インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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八十八話『時空管理局』

 

 

「えっと、あなたたちの表情から察すると…二人が探しているのは優希で間違いないみたいだね」

 

本当に一回目で優希の知り合いに会えるなんて思わなかった。

 

そんな驚きの心境に見舞われながらも私は女性の問に縦に頷いて肯定した。

 

「うーん、今日は優希は見てないけど…はやてならわかるかな?バルディッシュ」

 

 

[Yes.sir]

 

今日は優希を見た覚えの無い女性は、はやてさんの名前を出すとバルディッシュ?という名称を口にするとどこからともなく、機械混じりの声音が聞こえ来て女性の前に空中投射のウインドウが出現する。

 

 

「あれ?フェイトちゃんお疲れや…急に連絡してどないしたんや?」

 

するとウインドウからはやてさんの声が聞こえてくる。

 

「はやて?ごめん、優希っているかな?」

 

「優希?いや?おらんよ?あれ?フェイトちゃんには優希今任務で地球に行ってるん知らんかったけ?」

 

え?どうして此処で地球なんて大雑把な発言をしているのだろうか?

 

それではまるで…ここは地球の何処にも存在しないと聞き取れる言葉だ。

 

「優希…地球にいるんだ…えっとね…優希を探してある子達が居て…」

 

「誰やろ?優希が助けた人がラブレターでも直接渡しにきたんかな?でも諦めた方がいいで、なんせ今優希には意中の女の子が…」

 

『あ、あの…はやてさん…』

 

失礼だけど、女性の隣に立ってウインドウに向いてはやてさんに声を掛けるとテレビ電話と同じようなので私の顔を見て鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた。

 

「…うえぇぇぇぇぇぇい!!?簪ちゃん!?ちょい待ち!?なんで…此処に自力で此処に来たんか!?」

 

次に覆いに驚き声を上げる。はやてさんその声に私と隣の女性…フェイトさんだったかなその人も大声で耳を塞いでいて、大声で周りの人もこっちに視線を向けてきて、それに気づいたフェイトが頭を下げて謝る。

 

 

『その、ごめんなさい…優希とはやてさんが休憩所で話し合っていたのを覗き見してて…それで…』

 

「あ~そういうことか…簪ちゃんは条件も整ってるから開けられるわな…はぁ…しゃない…ごめん、フェイトちゃん…簪ちゃんと後は本音ちゃんかな?私のオフィスに連れて来て欲しいな」

 

「うん、わかった、それじゃあ今から行くね」

 

そういうとはやてさんとの通信がきれて、フェイトさんは少し溜め息をつくと私達に顔を向ける。

 

「それじゃあ、はやての所に案内するね、それにしても…無断で転送ポータルでこっちに来るなんて駄目だよ」

 

めっと指さしして私達を軽く叱るフェイトさん、やっぱり無断使用は禁止されているんだろうな…

 

軽率な行為に反省しながら、私達はフェイトさんの後に続いていき、また転送ポータルを利用してはやてさんのオフィスの近くまで転院する。

 

転送ポータルはフェイトさんがいたから難なくこれた…転移する前にその理由を聞いてみるとここはかなり広いために転移を利用しないとかなり時間がかかるとか

 

そんなことを聞きながらフェイトさんの先導で通路を通っていきはやてさんのオフィス前の扉までやって来た。

 

「はやて、来たよ」

 

扉の横にあるパネルを操作すると部屋の中にいるはやてさん達にフェイトさんが来たことを伝えるとドアを開けて私達は部屋の中に入っていく。

 

オフィスは結構広く、大きめの執務机が一つにその左手にそれより小さい机が二つ…そのうちの一つには以前にあったことのあるリインちゃんが私達に気づいて笑みを浮かべて、そして大きい執務机の先に椅子に座るのは、ヘリでの私服姿では無く。ぴしっとした正装の服に身を纏った。はやてさんがいすに腰掛けていた。

 

「ようこそ、簪ちゃん、本音ちゃん、数多の次元世界を守る守護機関…時空管理局へ」

 

 

そう、笑みを浮かべて気になる単語を幾つも述べるはやてさん。

 

『…はやてさん…時空管理局…それが前に行っていた…何処の国にも所属しない組織の名称なんですか?』

 

「うん、そうや…ごめんな…あそこまで巻き込まれていたのに…色々と抜けた説明をしてもうて」

 

まずは組織名のことをはなすとはやてさんは申し訳なさそうな顔で謝罪をしてくる。

 

「あと、フェイトちゃんふたりを連れてきてくれてありがとうなお仕事大変なはずやのに」

 

「ううん、訳ありみたいだし…別に気にしてないよ…取りあえず、今日はもう上がりだから…お先に上がるね」

 

「そうか…お疲れ様」

 

そういって次にはやてさんはフェイトさんに向いて私達を連れて来たことに礼を述べるとフェイトさんは私達の事情に少し察したのか笑みを浮かべると部屋から退室していった。

 

 

「…さてと…ほんなら色々話さなあかんな」

 

漸く真実が聞ける、今か今かと待っているけど隣の本音の状態に気づく。本音は何が何だかわかっていないのだ。

 

「あの~はやてさんとかんちゃんだけで話を進めないでほしいです」

 

「本音ちゃんは知らんもんな…それじゃあ…先日起きたレゾナンスでの事件を話さなあかんな」

 

 

そういって本音に先日に起きた、レゾナンスでの出来事を打ち明けるはやてさん、本音もしっかりと聞いて…聞き終わると納得した表情を見せた。

 

「ほえ~そんなことあったんだ」

 

「取りあえずはレゾナンスでのことはこれぐらいやな……さてと先ずは…次元世界の話からしようか…まず驚くと思うけど…ここは地球に存在しない場所や…言わば別世界と言いきっても良い」

 

「え?別…世界?」

 

いきなり突拍子のない話…普通は嘘だと割り切れるけど…割りきれる気になれない

 

「実はな世界って言うのは簪ちゃん達が生まれ育った地球だけやのうて…無数に世界が存在するんや…簡単にすると地球が一つの国として…次元世界を世界と考えればええかな?」

 

……なんとも言えない…地球自体がちっぽけな感じに感じる。

 

「地球には外世界…次元世界への渡航方法は無いから知らんのも当たり前や…でもな次元世界を股にかけて悪さをする犯罪者は多く居る…そういう人達を逮捕するのが時空管理局や…地球でいうんやったら時空管理局は警察と軍…裁判所とかもう、色々と一纏めにした組織…と考えれば良い」

 

「え!?そんな纏めて大丈夫なんですか!?」

 

聞く限り無茶苦茶になるのでは無いのかと思うがその返答を応えたのははやてさんでは無かった。

 

「まあそれで今の体制が維持されてるわけだから…大丈夫と言えば大丈夫だろう」

 

後ろから聞き慣れた声がする私は振り向くとそこに扉の前に居たのは以前にもあった神崎さんと少し複雑な心境を顔に出している優希の姿があった。

 

 


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