インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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百五話『決闘前日 前編』

 

 

『…ふぅ…悪は滅びた』

 

そういってロンギヌスを待機状態に戻しルーテシアが吹っ飛ばされた方向を眺める。

 

「あ、あの優希…いくら何でも…これはあんまりじゃ…」

 

後ろで困惑している簪が俺に寄り添うように訪ねてきて俺はその問にハッキリと返事を返した。

 

『大丈夫だ、ルーテシアのことだからそろそろ…』

 

「ただいま~」

 

『ほらな』

 

ルーテシアなら問題ないと言い切り、しばらくすると転移魔法で平然と戻ってきたルーテシア、それを見てこれはわかりきっていたように告げる。

 

「い、今のは!?」

 

『転移魔法だよ、テレポーテーション』

 

「そ、そのようなことまで!?」

 

鈴の驚きに俺はルーテシアが転移魔法を使ったと説明すると、やはり信じられないのかセシリアが声を上げる。

 

「もう…驚きすぎて疲れるわ…それでその子のこと紹介してくれないかしら?八神くんとは並々ならぬ関係みたいだけど…」

 

『そうだな…いきなりすぎて紹介してなかったな…ルーテシア』

 

「了解、ルーテシア・アルピーノ、14歳、優希とは誰もが認めるラブラブ…『ただの友達だ!以上!』…もう優希のいけず」

 

更識さんがルーテシアのことを訪ねてきたために俺はルーテシアに自己紹介をさせると前半までは問題はなかったが後半からあらぬ事を言い始めたので強制的に遮った。

 

あのまま言わせたら何を言い出すかわかったものではないしその上後ろの三人から物凄く視線が向けられているから…

 

「ルーテシア、そのぐらいにしてやれ…下手したら優希がただじゃすまねえ」

 

「わかってますから♪」

 

《見た感じ、後ろの3人は優希に好意的なわけね…隅に置けないわね、優希は》

 

『さ、さてと…取りあえず、ルーテシアの家に行こう…メガーヌさんにも会いに行かないといけないからな』

 

取りあえず仕切り直してメガーヌさんのところ…今日宿泊するホテルアルピーノへと向かう俺達、向かう道中は話しながら進んでいき、建物に着くと、家ノ前にはメガーヌさんが立っていた。

 

「はーい、八神さん、いらっしゃい」

 

「ご無沙汰です、メガーヌさん」

 

着くと笑みを浮かべて歓迎するメガーヌ、それに母さんが軽く返事を返した。

 

『メガーヌさんお久しぶりです、それとすいません…突然、無茶な頼みを聞き入れてくださって』

 

「別に良いわよ、大体暇だから…」

 

今回の場を提供してくれたメガーヌさんに感謝の意を込めてお礼を言うと、やんわりと返事をして特に気にしていないことを告げられる。

 

「さてと、荷物置いたら、どうしよっか」

 

「更識姉妹の決闘は明日にするにして…よし良い機会だから、優希、それと奏もみっちり扱いてやる」

 

「は、はい!」

 

母さんがこれからどうしようか考えていると折角の機会だからと俺と奏を鍛えるべくヴィータが提案すると奏は緊張しながら返事を返す。

 

「ほんなら、簪ちゃん達はゆっくりしておき」

 

はやてはIS組に休んでいるように指示を出して俺達は各々の別行動を取ったのであった。

 

 

簪SIDE

 

姉さんとの決着のためにカルナージにやってきた私達、だけど付いた初日は疲れているだろうということでお休みで今私はセシリアと鈴に本音と一緒にリインさんとルーテシアのふたりに連れられて宿泊地から少し離れた森の中にある河で腰を休めていた。

 

「この水…冷たくて気持ちいいですわ」

 

河に靴を抜いた足を付けるセシリアが心地よい表情を浮かべるなか私も同じように足を水につかせてパシャパシャと水を跳ねらせる。

 

「あの、更識さんっで良いかしら?」

 

すると、何故が水着姿のルーテシアさんが声を掛けてきてなんだろうと首を傾げながら耳を傾ける。

 

『えっと、どうしたんですか?…ルーテシアさん』

 

「呼び捨てで別に構わないわ、私も名前で呼んでも良いかしら?」

 

別に拒否することもなかったのでお互いに名前で呼び合うことにしてさっそくルーテシアが話を切り出した。

 

「優希のことなんだけど…何処まで知ってるの?」

 

その言葉はさっきとは打って変わって真剣な表情を浮かべていて、本気の話しであることをその表情から見えとれた。

 

『…魔法のことは当たり前だけど…優希がはやてさんの…養子…ってことだけ…』

 

「…そうなんだ……簪は優希のこと好きなんだよね………なら少しだけ優希のことを教えようかな」

 

 


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