ラブライブ!side “M” お兄ちゃんは魔法使い   作:真仁

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課題が立て込んでいて暫くは思ったように更新出来なさそうです
とりあえず今回は単発の幕間をあげます。


幕間 のぞえりと炎と新装備?

絵里達の加入から数日、束はオープンキャンパスの結果が気になりつつも日々の仕事をこなしていた。

というのも時期的な問題で東京はもうすぐ少し早めのお盆に入る為、和菓子屋である穂むらではそれに合わせ、大量の『おはぎ』が必要になるのだ。例年は穂乃果や海未達も手伝ってくれていたのだが今年はμ’sの活動がある為、束が全般的に引き受ける事にした。その為、μ’sの活動に顔を出す事が出来ず、それでもなんとか本番のライブのみは無理を言って観させて貰える事は出来た。まぁそこにいくまでにまた一悶着あったのだがそれはまた別の話である。

束「とりあえずこんだけ作れば足りるだろ」

調理台のトレーの上に並べられた大量のおはぎを見て呟く束。底に穂乃果が帰宅する。

穂乃果「ただいま〜。うわ、すっごい・・・。これ全部お兄ちゃんが作ったの?」

束「まぁな。でも雪穂も手伝ってくれたし、そんなでもなかったさ。さてと、コレを町会長さんの所へ届けないと・・・」

穂乃果「あ、じゃあそれくらいは穂乃果がやるよ」

束「いいのか?」

穂乃果「うん!オープンキャンパスも終わったし。あのね!アンケートの結果が思ったより良かったんだって!だから廃校になるかどうかはまだ検討するって事になったの!」

束「そっか・・・。なんとか首の皮一枚で繋がった訳か」

見に行けなかったのでその報告を聞いてとりあえずは安堵する束。

穂乃果「絵里先輩が入ってくれたおかげで女性のファンもついたみたいなんだよね」

束「まぁ元々モデル並みにスタイル良いからな」

そう言いながら束はおはぎを手早く箱に詰めると袋に包み穂乃果に渡す。

束「それじゃ・・・ほい。頼むぜ」

穂乃果「うん、じゃ行ってくるね。あ、そうだ。お兄ちゃん、おばさんからの荷物、開けなくていいの?」

穂乃果は居間の隅っこに乱暴に置いてある小さい包みを指差す。

束「あー、すっかり忘れてた」

 

 

 

 

自室に戻った束は包みを開ける。中には母からの手紙とこれまた小さい包みが。束は手紙を開いて読み始める。

 

 

前略、束へ

この手紙が着く頃には日本はもう梅雨明けしてるでしょうか。私は今、ヘルヘイムの森にいます!

束「世界超えちゃった⁉︎」

ここは自然が一杯でとても過ごしやすいです。こんないい所は若い頃に山で修行中に忍者の村に迷いこんだ時以来です。まあその晩、私が酒に酔って暴れたらしく家一個潰しちゃいましたが。(笑)

束「アンタが犯人か!アンタのせいで俺は面倒にまきこまれたんですけど⁉︎」

そこの神様達と意気投合して今じゃすっかり仲良しです。

今度お土産に現地の美味しそうな果物を持っていくね。

束「全力でお断りします」

話は変わりますが魔力憑きの対処の方はどうですか?あんたの事だからそろそろ苦戦してあの指輪を使うのではないでしょうか?

束「う・・・」

そんな事もあろうかと良いものを送ります。大活躍させるように!

 

束は一緒に入っていた包みを開ける。すると・・・

束「こ、これは!」

中に入っていたのはアイドルのライブとかでよく目にするコンサートライト、読者に分かりやすく言うのであればラブライブレードだった。

束「どうしろってんだよ・・・μ’sの応援でもしろってか?」

手にしたライトをクルクル回しながら再び手紙を読む。

 

 

それは『スパークルケイン』見た目はライブによく使うアレですがれっきとした魔法の杖です。ライトの発光部分にあたる所は全て高純度の魔法石で出来ているので指輪とは比べ物にならないくらいの魔法増幅効果があるでしょう。

束「マジか・・・。でもなんでこんな外観に・・・」

私の趣味だ、良いだろう?

束「知らねぇよ」

とにかくそれがあれば魔法の自由度も大きく広がります。

解呪法の発動も改善出来るはずなんであとはまぁテキトーにバーッとやってみてください。

束「後半雑だなオイ⁉︎」

それでは引き続き頑張ってください。

 

 

あなたの自慢の母より

束「自分で言うなや」

手紙を畳んだ束は手にしたラブライブレード・・・もといスパークルケインを見つめる。

束「とりあえず試してみるか?」

 

 

 

 

神社 境内

母の送ってきた所謂“魔法の杖”の効果を確かめる為、あまり人の居ない時間を狙い、神社に来た束。

束「ここなら広いし、安全だろ」

そこに希と絵里がやってくる。

希「急に呼び出してどうしたん?はっ!まさか人気のない神社でウチらにあんな事やこんな事を・・・」

束「何考えてんだよ。そーゆーのは薄い本だけにしとけ」

絵里「薄い本って何ですか?」

束「絵里ちゃんは知らない方がいいよ・・・」

束はケインを見せながら先程の手紙の件を説明する。

希「つまり、ウチらは人が来ないかどうか見張ってればいいんやね?」

束「ああ、正直どうなるかわからないからな・・・。事情を知ってるお前らにしか頼めない」

絵里「わかりました。束さんにはお世話になってますからね」

二人は少し離れた位置につき、束は開けた場所でケインを構える。

束「さて、何から試すか・・・」

希「とりあえず火とかどう?ちなみに何もないとどれくらい?」

束「んー、これくらい?」

束が人差し指を立てるとマッチかライターかというくらいの小さい火が指先につく。

希「ショボッ⁉︎」

束「ほっとけ!」

絵里「じゃあ次は杖有りですね」

束「なんかあったら困るからとりあえず上に向けて・・・」

束はケインを上に向ける。

束「出ろ、火」

その瞬間、巨大な火柱が上空高く渦を巻きながら昇り放たれる。そのあまりの威力に曇り空を成していた雲が突き破られ、そこだけポッカリと青空が覗く。当然、隠し通せる訳はなく街からは人々のざわめきが聞こえてきていた。

三人「・・・・・・・・」

そのあまりに衝撃的な威力に暫く三人は呆然と立ち尽くすのであった・・・。

 

 

 

 

その後、穂むら 束の部屋

希「パワーアップしすぎやん⁉︎」

絵里「この前の指輪の時も凄いと思ったけどこれほどとは・・・」

束「とてもじゃねぇが日常生活では使えないな・・・」

スパークルケインを囲んで座り話し合う三人。

スパークルケインには使われている魔法石のサイズや純度の関係からか、魔法の効果をあり得ないレベルにあげてしまう問題が発覚した。

絵里「どうにも出来ないんですか?」

束「多分、魔力コントロールがシッカリ出来れば調節も可能なんだろうがこのレベルになってくると今の俺にはちと無理だな。さっきだって俺は一番威力を抑えていてアレだし・・・」

希「アレで最弱レベルって・・・」

束「母さんには悪いが、とりあえずコイツは封印だな。まぁ今の所無くてもなんとかなってるし」

絵里「でもまたあの忍者みたいな人が来たら・・・」

束「そんときゃそんときでなんとかするさ」

するとそこに穂乃果が帰宅する。

穂乃果「ただいま〜。あれ?今度は絵里先輩と希先輩を部屋に連れ込んだの?」

束「だからそういう言い方やめろって!」

希「やっぱりウチらを薄い本みたいに・・・」

束「するか!」

絵里「薄い本って?」

束「知らなくていいから!」

そこで穂乃果が床に置いてあるスパークルケインを見つける。

穂乃果「あー!コレ知ってるよ!アイドルのライブとかでお客さんが振ってくれるヤツだよね⁉︎お兄ちゃんこんなのまで用意してくれてたんだー!」

穂乃果はケインを手に取りブンブン振り回す。

希「アカーン!穂乃果ちゃん!今すぐそれを置いてー⁉︎」

絵里「そうよ高坂さん!それは凄く危険なものなの!良い子だから静かにそっとソレを置いて?ね?」

慌てて穂乃果からケインを奪還しようとする二人。

束「ちょ、部屋で暴れないでー⁉︎」

結局この後、二階でバタバタ暴れた事で束が穂乃果の父からキツイお叱りを受ける事になった。


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