ラブライブ!side “M” お兄ちゃんは魔法使い   作:真仁

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ようやくファーストライブ編へ。でもやっぱりアニメから脱線してます。


第4話 START DASH その1 “fromファーストライブ”

秋葉原

その中でも一番人通りの多い駅前に穂乃果達4人の姿があった。

穂乃果「ほら、こうやって人の多い所でチラシ配りをすれば宣伝にもなるし人前で緊張しちゃうのだって慣れちゃうでしょ?」

束「なるほど、確かに名案かもな。ただ・・・」

束が海未をチラッと見るが・・・

海未「あ、レアなの出たみたいです」

隅っこの方でガチャガチャをやり現実逃避していた。

穂乃果「海未ちゃん〜!」

束「こりゃ重症だな・・・」

 

結局、人の多い駅前は諦め、学校の前でチラシ配りを行う事になった。

束「今度スクールアイドルのライブやりまーす!・・・え?あ、いや俺じゃなくてそっちの子達が」

穂乃果「今度ライブやりまーす!ぜひ見に来てくださーい!」

普段から店の手伝いで慣れている束と穂乃果はドンドンとチラシを配りその数を減らしていく。しかし、ことりもそれに負けず劣らずのペースでチラシが減っていた。

束「へぇ、ことりちゃんこういう事やった事あるの?声掛けや手つきが随分慣れてるみたいだけど・・・」

ことり「え、えぇ⁉︎そ、そんな事ないですよ〜。穂乃果ちゃんやお兄さんのを見てマネしてるだけで・・・」

答える際のことりの慌てぶりが少し気になった束だったがそれ以上に気になる人物がいた為すぐに忘れてしまった。

海未「・・・ラ、ライブやりま〜す・・・」

穂乃果「ダメダメ!海未ちゃん、そんなんじゃチラシは受け取って貰えないよ!」

海未「うぅ・・・穂乃果や束さんは家の手伝いで慣れているかもしれませんが私は・・・」

束「こういうのって恥ずかしがってるとそっちのが余計目立っちゃうからなぁ。穂乃果と同じようにバカになったつもりで思いっきりやってみたら?」

穂乃果「そうそう、穂乃果と同じようにバカになって・・・って穂乃果はバカじゃないもん!」

束「じゃあアホ?」

穂乃果「アホでもない!」

ことり「落ち着いて?アホ乃果ちゃん?」

穂乃果「アホ乃果⁉︎ことりちゃんまでヒドイよ!」

束「いいじゃんかアホ乃果。バカ千歌みたいで語呂が良くて」

穂乃果「バカ千歌って何⁉︎」

海未「・・・ふふっ・・・」

3人のやり取りを見ていた海未は自然と笑みがこぼれていた。

束「お、いい顔になったじゃんか。よーしその調子でチラシ配り行ってみよー!」

海未「ちょ⁉︎束さん!引っ張らないでください!」

引っ張られた拍子にチラシが一枚落ちたが4人はそれに気づかずに行ってしまった。その直後、落ちたチラシを拾い上げる怪しい影が・・・。

「・・・スクールアイドル・・・」

音ノ木坂学院の制服こそ着ているがサングラスにマスクをしておりその顔はわからない。謎の少女はチラシを捨てると不機嫌そうに特徴的なツインテールを揺らして去って行った・・・。

 

 

 

その後も穂乃果達は毎日練習を重ねていた。早朝と夕方には神社の階段で基礎体力のトレーニング(これは学校外である為、束も参加)日中は穂乃果達3人で学校の屋上でダンスの練習、といった具合に進めていた。

そしていよいよライブ本番を明日に控えたその日、事件は起きた・・・。

海未「なんですかこれは!」

穂乃果「何って・・・明日のライブで着る衣装?」

海未「私が言ってるのはそういう事じゃありません!スカートの丈が短すぎるという事です!」

穂乃果「だって、ことりちゃんが描いてくれた衣装案の絵もこれくらいだったし・・・」

海未「しかしこれでは・・・あ、足が見えて・・・破廉恥です!」

束「この程度で破廉恥です!なんて言ってたらもし水着でライブやるような事になったらどうすんだよ・・・」

海未「水着でライブなんてやる訳ないでしょう!」

束「やりそうな気がするんだよな〜。いつとは言わないけど」

ことり「でも今からじゃもう手直し出来ないし・・・」

海未「だったら私は明日は制服で踊ります!」

束「おい海未ちゃん、いくらなんでもそれは・・・」

海未「失礼します!」

穂乃果「海未ちゃん!」

出て行った海未を追って穂乃果も部屋を飛び出す。ことりはオロオロしながら束の方をみる。

ことり「穂乃果ちゃんのお兄さん、どうしよう・・・ことりのせいで・・・」

束「ことりちゃんは何も悪くないだろ。一生懸命衣装を作ってくれたんだし。まぁ海未ちゃんの気持ちもわからんでもないし・・・ここは穂乃果に任せよう」

 

 

 

穂乃果「海未ちゃん!」

家を出た海未を追ってきた穂乃果は大声で海未を呼び止める。海未は振り向きこそしなかったが立ち止まりそして小さな声で話し始めた。

海未「・・・わかってるんです。あの衣装だって、ことりが一生懸命作ってくれた物だって・・・でも、やっぱり恥ずかしくて・・・」

俯いたまま話している海未に穂乃果がそっと近づいてその手を握る。

穂乃果「大丈夫。だって海未ちゃんは1人じゃないでしょ?

私やことりちゃんも一緒だし、同じステージには立てないけど、お兄ちゃんだってついてるし。それに何より・・・一緒にやりたいんだ!海未ちゃんと、ことりちゃんと一緒に!」

海未「穂乃果・・・」

穂乃果「同じ服を着て!同じ歌を歌って!同じダンスを踊って!一緒じゃなきゃダメなんだ!海未ちゃん達と一緒に成功させたいんだ!」

穂乃果は海未の手を強く握りしめる。穂乃果の思いが、熱となり海未の手に伝わってくる。

海未「・・・全く、あなたはずるいです。いつもいつもそうやって強引に・・・。でも、だからこそ私は・・・」

穂乃果「海未ちゃん?」

海未「わかりました。もう衣装の事は言いません。2人と一緒なら恥ずかしがる事など何もありませんから!」

穂乃果「う・・・海未ちゃぁぁぁん!」

海未「ちょ!穂乃果!泣かないでください!抱きつかないでください!苦しいです!」

穂乃果「だっでぇぇぇっ!」

穂乃果に泣かれながら抱きつかれ困惑する海未。そこに束とことりがやってくる。

束「・・・えーと、どういう状況?」

海未「束さん!なんとかしてください!」

穂乃果「ウェェェンッ!」

とりあえず束は穂乃果を引き剥がし落ち着かせる。その間に海未はことりの元へ。

ことり「海未ちゃん、ごめんなさい・・・。海未ちゃんの気持ち考えてなくて・・・」

海未「謝るのは私の方です。ことりが一生懸命作ってくれた衣装を私の我儘で台無しにする所だったのですから・・・すみませんでした。ことり」

ことり「海未ちゃん・・・」

ことりの目にもうっすらと涙が浮かぶ。

束「ほら、お前もいい加減泣きやめって」

穂乃果「だっで・・・明日ライブなのに・・・皆バラバラになっぢゃうがど思っで・・・」

束(なんだかんだ言って結構責任感あるんだよなぁ・・・コイツ)

束「結果オーライってやつだ。もう終わったんだし、いつまでも泣いてると顔パンパンに腫れてそれこそライブどころじゃなくなっちまうぞ?」

ことり「そうだよ穂乃果ちゃん!もう大丈夫だから泣かないで?」

穂乃果「ゔん・・・ゔんっ!」

束「やれやれ・・・後は明日の本番のみか・・・何事もなけりゃいいが・・・」

しかしその束の細やかな願いも叶う事は無いのであった・・・。




真面目パートの脱線・・・もといアレンジ部分は基本自分で考えているつもりですがいつも既視感が出てしまう・・・
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