Fate/Resurrection フェイト/リザレクション 作:ジャンマル
失踪をした母と父。二人を探す旅は終わりだと思っていた。だけど、終わっていなかった。終わってなかったから、戦う理由にしようとした。甘いのかな? 私って。
「……俺もだ」
「え?」
「遠坂両……マスター登録完了だ」
「両も……?」
「おう」
だけど、不思議なことがあった。私のサーヴァントだ。
「言峰さん、アーチャーはどうしました?」
「む。見ていないな」
「……失踪したとみて間違いないな」
「な、なんてこと」
アーチャーと共にお母さんも失踪している。これはもう隠しきれることではないと踏んだのか、言峰さんが話を割る。
「最近この街では失踪する人間が多く出ている」
「え……」
「おそらくサーヴァントのせいだろうな」
「……魔力を増やすための餌ってとこですか」
「呑み込みが早いな、両くん」
「でもなんでサーヴァントであるアーチャーも?」
「此度の聖杯戦争はな、サーヴァントを倒せばその魔力を根こそぎ奪える、というものがあるんだ 」
それはすなわち、アーチャーは魔力目的で失踪した――いや、さらわれた、ということだった。だけど、本当にそうだとしたら魔術協会的にはやばいのでは?
「今回の一件は既に上に報告済みだ」
「じゃあ、私のサーヴァントは――」
「安心しろ。今回の聖杯戦争は最大二騎と契約可能だ」
「何故?」
「はぐれサーヴァントを出さないためだろうな」
そんなルールあったんだ……
「どれ、召喚して見せよ」
「はい……」
「サーヴァントライダー――召喚に応じ参上した」
「ライダー。私があなたのマスターよ」
「ほう。こんな小娘がか」
「そこまでにしなよ、オデュッセウス」
「ほう。貴様はマスターか。何故ここにいる?」
「ここは言峰教会。いてもおかしくないだろ?」
「なるほどな。さしづめ、サーヴァントがやられた、といったところか」
「負けてはいないわ。失踪した――って言った方がいいかもね」
はは、それは滑稽だな! そういってライダーは笑い飛ばした。だけど、私はそうはいかない。
「ライダー。それ以上の発言はマスターへの侮辱とします」
(いつもの弥生とは違う……そうか。彼女は魔術に関しては性格が変わるって凛さん言ってたな)
「ライダー。この街で起きたことは知っていますね?」
「まあ、わからないといえばウソだな」
「ならば話は早い。その拉致・監禁を行っている――そうね、キャスターかもしれない……とりあえず、そのサーヴァントを倒しに行くわ」
「ほう。そうすりゃマスターはサーヴァント二騎持ちってわけか」
「そういうことね」
「勝利に近づくのはいいことだ。さて、いくか」
こうして、今冬木で起きている事件解決に乗り出すことにした。