インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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九話『女性権利団体』

IS学園前でリムジンに乗って待っていたアリサ姉

 

そんなアリサ姉の迎えに俺は周りの視線を受けながらリムジンに乗るとすぐさまリムジンは発進して車道を走りだした。

 

『……はぁ………まさかアリサ姉が迎えに来てたなんて……』

 

「なによ?来て欲しくなかったわけ?」

 

と俺の言ったことにアリサ姉は不服そうに顔をしかめる。

 

「それにねえ、あんた……二人目の男性IS操縦者なんだから……色々なところから狙われてるの分かっているわよね」

 

『分かってるって……確か女性権利団体だったか?』

 

この世界では希少な人物であることの自覚を聞かれ、俺は地球に来る前に一通りの資料に目は通した。

 

その中で女性権利団体という組織名に俺は目をとめたことがある。

 

女性権利団体……本来は男性から女性を守る団体だったらしいが今の時勢になってからは完全に暴走して男性を虐げるテロリスト集団へと変貌した。

 

何故そんな危険な集団を今も野放しにしているのか理解に苦しむ所がある。

 

「あんたの存在は女性権利団体に取っては目障りな存在なわけ……もう一人のブリュンヒルデの弟はブリュンヒルデが目を光らせてるから手を出さないと思うけどあんたは違う…下手をすれば…白昼堂々と殺しに来るかもね」

 

と最後のはさすがに冗談であろう、話をするアリサ姉に俺は余裕の笑みを浮かべて返事を返した。

 

『問題ないよ…来たところでその気になれば返り討ちにするわけだし』

 

仮に来たとしても格の違いを見せつけられるだけでそこまで苦労はしないだろう。

 

「……はぁ…まあいいわ、まず海鳴に戻ったらすぐに家の所有の演習所にいかないと……」

 

『演習所なんでまた…』

 

「機体をあんた用にチューンするためよ!……ただあんまり無茶な頼みはしないでね……こっちにも予算があるんだから……」

 

と俺の機体の改修にどれだけの予算が出てくるかと頭の中で計算しているのか少し溜め息を溢していた。

 

『まあそうだよな……そういえば…第3世代の件はどうなってるの?』

 

「……ああ、そっちね……相も変わらず何も変わっていないわよ……白紙のまま……あんたが乗る場合……機体に振り回されるどころかあんたに機体が付いてこれないだろうし……そこはあんたの戦闘データを元に作っていくしかないわね」

 

『それは……また……』

 

確かに事実としか言い様がないが……機体がパイロットに付いてこれないんじゃ俺の能力を生かせないわけだし

 

その後は他愛もない話をしながら車は目的地の海鳴ヘリポートに辿り着くと俺とアリサ姉はリムジンから降りる。

 

「それじゃあ鮫島…明日には帰ってくるからその時の送り迎えもよろしく頼むわ」

 

「畏まりましたお嬢様」

 

とリムジンを運転していた鮫島さんはアリサ姉の命令に頷くとリムジンを来た道を戻っていきそれを少し見送った後、待っていたヘリに乗り込む。

 

ヘリに揺らされ20分程…海鳴の海に存在する中位の島…元は無人島だったらしいがアリサ姉の会社が買い取ってISの演習所を建設したらしい。

 

ヘリは平らな敷地内に着陸するとヘリのドアを開けて外へと降り立つアリサ姉と俺

 

そんな俺達にやってくるのは俺もアリサ姉も見知った人物だった。

 

「アリサちゃーん!優希く~ん」

 

『すずか姉!』

 

やってきた紫色色の髪をしたこの人、月村すずか…アリサ姉同様母さんの親友で月村工業の社長……確か交友関係が一番長いらしい。

 

「すずか、お待たせ……機体の方はどう?」

 

「うん、ちゃんと届いて組み立ては完了したよ」

 

とお互い社長とは思えない仲良しな友達のように話し合う二人、そんな2人に俺は付いていき付いたのは…空港でよく見る管制塔のようなところ。

 

そこでは数人の男女がオペレーターとして機器を操作や、今後の打ち合わせなどを話し合っていた。

 

「お疲れさま、みんな」

 

とアリサ姉は入ってきてから早々に働いてくれている人達に労いのお礼を言う。

 

すると社長であるアリサ姉がやってきたことで数人の男女も全員が立ち上がりお疲れ様ですとアリサ姉にむけて全員が一礼した。

 

(……アリサ姉……社長らしいところ初めてみた……)

 

(マスターその言葉はくれぐれもご本人の前ではおっしゃらないでくださいね)

 

「さてと、先ずは状況を確認しないと……ラファールの状態はどうなってるの」

 

「は、はい!」

 

ロンギヌスに釘を刺された後、アリサ姉は機体のコンディションを訪ねるとこの中でまだ幼い女性が表情が固く緊張が見られる中、アリサ姉に報告し始める。

「ラファール・リヴァイブなのですが、組み立ては完了しましたが……まだOSの構築が未完成でして……申し訳ございません!」

 

と頭を下げるがアリサ姉は嫌な顔もせずその女性に接した。

 

「別にいいわよ。まだ入社したてだし…少しずつ馴れていけばいいわ」

 

「は、はい!申し訳ございません!」

 

と謝るのを求めてはいないのにぺこぺこと頭を下げる女性に横のすずか姉は苦笑いの笑みを浮かべていた。

 

「優希悪いんだけど…もう少し時間を……」

 

機体の初起動にもう少しの時間が必要だと言おうとするアリサ姉だがその直後……

 

(マスター!2時の方角より熱源体が高速接近!数は4機!恐らくISと予測されます!)

 

(っ!!)

 

ロンギヌスの探知機能によってセンサーに何者かがこちらに接近している報告があがり俺も少し顔を強ばせる。

 

そして次にこの演習所のセンサーにも反応したのか警報音が鳴り響く。

 

「警報!?状況を確認して!」

 

「は、はい!現在IS4機がこちらの領空に侵入して接近中!識別は……IS委員会です!」

 

と慌ててオペレートする男性の知らせに室内は緊張感が高まる。そして侵入者は敷地内の空に立ち止まり口を開けた。

 

「我々はIS委員会のものです!八神優希という男性の身柄引き渡しを要求します!」

 

 


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