ラブライブ!side “M” お兄ちゃんは魔法使い 作:真仁
やはり真面目パートは書いてて疲れてしまう・・・
なんかおかしかったらごめんなさい
騒動の後、2人はその場を離れて少し離れた所にひっそりと佇む古い喫茶店に入っていた。
絵里「こんな所に喫茶店なんてあるなんて知らなかったわ」
「カフェ ブラックスター。隠れた名店ってヤツだ」
2人は席に着くとコーヒーを2つ注文をする。
絵里「えっと・・・和菓子屋の従業員さん?もしよろしければお名前をお伺いしても?」
「名乗るほどのモンでもないんだがな・・・まぁいいや。俺の名前は皆道 束だ」
絵里「私は絢瀬絵里っていいます。先程は危ない所を助けて頂きありがとうございました」
束「気にするな。困ってたみたいだったし・・・周りの奴が誰も助けようしなかったからな」
スキンヘッドのマスターが2人の元にコーヒーを運んでくる。コーヒーの香りに誘われ絵里はそのコーヒーを一口飲んでみる。
絵里「美味しい・・・!」
束「だろ?この味はここのマスターにしか出せないんだよなぁ」
2人は暫くはコーヒーの味を楽しんでいたがふと束が寂しげに呟く。
束「ここ、マスターがもうすぐ店閉めるんだ」
絵里「え・・・?」
束「再開発ってヤツだよ。デッカいビルが建つらしい。昔から当たり前にあったものがどんどん無くなってくのは・・・やっぱ寂しいよな・・・」
絵里にはその話がとても人事には思えなかった。自分が今通っている音ノ木坂学院もそうだからだ。
絵里「・・・よく、わかります。私の通う音ノ木坂学院も廃校になってしまうんです・・・。自分の知っているものが無くなるのは・・・辛いですよね」
束「ああ・・・でも音ノ木坂にはまだ希望がある」
絵里「え・・・?」
束「スクールアイドル、始めようとしてる子達がいるんだよ、音ノ木坂で。彼女達はまだ諦めていない」
絵里「スクール・・・アイドル・・・」
途端に絵里の表情が曇る。
束「・・・?どうかしたか?」
絵里「・・・私には理解出来ません。普通の高校生がいくら頑張ったってプロのアイドルのように歌もダンスも上手く出来る訳がありません。廃校を阻止する案としては現実味に欠けると思います」
絵里の表情を見ながら彼女の言葉を聞いていた束だったが
束「・・・君がスクールアイドルを余り快く思っていないのはわかった。でも彼女達は真剣に学校を救おうと頑張っている。それはわかってほしいな」
絵里「学校を救いたいのは私だって同じです!でも学校はそれを許してくれない・・・!あの子達は良くて・・・どうして私は・・・!」
いつの間にか絵里の目からは涙がこぼれ落ちていた。
束「・・・それは多分、今の君が君じゃないから・・・じゃないかな?」
そう言って束は席を立ち店を出て行こうとする。
絵里「待って!私が私じゃないってどういう事⁉︎私は・・・私はどうすればいいの⁉︎」
束「難しく考える必要なんかないのさ。ただ彼女達の・・・穂乃果達の事はちゃんと見ていてやってくれ。もしそれでもどうしていいかわかんなくなった時は・・・『ここ』に戻ってくればいい」
束はそう言って自分の胸をトンッと叩く。
絵里「束さん・・・あなた、高坂さんとはどういう・・・」
マスターにコーヒーの代金を支払いながら束が答える。
束「・・・妹、さ」
束が店を出て扉がバタン、と閉まり店内には絵里のみが残された。マスターが彼女の席の前に来て頼んでいない筈の2杯目のコーヒーを出す。
マスター「束さんからです・・・。代金は頂いております・・・」
絵里はこぼれた涙を拭うと黙ってコーヒーを口にするのだった・・・。
絵里ちゃんはアニメ一期前半の重要ポイントなので真面目に動かすのにメチャクチャプレッシャーを感じてます・・・。