インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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七十四話『約束の行く末』

簪SIDE

 

鈴の攻撃で胴体が二つに別れた無人機

 

もう動く気配もなく、爆発する様子もない。

 

一段落かと武装を構えるのを止めて、落ちつくけどもまだセシリアと鈴は警戒を緩めていない。

 

「まだですわ!!ピットの上いる方がいますわ!」

 

「そうね!援護してくれたのは助かったけど……何者かわからない以上気を抜かないでよね!」

 

と警戒心がすごいけどあれ優希なんだよね

 

教えても良いけど信じないだろうな~

 

そう気楽に考えて謎の人物(優希)を見ていると、忽然と姿を消す

 

 

「消えた!?どういうこと!?」

 

「わかりませんわ!?あの方は一体…」

 

うーん、優希なら姿を消すぐらい造作と無くやってしまいそうなんだよね~

 

「簪!セシリア、鈴!」

 

するとピットからリヴァイヴを装着した優希が到着……これはアリバイ工作かな?

 

「優希!遅いわよ!」

 

「そうですわ!私達が苦労をしていましたのに……」

 

「悪かったって……避難に結構手間取ってたからな……」

 

避難誘導については本当のことだろう……優希が途中ですっぽかすとは思えないし

 

「八神、更識、オルコット、凰……聞こえるか?」

 

と優希のことを考えていると無人機が撃破されたことによりジャミングも解除されて通信が回復したのか織斑先生が少しご立腹な声で私達を呼んだ。

 

「色々と聞きたいことがある、管制室へと来い……織斑は教員が保護室へ送る」

 

「織斑先生……篠ノ之は?」

 

「篠ノ之にもきっちりと説教をする……それでは直ぐに来い…いいな」

 

と至急来いと通信がきれると私達は全員顔を見合わせる。

 

「行くか」

 

「そうですわね」

 

そうして私達はピットに戻って織斑先生のいる管制室へと向かった。

 

 

 

……

 

 

「「「簪!打鉄弐式完成、及びクラス代表戦優勝をおめでとう!!」」」

 

『う、うん……ありがとう』

 

こんなに直球で誉められたことあんまり無かったから恥ずかしいな……

 

もう、日も沈み夜になり、今私は自分と優希の部屋、でセシリアや本音……鈴や、相川さん達みんなで私のために祝ってくれている。

 

今周りに並べられている料理は優希が丹精込めて作ってくれた一品の数々本当に美味しそう……

 

そんな料理の見立ての感想を述べるけど取りあえず、無人機との戦闘後のことを思い出そう……

 

あの後、管制室で織斑先生に色々と事情聴取を行われた。

 

優希は全部自分が命令したと責任をかぶろうとしてたけど……優希がやったのも人命救助な活動なために今回はおとがめなしとなった。

 

私達はそうだけど……後の2人……織斑一夏と篠ノ之箒……この2人には厳罰を下されたらしい……実際聞いていなかったけど

 

 

「でも更識さん、残念だったね、間違いなく優勝してたのに…あれのせいで無効になっちゃって」

 

……そう……あの無人機のせいで試合は中止、あと一歩だったのに……大会は無効になって……

 

「か、かんちゃん!?落ち込まないでよ~そんなに食堂のデザート1年間無料パス欲しかったの~」

 

あ、そんな話し合ったんだ……でも私にとってはそれより重要な……

 

「あ~実はな~」

 

優希は状況を見て私と姉さんの約束のことを話し始め、聞き終わったときには楽しいパーティーがお通夜ムードにへと一転する。

 

「ごめんなさい、簪さんまさかそのような事情を知らず……」

 

「ううん、いいの、みんなは知らなかったわけだし……」

 

セシリアはそんな約束があったことを知ると深く反省し、簪も知らなかったことだと割り切る。

 

「でも、本当に有耶無耶にされてるわけだから……」

 

しかし、それでも納得のいかない鈴はどうにかしたい気持ちでいっぱいのようだ……

 

そんな時、突然部屋の扉が勢い良く開かれる。

 

「話はきかせてぅぇ!?」

 

……勢いのあまり扉が帰ってきて入ってきた人に直撃……もう何しに来たんだろう

 

顔を扉に当てて、痛そうだけど何故か堪えながら気を取り直してやり直す

 

「……話は聞かせてもらったわ」

 

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さすがの登場にみんなの心が一つになったような気がする……だって出てきたときの印象がねえ……

 

取りあえず、外で話を聞いていた姉さんがやってくると自信満々な表情で私をみる。

 

「安心しなさい!簪ちゃん!決闘の話は優勝が無くなったけど、あれは事故のせいだから気にすることは無いわ!」

 

「そ、それじゃあ……」 

 

そう相川さんか期待した目で、姉さんを見る、そして姉さんもそれに応えようと口を動かした。

 

「ええ!決闘は有効よ!」

 

と姉さんは口元を扇子で隠し開けた扇子には受けて立つと書かれている。

 

「よかったよ~かんちゃん!」

 

『うん!』

 

1度は有耶無耶で諦めかけたけど……姉さんに挑める!戦える!!

 

「と、話の腰を折りますが……お嬢様?何か忘れているのではございませんか?」

 

あれよく見れば姉さんの後ろには本音の姉である虚さんがいる…… 

 

「え?何か忘れていたかしら?」

 

「今回の事件で当分はアリーナの使用は禁止になります」

 

「まあ当然だな」

 

虚さんから放たれた言葉、アリーナの使用禁止……やっぱり無人機のことが原因か何だろうな……

 

優希もそれに同感して頷いていると虚さんはまだ何かあるのか姉さんに向かって言いたげな表情を見せる。

 

「さあ、お嬢様……そろそろ生徒会室に戻りますよ」

 

「え!?あ、あと少しくらい……美味しそうな料理食べてから……!」

 

帰ると促す虚さんに、子供っぽく駄々を込める姉さん…姉さん少し惨めに見えるよ

 

「そうは行けません今回の事件のこともありますし、それらの後処理を行わないと…さあ、行きますよ、お嬢様」

 

「ちょ、ほんとちょっと待って!!」

 

そういって姉さんの襟元を摑むと姉さんを引きずりながら連れて部屋の外へと出て行く虚さんであった

 

「…嵐みたいな人ね…」

 

そう姉さんの登場と退場の始終を見ていた鈴はそういって観測を述べる。

 

「と、取りあえず、これで簪さんの約束も果たせそうですわね!」

 

『…うん!』

 

取りあえず、これで少しは前に進めてるよね

 

 

私は成長していると実感し、優希の作った料理を食べながらパーティーを楽しんだ


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