ラブライブ!side “M” お兄ちゃんは魔法使い   作:真仁

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終わりの部分なので今回は短いです。


第4話 START DASH その4 “fromファーストライブ”

束「こいよ電気野郎。お前は俺が止める」

束の挑発を受けた発電機はコードを振り回しながら突っ込んでくる。束はコードの動きを見切りながら突進を躱す。

そしてコードの届かないギリギリの間合いを取りながら発電機を『ある場所』へと誘導する。

束「こっちだ!」

攻撃を躱しながら逃げる束。そしてたどり着いたのは・・・何もない行き止まりだった。逃げる場所を失った束とジリジリと距離を詰めてくる発電機。束は不敵に笑う

束「追い詰めたぜ。『お前』がじゃない、『俺』が『お前』を追い詰めたんだ」

発電機は束に接近しコードで再び絡みとろうとする。束は後ろにあった窓を左手で叩き割ると、魔法で板を呼び出し割れた窓に立てかける。それによりできた緩やかな傾斜の上を発電機の台車が転がっていき発電機は窓の外に飛び出してしまう。その先にあるのは・・・

「言ったろ?追い詰めたって・・・たやすいぜ、水を電気が伝わるのは」

発電機の落下したその先にあったのは音ノ木坂学院のプールだった。彼は最初からこれを狙って逃げていたのだった。

束「ま、これで戦いの年季の違いってやつがよーくわかっただろ?相手が勝ち誇った時には既に敗北している。皆道 束の戦い方、老いてなお健在・・・って俺はまだジイさんじゃねぇか」

独り言をブツブツ呟きながら発電機が落下したプールを覗き込む束。幸い季節が季節なのでプールの周りには誰もいない様だ。発電機は水の中で激しく火花を上げながら放電していたがやがて火花は小さくなり沈黙した。

束「どれ、魔力を抜きにいきますか」

完全に沈黙した事を確認し、束はプールに降りた。

 

 

 

 

一方、ライブを終えた穂乃果達。音楽が終わり静まり返っていたがやがて絵里が口を開く。

絵里「もう一度だけ聞くわ・・・。まだ、続ける気?」

先ほどと全く同じ問い、しかし穂乃果は先ほどとは前を向いてハッキリと答える。

穂乃果「はい!・・・確かに、辛い事、思い通りにいかない事もあるかもしれないです・・・。でも、やめません。

ここにいる皆と一緒に、続けていきます!」

横にいる海未とことりの方を見ながら穂乃果はそう力強く伝える。

絵里「・・・・・」

それを黙って聞いていた絵里。その時、後ろのドアがガチャ・・・と開き、その場にいた全員がそちらを見る。

束「・・・あれ、やっぱ終わっちゃった?」

穂乃果「お兄ちゃん!」

壁に寄りかかり、フラフラになりながら客席を降りてくる束。魔法の連続行使による疲労や感電のダメージ、更には後先考えず窓を叩き割った為左手は血だらけという誰がどう見ても満身創痍の酷い状態だった。

絵里「束さん?どうしてここに・・・って血だらけじゃない⁉︎早く手当を!希、先生に連絡!あなた達も手伝って!」

花陽「は、はい!」

凛「わかったにゃ!」

にこ「何で私まで・・・」

穂乃果「お兄ちゃん⁉︎しっかりして!死なないでぇぇぇっ⁉︎」

ステージから飛び降りた穂乃果が束に抱きつく。

束「ほ、穂乃果・・・首、し、しまってる、首しまってる・・・死ぬ死ぬ・・・」

穂乃果「死なないでぇぇぇっ!」

海未「離れなさい穂乃果!ホントに死んでしまいます!」

ことり「ことり達の為に・・・ありがとうございます!あなたの死・・・ことりは絶対無駄にはしません!」

海未「勝手に殺さないでくださいことり!」

真姫「とりあえず・・・救急車呼んどくわね?」

束は全身ボロボロではあったものの意識はあり、こんなやり取りもボーっとしながら聞いていた。疲れのせいで考えはあまり纏まらないが、1つだけハッキリとしていた事は

ライブが無事、成功した事に対する安堵感であった・・・。




次回 まきりんぱな の前に少しオリジナルを挟む予定です

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