インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語 作:ウィングゼロ
「お疲れ様でした」
『お疲れ様です』
取るべきデータを全て終えた。
みんな完成した達成感から上機嫌な雰囲気が漂わせている。
「優希…お疲れ…ほら…飲み物あたしのおごりよ」
『あっ…ありがとうアリサ姉』
とやってきたアリサ姉が俺に飲み物…アイスコーヒーを渡してくれて蓋を開けて渇いた喉にコーヒーを通す。
「にしても…あたしの会社でIS事業に進出するなんて今でも夢にも思ってなかったわ」
『あははは…本当にごめん…管理局の調査を手助けしてくれて』
「別にいいわよ結果的に利益がプラスになってるわけだしね」
管理局の依頼でISに関わることになったのは事実だが利益はしっかりと出ていると述べたことで俺は少しほっとした。
「でもこれだけは約束してもらうわよ…無茶だけはするんじゃないわよ」
『…もちろん!』
するつもりもないし…そうなる状況になること自体難しいわけだから…問題ないだろう。
…………
「はい、到着だよ~」
すずか姉の車に乗せてもらって高速道路を入っていくこと3時間…既に夕方になっていて日が沈み始めていた頃に漸くIS学園にへと辿り着いた。
『ありがとう、すずか姉』
俺はすずか姉の車から家から持ってきた荷物とあるものを持って出る。
「それじゃあ優希くん、頑張ってね」
とそう言ってすずか姉は笑みを浮かべながらもその場を車で去って行き、見送った後、俺は寮にへと歩き始める。
『さてと…よろこんでくれるかな…』
そういって、俺は右手に持っている物を見ながら寮に辿り着くとまずは受け付けで帰宅したことの報告手続きをして、漸く部屋の前にやってきた。
『簪さん多分いるよな』
もしかしたら間が悪いときかもしれない…一応ノックはするか
そういって部屋の前でノックをして…数秒待つ………返事がない…いないのか?
『それじゃあ入るか』
と此処で立ち止まっているのも仕方がないためにドアを開けて中へと入った。
『ただいま~あれ?』
中に入ると俺の目の前に映るのは…
「………すぅ……すぅ……」
椅子に座り机に体をうつ伏せている簪さんの姿。
『…疲れて寝たのか』
寝ているのを見て日頃の貯まった疲労から寝ていると俺は推測する
とりあえず、あるものを冷蔵庫に入れようと冷蔵庫の中身を見ると少し目を細めた。
『……何…この健康食品の数…』
冷蔵庫の中身はこの近くのスーパーかコンビニで買った物なのか…大量のカロリーメイトや大豆食品…サプリメントなど明らかに食とは思えない数々が冷蔵庫の殆どを占拠していた。
[彼女の食料と推測しますが…これは…]
『普通…女の子でもこんな食事じゃだめだろ…』
…もしこれを食べ続けろととある知り合いにいえば一日も経たぬうちに弱音を吐くだろう……誰かとは言わんけど
これ…流石に口出しした方が良いのかな…
『まあ取り合えずこれ何とかおけるスペースあるから置くとするか』
俺は冷蔵庫にあるものを入れて閉めると眠っている簪さんに顔を向ける。
『……これは本当に話し合った方が良いかもな』
流石に放っておくわけにもいかない。