ラブライブ!side “M” お兄ちゃんは魔法使い   作:真仁

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オリジナル短編です。あまり深く考えずにどうぞ


幕間 潜入!音ノ木坂学院! その1 “fromオリジナル”

μ’sのファーストライブが終了してから数日。

束はその裏で起こっていた魔力憑きにより暴走した発電機との戦いで負傷し、すぐに西木野総合病院の厄介になる事に。見た目よりキズ自体は深くなかった為か、軽い処置で済んだ。

もう既に巻いてあった包帯も外れ、キズも残っていない。

実際の所は魔法による治療で自力で無理矢理治したのだが・・・引き換えに体力をごっそり持っていかれてしまったので今日までは自宅で安静にしていた。

安静にしてる間は穂乃果からその後の情報を得ていた。スクールアイドルとしての活動が一応は認められた事。次のライブに備えて練習を頑張っている事などが主だったがその中で1つだけ気になる話があった・・・。

束「魔の13階段?」

穂乃果「そうなの!音ノ木坂学院の階段はどの階段でも次の階に行くまで全部で12段あるんだけど3年生のクラスのある階に行く階段だけは13段になってる時があるって話」

束「・・・まぁよくある学校の怪談ってヤツだよな」

穂乃果「海未ちゃんも最初は『そんな馬鹿な事がある訳ないじゃないですか!』って言ってたんだけどね・・・。起きちゃったの」

束「な、何が?」

穂乃果「午前中に海未ちゃんが登ったときには数えた時は12段だったのに・・・放課後に同じ所を登ったら・・・13段、あったんだ・・・」

話をしながら段々穂乃果の声のトーンが低くなっていく。

束「お、おい・・・やめろよそうゆうの・・・」

穂乃果「何度も何度も登ってみてもやっぱり13段あるの・・・海未ちゃんは段々怖くなってきて・・・最期は・・・」

束「さ、最期は・・・?」

穂乃果「悪霊ですぅぅぅっ!!って言って倒れちゃったの」

束「うわぁぁぁっ⁉︎」

穂乃果がいきなり大声を出した為、驚いた束はベッドから落ちてしまう。

穂乃果「ビックリした?」

束「ビックリしたわ!怪我人脅かすな!」

穂乃果「まぁでも実際ことりちゃんや私も見てたけど確かに朝は12段だった筈なんだよなぁ〜」

束「海未ちゃんは?」

穂乃果「微熱出して寝込んじゃった。ミステリーです・・・ミステリーです・・・ってうなされてるよ」

束「微熱からmystery・・・」

 

 

その後、話を聞いた束は一人で考えていた。今回の学校の怪談、もとい学校の階段は魔力憑きによるものかどうかを疑っていた。魔力憑きならば自分で無ければ対処はできない。しかし自分は音ノ木坂学院においては穂乃果の兄とはいえ完全な部外者であり自由に入る事は出来ない。

前回のようにμ’sのライブ活動があればまだ希望はあるのだがまだファーストライブを終えたばかりでそれは見込めない。

束「・・・はぁ、仕方ない。あまり気乗りしねえが・・・この方法しかない・・・か」

悩んだ末に、束が出した答えとは・・・。

 

 

 

 

翌日、絵里は例の階段の前に立っていた。最近生徒の間で噂になっている『魔の13階段』である。場所が3年生の教室に行く途中にある為、必ず通らなければいけないのだが

そういった類の話が苦手な絵里は怖くて登れずにいた。

絵里(お、落ち着きない絵里。12段あればいいのよ・・・数えて12段ならこの話はウソってことになるんだから・・・というかそもそも数えないように一気に駆け上がってしまえば・・・ダメよ絵里!生徒会長としてそんな事は出来ないわ!)

階段の前に立ち尽くしてあれこれ考える絵里を尻目に1人の少女が階段を登って行く。少女は段数を数えながらゆっくり登る。

「1.2.3.4.・・・」

絵里「あ、ち、ちょっと・・・」

絵里はその様子を見ている事しか出来なかったがやがて少女は上まで登りきった。

「10.11.12段。やっぱり朝は12段なんだな」

絵里「本当ね⁉︎本当に12段なのね⁉︎」

少女の声を聞いた絵里は何度も確認を取る。

「うわぁっ!ビックリしたぁ〜。だ、大丈夫ですよ。12段です」

それを聞いた絵里は怖がっていたのが嘘のようにニコニコしながら階段を登ってきた。

絵里「そうよね♪階段の数が増えるなんてある訳ないわよ♪・・・あら、あなた2年生?こんな所で何してるの?」

「えっと・・・噂の階段を・・・確かめに」

絵里「気持ちはわかるけどそんなの唯の噂よ?さ、教室に戻りなさい」

「・・・絵里先輩だって怖がって登れなかった癖に・・・」

絵里「な⁉︎こ、怖がってなんかないわ!エリチカ怖くなんてないもん!」

痛い所を突かれてついムキになって反論してしまう絵里。

少女は逃げるように階段を降りて行く。

絵里「あ、待ちなさい!あなた2年生のようだけど・・・以前何処かで会ったかしら?名前は?」

名前を聞かれた少女はしばらく困った様子だったがやがて口を開いた。

「名前⁉︎・・・えーと・・・かりの・・・仮野・・・仮野つかさです!」

少女は仮野つかさと名乗るとあっという間に行ってしまった・・・。残された絵里は・・・。

絵里「仮野つかさ・・・そんな名前の生徒、うちにいたかしら・・・?」

 

 

 

 

つかさ「危なかったぁ〜。まさか怪しまれるとは・・・」

絵里の所から逃げてきた少女・・・仮野つかさは中庭に着くと物陰に隠れる。次の瞬間光に包まれそこにいたはずの少女は消え代わりに束が現れる。

もう既にお気づきの方もいるだろうが先ほどの少女・・・仮野つかさの正体は束である。普段は音ノ木坂学院に入れない束の潜入手段、それがこの変身魔法でありコレで実在しない女生徒に変わり音ノ木坂学院に忍びこんでいた。

実はこの変身魔法、束が最も得意とする魔法であり、女生徒だろうと動物だろうと生物なら何にでも変身する事が出来る。(逆に物などの無機物には変身できない)

変身魔法は持続させる為に魔力を常に消費するのだが、束は得意とするだけあって別の魔法を使ったりしない限り、かなり長い時間変身していられる。

そんな訳で階段の謎を探る為、音ノ木坂学院に潜入した束。元々実在しない生徒なのでコソコソ隠れながら活動する事になる。のだが・・・

束「ッ⁉︎ヤバイ!人が来た!」

束は急いで変身する。(以後、変身して話している時は『つかさ』表記になります)

つかさの前に現れたのは・・・

穂乃果「あれ?あなた・・・そんな所で何してるの?」

つかさ(お前かよぉぉぉぉぉっ!)




タグを追加しなければいけませんね・・・
なんかようやく魔法っぽい事出来た感じがします。

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