ラブライブ!side “M” お兄ちゃんは魔法使い   作:真仁

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感想や評価が貰えるとモチベーションが上がるって事の意味がようやくわかりました
とりあえず今はもっと語彙力が欲しいです


第3話 新入生を捕まえろ! その1 “fromアイドルを始めよう”

穂乃果「お兄ちゃーん!ビッグニュース!ビッグニュース!」

穂乃果がドタドタと廊下を走り束の部屋に入ってくる。部屋では束だけでなく海未とことりも一緒に歌詞や衣装の相談をしていた。

海未「廊下走るとまた怒られますよ」

束「で?ビッグニュースってなんだよ?」

穂乃果「ライブのステージ!あのね!生徒会長が講堂を使ってもいいって!ただしやるからにはちゃんと結果は出すように!とは言われたんだけどね」

海未「本当ですか⁉︎」

穂乃果「うん!」

ことり「良かった〜!せっかく準備しても場所が無いと出来ないからね」

海未「しかしあんなにスクールアイドルを嫌っている様子だったのに一体どうゆう風の吹きまわしでしょうか?」

束「まぁ良いじゃんか。使わせてくれるんならさ。生徒会長も良いトコあるじゃん」

ちなみにこの時の束は先日自分が助けた少女がその生徒会長だとは知る由もない。

海未「講堂を使えるのはいつなのですか?」

穂乃果「えっと・・・ここだって!」

ことり「え?ここって・・・新入生歓迎会の日だよ⁉︎」

海未「ちゃんと結果を出すように。の意味は恐らくコレですね。歓迎会の後は新入生が各部活動を見学出来る時間になります。つまり・・・」

束「そこで人を集められなきゃスクールアイドルとして認められないって訳か・・・」

突きつけられた条件を理解し全員が一斉に険しい表情に変わる。

穂乃果「でも、やるしかないよ」

ことり「穂乃果ちゃん・・・」

束「・・・だな。どの道ココで怖気付いたりつまづいてるようじゃ先も見えてこないだろうし」

海未「そうですね。歓迎会まであまり時間がありませんし、曲もまだ出来てない以上、まずは体力だけでもつけておかないと」

穂乃果「へ?何で?」

束「何でってお前・・・。穂乃果、お前笑顔で腕立て伏せ何回出来る?」

穂乃果「笑顔で腕立て伏せ?」

その場でやってみるが3回程で表情が崩れてしまう。

海未「そういう事です。ライブ中は常に動いてなければいけませんしその中でも常に笑顔を保ちながら動けるようにする為には体力はつけないといけません」

束「海未ちゃんは弓道部の活動をしてたからまだしも穂乃果やことりちゃんなんかは今のままじゃ厳しいだろうな。あとことりちゃんドサクサに紛れて穂乃果の笑顔隠し撮りしない」

ことり「チュン⁉︎」

穂乃果「そっか・・・アイドルって大変なんだね。ところでお兄ちゃんは何回出来るの?」

束「なんでそこで俺に振る⁉︎俺関係無いじゃん⁉︎」

穂乃果「良いじゃん!良いじゃん!見してよー!もしかして出来ないのー?」

束「・・・」

束は渋々その場で笑顔で腕立て伏せを始める。束は笑顔を崩さずに10回20回と平然とこなす。

穂乃果「おぉー!」

海未「流石ですね」

束(魔法で重力操作してズルしてるけどね・・・)

 

 

 

次の日、束は穂むらで仕事に復帰していた。

束「ここ数日色々あったからなぁ。ちゃんと働くのも久しぶりか」

時刻は午後4時を回り徐々にお店を訪れる客も少なくなってきた。束が少しずつ残った商品の整理を始めると店の戸が開く。

束「いらっしゃいませ・・・ってあれ?君は・・・」

花陽「え⁉︎束さん⁉︎どうしてここに・・・」

束「どうしてここにって・・・自宅兼勤め先?」

花陽「そうなんですか⁉︎」

そこに穂乃果が帰宅してくる。

穂乃果「たっだいまー!あれ?あなたは病院の時の・・・」

花陽「高坂先輩!先輩もどうしてここに・・・」

穂乃果「だってここ穂乃果の家だし」

花陽「え?ええ?ちょっと待って下さい・・・ここは束さんの住んでる家で高坂先輩もここに住んでる家でもある・・・でもお二人は苗字が違うし・・・あれ?え?」

小声で何やらブツブツ呟き始める花陽。

穂乃果「あの子どうしちゃったの?お兄ちゃん?」

束「多分混乱しちゃってるんだろうな・・・俺達の関係ちょっと変わってるし」

とりあえず束は一旦花陽を家に招き入れる事にした。

 

 

 

花陽「えーとつまりここは元々は高坂先輩の家なんですね?」

束「ああ。で、俺はそこに住まわせて貰っている居候ってトコかな?穂乃果が俺の事お兄ちゃんて呼ぶのも小さい頃からずっと一緒で兄妹みたいに育ったからって訳さ」

花陽「そんな昔からここに住んでるんですか?」

束「んー、正確にはここに住んでるのは2、3年ってとこかな?親同士が知り合いで家が近かったから小さい頃はちゃんと自分の家に住んでたよ。でも8年前にここを離れて日本全国を転々とするようになってな・・・。そんな生活を5年も続けてたら今度は海外に行くってなってさ。流石にウンザリして日本に残る!って言ったら知り合いのこの家を紹介されたんだ」

穂乃果「嬉しかったなぁまたお兄ちゃんと一緒に居られるんだ!って」

束「まぁそんな事で仕事も貰ってここに居候させて貰ってるんだ」

花陽「そうだったんですね」

束「そう言えば花陽ちゃんは何でここに?俺達の事は知らなかったみたいだけど」

花陽「この近くにお饅頭の美味しい和菓子屋さんがあるって聞いて・・・」

束「なるほど、お客様か。それなら納得だ。よし、ちょっと待ってな」

束はそう言うと立ち上がり部屋を出て行く。部屋の中には穂乃果と花陽の二人が残された。

花陽「えっと・・・高坂先輩、スクールアイドルの準備、どこまで進みました?」

穂乃果「歌詞は海未ちゃんが書いてくれてるし、衣装はことりちゃんが作ってくれてる!ステージも生徒会長が講堂を使わせてくれるようになったんだ!」

花陽「高坂先輩は・・・何の準備を?」

穂乃果「・・・あ、あははは・・・」

何も答えられない穂乃果はただ笑うしかなく・・・

束「お待たせ、穂むら自慢の穂むらまんじゅう。サービスで多めに入れといたから」

大きな袋を持った束が部屋に戻ってきて、花陽に袋を渡す。

花陽「あ、ありがとうございます!」

束「途中まで送っていくよ。今からじゃ道ももうだいぶ暗いし」

束は花陽と一緒に店の玄関に出る。

束「じゃあ穂乃果、留守番頼むぞ」

穂乃果「うん、あ!忘れてた!お母さん達今日帰りが遅くなるから夕飯自分達で作って食べておいて。って!」

束「はぁっ⁉︎お前それもっと早く言えよ!はぁ・・・仕方ねぇ、途中で買い物してくるよ」

花陽「ふふっ・・・」

そのやりとりを見て花陽が笑みをこぼす。

穂乃果「花陽・・・ちゃん?どうかした?」

花陽「あ、ご、ごめんなさい!笑うつもりはなかったんです!ただ・・・二人がホントの兄妹みたいでいいな・・・って思って」

それを聞いた束と穂乃果は顔を見合わせ答える。

束「そうか?」

穂乃果「そうかな?」

花陽「ふふふ!そうです!」

それから穂乃果は束が花陽と一緒に行くのを見送った。穂むらの中からは穂乃果の妹、雪穂の声が聞こえる。

雪穂「お姉ちゃーん!ご飯どうするのー!」

穂乃果「お兄ちゃんが買い物行ってるからちょっと待っててー!」

 

 

 

花陽「ここまで来れば後は大丈夫です。ありがとうございました」

束「ああ、気をつけてな。・・・なぁ花陽ちゃん」

花陽「はい?何ですか?」

束「・・・スクールアイドル、やってみない?」

花陽「え?・・・えぇぇっ⁉︎」

束「前に言っただろ?花陽ちゃん、アイドルの事詳しいし、可愛いからなれると思うって」

花陽「ム、ムリです!花陽はドジでおっちょこちょいで

引っ込み思案で・・・花陽なんかじゃスクールアイドルなんてとても・・・」

束「誰かにそう言われたのか?」

花陽「え?・・・いえ、そうじゃないですけど・・・」

束「じゃあ自分で自分にそう言ってるだけって事だな。それなら変える事も出来ると思うぜ」

花陽「え・・・?」

束「まぁいきなりこんな事言われても困るよな。・・・今度の新入生歓迎会の後の部活見学の時間、講堂でライブするから見にきてくれるか?穂乃果の、今を変える為に頑張ってる彼女達の事を見て欲しい」

花陽「・・・今を、変える・・・」

束「変な事をお願いしてゴメンな?考えていてくれると嬉しい。それじゃ」

そう言って束は花陽と別れ、帰ろうとする。

花陽「待って下さい!」

花陽が叫んで束を止める。振り返る束。

花陽「ひとつだけ!教えて下さい!」

 

 

 

 

海未「弓道部の活動が遅くなってしまいました。ちょっと急ぎましょう」

海未は小走りをしながら近くのスーパーへと向かっていた。すると聞き慣れた声が聞こえる。

束「お、海未ちゃーん!」

海未「この声は・・・束さん?」

束「その様子だと弓道部の帰りかな?ん?その手に持ってる飲み物って・・・」

海未「はい。この前テレビで紹介されていた新発売のミネラルウォーターです」

束「やっぱそうか。何々・・・『天然由来のオリジナル成分であなたの体が生まれ変わる アロマオゾン』随分と凝った名前の水だなぁ」

海未「味は他のミネラルウォーターと変わりませんね。少し値段が高いのでもう買わないかもしれませんが・・・」

束「大和撫子の海未ちゃんが飲むってだけで普通のミネラルウォーターも高級な水に見えてくるさ。まるでテレビのCMみたいだ」

海未「か、からかわないでください!」

みるみるうちに海未の顔が赤くなっていく。

海未「そ、そんな事よりつ、束さんはこんな所で何をしてるんですか!」

束「ああ、知り合いを家まで送っていった帰りについでに買い物ってトコかな?海未ちゃんは?」

海未「そ、そうでしたか・・・。私も買い物です。今日は母がいないので自分で夕食を作ろうと思いまして・・・」

束「なんだウチと同じか。だったらちょうどいい。海未ちゃん、今日はウチで夕飯食ってきなよ。穂乃果達も喜ぶし」

海未「そんな・・・いきなり行っては迷惑では・・・」

束「一人分なら増えても大して変わらないから。せっかくだし今日は海未ちゃんのリクエストにも応えるぜ」

海未「そ、そうですか?・・・では、お言葉に甘えさせて頂きます」

束「そうと決まればスーパーに急ぐか。海未ちゃん今日は何食べたい?」

海未「そうですね・・・今日はなんだかお肉が食べたい気分です!」

束「ん、りょーかい」

そんな会話んしながら二人は並んでスーパーまで歩いていくのだった・・・。




次回、海未ちゃんに異変が・・・













起きません

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