ラブライブ!side “M” お兄ちゃんは魔法使い   作:真仁

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今回は初のオリキャラ、そして初の対人戦?になります。
相変わらず拙い文章ですがよろしくお願いします


第8話 Eの選択/やりたい事は? その2

音ノ木坂学院を出た束は自宅に戻る事にした。穂乃果の母から連絡があり、海外にいる束の母から束宛に届け物が来たらしい。

束「また何を送って来たんだろ・・・?確かこの前は百味ビーンズと蛙チョコだったっけ・・・」

魔法使いらしいといえばらしいのであるが蛙チョコは開けた途端脱走し、捕まえようとしていたら、たまたま部屋に入ってきた穂乃果の顔に張り付きそのまま口の中に入っていくという事件があった。(以来穂乃果は蛙にトラウマを持つ事に・・・)

そんな事もあり母の贈り物に若干の不安を覚えつつも穂むらに向かう束。するといつの間にか目の前にどうみてもコスプレにしか思えない時代錯誤の和風の衣装を着た見知らぬ少女が立っていた。

「あんたが皆道 束ね?」

束「あ、違います。急いでるんで、それじゃ」

「あ、そうでしたか。間違えてすみませんでした・・・って待ちなさい!」

束は面倒くさい事に巻き込まれたくないのですっとぼけてやり過ごそうとするが止められてしまう。

「思いっきり首に名前かけてあるじゃない!顔写真付きで!騙そうったってそうはいかないんだから!」

束「あ、許可証外すの忘れてた。で?確かに俺は束だが一体何の用?」

許可証を取りながら少女に話しかける。質問に答えるかわりに少女は背中に背負った刀を抜いて構えた。

「あんたを倒させて貰うわ、魔法使い」

束「・・・・・はい?」

少女は刀を振りかざして突進してくる。

「たあぁぁぁっ!」

束「ほわぁぁぁっ⁉︎」

ガギィッ!

束はとっさに避け、刀が当たった建物の壁に切り傷が出来る。

束「ちょ・・・本当の真剣かよ⁉︎」

「当たり前でしょ!私はいつだって大真面目よ!」

束「そっちの意味の真剣じゃねぇよ!」

少女は刀を振り回しながら束を攻撃する。束はなんとかそれをかわしながら一旦距離を取る。

束「お前、一体何者だ?どうして俺が魔法を使えると知ってる?」

「この隱流忍者 白鳥 凪!敵に名乗る名前など持ってはいない!」

束「思いっきり言ってんじゃん」

凪「ハッ⁉︎しまった!」

束「君、実はバカだろ?」

凪「くっ、こちらの情報を聞き出すとは・・・中々の策士ね!」

束「いや、何もしてないし・・・」

凪「とにかく!魔法使いを倒せばお師匠様もきっと認めてくれる筈なんだから!覚悟ー!」

束「ああ・・・大体分かった」

勝手にペラペラ喋ってくれるので事情を大体理解した束はため息をつきながらしぶしぶ戦闘態勢に入る。

束「女の子相手にあまり手荒な真似はしたくねぇが・・・コッチもそんなちっさい承認欲求の為にやられる訳にはいかねぇからな」

束は周りに何か使えるものはないか見渡すが生憎学校まで続く桜の並ぶ一本道。使えそうなものは何もない。

束(学校の中ならまだマシなんだが・・・、まだ生徒も残っているから危険だな)

凪「何をボサッとしてるのよ!」

凪は刀を収め、かわりにクナイを両手に持ちそれを束めがけて投げつける。

束「ちっ!」

束はそれをギリギリでかわすと、地面に刺さったクナイの一本を拾い上げお返しとばかりに投げつける。しかしそれは凪から逸れて飛んでいく。

凪「何処を狙ってるんだか!」

束「魔法使い舐めんなよ」

束が手を横に降るとクナイの軌道が変わって凪を狙う。

凪「曲がっ・・・⁉︎くっ!」

凪は咄嗟に刀でクナイを弾き落とす。

凪「ちょっとあんた!人の物は取っちゃいけないって親から教わらなかったの!」

束「生憎、使えるもんは親でも使えって言われて育てられたんでね!ホントに使ったらぶっ飛ばされたがな!」

凪「調子に乗ってくれちゃって!ならばコレよ!隱流忍法!火炎つむじの術!」

凪が印を結ぶと手から火炎が放たれ束を襲う。

束「熱っ!熱っつ!ちょ・・・燃える!燃える!」

火炎から逃げ惑う束。なんとかしたいが火炎の勢いが強すぎて隙が見つからない。

凪「コラ!逃げるなー!コレ長時間使ったらコッチが・・・熱っつ!」

束「いやお前も熱いんかい!」

どうやら出してる方も火炎の熱は伝わるらしく、逃げ回っていたら熱さを我慢しきれず攻撃を中断してしまう。相当熱かったらしく手に息を吹きかけて冷ます凪。

凪「フー!フー!よ、よくもやったわね・・・」

束「だから何もしてないって・・・」

凪「火がダメならコレよ!隱流忍法、雷光落とし!」

印を結ぶと同時に落雷が束を襲う。

束「くっ!コイツは・・・」

束はかろうじて避けているが次第に逃げ場を失い追い詰められていく。

凪「終わりね!」

束「そうはイカの金時計ってな!」

束は魔法で避雷針を呼び出し地面に突き刺す。落雷は全て避雷針に引き寄せられ集まっていく。

束「エネルギー、フルチャージ!」

凪「な、何をする気⁉︎」

束は避雷針の側に近づき指先を凪の方へ向ける。

束「喰らえ!超必殺パワー!サンダーボルトブレーカー!」

束の指先のスパークと共に避雷針に集められた落雷のエネルギーが凪目掛けて一気に放出される。

凪「ギャアァァァッ⁉︎」

エネルギーは凪の足元に着弾し、衝撃で凪は吹っ飛ぶ。

凪「な、なんて事するのよ・・・」

束「まさにグレートだろ?」

凪(ちょっと分が悪いわね・・・場所を変えないと)

凪は束から背を向け音ノ木坂学院に向かって木と木の間を飛び移りながら移動を始める。

束「あ!バカ!そっちに行くな!」

束は慌てて凪を追いかける。

 

 

 

 

 

束「くそ!何処行った・・・」

学校内に再び戻ってきた束。忍び込んだ凪を探し歩き回る。その時、いきなり束の足元の地面が沈み束の両足をガッチリと固めてしまう。

束「ッ⁉︎な、なんだコレ⁉︎」

そこに凪が姿を現わす。その手には手裏剣が光っていた。

凪「隱流忍法、大地固めの術!さあ、動きは止めたわ!これだけの手裏剣、かわせないでしょ!」

凪は身動きの取れない束目掛けて無数の手裏剣を投げつける。

ドス!ドス!ドス!

手裏剣が全て束の手や足、額などに綺麗に命中する。

凪「やったぁっ!ラブライ部、完!」

束「で?誰がかわりに主役を務めるんだ?」

凪「へ?」

束の声が聞こえたかと思うと目の前の手裏剣の刺さった束が蜃気楼のように消える。

凪「消えた・・・?そんな、どこに・・・?」

束「コッチだ!」

上空から落下しながら束が凪に飛びかかり背中に背負っていた刀を奪い取る。

凪「そんな、どうやって・・・ってか私の隱丸返しなさいよ!」

束「何、転移魔法で脱出したのさ。半径5m圏内しか飛べないけどな。で、幻術魔法でやられたように見せたって訳」

そう説明しながら束は隱丸と言われた凪の刀を遠くへポイっと放り投げる。

束「今度はコッチから行かせてもらうぜ」

束が手を振り上げるとどこからともなくいくつものロープが現れ、四方八方から凪に迫る。

凪「な⁉︎くっ!」

刀が無い為、クナイでロープを切り裂こうとするも数が多すぎて捌ききれず、雁字搦めにされてしまう。

束「ようやく捕まえたぜ。手荒な事はしないからコレに懲りたらもうこんな事はやめろよ?」

束はゆっくりと身動きの取れない凪に近づく。しかし、

凪「隱流忍法、縄抜けの術!」

凪は身体中の関節を外してロープを脱出してしまう。

束「嘘だろ⁉︎」

凪「隱流忍法、水柱の術!」

すかさず凪は印を結ぶ。すると地面から突然水が湧き上がり巨大な水柱となり束を上空高くに押し上げる。

束「うおぉぉぉぉぉっ⁉︎」

上空高く舞い上がった束はそのまま落下、幸い落ちた場所が茂みの中だった為、大事には至らなかった。が、それでも受けたダメージは大きく、立ち上がるのにも時間がかかってしまう。

凪「形勢逆転ね。さあ、おとなしく討たれなさい!」

いつの間にか回収していた刀を構える凪。

束「・・・なんでそんなに魔法使いを討つ事にこだわる?認めてもらう方法なんて他にもいくらでもあるだろう」

凪「なんでって・・・そりゃあ魔法使いは悪い奴だからよ。私の故郷の村にも過去に一度だけ魔法使いが攻めてきたってお師匠様が言ってたわ。だから魔法使いは皆退治して、私は一人前の忍になるのよ!」

束「魔法使いは皆悪い奴・・・か。なるほど、お師匠さんから認められない訳だ」

凪「なんですって!」

束「今のままじゃお前はいつまで経っても半人前だって言ってんだ。自分の価値観だけで物事の良し悪しを決めて、本質を見ようともしない。そんな事して前に進もうとしたって、そんなんじゃ開ける道も開けねぇよ!」

凪「黙って聞いてればいい気になって!」

束「勝負だ忍者。お前の知らない可能性を・・・魔法の本当の力を見せてやる!」

 

 

 

 




というわけて魔法vs忍術の異能系バトルに挑戦してみました。一応使われた忍術は全て本家の隠流である某忍者戦隊で使われた物です。

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