原作通りにならない僕アカ   作:オリオリ

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意外とこの設定が気に入られて嬉しいオリオリです。
皆さん、砂糖吐いてますか?
私は砂糖を生産中であります。

ニヤニヤしながら読んでくれると嬉しいですw
それではどうぞ!


第五話 僕と師匠とオールマイト

 僕が師匠こと神綺さんに弟子入りして半年以上が立つ。

 ……まだ半年しか経っていないんだね。

 僕的には半年どころか数年以上()()()()()()

 何せ僕の師匠の個性は非常に万能だ。

 

 攻撃、防御、支援、治癒、幻惑、変化などなど、本当になんでもござれな個性だ。

 僕はこの個性なら、個性を作ることも可能なんじゃないかと思っている。

 魔法っぽい事ができる個性にしては、用途が広すぎるし、そのデメリットも見たことがない。

 

 動画に映っていた空港火災の時には巨大な魔法陣を構築、炎と黒煙を消して、人を転移で助ける。

 

 つまり、建物の構造を把握し、火元を検知し、人の居場所を探り、保護し、転移させるという効果を一つの魔法陣で行っていることになる。

 

 師匠が使う魔法陣はいつも同じ陣で、効果が変わっても陣に変化はない。

 

 このことから、師匠は個性を偽っていると推測できる気がする。

 ……まぁ、それはどうでもいいんだけね。

 

 出会った時は心をバッキバキに折られたけど、心をより強くすることができた。

 それで師匠が僕を認めてくれて、こうしてヒーローになる為に鍛えてくれている。

 

 ……鍛え方が半端じゃないけどね!!

 現実世界では学校が終わったら砂浜へと向かい、そこで僕の影と延々と組手をする。

 

 基礎鍛錬の時間が全くなくなったからどうしてかと聞いてみると。

「基礎鍛錬が必要ないくらいに実戦をやればいいから大丈夫」

 それって大丈夫じゃないです師匠。

 

 組手の時も僕には全身に5㎏以上の負荷がかかっている。

 対して僕の影にはそういった負荷がないから、僕よりも動きが早い。

 

 僕はより技術を研ぎ澄ませなければならない。

 そうすると更新したばかりの時は、影と僕の力量は完全に同じになるので負荷がかかっている僕が不利。

 

 けど、諦めずに何度も挑戦する。

 力を使い切ったときにこそできることもあるのだ。

 事実そうして、何度か乗り越えてきた。

 

 そうして学校が終わってから、日が沈むまで組手を行った僕は、師匠に勉強をするくらいの体力を回復させてもらって宿題を終わらせる。

 

 夕ご飯は、師匠が僕のお母さんに頼んだレシピ。

 力をつけるために肉を多めにして、野菜もしっかりと取る。

 お母さんと今日の出来事や師匠の修行の話をして、お風呂で疲れをとって就寝。

 

 だけど、僕の修行はここで終わりではない。

「では始めようか」

「よろしくお願いします! 先生!」

 

 師匠が夢の中に来て、先生を呼び出し技術指導に入る。

 最初は柔術の達人の先生だ。

 名前と流派は教えてもらえなかった。

 

 けど、指導は凄まじい。

 最近は終始先生との組手で終わる。

 

 師匠が作った夢の世界では、現実と同じように疲れたりする。

 しかも時間の操作もできるのか、何日もここで修行している気がするのだ。

 

「お疲れ様、今日はゆっくりと……休めたらいいね?」

「先生……そこは言い切ってほしいです」

 そんな言葉と共に、柔術の先生が消えて、新しい先生が現れる。

 

「お、今度は俺の番か。んじゃ、早速やるぜ出久」

「はい! よろしくお願いします!」

 今度は空手の達人。

 顔に大きな傷があって、見た目は怖い人だけどなんだかんだで優しい先生だ。

 

 この人以外にも、アパアパ言うムエタイの達人。時折師匠にエロいことをしようとする、あらゆる中国拳法の達人。武器の使い方や対処法を教えてくれるくノ一みたいな恰好をした武器の達人。そして、その全ての武術を修めたどこか気弱だけど、親身になってくれる武術の達人が僕の組手の相手をしてくれる。

 

 夢の中でこの人たちの指導をそれぞれ二回ずつ受け終わったら、意識が暗くなる。

 

 そうして起き上がったときには、疲れは綺麗さっぱりなくなり、夢の中で鍛錬したことで僕の技術は、師匠の個性によって僕の体へとしっかりと反映される。

 

 僕にとって一日は24時間じゃない、どれくらいの時間を技術指導に当ててるかは知らないけど

 そんな反則的なことを可能とするのが僕の師匠なのだ。

 

 

 修行の一幕をオールマイトに言うと、一筋の汗を流して師匠の方を振り返って指さした。

「道理でこの短時間で技術の成長が凄まじいと思ったよ……やりすぎだぞ、神綺君!!」

「無個性がヒーローを目指すなら、武術の達人にならないとだめじゃない?」

 師匠は何がおかしいの?とでも言いたげに首を傾げている。

 

「緑谷少年の精神が既に小学生の域を脱しているのだが!?」

「そりゃあ夢での修行時間も計測するなら既に18歳くらいにはなってるからね」

「あ、だから最近大人っぽくなったね、とか言われるんですね」

 

 僕の発言を聞いたオールマイトが、師匠の肩を掴んで顔を近づけた。

 わわっ、顔が凄く近いよオールマイト!

「君ぃぃぃ!! 緑谷少年のお母さんに謝りに行きなさい!!」

「顔が近い。とっくに挨拶に行ったわよ。イズくんが明るくなったし、毎日楽しそうってお礼言われたわ」

「ンゥゥゥゥゥ~~! 私か!? 私がおかしいのか!?」

 ぐいっと近づいた顔を押し返されて、オールマイトは頭を押さえて天を仰いだ。

 

 きっとオールマイトは可笑しくないと思うけど、これも僕が望んだことだ。

 師匠はその手伝いを個性を使って最大限してくれてるんだ。

 

 ……先生たちには武術の才能はあまりないって言われたけど、先生たちの弟子ほどじゃないんだって。

 

 そのお弟子さんも達人となったらしいから、その人よりも恵まれてるならあきらめるわけにはいかないよね。

 

「けど、あくまで組手でしかないから、実戦経験がないのよね。実力は既に準達人級になってるから、少なくとも中学、高校でうまく立ち回れば個性持ちを相手にしても負けなしで居られると思うわ」

 

 師匠の言葉に僕は目を丸くした。

「僕ってそんなに強くなってるんですか?」

 

「イズくんは既にコンクリートくらい簡単に粉砕できるでしょ? 他の人たちから見たら増強型の個性を使っていると思われるんじゃないかしら」

 

「……実際そう見えるだろう。私は今日の緑谷少年の動きを見て、個性に目覚めたのかと思ったからね」

 

 オールマイトがハァァァァと、大きくため息をついた。

 師匠はオールマイトの言葉を聞いて頷いた。

 

「そっか、ならもう大丈夫ね」

「え?」

 大丈夫?もしかして、ここで師弟関係の終わり!?

 

「い、嫌です師匠!! 僕はまだ師匠に鍛えてもらいたいです!!」

「あ、ごめん。そういう意味じゃないわ。技術試験みたいなものよ」

 

 師匠は立ち上がると、波打ち際に立った。

「オールマイト」

「なんだい?」

「貴方は海を割れるわよね?」

 師匠の言葉を聞いたオールマイトは納得したように頷いた。

 僕には何のことかわからない。

 

「見せてやればいいのかい?」

「えぇ、お願い」

「HAHAHA、お安い御用だ。緑谷少年! よく観ておくことだ!」

「え? は、はい!」

 よくわからないけど、オールマイトは海へと入っていき、水が腰くらいまで来たところで止まった。

 

「……身長高すぎ……遠過ぎて見づらいわよ。オールマイト!! 少しそこで待ってて!」

「了解した!」

「イズくん、私の後についてきてね」

「わかりました」

 

 師匠は僕が頷いたのを見てから、海を歩く。

 僕もその後に続くと、師匠と同じように水面を歩くことができた。

 ……師匠といると、驚きへの耐性がどんどん上がっていく気がするよ。

 

「……ずるくないかい?」

「普通に来たら首まで水に浸かるわ! アンタがでかすぎるのが悪い」

「理不尽な!?」

「相変わらず仲がいいですね、師匠たち」

 きっとこれが夫婦漫才って奴なんだね。

 

「これならよく見えるわよね?」

「はい、大丈夫です」

「よし、じゃあやって見せて」

「任せたまえ」

 

 オールマイトはゆっくりとした動きで、拳を動かして海を割った。

 15m先まで海を割って、海底まで見えた。

 あんなゆっくりとした動きでこんなことができるなんてすごい!!

 

「わきゃあ!?」「うわっ!?」

 なんて感心している場合じゃなかった。

 海の上に立っていた僕と師匠は割れた海が元に戻ろうとする水流に足元を流されて水の中に落ちた。

 

「おおっと!? 大丈夫か君たち!?」

 海に落ちた僕たちは、すぐさまオールマイトに抱き上げられた。

「ごっほ、ごほっ! ぐっ、迂闊だった……! 水の上を歩くんじゃなくて、魔法陣の上を歩くべきだったわ」

「神綺君にしては珍しい失敗だね?」

「うるっさい。ごめん、イズくん。大丈夫だった?」

「大丈夫です」

 

 そうして、オールマイトに運ばれて僕たちは砂浜に戻ってきた。

「はぁ、濡れちゃったわね」

「……私は謝っておくべきかね?」

「そんなわけあるか。私のミスよ」

 師匠は水が滴る髪を後ろへとかき流した。

 

「イズくん、何が試験かわかった?」

「はい! あのぎ、じゅつ……を……」

 師匠の問いに答えようとして、言葉に詰まった。

 師匠の着ている白いワイシャツが、海水の所為で肌に張り付いて透けていた。

 白い綺麗な肌に、薄いピンク色のブラが大きすぎない胸を強調している。

 思わず、それをぼーっと眺めていた。

 

「どうかしたの?」

「緑谷少年? ……ぶはっ!?」

 僕の視線の先を追ったオールマイトが噴出して、視線を空へと向けた。

 僕もようやく理解が追いついて、顔が赤くなるのを感じて、目を逸らした。

 

「し、神綺君!! し、下着が透けているぞ!!」

「え? あぁ……なるほど……」

 足元で魔法陣が展開されるのを感じた。

 それと同時に、僕の服が海に落ちる前と同じ状態に戻った。

 

「もう大丈夫よ」

「そ、そうですか」「そ、そうか」

 オールマイトを横目で見てみると、顔が赤い。

 きっと僕も同じように赤いんだろうな、と思いつつ師匠を見ると、先程まで透けて見えていた下着と肌は見えなくなっていた。

 

 つい視線が胸に向かっていることに気が付いたのか、師匠が胸を手で隠すような仕草をした。

「…………えっち」

「「ぐふっ」」

 思わず僕は手と膝を地面についていた。

 すごい破壊力だった。

 隣を見れば、オールマイトも同じような格好で項垂れている。

 

 そんな僕たちがおかしかったのか、師匠がクスクスと笑っていた。

「ほら、今回は事故だったから気にしないで? 私もちょっと油断してた、ごめんね?」

 

 そう言って、僕たち二人に手を差し出す師匠は女神か何かですか。

 中国拳法のエロ先生と過ごした事と精神年齢だけは上がってる所為で、意識してしまって凄く恥ずかしい。

 

 手に付いた砂を払って師匠の手をとって立ち上がる。

 大丈夫、さっき見たことは脳内に永久保存した。

 ごめんなさい師匠。

 

「いえ、僕もすいませんでした」

「すまない神綺君、配慮が足りなかった……」

 そんなことを思いつつも、師匠に頭を下げると、オールマイトも同じように頭を下げていた。

 なんか、僕とオールマイトって似ているのかもしれない。

 

「ほら、もういいから。……なんだかんだで君達も男の子だね……」

 師匠は聞こえない様に呟いたつもりかもしれないが、ばっちりと聞こえた。

 

 また膝から崩れ落ちそうになるが、ぐっと堪える……けど膝が震えてる。

 

 似てるかもしれないと思ったオールマイトに目をやれば、いつも通り笑みを浮かべているけど、膝が震えてた。

 やっぱり僕たちは似ているのかもしれない。

 

 

 気を取り直して、先程見せてもらったのは水切りと言う一つの技術らしい。

 やり方は自分で模索する事、期限は1週間。

 その間は修行を少なめにすることになった。

 

 師匠とオールマイトの会話を聞いた所、僕ならできると判断されたんだろう。

 技術試験と言う事は、身体能力はあまり関係ないはず。

 オールマイトの動きはゆっくりだったし、力をうまく伝播させる方法があるのだろう。

 それを会得するのが今回の試験という事かな?

 

 師匠曰く、この試験をクリア出来たらご褒美があるらしい。

 ……エロ先生とさっきの師匠の姿の所為で煩悩が……

 エロ先生には会ったら文句を言っておくとして、今は水切りに集中しなくちゃ。

 

 オールマイトも手本ならいつでも見せると言ってくれたから、遠慮なく見せてもらおう。

 

 さて、今日もまた頑張ろうかな!

 

 後、どうでも良い事だけど、エロ先生にその事を話したら滂沱の涙を流して悔しがっていた。

 




海辺と言う事で絶対にやりたかった服透け!
これくらいやればオールマイトも意識する……かなぁ?
まだ出久君の方が恋愛に強そうな気がする。
主に史上最強のエロ師匠の所為で。

名前は出さなかったんですけど、これってクロスオーバータグつけるべきなんでしょうか?
それともゲスト出演?
まぁ、運営に怒られたらつけることにしておきましょう。

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