インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語 作:ウィングゼロ
……!……!
ん?…なんだ?誰か呼んでるのか…
朧気に現実世界へと戻ってきた俺は誰かに呼ばれている気がした。
まだ頭がぼんやりとしていて上手く頭が回らない…もしかしらロンギヌスか?
そうだ寝る前にロンギヌスに後処理を任せたんだ…ということはこの声はロンギヌスが呼んでる声?
『…ロンギヌスか?』
と寝ぶたそうな声を出す俺…そして少しずつ意識もハッキリしてきて返答を待っていると…
「ロンギヌス…って何?」
とロンギヌスではない第三者の声が…っ!?
俺は一気に眠気が覚めて慌てて起き上がり辺りを確認するとベッドの横には帰ってきてたのか簪が俺の顔を覗き込んできてた。
『か、簪!』
何故此処に!?っていうか同じ部屋なんだから当たり前だけど、いやならなんで眠っていた俺に声を!?
「ごめん。眠っていたみたいだったけど…その…オルコットさんが…」
眠りを妨げたことに罪悪感から少し落ち込む簪…
『いや、つい寝てた俺が悪いから…それにセシリアが?』
「はい、優希さん」
と部屋をでる通路からセシリアがやってきて片手を胸に当てて俺を見る。
「もうすぐ織斑さんのクラス代表就任のパーティーをすることになりましたの、ですから優希さんもご一緒にと…」
なるほど織斑がクラス代表になったからその祝いと…
でもな…
『俺も行って良いものか…』
「?どうしてそのようなことを仰るのですか?」
普通は行くと二つ返事に返すだろう…しかしだ…
『俺は織斑に嫌われてるからな…』
あの一件以降…織斑と…幼馴染みの篠ノ之さんは完全に俺を敵視している…といっても俺が間違ったことはしていない…ただ単にあの二人が子供なだけだ。
「…優希さんは織斑さんを嫌っておりますの?」
『いいや、俺は嫌ってないよ…逆に期待してるぐらいに』
天賦の才…間違いなく織斑にはそれが眠っている。それをどう活かすか…俺が戦技教導官ならもっと適切なことが出来るんだけどな…
「それで…優希はどうするの?」
行くか行かないか…その話しから少し反れていたために簪が聞き返してきて、俺はどうするか悩む。そして悩んだ末に…
『はぁ…まあ一応行くよ…でも主役は織斑だから端っこの方にでもいることにしておく』
と参加を表明するとセシリアは笑みを浮かべる…そんなに俺が参加するの嬉しいのか?
「では、直ぐに参りましょう…皆さん待っておいでですから」
と俺はベッドから起き上がってセシリアと共に食堂へと赴いた。
「……というわけで、織斑くんクラス代表決定おめでとう、かんぱーい!!」
クラスの誰かがパーティーの始まりの音頭をとる。
セシリアに連れられてやってきた俺は織斑が居るところから一番遠い席でジュースを飲んでいた…殆どのクラスメイト織斑の近くに行って、俺の隣にはセシリア…と簪がいる。
『簪…何で此処にいるの?簪って四組だよな』
「細かいことは気にしない」
…さいですか…
「それより優希には聞きたいことがある…寝ぼけてたときにいったロンギヌス…ってなに?」
…そのまま忘れていていて欲しかったな…
「そういえば、そのようなこと優希さん仰っていましたね」
簪が振ってきた話にセシリアまで食いつく…本当にやばい…どう誤魔化すか
『あ…ああ…夢の話しでな…その夢の中で出てきた人物の名前ロン=ギヌスっていう名前だったんだよ…だからロンギヌスって聞こえたのかも…』
「………」
いや簪さん…そんな一目で見られても…
こっちだってロン=ギヌスって誰だよって心の中で叫びたいのに…
………そういえば……
「な、なに?私をじっと見つめて」
『い、いやなんでも…』
つい簪の顔を見つめていたら小恥ずかしくなった簪が頬赤くする。
何故俺がずっと簪の顔を見てたか…それは夢の話しを思い出してあの時出てきた女の子が幼かったが簪に似ていたような気がしたからだ。
と思ったけどそれは流石に無理があるか…確かに日本人ではあるだろうが偶然出会った女の子が学園のルームメイトとして思わぬ再会、どんな奇跡だよ…あり得ないな
そうそう…
一応あの後のことを話しておこう…
あの女の子を無事警察が保護したのを陰から見届けた後俺はミッドへ戻った。
まあ当然家族から大目玉をくらった…特にヴィータとシグナムの怒りは凄かった。
しかし俺も言われ放しではない…でもそれで泥沼化しても何時終わるかわからないために手っ取り早く母さんと模擬戦をすることにした。
教導隊の練習場所をかりて始まった母さんと俺の戦い、まだ未熟だった俺は詠唱タイプの母さんにも悪戦苦闘…しかし母さんもがんがん攻めていた俺によって決め手が決められず試合は泥沼化てかして…何時間とも及んだ。
…そして長き時間を労した模擬戦の結果は………
…ルビが可笑しい?いや…これであってるのだ
それは突然とやってきた…
奴の出現の理由は2つ
まず場所
本格的に戦える場所なんて限られているためになんとか教導隊の訓練施設を借りて戦っていたこと
2つ目、かかった時間
先程も言ったとおり泥沼化してかなり時間がかかった。
周りの人も流石にここまで掛からないと踏んでいたが思いのほか時間がかかり他の訓練する予定だった局員達は訓練をすることが出来ず………俺と母さんは教導の邪魔をしてしまったことにより……
そうあれは一瞬だった…
泥沼化していた俺と母さんの戦いに割って入りバインドで即座に動き封じ込まれる。
そして俺と母さんが戦って発生した魔力残滓を収束し
そして、次に気がついたのが家で話を聞く限りだとシャマルが母さん共々家に連れ帰ったとか…
そんなこんなで真実を知っての怒りは何処へやら…綺麗さっぱりと無くなり、いつもの八神家の生活に戻ったわけです…めでたしめでたし…
まあ…余談だが…その日から約3ヶ月間、