最近級友の雪ノ下雪乃がとっても可愛い件について   作:ぶーちゃん☆

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はじめましての方ははじめまして!ぶーちゃん☆と申します。よろしくお願いしますm(__)m
ちなみに私は前書きと後書きが結構長いタイプなので、そういうのが嫌いな方は前書き後書き非表示設定をオススメします。

そしてはじめてじゃない方は毎度ありがとうございます♪

それでは第1話です。どうぞ!



(注)ここから後書きまでは、はじめましての方はスルーしてくださいね。


今回久しぶりの新連載、まさかの変化球ゆきのんSSとなりました!
そしてタイトルからお察しの通り、ただあざとくない件をゆきのんバージョンでやりたかっただけです(;^_^A

なので女オリ主と友人は名前が違うだけでほぼほぼアイツらなので(さすがにかしこまったりはしませんがw)、似てるとかどう見てもアイツじゃねーかとかは不要ですよっ(汗)
なんなら脳内で勝手に元の名前に変換してもらったって構いません(^皿^)






私のクラスメイトは女の園の主様

 

 

 ここはJ組女の園。

 

 県内有数の進学校と誉れ高いここ総武高校において、さらなる頭脳明晰なお嬢様達が座する神秘なる聖域。まさにそう、神の……いやさ女神のおわす場所、ヴァルハラであ〜る!

 

「なぁなぁ、今日バッセン寄ってかねー?」

 

「おっ、それ行っちゃう? んじゃその帰りにお好みとか食っちゃう系?」

 

「それあるわー!」

 

 

 ……ちっ、うっさいわねその他少数の男共が。人がせっかくJ組らしく秘密の園な気分を出してる時に、戸部みたいな軽い空気出さないでくんないかしら。

 そういや戸部といえば中学卒業以来関わってないけど、相変わらずアレなのかしらん? ……いや、卒業前からあんま関わってなかったけどね。ウザイから☆

 

 てかなんであいつ総武受かったのん?

 

 

 ──さて、どうでもいい戸部トーークで話が逸れてしまいましたが、夏休みも目前に迫ったここJ組。

 総武高校の中でも一段階上の特別なクラス、さらに女子率の圧倒的な高さと、なんか別のクラスからは「やっぱJ組ってオーラが違うよね!」「J組ってなんかあそこだけお嬢様学校っぽいよねー」なんてまことしやかに囁かれているようではありますが、蓋を開けてみればまぁこんなもんですよ。

 

 女の園? お嬢様? ナイナイ。

 ああやって戸部みたいな軽いノリ男くんだって普通にいらっしゃる、ただただ女子率と偏差値がちょっと高いだけの、フツーの高校生が集まってるフツーのひとクラス。

 あっち見りゃ女子が暑くて胸元ばっさばっさやってるし、こっち見りゃ女子が暑くてスカートばっさばっさやってるしの、いわゆる女子校ゆえの油断しきった女子共の巣窟。世のチェリーな男子が夢見る女子校とは真逆な世界なのである。

 

 てかそもそも女子校じゃねーし。

 こーら! そこでスカートばさばさして秘密の花園に冷たい風を送り込んでる女子共! いくら数が少なく市民権がほぼ無いとはいえ、盛ったエロ男子諸君がこっそり凝視してっからね!

 

 

 そんな、世間の希望を打ち砕くことに定評のある我らJ組ではありますが、それでも居るものは居るものなのです。真のお嬢様、そして真の女の園の主たる人物が。

 

「……ゆ、雪ノ下さんっ、おはようございます……っ」

 

「おはようございます」

 

「〜っ……!」

 

 と、女の園の主に朝のご挨拶をし、柔らかい笑顔で挨拶を返されると顔を真っ赤に染めて、スキップるんるん嬉しそうに自分の席へ戻っていくクラスメイト(女子)を見送ったのは、さっき登校してきてからこれで何人目でしたっけ? これもう花園じゃなくて百合園だよ!

 なんで同い年……どころか、誕生日が一月らしいからむしろ年下まである女の子に対して、なんでみんながみんな憧れのお姉さま扱いしてんだよ。もうアホかと。

 

 

 雪ノ下雪乃。我がJ組が誇る最終兵器。彼女がゆくところ桃色の歓声が上がり、彼女が歩いた後には草ひとつ生えないという。

 なにその噂。草しか生えないわね。

 

 とにかく彼女、雪ノ下雪乃はとても特別な存在。どれくらい特別かっつーと、孫の健やかな笑顔かヴェルタースオリジナルかってくらいには特別。

 容姿端麗文武両道才色兼備品行方正焼肉定食。四字熟語を連発すると必ずといっていいほど混ざってくるお約束ボケは華麗にスルーでオナシャス!

 そんな、我が校一の美女であり才女でもある雪ノ下雪乃を褒めそやす言葉は数あれど、そんな数多の言葉の中でも、特に私イチ推しの言葉はそう、桃色吐息。

 なんでだよ。

 

 

 そうこうしているうちに、ようやく私の出番がやってきたようですね。なにこれ握手会の待ち時間なのかな?

 そして、またもキャーっと嬉しそうに走り去っていくクラスメイトの背中を、やれやれ……と生暖かい眼差しと呆れた苦笑で見送りながら、私はこう声を上げるのだった。

 

「雪ノ下さんっ、お、おはよう」

 

「あら、城堀さんおはよう」

 

「っ……! え、えへ」

 

 っキャー! ちょっと見ました? 奥さん! 朝からなんて綺麗なお顔なんざましょ!

 あと彼女が口を開くと、なんかあたり一面がすっごく甘い香りに包まれる錯覚に陥っちゃう! やっべ、やっぱ桃色吐息で正解☆

 

 

 

 ──こうして、今日も普段と変わりなくJ組の朝は平和に過ぎていくのだった。

 あれだけ長い前フリしといて、私も憧れのお姉さまキャーなのかよ。

 

 

× × ×

 

 

 キンコンカンと鐘が鳴り、本日お待ちかねの昼食タイムの始まり。

 ちょっと前まで期末でギスギスしてたけど、やっぱこういう優雅なランチタイムって、生活に潤いを与えてくれるよねっ。

 

「ねーねーしほりー」

 

「んあ……?」

 

 一口大のからあげをお口へ放り込んだ瞬間を見計らったかのように、タイミングよく話しかけてくる親友の山北真希(やまきたまき)。

 友達のお口事情を考えてから話し掛けてきてよ……

 

「……あにお(なによ)?」

 

 そんな親友から掛けられた声に、私 城堀しほり(しろほりしほり)は、心底面倒くさそうにお返事する。

 いま口ん中からあげで一杯なんで、もごもごしながらのお返事が女の子として多少お行儀悪くても私は悪くない。

 

「あんた朝さー、雪ノ下さんに朝のご挨拶行ってヘラヘラしてたじゃん?」

 

 おい、ヘラヘラとは失敬だなチミは。お嬢様クラスのカースト上位者らしく、おしとやかで気品漂う笑顔だったっつーの。

 ちなみにウチのクラスのトップカーストグループは雪ノ下さん只一人。一人なのにグループとはこれいかに。

 でもそれは致し方の無い事なのだ。なぜなら雪ノ下さんてば唯一無二のヴェルタースなんだもの。

 

「まぁなにもヘラヘラしてたのはしほりだけじゃないけどさ、問題なのはそっちじゃなくて、ほんっと雪ノ下さんて最近すっごい柔らかい笑顔するようになったよね。わたし超見惚れちゃったよー」

 

 ご覧の通り、コイツも雪ノ下シンパの一人である。てかウチのクラスで雪ノ下さんに憧れを抱いていない女子はいない。

 てゆーか、ウチのクラスが普通科からお嬢様クラスに見られてるらしい原因は、まさにその雪ノ下さんの影響がデカいのだ。だって気品漂う雪ノ下さんと相対するのに恥ずかしくないよう、どうしたってこっちだっておしとやかっぽい態度を取っちゃうじゃん? そんな姿を他のクラスの子たちが見たら、そりゃ花園感でちゃうってなもんですよ。

 男子? ああ、そんなのも居ましたね。でも大体は去年の内に撃沈してるから、基本雪ノ下さんには触れず近づかずみたいです。

 

 ……にしても、ふーん、やっぱ真希もそう思うんだ。

 

「ねー、あたしもソレ思ってたんだ〜。ホントあの人、最近丸くなったっつーか、物腰が柔らかくなったっつーか、なんか可愛くなったよね」

 

 私が真希の発言にふむふむ頷いていると、パックのアップルジュースをちうちうしてたもう一人の親友 愛甲愛子(あいこうあいこ)も話に乗っかってきた。

 

「へー、やっぱ真希も愛もそう思ってたんだ? 私もここ数ヶ月くらい、あっれー? って思ってたんだよね。マジ惚れなおしちゃうくらい可愛くなったのはいい事なんだけどさ、去年まであんなんじゃなかったじゃん。もっとこう……クールで格好良いってゆーか、悪くいうと隙がなくて冷たいカンジってゆーか?」

 

 まぁそんなトコがまたミステリアスで魅惑的で素敵なんだけどっ。

 でも最近は、可愛くなっただけというよりかは、結構隙も見せてるって感じなんだよね。その隙がまためっちゃカワユス。

 

「なんかあったのかね〜、雪ノ下さん」

 

 と、自分でここまで言っといてハッとする。

 ま、まさか男……!?

 

 いやいやいや、あの高潔なる雪乃嬢に限ってそれはない。

 

 

 

 一学年十クラスあるウチの学校は、基本毎年クラス替えをするため二年連続で同じクラスになれる確率は意外に低い。

 にも関わらずなぜ私たち全員が去年の雪ノ下事情に精通しているのかと言えば、クラス替えなんてJ組には存在しないから。

 普通科九クラスに対して我々国際教養科は一クラスしかないから、ウチのクラスだけは三年間ずっと一緒なのよね。

 

 

 なんかウチらだけ代わり映えしないメンバーで三年間過ごすとかちょっと疎外感半端ないんだけど、でも逆にこういう方が気楽でいいのかもしんない。

 クラス替えってドキドキはするけど、別にワクワクはしないもんね。他のクラスに好きな異性でも居れば別だけど。

 

 ただしもともと特別感がある上にクラス替えもないもんだから、ウチらのクラスって、ホントほかのクラスの子たちと関わりが一切無いのよね。

 あるとしても部活やってる子くらい? ウチのクラスで部活やってる子って、あんま聞かないけども。

 

「……やっぱアレかなぁ? 雪ノ下さん、部活でなんかあったんじゃない?」

 

「へ? 雪ノ下さんて、なんか部活やってたの!?」

 

 なにそれ初耳! ユキニストの私としたことがッ! さっき内心で否定したばっかなのに、ますます男の危険性が増す一方じゃん!

 

「あれ? しほり知んなかったの? あたしもどっかで聞いたよ? なんか生徒のココロのスキマお埋めします、ドーンッ! みたいな部活やってるみたいよ?」

 

 なにそれ雪ノ下さんてば喪黒っちゃってんの!? やべぇ、ドーンッってやってたりオーッホッホって笑ってる雪ノ下さんとか、ちょっと見てみたいかも。

 

「愛、あんたどこでそれ聞いたのよ……。違くって〜、なんか生徒の相談室? みたいなのらしいよ?」

 

「相談……?」

 

「そ。なんか、生徒のお悩みを解消してくれるとかしてくれないとか、そんなの」

 

 してくれないのかよ。

 

 あ、ドーンッじゃないんだーとか言いながら、あはは〜と玉子サンドを頬張る愛を無視して話を続ける。

 

「まじでー? 私全然知んなかったやー……」

 

「なんか大っぴらに活動してる部活じゃないっぽいんだよね。わたしも愛しの彼氏の幼なじみに聞いて初めて知ったくらいだし。あ、ちな愛しの彼氏の幼なじみって、遊戯部とかいう変な部活やってるみたいなんだけどさー」

 

 なんすか遊戯部って。カードを天高く掲げて、ここからはずっと俺のターン! とかやってるんすかね。

 

 あといちいち彼氏の前に愛しのとか付けんなてめぇ。砕け散れ!

 

「あ、そういえばあたし、こないだ仲睦まじげに普通科の子と廊下歩いてる雪ノ下さん見たわ」

 

「うっそマジか!?」

 

 ウザ真希に仄暗い呪咀をプレゼントフォーユーしていると、愛から思いがけない告白が。

 ちょ、ちょっと雪ノ下さんや!? もう一年以上も一緒にやってきたウチのクラスの子とだって、仲睦まじげに校内歩いた事なんてなくない!?

 てか私と歩こうぜ!?

 

 

「うっそー! え、それってもしかして男子〜!?」

 

 ……や、やっぱ男なの……?

 いや、私は雪ノ下さんに憧れてるってだけで、別に百合のケは無いんですよ?

 

「いや女子女子。ウチらの学年で一番派手なー……ほら……葉山、くん。……あと女王様っぽい金髪の子、三浦さんとか言ったっけ? あのグループの中の一人だった、はず」

 

 女かよ、と、愛の話を聞いてちょっと安心。だってあの雪ノ下さんが、どこの馬の骨とも知れない男と仲睦まじいとか、ちょっと考えらんない。

 だってさ、ウチのクラスの男子と喋ってるトコとかほとんど見たことないよ? まるでゴミクズのようにズバッと振ってるとこ以外。

 

 

 でも女子なら女子でやっぱジェラっちゃうよね。だってさ、私たちJ組一同だって雪ノ下さんとそんなに仲良くなれてないのにさー。

 ま、そりゃね? ウチらって雪ノ下さんを特別視しすぎるあまり、友達になろうよって空気は一切出してないのよね……

 どっちかっていうと、……やっぱお姉さま?

 そんなんだからダメなんだっちゅの。

 

「にしてもいくら部活仲間とはいえ、あの雪ノ下さんに仲良くしてもらえるなんてスゴいよね。さすが総武一派手なグループの一員、さぞやコミュ力とか高いんだろうなぁ」

 

 そりゃ私だってコミュ力にはそれなりに自信あるけどねっ。なにせ中学まではトップカーストに所属してましたんで。ふふふ。 でもいかんせん雪ノ下さんにいいとこ見せたいって気持ちが働いちゃって、あんまガツガツいけないのよねー。

 矮小で小市民な私ってば、彼女の前だとどうしてもおしとやか風に振る舞ってまうのよ。

 

 

「ま、なんにせよ一回相談に行ってみたい気もするよね、その謎の部活っての。雪乃嬢に悩みを解決してもらえるとかマジ誰得だよ、ふひ」

 

「しほりに悩みなんてないでしょ、この能天気女め」

 

「能天気じゃねーわ! この腹黒!」

 

「あれよあれ、しほりの悩みっつったら、この溢れんばかりの残念さっしょ」

 

「残念なんかじゃないからね!? ……え? やだちょっと? 雪ノ下さんにバレてない、よね……?」

 

「自覚あんじゃん」「自覚あんのかよ」

 

 ぐへぇっ! いやんバレちゃった☆

 

 やだよぅ! 平塚先生みたいになりたくないよぅ! お見合いパーティーとかじゃなくて、ちゃんと恋愛結婚がしたいよぅ!

 ばっかお前、あのクラスになるとお見合いパーティーでも相手なんて見つからねぇだろうが! って?

 

 ……ぐすっ、お願い……、あの先生ホントいい人だから誰か貰ってあげて! 平塚先生に嫁の貰い手があったんなら私だって大丈夫だよって、自分を安心させてあげたいのぉ!

 

「……よし、今度ぜひとも一度相談に行ってみよう」

 

 いや、もちろん残念さをどうしたら解消出来るのでしょう? とか、将来嫁の貰い手の心配をしなくて済む100の方法を相談しにいくわけでは決してないのよ? てか憧れの雪ノ下さんにそんな相談できるか!

 

 そういうんじゃなくって、今まで知らなかったその部活や、今まで知らなかった彼女の仲良しの存在。そして今まで知らなかった彼女の笑顔が柔らかくなったワケなんかに触れることによって、少しでも雪ノ下さんと仲良くなれたらいいなぁ……なんて思っちゃったってだけの、ただそれだけのお話なのさ♪

 

 

 ──なのに……

 

「……」

 

「……」

 

 うっそマジかよ……そんな相談しにいっちゃうのかよ……って、憐れみとか驚愕の眼差しを向けてくるのはやめてッ!?

 

 

 

 続く

 





というわけでありがとうございました!


現在絶賛スランプ中なのに、つい新連載してしまうという暴挙に出てしまいましたが、気楽に書けるネタはないかなー?って思ったら、そこはやっぱ原点回帰でしょ!と。
でも原作がストップしている以上いろはすと香織では書けるネタがもう無いので、思い切ってこういう形にしてみました☆

短編集で…とも考えたのですが、この内容ならネタは豊富なので、上手く行けばたくさん書けるかな?と考え、思い切って新連載にしてみました。続けられそうになくても、この作品形態であればイベントごとにSSを〆られますしね(^皿^)
でももともと修学旅行のJ組ガールズトーク(ゆきのんが恥ずかしくて逃げ出したヤツ)を書いてみたいなって思ったのがきっかけなので、もしスランプが治って続けていけそうなら、ちょこちょこ続けていきたいなーって思ってます(^^)


ちなみに主人公の苗字 城堀は、神奈川の地名を検索してた時に発見して即採用しました笑
やべぇ、こんなにも家堀に似た地名がありやがったよ……これが運命ってヤツか、と。
てかSS書き初期から苗字を神奈川地名縛りにしとけば良かったなぁ…ってちょっぴり後悔してます。まぁそしたら香織は生まれなかったんですけどね(・ω・)


さて、なにぶんスランプ中なので第2話がいつお届けできるか分からないのですが、とりあえず今回やってるイベントは3話予定ですので、少なくともそこまでは書ききる予定です。
ではではまた次回ですノシ


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