斉木栗子と斉木楠雄のΨ難   作:ムラムラ丸

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お待たせして申し訳ありません!でもやっと書けました!……とは言ってもアレなんですよね……、今回の15x、また複数に分けました。本当は分けずに一つの話にする予定だったんですが、その、まだ完成してなくてですね、それなら書けてる分投稿しちゃえとそうなった訳です。申し訳ないです。

15xは三話に分ける予定です。裏タイトルは全部「斉木栗子という人物」です。

それでは焼き肉編、スタート!
今夜は焼き肉っしょ~!ギャィーン


第15x-1 Ψ上級フィレ肉よりもスイーツを 焼き肉編

 ジュージュー

 

 {省略}

 

「うまい!……あれ?僕の迫真のメシをかっ食らうシーンは?」

 

 

 父さんの食事シーンは私の独自判断で時を消し飛ばした。それをやっていい中年は孤独な古物商だけだ。

 私は今家族揃って焼き肉を食べに来ている(二つ上の兄?あれは家族に該当しない)。

 焼き肉は嫌いじゃない、別に特段好きというわけでもないが普通に美味しい。私としては主役の肉も当然美味いが肉と一緒に焼く野菜や肉に巻いて食べるような野菜なんかが肉以上に美味しく感じられる。肉ばかりでは口が脂まみれになるがそこに野菜を放りこむ事で野菜の美味しさが際立つ。それだけでなく口の中がさっぱりする事でまた肉を美味しく食べる事が出来る。うおおおーん、今の私は肉と野菜の永久機関……何を考えているんだ私は。

 

 ふと、網の端に黒い物体がある事に気付いた。それはもはや肉とは言えない何か、炭だ。私は割りと食べ物を粗末にするのは割と許せない方だ。

 私は炭を指差しながら父さんを睨む。

 

 

[食え]

「は!?。いやいやいや、それもう食べれないよね!?」

[自分で食べられない状態まで放置したんだろ。食べられないと言うのならこの肉に反省を込めて焼き土下座しろ]

「そこまでしなけゃ駄目なの!?厳しすぎない!?そもそもそれぼくが焼いた肉じゃないし!楠雄だし!ちょっ、楠雄さっさとそのまっくろくろ〇けどかしてよ!」

[……]

 

 

 ?。反応がない。高校生にもなって反抗期だろうか。

 斉木楠雄、彼の様子をちらりと覗いてみるに先程から騒がしい連中が気になるらしい。視線の先は……会話の内容からしてうちの学校の野球部か。奴らが店の中に団体で入ってきたのはついさっきの事だ。私としては別に気にする事でもないため私は気にせずに焼き肉を食べていたが、彼が肉を放置してしまう程の何かが奴らにあるのだろうか。

 

 

[……まさかとは思うが野球部に入りたいのか?この作品を青春スポーツ物にでもするつもりか]

[僕がスポーツなんてやろうものなら頭に「超次元」を付ける必要が出てしまうだろうな。別に野球に興味があるわけじゃない]

[じゃあなんであんな面白みもない野球部の食事シーンなんてアホみたいに眺めている]

[誰がアホだ。分からないか?あのベタにベタを重ねたベッタベタなthe.スボーツ漫画なあいつらの行動が]

 

 

 ……確かに思い返してみると野球部の連中はベタだった。しかも今なんて他校の野球部と偶然の再開からの焼き肉大食い勝負……これ「テニ〇の王子〇」筆頭にジャンプスボーツ漫画でよくやるやつじゃないか?確か焼き肉だけなら「アイ〇ールド21」とか「ハ〇キュー」でもやってなかっただろうか。うーん「スラム〇ンク」…ではやってない、よな?やっぱ「テニ〇の王子〇」からだろうか。

 いやそれはそれとして。

 

 

[それは分かった。だが、それの何が面白いんだ]

[分からないか、残念だな中々に面白いのだが]

 

 

 何がどう残念なのか一つも理解出来そうにないんだが。彼の感性はどこかおかしい。

 

 

[……まあベタ野球部連中はオマケみたいなものだ。僕が気になっているのは、彼だ]

 

 

 彼(斉木楠雄)がこっそりと指差す彼なる人物を探すのだが彼(斉木楠雄)が気になるような人物を発見出来ない。

 

 

[……………………………どれの事を言っている]

[ふっ、そうだろうな、彼を一発で探し当てるのは至難だろうよ]

[何故お前がドヤる。どういうやつなのか具体的に言え]

[それは難しいな。彼はこれといって特徴がない、目立つ事のない存在。素晴らしいだろ?僕の理想とする人物だ]

[え?お前ホモだったのか(ドン引き)]

[断じて違う]

[冗談だ、ムキなるなよ]

[僕はずっと平常心を保ったままなんだが。話を戻すが、彼のような“普通”のどこにでもいるような人間は僕にとって羨ましく見える。お前も僕と同じ超能力者なら多少は理解出来るだろう?]

[知るか(即答)]

[イラッとした]

[そこは平常心保てないのかよ]

 

 

 彼の言葉に素直に首肯くのは癪だったから知るかなんて言ってしまったが、本当は気持ちが分からないでもない。

 超能力なんてものを使えてしまうと通常であればなんでもないものでも困難に感じられるものは多々ある。例えば普通に映画館で映画を楽しむのは不可能だったり、本来なら知り得ない人の本音が聞こえるせいでまともに人と会話が出来なかったりと色々ある。まあ、慣れだな。

 とにかく普通とは真逆に位置する彼(ちなみに「普通」の対義語は希少、奇抜、異常、特別……と、複数存在するが、彼を異常者と呼ぶのは流石にひどいので止めておく)が普通に執着しても別に可笑しい話ではない。

 

 私はどうなのかって?私の反応から分かって貰えると思うが実は少し違う……詳しくは後日話すとしよう。

 

 今はそれより先にする事があるからな。

 

 

[それよりこれを見ろ]

[なんだこの黒いの]

[お前が今から食べる晩飯だ。おっと捨てるなんて言うなよ、肉をこんなにしてしまったのはお前の責任だからな。お残しは許しまへんで]

[食堂のおばちゃんか]

 

 

 今なにより優先されるのは彼が苦味の塊を口に入れる様を眺める事だ。彼に嫌がらせをするチャンスは逃しはしない。

 

 

[さあ、ほら早く食えよ。あ、なんならお前のコップに水でも注いできてやろうか。水で流し込むように飲み込んでみたらどうだ?(悪い笑み)]

[復元、肉を焼く前の状態に戻す]カッ

 

 ジュージュー

 

[焼き直しだな。そうだ、水を注いでくれるんだよな。ほら]コップを差し出す。

[ファッ〇ュー]

 

 

 私は苦い顔をしながら彼のコップに水を注いでやった。溢れさせてやろうとしたが超能力で水の流れを止められた。クソったれ。

 

 




違うわクリータ、これ焼き肉のタレよ。(突然のブルマ)


「斉木楠雄のΨ難」の25巻、面白かったです。まさかthe.普通の佐藤くんが能力者だったなんて……誤解、とは言い切れないでしょう。

それにしても、あーあ、次の26巻で最終巻かー。あーあ(じわじわくる悲しみ)


UA15000、お気に入り登録、好評価ありがとうございます!!
正直ここまでUAやお気に入りが増えるとは予想していませんでした。相変わらず投稿者のわたしには文才がなく見苦しいとは思いますが、楽しんでいただけると幸いです。


次回はすぐ投稿出来ると思います!お楽しみに!

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