Fate/Resurrection フェイト/リザレクション   作:ジャンマル

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聖杯戦争

 その異常に気付いたのはバーサーカーだった。

「おい、マスター。この聖杯戦争――異常だぞ」

 そういってバーサーカーは消滅する。また、消滅する間際にセイバーにこういった。

「現存する5騎を集めろ。その時、真の聖杯は現れる」

 と……聖杯戦争の名を模した別物だったのだ。だが、その真相を知るのはおそらく主催者である者だけだろう。故にバーサーカーは集結を待っていたのだ。すべてのサーヴァントの。

 

 弥生の元に一通の手紙が届く。それは、多少の魔力を帯びているものだとわかった。

「聖杯戦争、ここに終結す。現存のマスターは言峰教会に集合すべし」

 というものだった。そう――この真聖杯戦争は終結に近づいているのだ。それは、バーサーカーが知った真実に隠されていた。

「どうする?」

「信用するしかねえ」

「一応サーヴァントは三騎。護衛には十分ね」

「ああ」

 そうして彼女らは向かった――聖杯戦争を終わらせるために。

 

「……集まりましたね」

 そこにいたのは――紛れもない、間桐裕也であった。

「裕也……?」

「僕はバーサーカーのたどり着いた真実の元、現存のマスター全員を集めました……そして、今から伝えるのは紛れもない事実――この聖杯戦争に仕組まれた真実です」

 全員が集まったのを確認し、そういった後彼はそのまま協会の真ん中に立ち、そして口を開いた。

「この聖杯戦争はそう――日本の魔術師を一人残らず消すことを目的にした――親族、そう。血縁者をはじめとした関係者だけの戦争だったのです」

「で、でもそうしたら市ヶ谷は……」

「彼は必要な駒でした。魔術師をせん滅した後始まる新時代のためにね」

「新時代……?」

「魔術の繁栄した一族をせん滅。そして始まるのは――魔術を知らない一般人による新たな社会、魔術社会です」

 それは、魔術に精通した者のいない、要は全員が同じスタートラインに立った状態での世界の革新。新たな世界の秩序であった。

 魔術を全員が知れば、聖杯戦争の規模は大規模に膨れ上がり、その分だけ絶望も希望も聖杯に注がれる。そうして完成させようとしていたのが――

 真聖杯であった。

「でも、真聖杯っていっても聖杯と役割は変わらないんじゃ……」

「いいえ。真聖杯の目的は二つの存在の確立です」

「え……?」

「この世のすべての悪。アンリマユ。魔術の希望、天の衣、ヘブンスフィール。その二つを聖杯によって生み出そうとしていたのです」

「何のために……?」

「救えなかった――イリヤ・スフィール・フォン・アインツベルンを再現するためでしょうね」

「……」

「このバカげた戦争の黒幕――それこそ衛宮士郎なのですよ、弥生」


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