不覚にも俺はオーラに圧倒され敬語を使ってしまった。

「ふむ、カズマ様はこちらに、私は使用人のオーギュストと申します。使用人用で恐縮ですが小浴場がございます。」

 俺はオーギュストに肩を力強く握られ連れていかれた。

「いだだだぁ!み、ミンチになる!俺の肉がミンチになっちゃう!」

 

 俺はその使用人専用の風呂場に連れていかれ今は体を洗っている。

「お背中をお流しいたしましょうか。」

「い、いえ結構です。」

「ほお、私に洗われるのはお嫌だと?」

 その表情は、拒否権なんてないと言っていた。

「いえ、是非。」

 俺は今絶賛背中を洗われています。でもめちゃくちゃ痛いです。このジジィ俺の事を洗濯物か何かかと思ってるんじゃないのか。

 

 ほぉ鍛え方はまずまず。ですが足りませんね。

「貴方はルヴィア様と共闘関係にあります。女性を、ルヴィアを守り抜く覚悟はお覚悟はおありですか?」

「一応あるよけど優先順位はイリヤだ。妹だから当たり前だけどな。その次は最近現れたクロ。聞けばクロが現れてからイリヤは弱体化したんだろ。つまりイリヤはクロと2つに分かれたと考えられる。だからさ、クロは妹な訳だろ。だからクロを守る。まあどっちも守りたいけど。どっちもなんて駄目か?」

 ほほうこの男はそこまでは覚悟は出来ていると。

「いえ素晴らしいと思います。つまりイリヤ様とクロ様は守り抜く対象としては同等という事ですか。ではその次は?」

「美遊かな、イリヤに出来た友達だし、それにもうしないと思うけど一人で解決しようとするからさ、そんな無理している子は守ってやりたくなるもんだろ。」

 

 

 ーーーー

 本当は違う。士郎に頼まれた。だから俺は美遊を守る。士郎は、あいつはあまりにも報われなさすぎる。ならあいつの願いくらいは叶えてやらないといけない。でもあいつも一緒に美遊と海に連れて行ってやりたかった。

 

 

 ーーーー

 ほほうそこまでとは。だがそれではルヴィア様はどうなる。

「ではルヴィア様と凛様は?」

「あいつらは美遊の次だ。というか俺が守らなくてもしぶとく生き残ると思うんだが、聞いたぞルヴィアのやつ頭にでっかい石が落ちて血だらけになってもピンピンしてたとか。むしろ俺が助けるなんて余計なお世話かもな。でも一応助けたに入るかは分からないけどバーサーカ相手に俺だけ残って戦ってやったぞ。まあアサシン戦の時は怪我で行けなかったけどな。本当に情けないな。」

 まさかここまでとは、見るからにチャランポランだと思っていたがちゃんと考えていたらしい。

 

 

 ーーーー

「あの、もうのぼせたので出ていいですか?」

 そう、俺は顔がゆでだこみたいに真っ赤になっていた。クラクラもする。

 

 一方その頃

 なんとなセラ達を誤魔化せた。あともう少しでクロの存在がバレるところだった。というよりあれは誤魔化せたのだろうか。

 そしてクロは何故か怒ってしまった。私はただ元の生活に戻りたいと言っただけなのに。

 そしてクロは風呂場を壊しどこかへ行ってしまった。

 

 

 

 ーーー

 俺は風呂から出ると美遊に声をかけられた。

 どうやらクロが怒って出て行ったらしい。理由はイリヤが元の生活に戻りたいと願ったからだろう。その願いは美遊達との出会いを全否定する内容だった。クロにとっては消えろと言われているのと変わらなかった。だがイリヤはそれを理解していない。

「なあ美遊、イリヤはそれを理解していると思うか?」

「いえ。」

「だよな、どうすればイリヤとクロは仲直りできるんだろうな。」

「「……」」

 二人とも答えは出なかった。

 

 




はい、キスシーンは俺の思いつきでやりました。後悔はしてない。
てきとうにやったら力入れすぎましたね

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