ダンジョンを英霊が求めるのは間違っているだろうか 【無期限休載中】 作:たい焼き
自分の作品のことだけど、これは流石にないわ・・・
あ、FGO1000万DL記念の星4鯖交換はエミヤを貰いました。もう宝具5だったけど
豊穣の女主人にてロキ・ファミリアが宴会を行った日の翌日。その朝食時。
普段ならばこの時間帯は一日のうちたった二回の、団員の殆どが集合する数少ない機会だ。
ダンジョンに潜る者はパーティの仲間と武器やポーション等の必需品や何処の階層まで行くか等の打ち合わせをするし、休暇に当てる者はその日の予定を頭の中で繰り返しながら充実した休日プランを立てる。
普段通りならば食事時のこの時間は多くの団員達の談笑が聞こえてくるはずなのだ。だが今日はそれらが全く聞こえない。
その理由は、豊穣の女主人で起きた乱闘沙汰だ。
そもそもの事の発端はロキ・ファミリアの第一級冒険者『ベート・ローガ』の不適切な発言だ。
元々好戦的な性格で、格下の相手を見下すような言動が多い彼だが、酒に酔っていたその時は特に酷かった。
逃げ出した当事者と思われる少年の醜態を酒場で酒の肴として披露して嘲笑し、その結果同じファミリアの団員と思われる男の怒りを買うことになり、最悪の場合ベートも同じロキ・ファミリアの団員も彼の怒りを受けて殺されていたかもしれない。
幸いその前に割って入ったセイバーとアーチャーのおかげでこうして誰一人欠けることなく五体満足で朝食の場に揃うことができたが、それも奇跡に近いだろう。
実際にランサーと共に店から出ていったセイバーは未だに本拠に帰って来ておらず、安否も確認できていない。
「そもそも彼が槍を抜く前に彼と少年に謝罪するができなかった僕の責任だ。皆を危険に晒してしまった」
「そんな・・・顔を上げて下さい団長!!団長だけの責任ではありません!!」
「そうやな・・・事の発端はウチらがミノタウロスの群れを上層に逃したからや。んなら遠征に参加してた子、ひいてはファミリア全体の失態や。場合によっちゃ周りから後ろ指さされようがその子には謝らんといかんのや」
「でもあの子のファミリアって、どこ?」
「それだけじゃなかろうて。あの騒ぎの原因がこっちにあるのなら、豊穣の女主人の店舗の弁償もこっちの責任じゃ」
レベル5以上の幹部達は一つの机に集まって、今後の動きについて話し合いを進める。
「ていうか、当事者のベートの奴はどこ行ったのよ!!」
「私は見ていないな。というより本拠にすら帰って来てないようだ」
「あのバカ!!どこほっつき歩いてるのよ!!」
アマゾネス姉妹は姿を晦ませているベートの不在に腹を立てるが、本人が居ないのでは怒りのぶつけどころが存在しないので、ストレスとして溜め続けるしかない。
「そういえばアイズもいないな。どこに行ったか知ってる者は?」
「私は見てないよー」
「私も見ていません。団長」
アイズも今朝から姿を見せなかった。それを心配したレフィーヤが本拠中を探し回っているが、めぼしい成果は上がっていない。
「セイバーたんも無事かいな・・・あのままどこ行ったか分からへんし・・・」
「ただいま戻りました」
全員が声がした方に目を向ける。霊体化していたセイバーが現れ、空いていた椅子に腰を掛ける。
「おや?どうしたのですか?そろそろ食事の時間だったと思うのですが」
「それどころやないで!!セイバーたん体大丈夫かいな!?どこか怪我とかしてへんよな!?」
「そちらの方は大丈夫です。ランサーも宝具を一つも使わなかった辺り、本気で殺しに来たわけではなかったようです。ですがオラリオを出て北の方角の山脈の手前で手合わせしていたのですが、その過程で小山を幾つか切り崩してしまいました」
「そっか・・・それくらいで済んだんならまだセーフやな」
ちなみにその山脈は『ベオル山地』と呼ばれている。凄まじい傾斜と悪路を有する山々の集合体で、山の頂きを何度も超えようが現れる無数の山嶺は『山城』と形容されている。オラリオに近いそこには、地上に進出したモンスターの末裔の住処となっているが、自分達よりも遥かに強い彼らの戦闘に首を突っ込むモンスターは居なかったようだ。
「でな、そいつのことなんやけどな・・・。怒っとった?」
「ええ、それはもちろん。仲間や味方を馬鹿にされたら星の裏側まで追いかねないですよ。彼なら」
「あっちゃー・・・会いたくないわー・・・」
「ですが彼が冷徹と非情さで襲う者は彼に明確に『敵対』した者だけでしょう。しっかりと誠意を持って謝罪すれば、少なくとも後ろから刺されることはなくなるでしょうね。根は誇り高き英雄なのですよ。ランサーという英霊は」
「・・・そうだね。まずは豊穣の女主人に行こうか。まずはあそこに謝りに行って、その後彼らを探そう」
「でしたらレベル4より下の団員は私に預けていただきたい。少々鍛え直さねばなりません」
対象となった団員達の背筋がまるで蛇に睨まれたカエルのように氷付く。
「程々にしてやってくれよ」
果たしてロキ・ファミリアの運命はどうなるだろうか。ランサーに蹴散らされるか、それともセイバーに叩き直されるか、どちらにしても修羅の通り道には違いない。
所変わってここは豊穣の女主人と呼ばれる酒場の前の通り。時刻は太陽が登り始めたころ。
昨日の乱闘騒ぎによって午前中を臨時休業にすると書かれた紙が貼られているその店の前に一人の少年が居た。
ベルは店を飛び出してすぐにダンジョンに入った。だが禄に防具を着ていない上に更にギルドから支給されたナイフも昨日ダンジョンで折れてしまっており、それに気がついたのは第六階層についたころだった。
殆ど無意識で前に進んでいたベルは、フロッグ・シューターやウォー・シャドーと遭遇した。拳でモンスターの頭部を貫き、手刀で首元の血管を切り裂いていた。無意識とはいえ、武器無しで強敵達を倒していたことに意識を取り戻してからベルは気がついた。
そのためダンジョンに潜っていた時間は一時間程度であり、その後すぐに本拠に戻り、戻ってこないランサーの安否を気にかけながら眠りについた。
今のベルの心境はまるでこれから捌かれて肉屋の店先に並べられるのを待つ家畜ように憂鬱な気分だ。
自身がやってしまったことに対する謝罪はしなければならないと、少年は思い切って店の扉を開く。
カランと小さく響く鈴の音色を聞きながら店の中に踏み込む。だがその先は彼が昨日見た店の光景とは様変わりしていた。
「な、なんだこれは・・・!?」
机は粉々に破壊され、床は何か巨大な物で抉られたかのようにボロボロになり、壁には何かが激突して出来た亀裂があった。
それによって散乱した木くずや埃をせっせと箒でかき集める従業員が忙しなく働いていた。
「っと・・・すみません」
「申し訳ありません、当店はまだ準備中でして・・・」
「あ、いえ、シル・フローヴァさんと女将さんはいらっしゃいますか?」
その声に気付いたエルフの女性が答える。同時に隣で働いていた猫人の従業員がベルの姿を見て思い出したかのように声を上げた。
「あぁ!!あんときの食い逃げニャ!!シルに貢がせるだけ貢がせておいてポイしていったクソ白髪野郎だニャ!!」
「貴方は黙っていてください。それに代金はもう貰っているとミア母さんが言っていたではありませんか」
エルフの女性がベルの目には残像しか見えないくらい速い速度で猫人の女性に平手を浴びせた。
「えっと、あの後何かあったんですか?それと代金は貰っているって」
「ベルさん!?」
「あ、シルさん」
二階で働いていたのか、階段を駆け足で降りてくるシル。その手にはベルに渡す昼食のバスケットが握られていた。
「昨日はすみませんでした、お金も払わずに・・・」
「いえ、戻ってきてもらえて嬉しいです。それに代金はご一緒の方から頂いていますよ」
「ランサーさんがですか?そういえばこれは一体・・・」
「ああ、これですか。やっちゃったんですよね。そのランサーさんが」
「・・・へ?」
「怖かったですよ。頭のてっぺんに角が生えた鬼が可愛く見えるくらい」
ベルは固まってしまった。そして頭の中で数字が幾つも並び、瞬時に計算される。
「あの・・・これの弁償の代金はお幾らになりますか・・・?僕のファミリアはまだまだ零細のファミリアなので一度には用意できそうもありませんが・・・」
「えっ・・・?」
村に居たころも不自由ではなかったが決して裕福ではなかったため、弁償とか賠償等の一度に膨大な額が飛ぶ状況には慣れなかった。
「いえ、お金はもう頂いておりますし、もうすぐ修理してくれる方が来るそうなので大丈夫ですよ。そういえば今日もダンジョンに行かれるんですよね?よろしければこれ、貰っていただけませんか?」
「えっ、でも悪いですよ」
前回もそうだったのだが、ベルが貰う食事はシルの朝食だ。ベルが食べた分シルが朝食抜くことになる。
「差し上げたいんです。駄目でしょうか?」
「・・・すいません。じゃあいただきます」
女性からの好意は貰うべきだ、とベルも祖父から教えられていた。ここで断るのは間違っているとベルはありがたく弁当を受け取る。
「おっ、昨日の坊主が来てるのかい?」
厨房の方からここの女将のミアが出て来る。
「アンタ達は引っ込んでな。まだ仕事が残ってるだろ?」
シルを含めたウェイトレス達全員が厨房の方へ仕事に向かう。一般人を大きく超えた実力を持っていようが、逆らえない相手はいるらしい。
「まったく・・・あと一日遅れてたらアタシの
(マジ僕ファインプレー!!)
ミアは只者ではないとまだまだ素人レベルのベルでも理解できる。
「いいかい?冒険者なんてもんはカッコつけるだけ無駄な職業さ。背伸びしたって碌なことはないよ。生きることだけに必死になればいい。最後まで二本の足で立ってたヤツが一番なのさ。みじめだろうが何だろうがね」
「ミアさん・・・」
「失礼する」
ふと後ろから声が聞こえて振り返ると、そこにはベルよりも遥かに背の高い男が店の中に入ってきた。
「おっ、来たかい」
ベルと同じく白い髪の男は工具と大量の材木を担いでおり、初めはベルも店の人が依頼した大工の方かと思った。
「おや?君は確か・・・ランサーのところの子だったか?」
「えっ!?ランサーさんを知ってるんですか!?」
ベルの記憶に残っていた視線の片隅に似た人影があった。きっとその人なのだろうと思った。
「まあね。奴とは少しばかり因縁があってね。とはいえもう昔のことだ。それより君はいいのか?ダンジョンに行く途中じゃないのか?」
「あっそうでした。ミアさん、ありがとうございました。いってきます」
ベルはバスケットを抱え、店を出ようとする。
「例えその先が茨の道だろうが、地獄への一方通行だろうが、君は真っ直ぐ歩いて行くんだろうな」
アーチャーが口から零したその言葉はベルの頭の中にずっと残り続ける。
「さて、やろうか」
改めて店の惨状を確認する。まずはボロボロになった床や壁だ。これは板を剥がして張り替えた方が手っ取り早いだろう。
「床板を剥がさせてもらうが、構わないだろうか?」
「いいよ。やっとくれ」
頷いて板を剥がしにかかる。幸い自分が知っている方法と同じように造られているため然程苦戦はしなかった。
太陽が真上に来るより前には終了した。
「終わったのかい?随分早かったねぇ」
「まあこれくらいならば造作もないさ」
次は壊してしまった机や椅子、食器の類だが、買い揃えるにも金が掛かってしまう。
「まあこれで代用してもらおうか。投影、開始」
アーチャーの手によって魔力が形を持ち、アーチャーの記憶の中にある物をこの世界に投影する。数秒後には机も椅子も食器も全て補充が済み、ミアも驚愕の目でそれらを見る。
「へぇ。こいつは驚いた。今のがアンタの魔法かい?」
「まあ似たような物でね。これは私達の中では魔術と呼ばれる代物さ。効果はモノを魔力だけで複製することだ。当然それの設計図が頭の中に入ってなければならない、本職は剣だからそれに比べればお粗末な物だ」
「・・・のわりにはしっかりしてるけどねぇ」
できたばかりの机を興味本意で軽く小突いてみる。そこから鳴った音は本物と差がなかった。
「もちろん原型がなくなるくらいに壊れてしまえば魔力に戻ってしまうので、そこだけは注意して欲しい」
「壊れちまったら形が残ろうが残らなかろうが関係ないさね。分かったよ。にしてもアンタ随分家事とかそういう物に慣れてるようだね」
「長い間一人暮らしだったからな。ならば大抵のことは自分でやらないといけないだろう?」
「なら料理もできるね?ちょっとこっちに来な」
アーチャーはミアに連れて行かれて厨房へと足を踏み入れた。
「あっミア母さん。どうしたんですか?」
「ちょいっとこっちに用ができたのさ」
「邪魔をしたか?そうであったらすまない」
中ではシルやリュー達従業員が皿洗いや台所の清掃を行っていた。
「コイツを見てくれ」
袋に入れられたたくさんの粒状の穀物。それはアーチャーの記憶にも存在している馴染みの深い食材だった。
「コメって食材らしい。コイツを使った料理を売り出そうと思うんだけど、調理方法が分からないんじゃ意味がないだろう?」
「なるほど、コレは主に極東の方で作られている作物だ。この辺りには出てくるのも珍しいと見た。いいだろう。これを使った料理を作ればいいんだな?」
「ちなみにできた料理は今日の昼食にさせてもらうからね。手を抜いたら許さないよ」
「フッ。元より食材を粗末にする料理人など居るものか」
投影魔術を発動する。右手には使い慣れた下手な剣よりも良く切れる三徳包丁を、左手には幅広い料理法に対応できるため万能鍋とも言われる中華鍋を、投影したエプロンを身につけ、頭には気合を入れる三角頭巾を締める。
何故か女性の方が良く似合うエプロン姿がアーチャーには良く似合った。よく鍛えられた筋肉に浅黒い肌が特徴的なアーチャーだが、全く違和感がないそれに、シルやリュー達従業員達はついていけなかった。
「今から見せるは料理の極致。我が全身全霊を以て腕を振るわせてもらおう」
「そこまで啖呵切ったんだ。とくと見せてもらうよ」
「なんなのニャ・・・このノリ・・・」
呆れたようにアーニャはため息をついた。
「美味しい、美味しいのニャー・・・!!」
「ミア母さんのも美味しいけど、こっちのは別の意味で美味しいよぉ・・・」
「くっ・・・彼のような男性でさえ料理が出来るというのに、何故私は・・・」
即落ちとはこういうことを言うのだろう。目の前に出された香ばしい香りのする炒飯にリゾットやピラフ、パエリア等、彼が知っている米料理には勝てなかった。
数人分作られたそれがあっという間に消えていくのを見ていれば、気に入ってもらえたことが分かる。
「・・・美味いよ。これなら任せてもいいかもしれないねぇ」
「話が見えてこないんだが、説明してもらえるか?」
「実は今日の夜にちょっとした用事があるんだ。私の他にここの料理を出せるヤツがいないから店の修理を建前に閉めようかと思っていたんだが、アンタなら私の代わりに今日一日任せられそうだ」
「そういうことか。ならばそれ、引き受けさせてもらおう」
「すまないね」
「構わんよ。今後こういうことがあれば遠慮無く言って欲しい。私に出来る範囲ならば引き受けさせてもらうよ」
「いっちっち・・・セイバーめ。マジでやりやがって・・・」
ここはオラリオをグルリと囲む市壁の上。ランサーは夜通しセイバーと剣を交え、ここまで帰って来ていた。セイバーも宝具の真名を開放しなかったからか、直接傷を受けることはなかったが、攻撃を受けた腕が槍越しで伝わった衝撃で痺れていた。
「ったく・・・アイツも一体幾つ宝具持ち込んでやがるんだっての・・・」
ランサーが確認したのはセイバーの代名詞とも言える風を纏った最強の聖剣、おそらく一対一の戦いで持ち主の性能を引き上げる剣、赤雷を放つ銀よりも美しい剣、記憶に残るヘラクレスが持っていた斧剣に似た特大の剣、ルーン魔術の炎を打ち砕いた剣、最強の聖剣の鞘に似た絵柄の盾と大凡一騎のサーヴァントが持つには過剰過ぎるとも言える武装を持っていた。
自分のことを棚に上げられないが、伝承通りのアーサー王として召喚されたのならば、これ以上の武装を持っていてもおかしくはない。
自分も知古の二人に対して宝具はまだ『ゲイ・ボルク』しか見せていないが、他にも宝具を持ち込んでいる。
アーチャーには鮭跳びの術を初見の状態で攻撃を殆ど捌かれた。このままで終わるアーチャーではないとランサーの闘志は更に燃える。
「いいじゃねぇか。これからの戦いが楽しみだぜ」
持っていたゲイ・ボルクを霊子化して消した。そして後ろの気配に声を掛ける。
「いい加減出てきな。気付かねぇとでも思ってんのか?」
しばらくして人影が一つ、階段の下から姿を現す。昨日見たばかりの男をランサーも忘れるわけがなかった。
「へぇ。そっちから顔見せるとは思わなかったぜ。どうした?まさか坊主に謝りに来たなんて思ってねぇぞ」
「・・・」
ベートは目の前に居るランサーを睨んでいる。一歩も引かず、ただ己の脅威として。
「だんまりかよ。もう一回だけ聞くぜ?何しに来やがったんだ?クソガキが。」
「・・・うるせぇよ。ただアンタが気に食わねぇ。だからアンタを倒しに来た」
「よく言うぜ。アイツら二人に守られて何もできなかったクセによ。オレの知ってる中には殺されるって分かってても必死に抵抗したヤツもいるぜ」
「だからだ。守られるだけで何にもできないのだけはお断りだ。んならオレは死んだ方がマシだ。だからアンタは絶対倒す」
「ほぉ。言うじゃねぇか。じゃあウチの坊主に謝る気は一切ないってこったな?」
「ああ。オレだって冒険者だ。一度言った事を訂正するなんてことはやっちゃいけねぇ。負けたまま引き下がって謝っちまうのはもっとだ!!」
昨日とは全く違う澄んだ正直な心からの叫び。それを吐き出したベートの覚悟はしっかりとランサーに伝わった。
「・・・お前、名前は?」
「ベート、ベート・ローガだ。覚えとけ」
「ああ、しかと受け取った」
ランサーは立ち上がり、構えた。ランサーの称号を捨て、無手でベートと同じ土俵に立つ。
「我が名はクー・フーリン。アルスターの誇り高き槍だ。覚えときな」
「クー・フーリン・・・」
クー・フーリン。光の御子。クランの猛犬と数々の異名を持つ彼はケルト神話の大英雄としても多大な知名度を誇る存在だ。夢を持って冒険者になる者の中には彼らのような昔の英雄に憧れている者も多い。
「来いよ。今からは一人の戦士として、お前の相手をしよう」
「行くぜ!!」
ベートはすぐさま駆け出した。目の前の巨大な存在に向かって繰り出した蹴りと応じたランサーの足が重なり合った。
凄まじい衝撃と共にオラリオに爆発音が響いた。
原作では豊穣の女主人で食事した日ともう一度訪れた日は一日空いていますが、アーチャーとベルを会わせたかったので変更しています