インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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四十八話『一時の安息』

ディバインバスターでハリネズミを吹っ飛ばし、カートリッジも内蔵されている4発全て使ったことで自動でロンギヌスがカートリッジを排出する。

 

さて、何とか危険な状況を脱したは良いが色々と問題がある

 

まず俺のことをまじまじと見てる簪

 

すでに無意識下でリヴァイヴを解除したようだ…まあそれは置いておいて…

 

さっきの光景はばっちりと見られてるわけで…ちゃんと説明しないといけない。

 

二つ目、更識さんの容体

 

こっちも簪と同様見られてはいるがさっきのハリネズミの攻撃で怪我を負ってる…放っておけば大事に繋がることもあり得る。

 

三つ目…何故か倒れてる女の子…

 

俺が来たときにはこうなってたけど…何で気絶してるんだ?よく見れば微弱ながら体中から電気も走ってるし…

 

でもまず優先すべきなのは…

 

『更識さんの容体か』

 

一番に怪我をしてる更識さんに駆け寄り、具合を見る。

 

何本かハリネズミの針が刺さっているが傷口からは血があまり流れ出て居る様子は無い…運良く大きめの血管を傷つけてはいないようだ。

 

だけど針を抜こうにも傷を塞ぐ手立てが…俺、治癒魔法は使えないし…

 

どうするか頭で考えていると2階から俺と同じく柵を飛び越える影が視界に移る。

 

『っ!』

 

咄嗟にロンギヌスを構えて臨戦態勢を取るが誰が降りてきたのかを確認すると構えを解いた。

 

「優希!リインは待ってっていったですよ!」

 

『緊急だった仕方ないだろう…リイン』

 

俺の後を追いかけていたリインがいつの間にかバリアジャケットを装着し置いて行かれたことに腹を立てて、頬膨らませてゆっくりと降りてきた。

 

『それより、リイン、こっちに来てくれ、一人怪我を負ってるから治療して欲しい』

 

「…っ!更識さんですね!もう勝手に何処かに行ってリインは心配したんですよ!」

 

と今の言葉から察するに居なくなった民間人って更識さんのことだったのね…

 

『今から針を抜く、リインは応急治療、頼むぞ』

 

「わかったです!」

 

とリインも頷くと俺は更識さんに刺さってる針に手に持つ。

 

『更識さん先に行っておきますけど…多少は痛いですから我慢してくださいよ』

 

「分かったわ…なるべく…お願いね…」

 

多分、早くと痛くしないでの二つの意味合いがあるのだろうと…そう思いながら俺はゆっくりと更識さんの背中に刺さっている針を抜き始めた。

 

「っ!くぅっ!!」

 

「お姉ちゃん!」

 

やっぱり麻酔なしだと激痛に顔を歪めるのは致し方ないか…

 

痛がる更識さんを見て簪が心配で声をかける所を見ると抜いてる俺も心苦しいんだが…

 

そんな心苦しさに精神的に磨り減りながらも時間をかけて全ての針を抜き取った。

 

『リイン、頼む』

 

「はいですよ!」

 

俺が出来るのはここまで…そう思って更識さんから離れると交替でリインが近づき治癒魔法で背中の傷を癒やしていく。

 

『リインはそのまま更識さんを頼む俺はもう一人の倒れてる女の子の容体を見てくる』

 

「わかったですよ」

 

と更識さんをリインに任せて俺は女の子の元に駆け寄り体の状態を見る。

 

やっぱり体中に電気を微弱だが走ってる…ここは俺より前に居た簪に聞くのが先決か。

 

『簪!』

 

「な、何!?」

 

いきなり呼ばれたことで驚くなか、こっちに駆け寄ってくると俺は話を続ける。

 

『この子、体中に微弱の電気を帯びてるんだが何か知らないか?』

 

「えっと…あの化け物と戦う前に巨大な蟹の化け物と戦ってて…その時蟹の足を止めるためにこの子が右手から電撃を使って…その時一緒に感電してたよ」

 

『右手から…電気ね…雷撃の魔力変換持ちか…』

 

……何というか…こうなったのは自滅だということがよーく分かった

 

普通なら自分の体に対電撃用のフィールド魔法をかけるのが普通なのだがそれをせずにすると、感電するということはレアスキルの有無なしでも見習い魔導師なら知っていること…この子もしかして…この力のことを魔法のことをよく知らないようだな…

 

「魔力…変換?」

 

『ああ、別に気にすることじゃない』

 

気になるのか俺が口に零したことを聞こうとしたが上手く話をはぐらかす…出来れば言いたくないからな…

 

『取りあえず、直に目を覚ます……更識さんもリインに治療を任せれば良いし…少し羽を休められるか…』

 

そういってレゾナンスの支柱に背中をもたれて先程装填させていたカートリッジを全て使い切ったためにロンギヌスのストレージから魔力が込められているカートリッジをロンギヌスに装填し直す。

 

「…ねえ優希…」

 

一息付けたところで簪がとなりに座り込むと話しかけてくる。

 

「その…優希のその力は何?それにさっき騎士だって…」

 

やっぱり色々と聞きたいようでグイグイと押して質問してくる。

 

さてと…どうしたものか……

 

ここまで来たら話さないと行けないのは絶対だ…しかし…次元世界のことや管理局のことを話しても信用してくれるかどうか…

 

やっぱり話すことと隠すことでどこかで線引きすべきかな…

 

「優希~こっちは更識さんの治療終わりましたよ~」

 

簪にどう言えば良いかと考えていると手を振って治療を終えたことを知らせるリイン…

 

簪も視線がリイン達に向いているために今ははぐらかしておこう

 

そんな俺の考えなど他所にリインと何とか危ない足取りだが更識さんもこちらに近づいてくる。

 

 

『お疲れ、リイン…さてとこれからどう動くか…』

 

今は一息付けてるが次の行動をどうするかも、しっかりと決めておかなければならないと思考を回すと突如上空から天井のガラス窓を突き破って何かが落ちてきた。

 

『くそ!もう少し休ませろって!』

 

何かの落下により土煙が舞う中俺は座っていた体を立たせて前に出てロンギヌスを構えると土煙が晴れてそこには人型をした体長二メートル半、そして体はムキムキマッチョで頭には凛々しい一角の角が生えている。

 

『おいおい…蟹…ハリネズミ…今度はカブトムシか』

 

カブトムシのような茶色を強調する体を持ったそいつは腕を組んで二つの赤い眼光で俺達を見下ろすのであった。

 

 

 

NOSIDE

 

レゾナンス上空…そこでは今回の主犯である人物はサーチャーで映し出されている優希達の映像を見ていた。

 

「召喚獣、ヘラクレストの投下を確認…勝率は六割と推定…」 

 

と機械のように坦々と言葉を出す人物に黒翼を羽ばたかせる女性がやってきた。

 

「漸く見つけたよ…こちら時空管理局です…管理外世界での魔法の使用は禁止されてます。そのため少し…同行してもらいましょうか」

 

と黒翼の女性…はやては自然にシュベルトクロイツにに力を入れて構えると、謎の人物は警告を無視して臨戦態勢を取ると両腕を隠している黒フードの部分が弾け飛び両腕からトンファーにも似たブレードが展開される。

 

「っ!機械の両腕!?…どうやら普通の人間やないな…あんたは」

 

両腕からでた刃を見て普通では無いと踏み、はやても臨戦態勢を取り相手の出方を見極めるのであった。

 

 


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