原作通りにならない僕アカ   作:オリオリ

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甘さが足りない……足りなくない?
オールマイトとイチャイチャさせたい
原作時期に入ったら絶対にラブコメさせるんだ!

あと、主人公のヒーロー名はしんきです。





第八話 約束の為に

 ▼月☡日 できることをやろう

 

 

 気分新たに今日から頑張った。

 前から言われていた雄英高校に教師として働いてくれないかと言う打診にOKを出した。

 来年から俺は雄英高校の教師となる。

 

 オールマイトと約束したから、俺は新しい世代を育てる。

 俺の本来の個性を最大限利用する。

 より現場に近い経験を積ませることもできるだろうし、今から色々と考えないといけない。

 

 イズくんとかっちゃんには内緒。

 高校に来た時に驚くがいいさ。

 

 オールマイトには報告してある。

 彼に認められて、心が軽くなった気がする。

 それに甘えすぎるのはよくないけど、俺は俺でできることをしようって決めた。

 もし原作通りに襲撃が来たらちゃんと本気で守る。

 教え子を殺されるわけにはいかない……って、今からこんな風に考えなくてもいいよね。

 

 消太君に連絡を取って、教師ってどんな風にしたらいいのか聞いておこう。

 年齢では私の方が上だけど、先生としてはあっちの方が先輩だからね。

 今度、先輩って呼んでやろうかな。

 まぁ、何言ってんですかアンタはって返されるだろうけど。

 

 なんか、転生してから一番清々しい気分だよ。

 オールマイトには感謝してもしたりないね。

 凄くカッコいい奴だった。

 

 思い出すとちょっと顔が熱を持つって事は、俺も少し意識してんのかね?

 もしかしたら、オールマイトに恋をすることもあったのかもしれないな。

 けど、俺はオールマイトをサポートするって決めたんだから、浮かれたことなんて考えてられない。

 

 オールマイトの為に、俺は何ができるんだろう。

 それも考えないとな。

 

 

 

 ▼月Θ日 オールマイトがなんか変だ 

 

 

 結局何をすればいいかわからなかったから、本人に聞いてみた。

 頭を抱えて蹲ってたけど、一体どうしたんだ。

 聞いても「何でもない」って言うから、念のため、頭の機能を正常に回復させておいた。

 

 結局何をしてほしいかわからなかった。

 とりあえず、少しは休めるように掃除と洗濯して、しっかりと栄養を取れる様に食事を作っておいた。

 こんな家政婦みたいな真似で、オールマイトのサポートなんてできてるのかわからないけど。

 一応後日、許可をもらっておこう。

 

 ヴィラン退治は特に手伝う必要性を感じない。

 何せ、彼が苦戦するような個性持ちなんてオール・フォー・ワンくらいだ。

 原作に脳無なんて奴がいたけど、弱っていないオールマイトが負けるはずがない。

 

 ……念のため、オールマイトの周りに使い魔飛ばしとくか?

 いや、でもそれだとストーカーみたいだと悩む。結果をオールマイトに聞くことにしよう。

 一応案としては、体力回復と索敵効果を持った鳥型タイプの使い魔を渡そうかな。

 

 オールマイトの見た目に合わせて、大鷲にしておこうかな。

 その方がきっと見栄えがいい。

 けど、体力回復の効果を持つ鳥って不死鳥みたいだよね。

 いっそのこと魔法学校の不死鳥みたいに死んだら灰から新しい雛が出るタイプにしてみようか。

 

 考えてみれば、結構いい案な気がする。

 オールマイトは怪我人を治療する事ができないし、索敵の力も使い場所を選べば人命救助に使える。

 おぉ!考えれば考えるほど良い案だ!

 まぁオールマイトが良いって言ってくれないと意味がないけど。

 

 そういえば、消太君と連絡が取れた。

 教師の仕事について教えてほしいって言ったら「何の冗談ですか」って言われた。

 失礼な奴だ。正式に来年から教師として働くことになったって説明したら「適当に纏めときますんで、都合がいい日に取りに来てください」とのこと。

 適当なんて言いつつ、しっかりと纏めるのが消太君である。

 君ってツンデレなの?

 

 今日明日じゃ流石に迷惑だろうから、今週末に向かうことになった。

 その日の修行は分身を向かわせておこう。

 流石に準備してもらって、分身を向かわせるのは失礼だ。

 

 そういえば、そろそろ新しい目薬も用意しないと……っていうか、いい加減施術させてほしい。

 ヒーローのサポートをするって決めたんだから。

 

 

 ▼月φ日 わかりやすいけど過激

 

 

 今日は約束通り、書類を受け取りに行った。

 雄英高校でする行事や授業について詳しくまとめられてた。

 見た所既存のマニュアルとかじゃなくて、消太君が自分で纏めたものみたいだ。

 まさかここまでしてくれるなんて本当にありがたい。

 

 ずるいけど個性で理解力上げて、内容を一回で記憶するためにさっと読む。

 ……なんか、ここは少し苦労した、みたいなコメントもあって読むのが面白い。

 個性のおかげで5分ほどで読み終わったら、知識確認の為か消太君がレクチャーしてくれることになったんだけど……すごいね、消太君。

 いや、消太先生。

 

 消太君がまとめてくれた書類を覚えてること前提だったけど、凄く分かりやすかった。

 けど、見込みなければ退学で良いってそれはちょっと過激すぎやしませんか?

 

 どこの食戟料理学校ですか。

 雄英に受かるくらいだから十分優秀だと思うよ?

 甘い? 甘いのかぁ……。

 半端な奴を卒業させても殉職するって言いたい事もわかるんだけどね。

 

 でも頑張って入学したんだから、卒業させてあげたいじゃん。

 とりあえず否定はしないで、消太君の考えは一つの考えとしておく。

 

 俺も同じようにする必要はないよね。

 

 お礼に近い内に何か奢ろうと思ったんだけど「先輩の作ったビーフシチューでいいです」って言われた。

 彼が後輩だった時に作った奴だけど、そんなに気に入ってたのか、ビーフシチュー。

 

 そういえば初めて食べた時も、個性使ってるの?ってくらい目を見開いて、髪が逆立ってたね。

 だから食べたくなったのかな?

 

 俺の拠点で食べる?って聞いたけど「弁当みたいに、容器に入れといて貰えますか」って。

 昼ごはんの準備をする手間を省くための合理的判断?

 

 仕方ないから、個性で出来立ての状態を維持するようにしておこう。

 あと、パンも焼いてあげよう。

 これから色々と迷惑かけるだろうし。

 

 そんなことを思いながら帰路についてたら、ばったりと校長先生に会った。

「昔よりいい顔するようになったね」って言われたんだけど……そんなにわかりやすい顔になってるんだろうか?

 何やら恥ずかしかったので、早々に逃げちゃったけど。

 

 でも、そっか。

 変わったんだな、俺は。

 だとしたら、それはやっぱりオールマイトのお蔭なんだろうな。

 

 流石はNo.1ヒーローだわ。

 かなわないなぁ。

 

 あ、消太君に施術させろっていうの忘れた。

 

 

 ▼月☮日 とりあえず許可はもらっている

 

 そういえば書き忘れていたけど、家政婦の真似事と使い魔に関してOKもらったので、大体一日置きにオールマイトの拠点に来てお手伝いさんをやってる。

 毎日来ないのは、ほら、オールマイトも男だからね?

 色々と処理しなきゃいけない事もあるだろうし、流石に言わないけど。

 

 使い魔に関しては最初は戸惑っていたみたいだけど、今は楽しそうに世話もしてるみたい。

 この間は、怪我人の捜索や治療で大いに役立ったようだ。

 使い魔が活躍したことを凄く嬉しそうに話すオールマイトが、なんだか可愛いと思った。

 

 流石は原作でヒロインなんて言われてるオールマイトだ。

 病弱設定がなくてもヒロイン力は衰えていないと言う事か。

 この俺に可愛いと思わせるとは。

 

 それは置いといて、俺としても用意した使い魔が役に立ったのなら嬉しい。

 見た目は大鷲だけど、頭にオールマイトみたいなV字型に飛び出た羽がある。

 使い魔の能力は『治癒』『索敵』『再臨』の三つの効果を持たせた。

 

 一応、使い魔の能力を書いておこうかな。

 

『治癒』

 不死鳥の涙は傷を癒すってやつだね。

 

『索敵』

 敵や救助対象を探すためのもの、きっとオールマイトの役に立つ力だ。

 

『再臨』

 致死ダメージを受けたら、一気に体を燃やし尽くして灰から蘇る能力。

 まさしく不死鳥の能力である。

 雛の状態で復活するとオールマイトの邪魔になっちゃうから、成鳥状態で復活するようにしてある。

 

 これならいざと言う時は、盾にもなれる。

 我ながらいい仕事をしたと思う。

 不死鳥がオールマイトと共に居れば、オールマイトは死なずみたいな印象も着くかもしれないし。

 

 

 そういえば、二人目の弟子をとった事をオールマイトに言ってなかった。

 弟子と言えるほど、修行に口出ししてないし、勝手に強くなってるけど。

 明日になったらかっちゃんの事を教えておこうかな。

 物凄い才能の塊で、イズくんをライバル視している二番弟子がいるって。

 

 

 

 ーーーーーーーー

 

 

 あの先輩は昔から無茶苦茶な人だった。

「君が相澤消太君? 私は想現アリス、よろしくね。早速だけど一緒にトレーニングしない?」

 

 初対面から引っ張り回されて、色々と振り回された過去がある。

「私は個性特化型だから、消太君の個性は私にとって致命的だな……なんとか、防ぐ方法とかないかな」

 なんて言って、個性に干渉する独自のエネルギーがとか言って、俺の個性が先輩には効かなくなった。

 未だに、どういった方法で干渉を阻害しているのかわからないが、あの人にだけは俺の個性が効かない。

 

 けど、まぁ……優しい人だ。

 俺の個性が異形系の個性に効果がないって悩んでたら

「なら自分の身体能力と技術で捕まえれる様になればいいのよ」

 なんて言って、一緒にどういう戦法で捕縛すればいいか考えたり

「身体能力高めるために負荷掛けよっか? とりあえず全身5kgでいい?」

 とかいきなり全身に重い負荷をかけてきたりする、とんでもない先輩だったな。

 

 けど、異形型の同級生を倒せた時は「流石未来のプロヒーロー! やったじゃない!」と自分の事の様に喜んでくれた。

 その時にお祝いだ、と言って先輩の孤児院で、子供達にもみくちゃにされながら食べたビーフシチューは忘れられない記憶だ。

 

 そんな無茶苦茶で明るい先輩だったが、時々どこか苦しそうにしていた。

 何かに悩んでいるのはわかった。

 世話になった事もあって、何度か力になりたいと尋ねてみたが、先輩が卒業しても教えてくれることはなかった。

 

 そんな何かを抱え込んでいた先輩が、教師の事を教えてほしいとか一体何があったんだ。

 この高校で来年から教師として働くことになったと聞いた時は、自分の耳を疑った。

 

 自分らしくもないが今までの恩もあったので、できるだけ先輩がやり易くなるように、一からデータを纏めた。

 学校行事から普段の授業、自分が苦労したことまで書いている事に、苦笑した。

 どうも自分はあの先輩に入れ込んでいるらしい。

 

 自分がこうして、プロヒーローとして動けるのは先輩がいたからだと思っている。

 20代から教師を務めているのは、異形型個性に苦労している時手伝ってくれた先輩と同じことをしているだけだ。

 見込みが薄くても、除籍処分にしないのはあの時の自分を重ねているからだ。

「異形型個性にはただの無個性じゃねぇか」そう言われていた俺を、腐らせずに手伝ってくれた。

「流石未来のプロヒーロー」と認めてくれた。

 

 

 合理的じゃない。

 今まで何人もの生徒を除籍処分にしてきた。

 強い個性に胡坐かいて、他人を見下して、努力を怠った生徒たちだ。

 何度も注意を促した、それでも彼らは変わらない。

 これではヒーローになったとしても、あっさりと殉職して命を落とすだろう。

 そうなる前に、俺が切り落とす。

 

 

 個性のデメリットに悩んでいる生徒を確認しては、他の先生と情報を共有して、どうすればいいか話し合った。

 先輩風にいうなら、諦めない奴がヒーローにふさわしい。

 

 そんなことを考えている自分に笑う。

 やっぱり自分はあの先輩に大分影響を受けているのだ。

 

 

 週末には先輩が来る。

 それまでに、しっかりと纏め上げておこう。

 

 合理的じゃない自分の感情に笑いながらも、あの先輩に報いる為に。

「久しぶりに、あの時のビーフシチューが食いたいな」

 

 




消太君参上!そして勘違いしているぞ!
第一話の感想にて、目薬のくだりが会いたいからにきまってるだろう!と言われて、そうとしか見えなくなったおかげでこんな消太君が誕生しました。

作者は全くの無意識で書いていたため、気が付きませんでしたw
消太君からのアリスへの信頼感がうまく書けただろうか……?
うまく書けてたら嬉しいなぁ。

後、完全に通い妻と化した主人公。
一日おきに賢者になる為時間まで作る、この理解っぷり。
やはり、元男にしかわからないよねこれは!

連続投稿はこれにて終了。
後はゆっくりと書き上げて、できたら投稿って形になります。

追記
6話の最後の日記を少し修正しました。
これなら伏線(笑)がわかりやすくなるかな?

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