戻ってきた俺達は疲れて座り込んだ。俺は夜空を見上げてルヴィアに尋ねた。
「なぁ今何時?」
「もう土曜日の0時を過ぎていますわね。」
「まじ?……はぁしんじられねえよな俺…あと8時間後には部活だぜ!過酷すぎるだろ!社畜にも匹敵するんじゃないか俺の苦労。」
「カズマ君言ってる事がおっさんよ。」
「16歳なんですけど。」
精神的には29歳くらいなんだけどな。
「はぁ…帰るか……あっそうそう。借りてたアサシンのカード返すわそんじぁ行くぞイリヤ。」
「あ、待って」
俺はすぐさま家に帰った。
カズマは凛とルヴィアがカードを巡って争う事など知る由もなかった。
「これから風呂入れるかな?」
「無理だと思うよ。」
「だよな一応風呂入ったけど走ったりして汗かいちまったしな。濡れタオルで体拭くか。」
俺達はそんなこんなで家へと辿り着いたが問題がある。そう、鍵が掛かっていたのだ。
俺は強化魔術で足を強化した。
ついでに冒険者カードを取り出し、見てみるとにレベルが上がっていた。なんとレベル60を超えていた。しかも後もうちょっとで70まで行く。でもおかしい。俺の弱さならヘラクレスを何回も倒した地点で100行きそうなんだけどな。もしかして俺がだんだん強くなってきてレベルが上がりにくくなってきたのか!
「じゃイリヤも転身して二階に行くぞ。」
「やだ。疲れたお兄ちゃんお姫様抱っこして。」
イリヤを見ると目がしょぼしょぼしていて眠そうだったというか寝ぼけてた。
「しょうがねーなぁ!」
やはり俺はちょろいと思う。
俺はイリヤをお姫様抱っこして自分の部屋まで跳んでいった。
俺は行く前面倒いから網戸のまま行った事が功を奏し、窓から部屋に入る事が出来た。
俺はイリヤを部屋で寝かせ、タオルで体を拭き寝巻きに着替え寝た。
次の日
「怠い。」
俺は朝起きて着替えをし、ある事を思い付いた。自分がこんな朝早く(6時半)に起きてイリヤが寝ているのが癪だから腹いせに起こして休日の惰眠を奪ってやろうと決意した。
「イリヤ起きろ!もう8時になるぞ!今日学校だろ遅刻するぞ(大嘘)」
「ん……お兄ちゃん…えへへ」
イリヤは俺の肩に両腕を乗せ顔を近づけてきた。
「い、イリヤさん⁉︎ 寝ぼけてるんですか。」
俺は手を離そうとしたが意外にも力が入っていてなかなかてを離すことができない。
「おはようの……」
もしかして
「ちゅー…」
朝のキスですかぁ!!!
その時おれの唇とイリヤの唇が触れた。
「ッ!!!」
なんと舌がだんだん伸びておれの唇に触れた。できる事ならもっとこれを続けたい。
ずっと永遠に。
そんなことを考えていると、あともう少しで口の中に舌が入って来てしまう。…落ち着けエミヤカズマこういう時どうすればいいか俺はゲームで学んだはずだ。俺がそう考えているとイリヤが目を覚まし唇を離した。
少し勿体無い気がした。
「ん?」
「あのーイリヤ…」
イリヤは自分が何をしてたのかを理解し叫びそうになっていた。これはまずい。もしこれでセラにバレたら殺される。
「ストップイリヤ!」
俺はイリヤの口を押さえまず落ち着かせた。
「ま、まあ寝ぼけてこんな事が起こる事もあるさ。」
「そ、そうだよね」
俺はイリヤの部屋から出て行こうとした。その時振り返って一言言った。
「そうそう。今のお兄ちゃんの”ファーストなんたら”ってやつでした。」
俺のファーストなんたらはもうダクネスに取られたが体が若返っているからきっとそれも取り消しのはずだ。だから多分イリヤがおれの”ファーストなんたら”だろう……多分。
「ッ!!!」
俺は一階に降りてセラの作ったご飯を食べた。
「はぁ部活怠い。めんどくさい何もしたくない。」
「何ニート発言してるんですかしっかりして下さい長男なんですから!」
元ニートの俺にニート発言と言われても。
「じゃあセラ養って。いや…俺の為にご飯作ってくれ」
俺は最後だけイケボで言うとセラは
「病院行けば」
と冷徹に俺にそう言い放った。
「でもなんで訂正したんですか?あなたの事だから養ってくれとかいうと思ってたのですが」
「あのー怒らないで聞いてくれます?」
「はい?別に真面目に働くという事でしょう。怒られる所なんて…」
「実はさ、株あるじゃないですか?「はい」でですね、一万円を元にやってみたんですがなんかうまいこといって百万円ちょいに成っちゃいました。てへ☆」
俺はセラにぶっ飛ばされ、帰ってきたらお話がありますと言われた。
部活へのアンチテーゼ
「帰りたい♪帰りたい♪楽しいゲームが待っている♪帰りたい♪けど帰れない♪これから部活が待っている♪嫌だなぶーかつ♪」
家に帰り隊
「前を望めば部活なり家に帰ればセラ怒る。部活のところへ行かざるは我が身の為なり俺の為。」
俺は部活に行く間に適当に考えた替え歌を歌っていた。全く朝っぱらから何をやっているのだろうと自分でも突っ込みたくなる。
朝は疲れていたのに今はとても元気だ。なんというか魔力が満ち溢れるような。いつからだろうと思い出すとイリヤとキスした時だ。まさか俺はイリヤとキスする事で真の能力に目覚めるのか!…んなわけないか。もしそうだったら完全に俺は変態だ。でも魔力がみなぎってくるって事は俺変態?
部活の最中イリヤとの朝の出来事を思い出してしまい集中出来なかった。
「おいおい、どうしたカズマ顔が真っ赤だぞ。熱でもあるんじゃないのか?」
慎二が内心は心配しているのであろうが、平常心でそう尋ねて来た。
「そんなに赤いか?」
「ああ、トマトみたいだな。もう今日は帰った方が良いんじゃ無いのか。」
「いや熱はないよ。多分頭に血が上ってるだけだろ。」
「…それも十分危ないと思うんだが。」
「偶にあるから大丈夫だよ。心配してくれてありがとな。」
「べ、別に心配なんてしてないよ!ただ忠告しただけだ!……それより、偶にでも頭に血が上るって危険じゃないのか?病院行けよ。」
今度は慎二にさえ病院行けと言われた。果たして今日何人に病院行けと言われるのやら。
部活も終わり残るはセラの説教。
俺はそれにも耐え抜いた。
俺は精神的に疲れたのでリビングで録画していたアニメ鑑賞をしようとした時、まさに神が降臨したのであった。なんと俺が諦めかけていたドラ○もん3時間スペシャルが録画されてあったのだ。
「あ、それ昨日録画しといたやつ。」
「まじ!リズが録画しといてくれたの!ありがとうございます」
俺はリズに深く感謝した。
そして3時間スペシャルも見終わり、夜慎二とB○3をした。その時何故かこれまでに感じたことのない程の悪寒が走った。
そんなこんなで土曜日が終わる。
次の日
日曜日は特に何も無かった。そうお昼までは。
イリヤの部屋からガラスが割れる音がした。俺は慌てて固有結界から十四年式拳銃を出しイリヤの部屋に入った。
「どうしたイリヤ!大丈夫か…」
そこにはメイド服の凛がいた。
事情を聞くと昨日俺達が帰った後カードをめぐる争いで宝石をほとんど使い、更に魔術師達の居る所から日本で協調性を学べだのカードを解析しろだの言われ、宝石を買うのにも金が無く、金に困りバイトをするがそのバイト先がルヴィアの家でパワハラを受けたと。そして、腹いせにツボでルヴィアの頭を殴打して来たと。
「人の頭蓋はツボよりも薄いですよ凛さん!」
「「そっか、そんなにお金に困ってたんだな(ね)。」
「同級生と小学生に同情される時が来ようとは……」
確かに学校では優等生だったはずの遠坂凛がここまで堕ちようとは誰も思うまい。
「ところで壊したガラスどうすんの?」
「ああ、それは変化魔術で直しておくわ。」
つまり何か物を壊しても治せるということ。だったら今度誰かの物を壊した時の為に習得しておこう。
俺は冒険者カードを取り出し変化魔術を習得した。3ポイントで習得できた。
その後美遊が窓から入って来た。美遊は凛を呼び戻しにきてお話をしていた。その後ルヴィアも窓から入って来た。
玄関から来いよ。
ルヴィアが凛に良いこと言って締めて一件落着下かと思われたが、俺達は見てしまった。ルヴィアが去り際に見せた邪悪な笑みを。それは”こんな面白い玩具を手放してなるものか”と雄弁していた。
その後凛がルヴィアに560万を請求され373時間タダ働きしたのはまた別のお話。
ガラスを直すのって変化魔術で良いんでしたっけ?
セキスイハイムの替え歌はどうでしたか?学校でよく歌ってましたこれとはちょっと違いますけど。抜刀隊の替え歌の方は1分クオリティーです。
一応セキスイハイムの替え歌を
帰りたい♪けど帰れないまだまだ授業が待っている♪
帰りたい♪けど帰れない♪これから部活が待っている♪
こんな感じですかね
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