Fate/Resurrection フェイト/リザレクション   作:ジャンマル

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真実の戦い

 さあ始めよう。真実の戦いを。それは、魔術を残すための戦い。それは、魔術世界を守るための戦い。

「全マスターは協力してやつをとめろ」

「やつ……衛宮士郎ですか」

「あやつは世界線から外れつつある」

「どうすれば……」

「弥生はどうしたいんだ?」

「父さんを……助けたい……」

「その覚悟があれば十分だ」

 始まった最終決戦。その最終決戦に挑むのはセイバー、アーチャー、ライダー、ランサー、バーサ―カー、アーチャー(弥生)……アーチャーは特殊処置によりニ騎いるが、それでも十分な戦力だ。

 対する向こうは人類悪となった衛宮士郎。彼は人間としての力を捨て、守護者になろうとした。だが、それはかなわなかった。だから、聖杯に願い、そして汚染された。この世のすべての悪――それに汚染されれば最後、終わりである。

「でも、なんで小聖杯でもない父さんが汚染を?」

「……聖杯はなんでも願いを叶える万能機だ。そして、冬木の聖杯はこの世のすべての悪に汚染されていた事実は確かにある。それ故に、最悪の形で願いがかなったんだろう」

「……聖杯を切り離すことは?」

「無理だな」

「……殺すしかないってこと?」

「ああ」

 家族同士の殺し合い。当然皮肉なものだ。それが最悪の形でなってしまったのだから、尚更だ。この世界のために父を殺すか――自分のために父を生かすか。究極の選択であろう。その選択を彼女は強いられていた。

「弥生、君の選択に従おう」

 その選択を決めるのは自分自身だ、と。

「ランサー!!」

「マスター、あいつはやばいぜ」

「弥生……君の意思がなければあいつは倒せないし、逆に君の意思であいつをどうにもできる」

「……わたしは……私は!!」

 そして彼女は手の甲にある令呪を見つめて、覚悟した。

「令呪をもって命じる――ライダー、あの人類悪を蹴散らして!!」

「……令呪フルブ―ストの宝具か……仕方ねえ」

 彼の宝具、戦を終わらす最善策(トロイの木馬)が発動する。通常の三倍の能力で。

「元々対軍宝具なんだし……そりゃこの威力になるよな」

 そして――終わった。そう思っていた。

「なんで……?」

 聖杯からの魔力がある限り無限に再生を続ける泥人形。それは人類悪の正体だった。

「聖杯を破壊しないと!!」

「無理ね」

 聞き覚えのある声だった。確かに――その声は身近だった。

「お母さん……?」

「ごめんね、でも、あいつを守るって約束だから」

 戦場はより激しくなった。そして、次々脱落する英霊たち。そして――


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