ネタバレになりますが、この「この斉木栗子のいる世界」はサザエさん方式はありません。
超能力者が二人いれば火山の噴火を止めれます。
ですのでこの一年で終わる予定です。そこまでやれるかわかりませんが。
前に燃堂は悪いやつじゃないと言ったな。あれは嘘だ。
今燃堂は立ちくらみで倒れた男子をマウントポジションを取り「目を覚ましせぇ!」などと叫びながら両の拳で交互に殴り続けている。必死に助けようとする気持ちは伝わるがやっていることはゴミだ、クズだ、最悪だ、下衆の極みだ。やはり燃堂は危険だ。警戒を怠ってはいけない。
だが私はそれを止めたりはしない。面倒だというのもあるが問題は倒れた男子にある。
(ぐっ、普通立ちくらみで倒れたやつを殴るかよ馬鹿が。オレは仮病を使いたいだけだ)
変な頭のクチビルも燃堂とは違うタイプのクズだった。仮病を使って楽出来るならここにいる生徒全員がしている。お前だけが特別ではない。だからいい気味だと思う。隣の彼は別として元不良も気が付いているようで、
(前の学校じぁああんな腰抜けゴロゴロいやがったなぁ。そんな野郎は全員きっちりシめてやったもんだ。懐かしいぜ。)
と、考えながら暖かい目で見ている。
私は燃堂とクズの方を見ながら私の心の中で「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」とセリフをつけている。カイシャクは私に任せろ。
「止めるんだ燃堂君!どうやらこの方法では目を覚まさないようだぞ!ここは保健室で休ませるべきじゃないかな!!」
「おっ?」
ふむ、爆発四散する前に止めてしまったか。残念だ。
熱血の方も殴って起こすのは正しい処置方法だと思っているらしく、結構長い間燃堂を止めずに「頑張れそこだ!やれるという気持ちの問題だ!」とよく分からない応援をしていたな。
「じぁオレサマが連れてってやるよ」
これに素早く反応した先生が近寄ってきた。
「燃堂一人で行かせるのは危険だ。斉木栗子、お前一年の時保険委員だっただろ。ついていってやれ」
「そうか!燃堂君、斉木さん!気合い入れて保険室に行ってきてくれ!僕はここから応援しているよ!」
最悪だ。斉木楠雄、彼が昔マインドコントロールで「どんな怪我でも自己治癒ですぐ治る」という常識では考えられないことが常識となった。他にもアンテナ、髪の色、ギャグ補正に関するマインドコントロールも行ったようだが詳しくは知らない。(彼が先に行動したせいで私はマインドコントロールを行ったことがない)つまりこの世界を簡潔に説明するなら「「斉木楠雄のΨ難」の世界は常識にとらわれてはいけないのですね!」ということになる。
つまり保険委員の仕事などないようなものだと思ったのだが思わぬ落し穴があった。
病気、体調不良には普通になる。
はぁ。私自身忘れていた。私が保険委員だったことを。二年からは図書委員をやろう。私は読書が好きだし苦にならないはずだ。間違いない。
[ほら早く行けよ(再びの笑い)]
[ちっ、分かってるよ]
私はクズの首根っこをバックでも持つかのようにして振り回しながら体育館から出ていく燃堂を追いかけ、後ろから
「富士山だっ!!!」
という理解不能な言葉を掛けてくる熱血の言葉を平常心を保ちながら聞き流した。
{続く}
捕捉
前に相ト命以外の転校生はすでにいることは言いましたが、一年の終わりにまとめて転校してきたことにします。たびたび設定が増えてめんどくさくてすみません。
Ψ悪⇒燃堂
↑取り消し←取り消し
Ψ低⇒変な頭のクチビルクズ