ラブライブ!side “M” お兄ちゃんは魔法使い   作:真仁

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原作に沿って進めたいけどもうすでに大分脱線しつつありますが・・・よろしくお願いします


第2話 アイドルを始めよう? “fromアイドルを始めよう”

束が神田明神に行ってきたその日の午後。

お店の手伝いを終えた束が居間でくつろいでいると

穂乃果「たっだいまー!」

聞き慣れた元気な声とドタドタと廊下を走ってくる音、誰なのかはすぐにわかる。

束「おかえり。あと廊下は走るなって言われてるだろ?」

穂乃果「えへへ、ゴメンゴメン」

穂乃果は束の隣に座り卓上に置いてあった煎餅に手を伸ばす。

束「おいそれ俺のだぞ!」

穂乃果「え〜いいじゃん1枚くらい」

束「戸棚に自分の分が入ってるだろ!」

穂乃果「ちぇ〜、お兄ちゃんのケチ」

穂乃果は渋々立ち上がり戸棚に向かう。

束「そんな事よりなんか良いアイデアは見つかったのか?UTXに行ってきたんだろ?」

穂乃果「あ!そうそう!見つかったよ!良いアイデア!」

そう言いながら穂乃果は鞄の中から雑誌の束を取り出す。

束「なんだよコレ・・・スクール・・・アイドル?」

穂乃果「今日の朝UTXに行ったらね、デッカいスクリーンにカッコいいダンスを踊るアイドルが映ってたんだ。でね、近くにいた人に聞いたらあらいず?っていってUTX学園の学生がアイドル活動をしているグループなんだって」

束「確かアソコは芸能コースとかあった筈だからな。将来有望な子を学生の内から育てようって感じなのかな」

穂乃果「私もそこの本を見たんだけど、そのあらいず?に憧れて自分達の学校で同じ様にアイドル活動を始める子達が全国にたくさんいるらしいんだ」

束「それがスクールアイドル?ってやつか・・・。簡単に言うと部活動でアイドルをやるって感じか?」

束は穂乃果の渡した雑誌をパラパラめくりながら答える。

束「穂乃果、お前まさか・・・」

穂乃果「うん!私もスクールアイドルになる!アイドル活動で人気が出れば音ノ木坂の入学希望者が増えるかもしれないし!」

束「穂乃果がアイドル・・・」

束は一瞬想像をしてみるが一番と二番の歌詞を歌い間違えたり、ダンスを踊っている途中でバランスを崩して派手に転んだりばかりをイメージしてしまう。

束「ダメだ、想像出来ない」

穂乃果「えー!なんでー⁉︎」

束「いくら学校の部活動って言ったってアイドルってそんな甘いモンじゃないだろ。海未ちゃんわことりちゃんには相談したのかよ」

穂乃果「海未ちゃんは最初はアイドルは無しです!って言ってたけど・・・2人ともやってくれるって!ただ・・・」

束「ただ?」

穂乃果「部の設立を生徒会長の承認が貰えなくって。人数が少ないのもあるんだけど仮に人数が足りても承認はしないって・・・」

束「・・・なんだよそれ。随分横暴じゃないか?」

穂乃果「会長はアイドルとかあまり好きじゃないみたい。このままじゃアイドル活動始めてもライブをする場所も無いし・・・お願い!何とかして!お兄ちゃん!」

束「そこで俺に降るのかよ⁉︎学校内部の問題は俺でも無理だろ。父兄とはいえ基本部外者な訳だし」

穂乃果「やっぱそうだよねぇ〜・・・」

束「まぁ・・・根気強く説得すれば気が変わるかもしれないしとりあえずいつでも始められる様に準備だけはしといた方がいいだろうな」

穂乃果「うん・・・そうだね!よーし!アイドル活動、頑張るぞー!」

束「やれやれ・・・なんか予想以上の展開になってきたな・・・」

 

 

 

翌日。束は今日は非番の為、街に出ていた。秋葉原にある一番大きな書店に入ると雑誌コーナーに向かいスクールアイドル関連の書籍を調べ始める。

束「スクールアイドル・・・スクールアイドル・・・ん?

穂乃果の昨日言ってたアライズってのはコレか・・・」

雑誌に特集として組まれていたA-RIZEの記事に目をやる。

内容はインタビューやライブの様子を撮影した写真などが主だった。

束「なるほど、確かにライブ中の姿は学生には見えないな・・・まるでプロのアイドルみたいだ」

果たしてコレと同じレベルのライブを穂乃果達が出来るだろうか?そんな不安が胸をよぎる。

束「とりあえず今そんな事悩んでも仕方ないか。さてと、会計を済ませて・・・」

ドンッ!

束が雑誌を手に取りレジへ向かおうと振り向いた瞬間、コーナーに来た人とぶつかってしまう。

束「うわ⁉︎」

「ピャアッ⁉︎」

お互いに思い切りぶつかってしまい2人して転倒してしまう。

束「ってて・・・、っとゴメン!ケガはないか?」

「は、はい・・・大丈夫です」

束は倒れた少女に手を差し伸べる。

「あ、えっと・・・あ、ありがとうございます・・・」

少女は小さな声で恥ずかしそうに礼を述べる。

束「ちゃんと確認しなかったコッチが悪いんだ、気にしないでくれ。それじゃ」

ケガがないのを確認した束はレジの方へ歩いていった。

残された少女は雑誌コーナーを見渡すが

「あぁ・・・今月号売切れちゃったんだ・・・。ここに無いとなると多分他のお店にもないだろうし・・・」

少女が困っていると後ろから人影が近づいてきた。

束「えーとここにあった今月号ってコレの事?」

少女の困っている様子に気づいた束が戻ってきて本を少女に渡す。

「え?・・・あ、はい!そうです!で、でもコレはお兄さんが取った物だから・・・」

束「いいよ。俺は他にも何冊か買ってるし、本当に読みたい人の所に行った方がこの本も幸せだろうし」

そう言って束は雑誌を少女に渡す。

「あ、ありがとう・・・ございます・・・。あの、お兄さんもスクールアイドル好きなんですか?」

束「ん?何で?」

「スクールアイドル関連の本をそんなに何冊も買ってますし・・・」

束「んー、好きになりたいと思ってる。でも知らない事だらけだからこの本を読んで色々勉強をしようと思ってね」

「そうだったんですね」

束「だから俺みたいな右も左もわかんないようなやつよりも好きな人に読んでもらう方が良いって思ったんだ」

そう言って束は再びレジに向かって歩き始めた。少女も後からついてきて束に話しかける。

「あの・・・どうしてスクールアイドルの事を勉強しようと思ったんですか?スクールアイドルに好きな人がいる・・・とか?」

束「逆だな。好きな人がスクールアイドルを始めるんだよ。でもわかんない事だらけだから情報収集をしてるんだ」

「スクールアイドルを始めるんですか?この辺だとどこの学校だろう・・・?」

少女は今までで一番真剣な表情で考え始める。束はそんな少女を指差しながら

束「そこだよ」

「そこって・・・どこですか?」

束「だからそこだって」

「そこ?え?どこ?」

束「そこ、その制服」

「この制服って・・・音ノ木坂学院・・・?・・・えぇぇぇぇっ⁉︎」

少女は今までで一番大きな声で悲鳴のような声をあげるのであった。

 




中々名前が出てきませんがだれかは分かって貰えるかと思います
休み中にもう一話くらいはストックが欲しい・・・

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