ラブライブ!side “M” お兄ちゃんは魔法使い   作:真仁

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ゲームの内容は基本マリオでスマブラ要素が加わったモノと思っていただくとわかりやすいかと思います。


第7話 束の長い一日 その5

束「行くぞ!一回やられたから残りライフはあと98!」

画面左上にハート型のカウントが現れその中の数字が99から98に減る。

ことり「だったら使い切るまで倒すまでです!」

ことりのマイティがブロックを壊すと中から自転車の絵が描かれたアイテムが現れる。

『シャカリキ!スポーツ!』

それを取ると自転車が現れ、マイティがそれに乗りステージを走り出す。

束「くそ!滅多に出現しないレアアイテムのシャカリキスポーツをこうも簡単にだすとは!」

ことり「どこに何が、どの確率で現れるのかは把握してるんですよ!ほら、よそ見してていいんですか?」

『シャカリキ!クリティカルストライク!』

ことりのマイティがウィリーしたかと思うとそのまま自転車の前輪が勢いよく射出され、下画面の束の黒マイティにぶつかる。黒マイティはまた吹っ飛ばされゲームオーバーになるが土管が現れ復活する。

束「貴様ぁ!不意打ちとは卑怯だぞ!おかげで俺の貴重なライフが1個減ってしまったではないかぁっ!」

ことり「まだ97もあるくせに何言ってるんですか!」

そんな感じでことりは天才ゲーマー『M』の力を遺憾無く発揮し、対する束はやられては復活を繰り返しながらお互いにとうとう最終ステージに到達した。

ことり「ついに最終ステージ・・・」

束「残りライフ・・・あと48・・・」

ことりのマイティはパワーアップアイテムを順調に取得したことで現在はロボットに乗った状態のマキシマム形態になっており敵や障害物を難なく蹴散らす。対する束は裏コマンドの影響でレベル0の為、アイテムを取っても特に変化も無くやられて復活を繰り返しながら進む。いつの間にか二人の対戦に興味を持った他の客も大勢集まってきていた。

束「残りライフあと45!」

ことり「本当・・・ゾンビなみにしつこいですね?しつこい男の人は嫌われますよ?」

束「決して諦めないと言ってほしいね!あ、やられた!残りライフあと44!」

そして二人は遂に最終ボスの元に辿り着く。

ことり「このラスボスも何度も攻略済みです!これ位なら・・・わっ⁉︎」

攻撃を仕掛けようとしたことりのマイティだったが敵はことりの予測外の動きを行い反撃してくる。一瞬反応が遅れたことりは攻撃を受け、身代わりでマキシマムゲーマーが破壊される。

ことり「そんな・・・こんな攻撃は無かった筈・・・」

メイド「えーと、今スマホで調べたんですけどどうやら裏コマンドを使用した状態でスコアが一定値を超えるとラスボスが変化するようになってるみたいです。つまり今回は

・・・」

束「俺が裏コマンドを使い・・・」

ことり「私が高スコアを出したから・・・」

メイド「こーなった、と」

束&ことり「・・・えぇぇぇぇっ⁉︎」

通常のラスボスとは次元の違う強さを見せる裏ラスボスに対し、攻撃をかわすのに精一杯なことりと、何回か食らってゲームオーバーになる束。

束「残りライフ・・・あと40か・・・。ことりちゃん」

ことり「何ですか?」

束「動きを見ることが出来ればアイツの攻略法、見つけられるか?」

ことり「色々な方法で攻撃を仕掛けられれば見極める事も出来ると思いますが・・・」

束「よし・・・一時休戦だ。俺があの手この手で攻撃を仕掛ける。後ろからそれをよく見て攻略法を見つけるんだ」

ことり「わかりました。見つける前に残機無くさないでくださいね?」

束「だったら無くなる前に見つけてくれよ!」

そう言って束はラスボスに目掛けて突っ込んでいく。無数の放たれた光弾を避けながら進むが突然下から火柱が上がりマイティを焼いてしまう。

束「残りライフあと39!」

その後も束はあらゆる手段を使い攻撃を試みるが全て敵に阻まれてしまい返り討ちにあってしまう。

束「残りライフ・・・あと・・・3・・・」

メイド「開始時には40もあったのにもう残り3に・・・」

ことりはただジッと画面を見つめていたが・・・

ことり「お兄さん、攻撃を真下からお願い出来ますか?」

束「真下から?・・・よし、わかった」

束のマイティは弾幕と曲がるレーザーをかわしなが中に浮くらラスボスの真下に潜り込む。そのまま攻撃を仕掛けようとする束だったがすぐ真下の部分から剣が飛び出て刺されてしまった。

束「残りライフ、あと2」

メイド「やっぱりダメでした・・・」

ことり「いえ、見つけました。攻略法を!」

そう言ってことりはコントローラーを動かしマイティを束と同じように真下に向かわせる。

メイド「でもさっきと同じように剣が出てきて・・・」

ことり「ええ、でも・・・」

真下に到達したことり。同じように剣が飛び出て串刺しにしようとするが、ことりはそれを回避する。

ことり「この剣はいわば死角に対する迎撃行動・・・。そしてこの動作をしてる間は他の攻撃が停止するんです!」

メイド「え?・・・あ、ホントだ!」

剣が突き出ている間は画面を埋め尽くすほど広がっていた弾幕やレーザーが全て止んでおり、その隙を突いて、弱点である頭部に攻撃を仕掛ける。

束「さすがは天才ゲーマーだな」

コンティニューした束のマイティも同じように攻撃をする。敵は最後の抵抗と言わんばかりに口からビームを発射してくる。

ことり「くうっ!」

間一髪回避することり。

束「ギャアアアッ⁉︎」

思いっきり直撃を食らう束。

束「残りライフ、あと1!」

爆発の中から土管が現れ、そのまま敵の頭部目掛けてマイティが射出される。

ことり「これで!」

束「終わりだぁぁぁっ!」

二人はほぼ同時に頭部目掛けてキックを打ち込む。ラスボスはキックを受けた所から亀裂が広がりやがて大爆発を起こす。爆発が収まると画面には『game clear』の文字が表示される。

ことり「ゲームクリアです!」

束「何とかなったか・・・」

疲れた様子で椅子に寄りかかる束。いつの間にか集まっていた観客も喝采を送る。

ことり「結局残機全部使いましたね?」

束「そっちだってマキシマムなかったらアウトだっただろうが」

ことり「そうですね・・・。やっぱ一人でやってるだけじゃわからない事ってあるんですね。対戦したり、協力してみて初めてわかる事もあるんだなぁって」

コントローラーから手を離したからかことりはいつものおっとりとした感じに戻っていた。

束「かもね。そしてそれは何もゲームに限った話じゃないしな」

ことり「?」

束「仲間を大切にって事さ。さ、もうこの話は終わりにしてエンディング見ようぜ?俺対戦プレイの時の特別なエンディングみた事ないんだよね」

ことり「私もです!」

その時店内にチラシ配りを終えた絵里が帰ってきた。

絵里「今戻りました・・・ってなんの騒ぎです?これ?」

メイド「テレビゲームなんだけど盛り上がってるのよ。ほら、あなたの連れてきた男の人」

絵里「束さんが?」

絵里は人集りのできてる所へ寄っていく。

絵里「束さーん?一体何でそんなに盛り上がって・・・きゃあ!」

その時絵里が床のコードに足を引っ掛けてつまづく。

引っ張らたコードはコンセントから抜けてしまい、それと同時に画面に映っていた特別エンディングもプツン!と消えてしまった。

束&ことり「・・・・あ・・・・」

クリアの余韻に浸っていた二人は一瞬にして固まってしまうのであった・・・。

 

 

 

 




第7話、本当に長いですが次回で一応完結の予定です。

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