ラブライブ!side “M” お兄ちゃんは魔法使い   作:真仁

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今日は海の日か・・・
海未ちゃん短編考えておけばよかったかも


幕間 潜入!音ノ木坂学院! その3 “fromオリジナル”

つかさ「うーん、何も感じないなぁ・・・」

気を取り直して階段の調査を行うつかさ。

放課後になったが階段の数は12段のままであり特にこれといった変化も無い。

つかさ「やっぱりただの怪談・・・だったのかな?」

そんな事を考えているといきなり何者かに後ろから胸を掴まれた!

「おお?これはえりちにも劣らない・・・」

つかさ「ッ⁉︎ひ、ひゃあああっ⁉︎」

突然の事に気が動転したつかさは反射的に後ろの人影を投げ飛ばす。投げ飛ばされる事で人影の正体が露わになる。

つかさ「ハァ・・・ハァ・・・希・・・ちゃん?」

希「あたたた・・・。ナイス一本背負い、やね?」

人影の正体は神社で会った(ライブの時はボロボロで覚えてない)東條希だった。

 

 

 

つかさ「で?希ちゃ・・・じゃなかった。希先輩はどうしてここに?」

希「ここは3年生の階やで?3年生がいるのは別におかしくはないんやない?」

つかさと希は場所を変え教室内で話をしていた。

希「つかさちゃん・・・だったっけ?あの階段が気になるん?」

つかさ「はい。知ってるでしょう?『魔の13階段』の噂」

希「まぁね。でもあの階段、怪談とはちょーっと違う気がするんよね」

つかさ「怪談とは違う?・・・一体どういう・・・」

ガタンッ!

突然大きな音が階段の方から聞こえた。

つかさ「ッ!何の音?」

希「行ってみよか?」

2人は音のした階段に行ってみる。階段は特にこれといって変わった印象はないのだがつかさは妙な違和感を覚える。

つかさ(何だろ?見た目はさっきと同じ気がするけど何かおかしいような・・・)

つかさは下の階に降りて数えながら階段を登ってみる。

つかさ「1.2.3.4.・・・」

希のいる上の階まで来るが・・・

つかさ「11.12.・・・13」

希「13段、やね」

つかさ「そんな・・・朝は確かに12段だったのに」

つかさは本格的に魔力憑きの仕業を疑い始める。もしこれが魔力憑きの仕業だとして一体何をする気だろうか?

もしかしたら永遠に階段から出られなくなるかもしれない。どのみち希がここにいたら解呪は行えない。

つかさ「・・・希先輩、ちょっと調べたい事があるので先に帰って頂いてもよろしいですか?」

希「?・・・わかった。でもあんまり遅くまで校内に残ったらあかんよ?」

希はそう言うと階段を降りて帰ろうとする。

希「ああ、そうそう。実は『魔の13階段』の話にはね、あまり知られてないけど続きがあるんよ」

つかさ「続き・・・ですか?」

希「それはね・・・」

 

 

 

 

 

音のノ木坂学院 深夜

静寂に包まれた音ノ木坂学院。そこを歩く1人の少女の姿があった。仮野つかさ、彼女は校舎にかかっている鍵を魔法で開けて中に浸入する。どうせ今回は変身を長時間維持する必要はない。

彼女は迷う事なく誰もいない暗い校舎を進んで行き、そして目的地である『魔の13階段』にたどり着く。

つかさは階段をゆっくりと登っていく。そして上の階にやはり13段でたどり着く。が、つかさはそこを通過して更に上の階まで行ってしまったかと思うとすぐに降りてくる。

つかさ「やはりそういう事か」

つかさは階段を途中まで降りて踊り場の辺りで止まる。そしてつかさは思い切り踊り場を踏みつける。

バキィッ!

踊り場の段がつかさの蹴りで粉砕され大きな穴が空く。するとそこから何やら人影らしきものが姿を表す。

つかさ「やっぱり、思った通りですね」

現れた人影を見ながらつかさは呆れたように言う。

つかさ「シンプルですが中々手の込んだ仕掛けでしたね?修理業者のお兄さん?」

修理業者「な、何の事かサッパリ・・・」

つかさ「惚けなくてもいいんですよ?毎日ここに忍びこんで女生徒のスカートの中を覗いてたんですよね?・・・魔の13階段のカラクリはこうです。あなたは修理業者の立場を利用し、持ち込んだ資材でここにダミーの踊り場を作りそこに忍びこんだんです。それによって段数が一段増え、本来12段の筈の階段が13段になった」

トリックを説明しながらつかさはゆっくりと男に近づいていく。

つかさ「朝と放課後で段数が違ったのは単にあなたがここから出入りするタイミングの問題ですね。日中仕事をした後に入って生徒のいなくなった深夜にでも撤収してたんでしょうけど」

つかさから逃げようとする男だが彼女に粉砕されたダミーの踊り場が引っかかり下半身を出す事が出来ない。

つかさ「怪談を生徒達に流したのもあなたですね?段数が変わる事をカモフラージュする為に。でも生徒自身が怪談を付け足す事は想定外でしたね」

修理業者「怪談を・・・付け足す?」

つかさ「はい、『魔の13階段』には続きがあるんですよ・・・。階段が13段に増えると、今度は屋上へ続く階段が一段減っている・・それで私はこのカラクリに気づいたんです」

つかさは男の目の前に立つ。その顔は笑っているが少女とは思えない程の圧倒的な威圧感を放っている。

つかさ「面倒な事は警察の方に任せるとして・・・。ウチの(母親の)可愛い後輩達に手を出した報いは受けて貰わないと・・・なぁ?」

修理業者「あ・・・あぁ・・・」

つかさ「さあ、お前の罪を数えろ」

その夜、音ノ木坂学院にこの世のものとは思えない悲痛な叫び声が響き渡った・・・。

 

 

 

 

翌日、男は階段の偽の踊り場で気を失っていた所を発見され警察に連行されて行った。連行される際に男は

「音ノ木坂怖い・・・音ノ木坂怖い・・・」

と、音ノ木坂生の姿を見るたびに怯えていた・・・。

 

 

生徒会室

希「しかし怪談の正体がただの覗き魔で良かったね?えりち」

絵里「良くないわよ!ずっとスカートの中見られてたのよ⁉︎」

希「まぁまぁ、カメラの類も見つからなかったみたいやし・・・記録が残らないだけいいやん?」

絵里「そういう問題じゃない!・・・ねぇ希?」

希「ん?どうしたん?」

絵里「あなた・・・仮野つかさって生徒、知ってる?」

希「ん〜?魔の13階段の所であったかな?」

絵里「・・・いないのよ」

希「え?」

絵里「さっき名簿を見たんだけど・・・仮野つかさ なんて生徒は音ノ木坂に存在しないのよ・・・」

段々絵里の顔が青ざめていく。

希「え、えりち?」

ふと希が中庭の方に目をやると、つかさがこちらを見ており、希に向かってペコリとお辞儀をして去っていった。

希(あれって・・・やっぱり・・・)

希が考えていると絵里もつかさの事が見えてしまったらしく・・・

絵里「いやぁぁぁっ⁉︎せっかく怪談が終わったと思ったのにぃっ!もうやだエリチカお家帰る!」

絵里はそう言って生徒会室を飛び出してしまった・・・。




つかさちゃんはこれからもちょくちょく登場予定です。
次回からは一年生組の話に戻ります。

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