ラブライブ!side “M” お兄ちゃんは魔法使い 作:真仁
ある日、穂乃果、海未、ことりの3人は束に呼び出され彼の部屋に集まっていた。
ことり「穂乃果ちゃん、これからいったい何が始まるの?」
穂乃果「穂乃果も知らないよ?多分ライブの事だと思うんだけど」
海未「電話の時の声はかなり真剣な感じでしたね」
その時入り口の戸が開いて束が入ってくる。
束「集まってるな、3人共。今日集まって貰ったのは他でもない。スクールアイドル活動に置いて重要な事を決める為だ」
海未「スクールアイドル活動に置いて重要な事・・・ですか?」
束「そうだ。これが無ければ始まらないレベルの重要な事だ」
ことり「もしかして曲の事ですか?穂乃果ちゃんが西木野さんを説得してくれるって言ってたけど・・・」
束「それも勿論大事だがそれじゃない」
穂乃果「ハッ!もしかして!」
ことり「何かわかったの?穂乃果ちゃん?」
穂乃果「穂乃果わかっちゃったよ!それは・・・」
ことり「それは?」
穂乃果「誰がリーダーをやるか!だよね!」
束「言い出しっぺのお前に決まってるだろ。はい次」
穂乃果「えぇ〜⁉︎」
海未「束さん、いい加減教えて下さい。私達にとって大事な事とは一体なんなんですか?」
束はふぅ、一息つくと話を始める。
束「これはアイドル好きの花陽ちゃんに言われて気づいた事なんだ・・・」
あの日、帰ろうとした束を花陽は大きな声で呼び止めた。
花陽「待って下さい!最後にひとつだけ!教えて下さい!」
束が振り返ると花陽は真剣な顔で尋ねる。
花陽「・・・グループ名はなんていうんですかー!」
束「・・・あ」
束「・・・という訳で一刻も早くグループ名を決めないといけない訳で・・・」
3人「・・・・・」
3人は各々の冷たい視線を束に送る。
束「ちょっ、やめて!その視線やめて!海未ちゃんはゴミを見るような目でみないで!ことりちゃん目の奥が光ってないよ⁉︎笑ってるけど目が笑ってないよ⁉︎穂乃果はそんなものすごく可哀想なものを見るような目で見ないで⁉︎」
海未「まったく・・・心配して損しました」
穂乃果「ゴメンね?ウチのお兄ちゃんがバカで」
ことり「それは・・・仕方ないよ。諦めよ?穂乃果ちゃん」
海未「でも確かにグループ名は考えないといけませんね」
ことり「でもどんな名前がいいのかなぁ?穂乃果ちゃんはどんなのがいい?」
穂乃果「うーん・・・短い名前の方が覚えやすい・・・かな?」
束「穂乃果がマトモな意見を・・・!」
4人は色々話し合いを重ねるが中々いい案が出ない。
穂乃果「じゃあ3人の名前をそのまま付けて『ことりうみほのか』で!」
束「漫才師か!」
穂乃果「じゃあじゃあ、海未ちゃんが海でことりちゃんが空で穂乃果が陸で『陸・海・空』!」
束「自衛隊か!」
穂乃果「む〜!そんなに文句言うならじゃあお兄ちゃんが考えてよ!」
ことり「お兄さんはことり達よりも大人だからきっと素敵なお名前が浮かぶと思うな〜♪」
束「ヴェェッ⁉︎え・・・えーと、えーと・・・」
束は辺りをキョロキョロと見回す。すると海未の前に置いてあったミネラルウォーターのペットボトルが目に入り・・・
束「ミネラルウォーター・・・ウォーター・・・水・・・ア・・・アクアとか・・・」
海未「待って下さい。今このミネラルウォーターを見て決めましたよね?」
束「水の様に・・・純粋で透き通った少女・・・みたいな・・・」
海未「さっきから目が泳いでます!」
穂乃果「おぉー!良いねー!アクア!それにしよ!」
海未「待ちなさい穂乃果!早まってはいけません!私の中の何かがその名前は使ってはいけないと言っています!」
穂乃果「えぇ〜?でも・・・」
海未「アクアは無しです!その名前が出るにはまだ早過ぎる!気がします!」
穂乃果「は、はーい・・・」
結局、良い名前の案が浮かばなかったので、グループ名に関しては音ノ木坂学院にて生徒から名前を募る事になった。
翌日、音ノ木坂学院にて。
花陽「音ノ木坂学院スクールアイドル、グループ名募集・・・まだ決まってなかったんですね」
花陽は掲示板に貼られたチラシを見ていた。チラシのすぐ下にはグループ名の案を入れる為の投票箱と用紙が置いてある。花陽は用紙を一枚手に取る。
花陽「・・・書いて、みようかな?」
花陽は用紙の隣に置いてあったペンを取ろうとする。
凛「かーよちん!」
花陽「ひゃっ!」
後ろから凛に話しかけられて思わず用紙をポケットに隠してしまう。
凛「何見てたの?ああ、これって病院で会った先輩達の事だよね?かよちんはコレ見に行くの?」
花陽「え⁉︎あ・・・え、と・・・その・・・」
凛「見に行かないの?だったらその日は凛と一緒に陸上部見に行こうよ!かよちん身体動かしてみたいって言ってたし!」
花陽「えぇっ⁉︎あの、凛ちゃん・・・私・・・」
凛「?どうしたの?かよちん?」
花陽「・・・ううん、やっぱなんでもない・・・」
凛「・・・?変なかよちんだにゃ」
花陽(やっぱりこんな花陽じゃ・・・アイドルなんて無理・・・だよね・・・)
花陽は去り際にもう一度チラシに目を向ける。その時、音楽室の方向に向かう穂乃果の姿が目に入る。
花陽「高坂先輩・・・?」
穂乃果は音楽室に来ていた。そこにはやはり以前会った時と同じ様にピアノを弾く真姫の姿が・・・。
真姫「・・・何度来ても答えは同じです!私はアイドルの曲なんて作りません!」
穂乃果「どうしても・・・ダメ、かな?」
真姫「私、ああいう曲は好きじゃないんです。いつも聴くのはクラシックとかジャズとかだし・・・アイドルの曲ってなんか軽い感じがするし・・・」
穂乃果「やっぱりそうだよねー」
真姫「え・・・?」
穂乃果「私もね、初めて見た時はそう思ったんだ。楽しそうに歌ったり踊ってるだけだと思ってた。・・・でも本当はすっごく大変なんだ」
真姫「え・・・?」
穂乃果「西木野さんは腕立て伏せ出来る?」
真姫「はぁ?バカにしてるの?出来るわよそれくらい!」
真姫はその場で腕立て伏せを始める。
真姫「どう?これくらい簡単よ」
穂乃果「じゃあ今度はそのままの状態で笑顔を作ってみて?」
真姫「え、笑顔?」
言われた通りに笑顔を作ったまま腕立て伏せを続けるがすぐに表情が崩れてしまう。
穂乃果「ふふふ!西木野さん変な顔になってる」
真姫「何笑ってるのよ!コレがアイドルとどう関係があるって言うのよ!」
穂乃果「アイドルってね、ステージではダンスやパフォーマンスでずっと動かなくちゃいけないんだ。苦しい〜とか、ツライ〜っていうのを見せないでずっと笑顔で。それってすごく大変な事なんだよね」
真姫「・・・」
穂乃果「だからアイドルもみんな一生懸命なんだって事は知って欲しいな・・・ってまだ穂乃果達はアイドル始まってもいないんだけどね」
穂乃果は懐から一枚の紙を取り出すと真姫に渡す。
穂乃果「これ、私の友達が考えてくれた歌詞。もし良かったら読んでみて!」
真姫「こ、こんなの渡されても私は作曲なんてしません!」
穂乃果「それだったらただこれを読んでくれるだけでいいよ」
真姫「・・・」
真姫は歌詞の書かれた紙を受け取る。
穂乃果「これからは毎日朝と放課後に神社の階段のところで練習してるから、もし良かったら見に来てみて?それじゃ!」
そう言って穂乃果は音楽室を出ていった。1人残された真姫は渡された紙を開くのだった。
真姫ちゃんのくだりはうろ覚えなんで若干変わってますがこんな感じでしょうか?やはり早急にアニメを復習する必要がありそうです・・・