ラブライブ!side “M” お兄ちゃんは魔法使い   作:真仁

9 / 53
もうちょっと続きます。
やはりお気に入りなどの反応があるとちょっと嬉しいですね


第2話 アイドルを始めよう? その3 “fromアイドルを始めよう”

束「・・・う・・・?」

束が目を覚ますと白い天井が目に入る。続いて自分の状況を確認すると天井と同じように白いベッドに横になっていた。

束「・・・病院・・・か」

束はゆっくりと起き上がる。騒音の影響で多少頭痛はするが後は魔法の影響と思われる疲労感のみであり特に大きな問題はなさそうである。

束「こんなとこで寝てる場合じゃないか・・・」

束はベッドから抜け出そうとする。しかしその瞬間病室のドアが開く。

花陽「あ!束さん、目が覚めたんですね!」

3人の少女が病室内に入ってきた。その内の2人、花陽と凛は束に駆け寄る。

花陽「大丈夫ですか?痛い所とかありませんか?」

束「あぁ、もう平気だ」

凛「あ、あの!」

突然凛が束の前に出る。

凛「さっきはごめんなさい!お兄さんは凛やかよちんを危険から遠ざけようとしてくれてたのに・・・勝手に後をついて行って・・・ひどい事も言っちゃって・・・」

束「?・・・あぁ、あの時の・・・。別に気にしちゃいないさ。むしろ感謝したいくらいだよ。花陽ちゃんのイヤホンとプレイヤーのおかげで動く事が出来たんだし、ここにも2人が救急車を呼んでくれたんだろ?」

「救急車を呼んだのは私よ」

2人の後ろにいた赤い髪の少女がそう答える。

束「えぇ・・・と・・・誰?」

花陽「この人は私達のクラスメイトの西木野真姫さんです」

束「西木野?どっかで聞いた事あるような・・・」

真姫「それ、多分ここの事ね。ウチはこのへんじゃ一番大きい病院だから」

束「なるほど西木野総合病院か。で、そうなると君はここの院長の娘さんってトコかな?」

真姫「ま、そういう事になるわね」

束「そっか、助かったよ。ありがとう」

真姫「べ、別にあなたの為にやった訳じゃないし・・・

目の前で倒れているのを放ってもおけないしウチの病院が一番近かったってだけなんだから・・・」

そう言いながら真姫は顔を背けて指に髪の毛の先の部分をクルクル巻きつけていた。

束(あの子なりの照れ隠し・・か?まぁ悪い子ではなさそうだが・・・)

真姫「そんな事より一体何があったの?大きな音が聞こえたから見に行ってみたら人が大勢倒れてたけど・・・」

凛「古いオーディオから大きな音が止まらなくなってしまったんだにゃ。凛達も頭が痛くなって大変だったにゃ〜」

花陽「西木野さんが救急車呼んでくれた後に警察も来たんですけどオーディオが壊れてしまっていて他に怪しい所もないから事件性は低いって事でオーディオの故障が原因じゃないかって言ってました」

束「そうか・・・(とりあえず魔力憑きや魔法の事はバレてないみたいだな)」

そんな事を話しているといきなり病室のドアが思い切り開けられる。

穂乃果「お兄ちゃーん!大丈夫⁉︎」

海未「穂乃果!病室内で騒いではいけません!」

ことり「海未ちゃんも声を小さくした方がいいんじゃないかな?」

束「穂乃果?なんでここに・・・」

海未「先程、束さんが救急車に乗せられるのを見たという人から穂乃果の家に連絡があったんです」

ことり「おばさんはお支度があるから雪穂ちゃんと後から行くから3人で先に行っておいでって言われたの」

穂乃果「大丈夫?お兄ちゃんどこケガしたの?痛くない?お願いだから死なないでー!」

束「死ぬか!勝手に殺すな!どこもケガしてないから安心しろ!」

穂乃果「そ、そうなの?良かった〜。心配しちゃったよ・・・ん?あー!あなたは!」

真姫「ヴェェッ⁉︎なんで先輩がここにいるのよ⁉︎」

束「ん?・・・知り合いか?」

穂乃果と目が合い慌てる真姫と正反対に会えた事を喜ぶ様子の穂乃果。状況が掴めない束は穂乃果に尋ねる。

穂乃果「うん!この子、ピアノがと〜っても上手いんだ!だからライブ用の曲を作って貰えないかお願いしてみたの!そしたら断られちゃって・・・」

真姫「初対面の人間にいきなりアイドルみたいな曲を作れなんて言う方がおかしいと思うんですけど?」

真姫は今度は不機嫌そうに顔を背ける。

花陽「待って下さい!ライブ用の曲ってもしかして・・・先輩達が束さんの言っていた音ノ木坂学院のスクールアイドルですか⁉︎」

穂乃果「え?あ、うん!そうだよー!穂乃果達がスクールアイドルだよー!」

束「なんだよその超テキトーな返し」

花陽「あ、あ、あの私一年の小泉花陽って言います!ア、アイドルが大好きで・・・あの、せ、先輩達の事応援してます!」

穂乃果「海未ちゃん聞いた⁉︎穂乃果達の事応援してくれるって!コレってもしかしてファンってヤツ⁉︎」

海未「まだ何も活動を始めていないのにファンができるわけないじゃありませんか!」

真姫「はぁ・・・アホくさい。私帰るわ。じゃ、お大事に」

凛「かーよちん、凛達もそろそろ帰ろ?心配したからなんかお腹へったにゃ〜」

花陽「あ、凛ちゃん待って〜!そ、それじゃ束さん、先輩、失礼します」

真姫と凛が出ていき花陽がペコリと一礼してから凛を追いかけて出て行った。

こうして病室内には束と穂乃果、海未、ことりの4人が残された。

ことり「ごめんなさい・・・騒がせるつもりじゃなかったんですけど・・・」

束「いや?容体を心配されてしんみりするよりは全然良い」

海未「体調の方はどうですか?」

束「問題なしだ。明日には出られると思う」

実際にはまだ疲労感が残っているが医療でどうにかできる物でもないことやアイドル活動の準備を手伝わなければならない為そう言っておく。

束「で?曲はどうなった・・・って断られたんだったな」

穂乃果「でも諦めないでもう一度聞いてみる!私、あの子の曲がいいんだ!あ、歌詞の方は海未ちゃんが書いてくれるって!」

束「海未ちゃんが?」

穂乃果「中学の頃自作のポエムとか書いてたから歌詞もきっと書けるよ!」

束「お前それ割とガチで触れて欲しくないタイプのヤツじゃねぇか・・・」

束はちらっと海未の方を見るが顔を真っ赤にして俯いていた・・・。

穂乃果「で、ライブ用の衣装はことりちゃんが作ってくれるって!」

ことり「うん。任せて!」

束「となると残る問題は2つか。1つは作曲、もう1つは生徒会・・・」

海未「束さん、気持ちはありがたいのですが今はお身体の方を大切にして下さい。私達の問題は私達でどうにかしますから」

束「そうもいかないさ。前にも言ったが俺も命がかかってるからな。それに・・・こうして皆で一緒に何か作るって俺自身学生の頃以来で・・・なんかワクワクしてるし」

穂乃果「お兄ちゃん・・・」

束「ライブ、絶対成功させような」

穂乃果「・・・うん!」




2年生組と1年生組集合、安定の脱線模様ですがアニメ的な要素もやっぱり抑えていきたいですね

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。