インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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四十二話『迫り来る影』

 

 

 

『おつかれ』

 

ゲームセンターからでた俺達はレゾナンスの休憩できるところで腰を添えて小休憩していた。

 

 

あれから簪は順調にシューターを撃ち落としていき得点は何と俺を上回って42万点。

 

さすがに上回るとは思ってなかった。

 

しかも簪でも2位だ…一体あれの1位はどんなやつなんだ?

 

気になった俺は恐らく知ってるだろう簪に訪ねてみた。

 

『なあ、簪、あのゲームの1位の人って得点何点とってるんだ?』

 

「あ、優希は気になるよね…えっと…999999点」

 

『…え?』

 

あまりの得点に呆然として聞いてしまう。

 

「えっとね、驚くのは無理ないよね、その人、得点がカンストしてるの、噂だと120万はいってたって話だよ」

 

 

…あの…なのは姉のデータから生まれた天使相手に…カンスト…一体どんな人物だよ!

 

物凄く気になり俺は簪に更に話を聞いてみる。

 

『特徴は?後キャラネームとかわかる?』

 

「え?う、うん…えっと若い女性の人でオレンジ色で髪は下ろしてたみたいだよ…後ネームは…BONZIN」

 

『BONZIN?』

 

BONZIN…ぼんじん…凡神?嫌違う…凡人!!!

 

凡人って名前で更に女性で髪はオレンジ色で髪を下ろしてる!?

 

………やばい…該当者がたった一人居る…

 

うん、あいつなら…やれるかもしれないな…なんで地球にゲームなんてしに来たのかは全くもって意味不明だが…

 

 

何しに来てたんだティアナ(魔王の教え子)!!

 

「ど、どうしたの?頭なんて抱えて…」

 

『い、いや…なんでも…』

 

ザフィーラといいなのは姉といい…今日はなんで身近な人物が関わっていたものに良く遭遇するよな…

 

『さてと…ゲームしてたら喉渇いたな…ジュース奢るわ』

 

「え?、それぐらい自分で…」

 

『良いんだよ…さて何にするかな…』

 

そういって近くの自動販売機の前に立って飲みたいジュースを決め始めるのであった。

 

 

はやてSIDE

 

ほんまに…私の一生の不覚や…

 

楯無さんとお話しとったらいつの間にか優希達居らんようになってるし…その上リインまで居なくなってたのは驚いて念話したら一人で優希を尾行してるってことで安否は確認できたからほっとしたな…

 

『それで…まだ楯無さんは拗ねてはるんか?』

 

と目を横に向けると不機嫌な表情を見せる楯無さんが居る。

 

「別に拗ねてないわよ…ただ私は…」

 

『力はただ力……使う人によって力の使い方も変わってくる…優希は私らが丹精込めて育てた大切な子や…育て方を間違えたとは思ってないよ』

 

この子、力を持ってるわけやからそこんところはちゃんと考えてるとは思うけど…

 

『後は本人次第やな』

 

と私は小声で楯無さんの未来を祈っていると楯無さんが歩くスペースを早めて私と距離を広めようとするも私も同じく縮めようとする。

 

「どちらにしても私があの子を見極めるわ」

 

と強きにそう述べる楯無さん…なんややっぱり優しいな…そういうことやったら応援したいな…

 

『まあまあ、そこは楯無さんのお眼鏡に叶うとおもいますよ~』

 

そういって私は笑みを浮かべて楯無さんの肩に手を置いた。

 

 

NOSIDE

 

レゾナンスの通路は休日ということで人は多く往来する中、まだ中学生になりたての女性が何やら思うことがあるのか俯いて歩いていた。

 

《これからどうしよう…》

 

先の見えない未来に不安を隠せない少女。

 

なぜならばこの少女の家庭は昔に父親を亡くし、母親一つで育てられた少女…

 

その母親は女尊男卑の思考の持ち主で男性を見下す傾向を持っていた。

 

本来ならばそういう思考も娘である少女にも移ると思われるが…彼女はそうはならなかった。

 

そのために男性を侮辱する母親に嫌気がさした少女は今日もレゾナンスにやってきて気晴らししていたのだ。

 

《…それにしても…この力に目覚めてからもう何年もたつんだな~》

 

と少女は思考の中でそう思うと少しあたりを見渡して見られていないことを確認を取ると右手に力を入れて意識を集中すると…手のひらの中で微弱でありながらも電撃が発生する。

 

少女にとって…小学校低学年のときに使えるようになった力…誰にも知らせていない謎の力…

 

この力がなんなのかはわからないし、この先役に立つかといえば使えないと言い切るだろう。

 

だけど、自分しかないこの力…なぜだか選ばれたような感覚に囚われた少女は少しずつ練習を重ね、意識すれば電撃の調整が出来るようになるまで使いこなしていた。

 

《…夢物語だけど…いつかこういう力を使える職場につきたいな~》

 

無理だなと苦笑いの笑みを浮かべる少女…

 

 

その一方レゾナンス上空では一つの黒フードで顔を隠した謎の者が少女を目に捉えていた。

 

「…あれか…」

 

どことなく機械のような声が混じった声音、しばらくすると謎の者はミッド術式を展開する。

 

「封絶結界」

 

そう呟くと謎の者から空間の色が変わっていきレゾナンスの建物とレゾナンス周辺を飲み込んだ。

 

「結界展開を確認…索敵阻害の粒子を散布」

 

結界を展開すると続けて謎の者は左腕を突き出す。

 

その左腕は異形な腕であり鋼鉄で出来た機械の腕。

 

その機械の腕の一部が展開して粒子を噴出する発射口が展開されると粒子が結界全体にへと散らばっていった。

 

「粒子の散布確認、自機のセンサーに異常なし…これより…ミッションを開始する」

 

 


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