勢いで書いてます。
急に抱き付かれたからだな、あんな血迷った事を言ってしまったのは。あのおっぱいは占い能力よりも危険だ。この私を堕落させるとは、きっとあのおっぱいは悪魔に取り付かれているに違いない。去れ!マーラよ!
何を下らない事を考えているんだ私は。戒めるため軽く頭を振る。
(分かる。分かるよ、くりっち!あの巨乳は反則だもん)
[全く理解出来ないな。馬鹿なのか?]
くそっ、ほんの少し前に聞かなかった事にするとか言ってただろうが。だがしかし斉木楠雄、彼の方が正しいため言い返せないのが悔しい。さっさと作戦を始めろよ、馬鹿。
「あっ!早速誰か…って斉木君だ♥」
「ピンク髪でS.K…確率爆高じゃん!やっぱアイツが運命の相手!?」
それはどうだろうな。
「…………どう?オーラ見える?」ゴゴゴ
「ダメ……でした…よ?」
「よかったー!ところでなんで敬語?」
また視えたぞ、どす黒オーラ。
視えなくて当然だ。彼は行ってしまったが私がいる。相トのオーラを視る能力がまだ使えないのは当然だ。……………………………………………………おい。
[ちょっと待て、まさかそのまま帰ろうとしてないか?見えない位置まで行ったら戻って来て一緒に見張るんじゃなかったのか!?]
[聞いてたのか?女子同士が抱きついてるところを涎を垂らして見ていたから僕の話なんて聞いていないものだと…]
[垂らしてないし聞いていた。ふざけるな]
[どっちにしろ見張りなんて一人いれば充分だろ。僕は家に帰ってコーヒーゼリーを食べる。しっかり見張ってろよ]
馬鹿野郎ーっ!!お前、何を言っている!?ふざけるなーっ!!
テレパシーでしか基本的にしゃべらないという自分ルールを破って叫びたい気分だ、くそっ!
{数時間経過}
「…もう誰も通らないね。まだ見えない?」
「視えねーわ、まったくな~」
相トは完全にだれている。おい、足を開いて座るな。見えるぞ、まったく、なんでそんなスカート短いんだ校則違反じゃないのか。………私のせいだったなそういえば。
無駄な時間を過ごしたな。何か起こるはずないのに何かが起こるの待つ時間ほど無駄な時間はない。どうせもう誰ももう来ないと分かっただろ。私は先に帰るぞ。
スッ
「あ、くりっち帰るの?」
「こんな時間まで付き合わせてマジメンゴな?今度なんか奢るわ~」
すたすた ガチャ バタン
瞬間移動で家に帰ってコーヒーゼリーを…いや長い時間座っていたせいか……腹が、減った。先に晩御飯だな。
シュン
「んーじゃアタシ達も帰ろ………視えたー!!」
「えぇ!今ぁ!?…でも誰も通ってないよ?」
「やっぱでけーオーラって考えが間違ってんのか?いい線いってんと思ったんだけど。…うん?」
「?。どうしたの?私の顔見て。あーそうか、私のオーラ視てるんでしょ!どおどお?私のオーラ!」
「えっと、オーラはハート型で別におかしくはないんだけど、オーラと一緒に視えてるもんがヤバイっつーか………アンタ、死相出てるんですけど」
「死相?……………えぇ!?死相!?ちょっ、ちょっと待って落ち着かせて!」
ヨロヨロ
「ふぅ。なんでもいいから物に寄り添うと落ち着くんだよね。で、でも死相なんていってもすぐ死んじゃうわけじゃなーーーー」バキッ「えっ?」
フワッ
「うわああぁぁ!!」ガシッ「はあ、はあ、足掴めた…まじファインプレー…。ってちよぴっび!大丈夫!?」
「………」白目
「なに?気絶してんの!?…やばい、まじでやばいって!!どうすりゃーーーーあ、ああ??」
(え、えぇ?どうなってんの?アタシなんでさっきまでいたところに立ってんの?そんなことより柵が壊れて屋上から落ちそうになってたちよぴっびが、なんで目の前で立ったまま気絶してんの?ついでに柵もなんともないし…)
ふらっ
(あ、)
ヒュン! スッ
[おい、僕が手を貸す前に目の前で倒れそうな人がいたら支えてやれ。……なんか格言みたいに言ってしまったな…]
「え、は?……はあ??斉木楠雄??もうさっきから意味分かんないんだけど!ちょっ、ほんと混乱してんだけど。アンタ何したか答えろよ!!」
[別に。瞬間移動してこっちに来ただけだ]
[瞬間移動って何!?それもだけどさっきの変な現象?もアンタなの!?]
ヒュン!
[いやそれは私。モグモグ。時を十五秒戻しモグモグ]
「サイキっちゃん!?サイキっちゃんも急に現れ…つーかなに片手に茶碗持ってメシ食ってんの!?ついさっき帰ったばっか…いやもうアンタ達なんなの!?」
[別に。ただの超能力者の兄妹だ]
[そういうこゴックン]
完食した。アポートで食器を家に返しておこう。
それにしても死相か…。そのなものまで視えるとは相トの能力はやはり侮れないな。私には予知夢があるがあれは狙って見ることの出来ない欠陥能力だからな。今のように命に関わる事故が起きても私の計一分時戻しなら対処が出来るが、死相のようなものが分かれば早く対処出来るだろう。早ければ早いほど計一分をあまり消費しなくて済む。
「つーかずっとアンタら口動いてないんだけど…超能力?ありえないって…」
[テレパシーで脳に直接話してるんだ。私がな]
「いやスゲーけどそれよりサイキっちゃんそんな話し方だったんだ…。大人しい娘だと思ってたわー…ショッキングなんですけど…」
大人しい…か。しゃべらないだけで大人しい性格と判断するのは早い。内心でどう思っているかなんて人それぞれだからな。動物もしゃべらないが結構ヘビーな考えを持ってるやつもいるからな、それに似ている。
「いやいやいやでも手品とかでしょ?超能力だっていうなら証拠は!?」
[そうか…手品といえば騙せたか…]
[いやもう無理だろ]
[それもそうか。いいぞ証拠だな、私が見せてやるよ]
そう言ってから手にアポートでスプーンを取り寄せる。
「なに?スプーン曲げでもすんの?そんな手品の代表見せられてもーーーー」
私は手にしたスプーンを握りしめる。
ドジュゥウ
「は?」
手を開いて見せるとそこにはパチンコ玉のような塊がある。
[スプーンに熱を加えた。信じられないなら触ってみるか?触れると燃える温度だからオススメしないが]
[前にも言ったが僕達は目立ちたくないんだ。写真をとってネットにあげるなんて馬鹿な事はやめろ]
相トはスマホを取り出そうとしてやめた。やれやれ。
[おい、これ直しておけ]ポイッ
[自分でやっておいて僕を頼るな。ちっ仕方ないか、このままだとカレーが食べられなくなるからな]パシッ
ギュン!
「!。戻った…。わーったよ、超能力者って認めるし、超能力はショナイね。……んーっ、そのかわりーっつうか、頼みがあんだけど」
[分かっている。夢原さんの事だろ。その為に私は食事中にも関わらずここに来たんだ]
そう言って彼に支えられたままの気絶中の夢原さんを見る。超能力者にかかれば死相もただの思い過ごしになるだろう。
{続く}
書き終わるつもりだったんですが区切ります。すみません。