ラブライブ!side “M” お兄ちゃんは魔法使い 作:真仁
海未「唐突な上に投げやりですね・・・」
穂乃果「最近出番がない私達への救済措置でもあるって」
絵里「出番が無いのは単に作者の遅筆と行き当たりばったりのシナリオのせいだと思うけど・・・」
束「とまあこんな感じのしょうもないミニコントが始まりますが許容出来るよって方はこれからもお願いします。ではまた後書きで」
砂浜に設置されたステージの使用権をかけて勝負をする事になってしまったAqoursの面々。しかしその対価は・・・
鞠莉「私・・・ですか?」
梨子「どうして・・・」
束「なるほど・・・パイプか」
曜「え?どうゆう事?」
束「さっき言ったろ?ホテル業界にも進出したがってるって。そういった意味では既に大きなシェアを持ってる小原を後々敵に回すよりココでコネを作っといて取り入った方がやりやすいって事じゃねえかな?」
クロッシィ「ちょっと違いますがまぁ大体はそんな所です。そこの島にあるホテルオハラの経営と私立高校の理事長を兼任してますから手腕に関しては文句のつけようがありませんが・・・アイドルごっこなど辞めて経営に専念して欲しいので」
千歌「スクールアイドルはアイドルごっこなんかじゃありません!」
クロッシィ「大人からみたら十分子供のごっこ遊びですよ」
千歌「スクールアイドルは・・・遊びじゃない!」
束「ストップ、それはお前の台詞じゃねぇぜ千歌。それに向こうが勝負しようって言ってんだ。その怒りはその時までとっときな」
果南「確かに、ここまで言われちゃ黙ってられないかな?」
ダイヤ「私も同感ですわ」
クロッシィ「では勝負に応じるという事で。勝負の内容は・・・」
自身の店の前を指差すクロッシィ。
クロッシィ「夏の浜辺らしくビーチバレーといきましょうか?」
花丸「なんか人が沢山集まって来たずら・・・」
クロッシィ「ギャラリーは多いほうがいいでしょう?客も増えるし、不正行為も出来なくなりますし」
束「ルールは?」
クロッシィ「3対3で21ポイントの1セットマッチです。手っ取り早く済ませたいのでね。ああ、但し出られるのは女性のみ、交代は自由にします」
曜「メンバーはどうする?」
ダイヤ「ウチのグループで一番運動神経が良いのは果南さんと曜さんですわね。問題はあと一人・・・」
束「ルビィちゃんは・・・」
ダイヤ「ボールが飛んできたら恐がって取れなそうですわね」
束「花丸ちゃんは・・・」
花丸「オラ運動苦手ずら」
束「鞠莉ちゃんは・・・」
クロッシィ「賞品ですからダメですよ」
束「しれっと会話に入ってくんなよ!あと人をモノ扱いすんじゃねぇ!」
曜「梨子ちゃんや善子ちゃんは?」
束「多分インドア派だから無理じゃね?」
梨子「人を勝手にインドア派扱いしないでください!」
善子「あと私はヨハネよ!」
千歌「私が出るよ」
果南「千歌?」
千歌「ほら、私卓球とかソフトボールとか得意でしょ?曜ちゃんや果南ちゃんとは昔から一緒に遊ぶ事も多かったから息も合わせやすいと思うし。それに・・・」
束「それに?」
千歌「鞠莉ちゃんはAqoursの大事な仲間だもん。自分の力で守りたい」
鞠莉「千歌っち・・・」
束「・・・そうまで言われちゃあ断れないな。異議は?」
ダイヤ「ある訳ないでしょう?」
花丸「マル達も応援頑張るずら!」
束「問題は相手の方だが・・・」
メンバーを決め、浜辺に作られたコートに戻るAqoursの面々。コートでは既に相手の女性達3人が待っていた。
果南「あれが相手みたいだね」
花丸「みんな綺麗ずら・・・」
束「ん〜〜〜〜?」
曜「どうしたの?」
束「いや・・・なんかどっかで見たような・・・見てないような」
善子「何よそれ」
Aqours側の選抜メンバーがコートに入ると相手のメンバーの一人が千歌の前に来る。
千歌「スクールアイドルAqoursの高海千歌です!よ、よろしくお願いします!」
「あら?あなたもスクールアイドルなの?」
千歌「あなた・・・も?」
束「あぁぁぁぁっ!」
ルビィ「ピギィィィィッ!」
ダイヤ「ピギャァッ!・・・な、なんですの⁉︎二人していきなり大声を出して!」
ルビィ「あ、ああああああ・・・」
善子「なんかルビィの様子がおかしいんだけど⁉︎」
束「そうだ・・・見た事ある訳だ・・・だってアイツは・・・」
ツバサ「綺羅ツバサ、スクールアイドルA-RISEのリーダーです」
千歌「A-RISE・・・」
果南「A-RISE・・・・・・って誰?」
シリアスムードをぶち壊す果南の質問にズッコケる一同。
ダイヤ「そんな事も知りませんの?」
果南「じゃあダイヤは知ってたの?」
ダイヤ「当然ですわ。A-RISEとは・・・・・・・・ルビィ、説明してあげなさい」
束「さてはオメーも知らねぇな?」
ルビィ「え、えっと・・・A-RISEっていうのはね、東京のUTX学院って学校のスクールアイドルなの。元々大きな学校らしくて色々な学科やコースがあるんだけどその1つの芸能コースから結成されたアイドルなんです」
善子「芸能コース・・・なんか本物のアイドルみたいね」
ルビィ「実際スクールアイドルっていうのもA-RISEに憧れた人達が自分達の学校でもやろうって広まったみたいですし・・・」
千歌「そーなんだぁ」
束「お前も知らなかったんかい」
千歌「あはは・・・私はμ’sを見てスクールアイドル始めようと思ったから・・・」
ツバサ「説明も済んだみたいですし、そろそろ始めましょうか」
千歌「あ、はい!」
審判「ではこれよりA-RISEとAqoursのエキシビションマッチを開始します。サーブはA-RISEの優木あんじゅ選手から」
あんじゅ「お手柔らかにお願いしますね?」
千歌「お、お願いします!」
束「千歌とあんじゅ、か・・・あの二人にはなにやら近いモノを感じるぜ」
善子「パッと見似てるところ無いと思うけど?」
梨子「でも、なんだかおっとりとした感じだしそんなに強くないかも・・・」
ドォン!
千歌「うわぁっ⁉︎」
目にも留まらぬ速さで打たれたビーチボールはAqours側のコートに打ち込まれる。砂浜にはその力強さを表すようにはっきりとボールの跡が刻まれる。
束「おっとりが・・・なんだって?」
梨子「前言撤回します」
ルビィ「そ、そういえばA-RISEはトップレベルのパフォーマンスを披露する為に日々の練習メニューもとてもハードだと聞いた事が・・・」
鞠莉「スクールアイドルのNo.1ですものね。身体能力はノープログレムって訳ね」
束「あぁ、でも・・・」
果南「はっ!」
A-RISE側のサーブを受け止める果南、ボールは果南の腕に弾かれ高く宙に浮く。
果南「曜!」
曜「任せて!」
掛け声に合わせジャンプした曜がスパイクを打ち込む。
ツバサ「ッ!速い!」
一瞬驚いたツバサだったがすぐに動き出しボールを腕に受ける。
ツバサ「くっ!」
しかしボールの勢いを受けきれずボールは明後日の方向に飛んでいく
曜「一点獲得!」
ツバサ「なるほど・・・中々やるわね」
花丸「二人共凄いずら!」
善子「これなら当たり負けはしないわね」
一点を返した事にAqoursの面々が浮き足立つ中束のみ難しい顔をしている。
束「いや・・・、このままだと・・・」
ダイヤ「どうかしましたの?」
束「まずいな・・・」
ドォン!
千歌「くうっ!」
手を伸ばすが僅かにボールに届かず相手のスパイクが決まる。点数は
18対10でA-RISEがリードしていた。
梨子「いつの間にか離されちゃってるね・・・」
ダイヤ「取って取られてで接戦だったと思ったのですが・・・」
束「やっぱこうなるか」
善子「勿体ぶらないで早く教えなさいよ!」
束「離されてる原因は千歌だ」
ルビィ「千歌さん?なんで?」
束「普通過ぎるんだよ。千歌もよく頑張ってるが元々身体能力の高いあの面子の中じゃやはり頭一個分劣るって所だ。遊び慣れた地元の浜辺って地の利がある果南ちゃんや曜ちゃんが互角でもそこで差がついちまう訳だ」
梨子「そんな言い方・・・千歌ちゃんだって必死で!」
束「・・・・・」
ドォン!
花丸「20点目ずら・・・」
ダイヤ「相手のマッチポイント・・・ですわ」
クロッシィ「これで決まりですね」
ツバサ「貴方達には悪いけれど・・・これでお終いにさせてもらうわね」
ツバサのサーブが千歌に向かって打たれる。
千歌「終わりたくない・・・終わらせたくないよ・・・終わらせない!」
千歌はボールめがけて突っ込む。
果南「千歌⁉︎」
飛んできたボールに頭から突っ込み激突、ボールは千歌の頭に弾かれ勢いを無くす。
曜「果南ちゃん!」
果南「間に合え!」
ボールが地面に落ちるギリギリの所で果南がダイブしてボールを上に上げる。
曜「これなら!」
上がったボールを曜が相手コートに打ち込む。
ツバサ「そう何度も!」
ボールの落下地点に素早く回り込み、ボールを受け止めチームメイトの英玲奈にパスをする。
英玲奈「はあっ!」
果南「まだまだぁ!」
体制を立て直した果南が英玲奈の正面に飛びスパイクをブロック、弾かれたボールは勢いを殺されてA-RISE側のネット下に落ちる。
束「なんとか首の皮一枚繋がったか・・・」
果南「千歌がサーブを取ってくれたからね」
曜「そういえば千歌ちゃんは?」
コートを見ると頭から突っ込んで転倒した千歌がずっと倒れている。
梨子「千歌ちゃん⁉︎」
束「タイムだ!」
倒れた千歌にAqoursのメンバー全員が駆け寄る。
束「・・・多分、受け身も取れないまま頭から思い切り地面に突っ込んだからそれで頭部を地面に強打したんだろうな・・・」
曜「大丈夫なの?」
果南「砂浜がクッションになったから外傷は無いよ。軽い脳しんとうだと思うけど・・・」
束「衝撃が首にきてる可能性もあるしな・・・この場で判断出来る事じゃないから病院に行った方がいい。どの道続行は不可能だろう」
ダイヤ「残りのメンバーで千歌さんと交代するしかないですわね・・・しかも依然として相手のマッチポイント」
ルビィ「そ、そんなぁ・・・」
クロッシィ「まぁ別にメンバーでなくともいいんですがね。A-RISEに勝てる選手がいれば、ですが」
鞠莉「束」
鞠莉が小さく手招きをして束をメンバーから離れた場所に呼ぶ。
鞠莉「貴方のマジックでなんとか出来ないの?」
束「出来たらとっくにやってるよ・・・。360度ギャラリーがいるから迂闊な真似が出来ない。多分、あの野郎妙な真似が出来ないように見越してギャラリー集めてたんだろう」
鞠莉「・・・そっかぁ・・・」
残念そうにそう呟くと鞠莉は千歌をコート外に運ぶAqoursの方を見る。
鞠莉「・・・せっかく面白くなってきたのに・・・残念ね・・・」
束「・・・・・」
鞠莉「千歌っちには貴方から伝えておいてね?スクールアイドル楽しかったよって」
鞠莉は明るくも、少し寂しさがこもった声でそう言う。
束「・・・まだ終わってないさ」
鞠莉「でも・・・」
束「千歌が言ったろ?終わらないって。だから俺だって、終わらせない・・・」
鞠莉「束・・・」
束「考えろ・・・何か手は無いか・・・魔法は使えない、魔法以外なら?いや、魔法以外に外から干渉出来ないし・・・メンバー以外でも出てもいいって言ってたよな?変身魔法なら・・・駄目か、あの野郎ずっとコッチの動きを監視してやがる)
鞠莉「映画とかドラマならここでヒーローが助けに来てくれたりするんだけどね」
束「ヒーロー・・・助け・・・ハァ・・・それしかねぇ、か」
鞠莉「え?」
束「鞠莉ちゃん、頼みがある」
ダイヤ「こうなったら私が!」
果南「ダイヤ⁉︎無理だよ!あの球取れるの?」
ダイヤ「鞠莉さんは私の友人でもありますわ!このまま黙って見てるだけなど・・・!」
束「それなら大丈夫だ」
果南「束?鞠莉はどうしたの?さっきまでなんか話してたでしょ?」
鞠莉「ここにいるデース♪」
ルビィ「鞠莉さん・・・」
鞠莉「ルビィ、そんな悲しそうな顔しないで?まだ負けた訳じゃないよ。ね?束」
束「ああ」
クロッシィ「もしかして・・・さっき話してたのはイカサマの相談ですか?」
束「冗談、イカサマなんかじゃないさ。ただの・・・」
その時、シュワっと風がきて二人の間を何かがすり抜ける。
クロッシィ「な、なんですこの風は・・・」
風と共にすり抜けた影は海の家の屋根の上でその動きを止める。
クロッシィ「あ、あれは・・・?」
束「ただの助っ人さ」
凪「忍びなれども忍ばない・・・忍ぶどころか・・・暴れるわよ!」
束「っていうかお前の事覚えてる奴いないだろコレ」
凪「覚えてるでしょ!あんだけ熾烈な闘い繰り広げたんだから!」
穂乃果「誰?」
絵里「さあ・・・?」
凪「いやアンタ見てたでしょ金髪!アンタは覚えてなさいよ!」
束「記憶に残る活躍を見せるしかないな」
凪「くっ・・・見てなさいよ!」
束「という訳で果たして凪は活躍出来るのか?次回もよろしく!」